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桂林熱線(随感随筆)――――――― by nikoさん
| ☆ 桂林からお酢が消えた?! ――――――――――― 2003/02/17
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┃先┃週の初め、私の耳に変な噂が流れて参りました。
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今、桂林市内全域でお酢、特に“白醋”“醋精”(濃縮酢)が飛ぶように売れて
いる。
中には、一人で20ケースも30ケースも買っていく人がいる。
おかげで、市内の小売店はおろか、中継ぎの代理商にも在庫が全部無くなって
しまった。
云々、というものでした。
その時は『正月明けの料理で何か酢を使う料理があったっけ??』と、
気にもしなかったのですが・・・・。
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┃さ┃て、あくる日は久しぶりのお休み、
┗━┛朝から朝寝を決め込んでおりますと、
リビングに置いてある電話がけたたましくなりました。
ルルルルルルルル・・・・・・・
な〜んだよ!!朝早くから電話してくるやつは・・・・、ブツブツ・・・・。
電話は、遥か彼方の香港からでございました。
『昨日の夜の(香港の)テレビニュースで、广州、深[土川](しんせん)で風邪が
流行って何人か死んだ、と言ってたけど、お前んとこは大丈夫か?』
と、心配そうな声でございました。
『いや大丈夫、何にもないよー!こっちはいたって元気だよ!じゃーねえ!!
またねー!!』
すぐさまベッドに飛び込んだ!nikoさんでございました。
ところが、
再び浅い眠りについたnikoさんをたたき起こす二番目の電話が・・・・
ったく!!、今度はだれだよぉぉぉ!!
電話は娘の同学(同級生)の[女乃]々=おばあちゃん)から。
正月の挨拶もそこそこに、[女乃]々が始めたお話は・・・・・・・・。
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┃い┃ま广州で悪質の風邪(インフルエンザ?)が流行っていて、
┗━┛何人か死んだ。
その風邪がどうも桂林まで来たみたいだから、ここしばらくは家から出ないほ
うがいい。
特に、人が集まるレストランなんかで外食するのは、絶対止めてちょうだい。
それと、風邪の防止には“板藍根”という漢方薬を、毎日朝昼晩と三回飲むこ
と、
それから、部屋の空気の消毒に“白醋”を水に薄めて加熱して、蒸発させると
いいから、
今日からすぐ初めて..云々、
というものでした。
[女乃]々の口調が、いつもと違って切羽詰っておりましたので、
もうこりゃ寝ちゃおれん。
今度は、私のほうから積極的に情報を集めてみました。
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┃先┃ず判明したのは、[女乃]々が言った“板藍根”も“白醋”も、
┗━┛桂林市内から全て消えちゃって、何処にもない!
情報筋によると、
先ず、いま广州あたりで流行っているのは、風邪やインフルエンザなどといっ
た生易しいものではない。
急性で悪性の、原因不明の肺炎で、少なくとももう何人か死んだ、というもの
でした。
そして、广州でこの肺炎に“板藍根”という薬が効く、又“白醋”に殺菌作用
があり病気の予防に良い。
といったようなうわさが流れたことから、広州市内では“板藍根”と“白醋”
の価格が高騰した。
それに目をつけた桂林のはしっこい(機転の利く)連中が、
桂林市内で買い占めて、广州まで運んで行ってボロ儲けしてる。
だいたい、こういう連中は、どういうルートで情報が入るのか知らないが、
先々週、春節の頃から動き回っていたというから摩訶不思議??
知ったかぶりのA君に言わせると、
『僕のおじさんは、もう春節の終わり頃には知ってた。』
えっらそー!!<(`^´)>
おじさんは、桂林と柳州を結ぶ高速道路沿いに、小さな雑貨店をやってるらし
いんだけど、广州のお友達から、
『“白醋”を今のうちにしこたま仕込んどけ。絶対売れるから!』
とヒミツ情報をもらったらしい。
その時は、理由を言ってくれなかったそうだけど、
事が大きくなる一週間くらい前の話..だというからややこしい。
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┃な┃んせ情報では、普段は1本2元くらいの“白醋”が、广州まで運べば、
┗━┛末端価格100元になるというんだから、それはもう、みんな必死で
買いに走るわけですよ。
この行動力とバイタリティーは、大阪商人も真っ青ですな。
それだけみんなが派手に動き回るワケだから、市内で目立たないわけがない。
噂を聞きつけた一般市民も、自家防衛のために同じように買いに走り回る。
その朝、電話をくれた[女乃]々もこの一人でしょう。
まるで、何十年か前の日本のオイルショックで、店頭からトイレットペーパー
が消えたのと同じ仕組みでございます。
ちなみに、ある超市(スーパーマーケット)の仕入れ担当者によると、
華南地区ではもう入手不可能なので、上海まで連絡を取ったが、上海の卸売り
業者にも在庫が無い。
その卸売り業者によると、産直で華南地区、特に广州へ工場から直接出荷して
しまったので手持在庫が全然ない。
そいで又運の悪いことに、春節のため工場の人間が休みに入っていて、生産が
間に合わない。
こりゃ、全国的騒ぎだわい。
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┃さ┃て、これで市内からお酢が消えた..理由はわかった。
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ところが問題は、この肺炎が桂林に来たのかどうか。
これが肝心でございます。
とにかく[女乃]々は、もう桂林まで来た。
と言っておりましたので、こっちもウカウカしておれません。
こうなったら、その道のプロに聞くしかない。
ここで例の、娘の同学のママにご登場願ったのであります。
このお方は、市の総合病院で、医師を務めておられます。
しかも、ママのお父上は伝染病専門のプロ中のプロ、何も知らない筈が無い。
早速電話してみますと、件のママ、何も聞かずに開口一番。
『あんた怖いの?』
何もかもお見通しでございます。
『そりゃ怖いに決まってるジャン!ところでホントのとこどうなの??』
ということで、ママから聞き出したことでございますが。
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┃先┃ず、肺炎というのは間違いない。
┗━┛しかも桂林でも既に発病者が出てる。ギョッ!
但し、あんたはそんなに心配することはない。
ホッ!!
人ごみに、わざわざ出かけない限り大丈夫。
ソリャー無理だって!!
『あんたより怖いのはあたしのほうだよ!』
イキナリ泣きが入りました。
『なんたって、广州で罹患してる患者の三分の一が病院の関係者、しかも死人
まで出てる!
あたしゃ、こんな肺炎は聴いたことがないよ!』
どうも、病院の院内感染で病気が拡がっているらしい。
しかも、被害にあっているのは、当のお医者さん。
お医者さんも大変でございます。
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┃そ┃いで、广州の状況なんですが、
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この時点で罹患者三百人、そのうちの百人が病院関係者、
もうすでにお亡くなりになったお方が5人おられる。
・・・・・・・お気の毒さまでございます。
そして、同学のママの言うことには、
『こりゃ、ただの肺炎じゃないね。発病が急すぎるし、
普通の肺炎なら、こんなに院内感染が強烈なわけがない。』
しかも、
『板藍根もお酢も効きゃしないよ、気休めだね。』
オイオイ!おいおい!
じゃあー、一体、どうすればいいんだよ〜!!
『ゆっくり休んで、体力を蓄えておくのが一番!
もしどうしても怖けりゃ日本に一時帰国しとくんだね。
それが一番安全だよ!!』
あらまー!
じゃあー、そろそろ幼稚園が始まるけど、幼稚園はどうするー?
『そんなとこ行かせないよ!当分騒ぎが収まるまで自宅待機だね!!』
うちの娘でございますが、先月末からのお正月休みに何処にも連れて行かず、
その上、幼稚園が始まってもお休みさせて家に閉じ込めといたら、、
自閉症になっちゃうよー!
ということで、急遽香港へ避難させることにいたしました。
ただし、この話しを件のママにいたしますと、
『あんた、香港のほうが桂林より危ないよ!』
ゲッ!
『地図で見りゃー国境らしいもんを引いてあって安全そうだけど、
国境を閉鎖しない限りダメ!
人間が行き来してる限りは、香港も危険範囲だね!!』
・・だそうでございます。
正月早々、なんてこったい!
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┃こ┃の騒ぎが、ただの空騒ぎであることを切に切に願っておる、
┗━┛nikoさんでございます。
遠目で見る限りは、
广州の騒ぎはただの集団ヒステリーにしか見えないんだけどなあ・・・・?!
それに、同学のママも過剰反応じゃないのかなあ?!
大山鳴動ねずみ一匹になることを、更に祈っておるnikoさんでございます。
ナンマンダブ!ナンマンダブ!・・・・・・・・・・
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(あとがき)
昨夜、桂林のローカルテレビ局が、この問題で特別ニュースを流しました。
現場は桂林市内にある長途汽車站。
汽車総站(両方ともバスターミナル)で、構内全体と、桂林市に出入りするバス
全体を消毒し、消毒済みのステッカーを貼っている様子が流されました。
その時のコメントの主旨は、
『我々は水際で“ぜ〜んぶ”せき止めております。
市民のみなさまは安心してちょうだい』
というものでございました。
又、市内の薬局や、雑貨店をお役人様が立ち入り検査し、
異常に高騰した“板藍根”と“白醋”も正常価格に戻すよう指示し、
完全に、違法に暴利を取ったと思われる小売商は、しかるべき法に則って処罰
する!
といきまいておりました。
画面を見ますと、ビニール袋に入った“白醋”が大写しにされておりまして、
一体誰が、ドコで仕込んだものやら、
全く商魂タクマシイお方がおいででございます。
最後に
『广州で拡がった悪性の肺炎は、桂林市では“ぜ〜ったい”発生しておりませ
ん!市民のみなさまは安心してちょうだい。』
と、事態の沈静化に必死でございました。
果たして、桂林で発病したのか?しなかったのか?
いまでは藪の中でございますが、
これで桂林市内は事態の沈静化に向かうことは確実でしょう。
後は自己責任で健康管理、無用に人ごみの中に長居しない、
外から帰ったら、手を洗ってうがいをしましょう。
わたしもここらで
『ひとやすみ!ひとやすみ!』・・・・・ポクポク、ポクポク
って、
一休さん覚えてます?
= この稿おわり =
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◇
この記事に関係する情報「なぞの肺炎の情報」を、読者のたろおじさんから
頂きました。 長い投稿なので、別のページにまとめてあります。
是非、ご覧下さい。
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┃┃ 読後感アンケート結果。
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◇ 面白かった (^○^) -------------------------------- 26人 (100%)
◇ ふつう (゜.゜) -------------------------------- 0人 ( 0%)
◇ ツマラナかった(-_-) -------------------------------- 0人 ( 0%)
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┃┃ コメントボードに頂きました感想。
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┌──────────「浮雲さん」
日本でもインフルエンザで話題になっていましたが、桂林の方は随分深刻な
様相ですね。
この話を聞くと石油危機のときのトイレットペーパー騒動を思い出します。
情報の錯綜により右往左往するのは、日本人も中国人も同じようですね。
冷や汗もんのお話の代りに、桂林のゴルフ事情を教えて貰えませんか。
オネガイ!(暇な時で良いですよ)。
悪性の肺炎にご留意を。
└──────────
▼
┌──────────「nikoさんから」
「悪性の肺炎にご留意を。」
今日の本文で、(えっ!、誰も心配してないって?)というふうに
ひがんでおりましたが、ここにお一人おいでになり感激の極みでございます。
いやあ、気にして頂いておありがとうございます。
おかげさまで風邪もひかず、頑張っております。
「何とかは風邪をひかん。」
と言う古人のいわれは、ほんとのようでありますなあ!
さて、
ご依頼頂いた桂林のゴルフ場のご案内は、次回の月曜日にさせてちょうだい。
ちょっとした行き違いから、今週号には間に合わなかったのよ。
とりあえず、桂林にはゴルフ場が三箇所あります。
でも、実は私はゴルフが出来ないもんで、体験談じゃなくて聞きかじりの現地
情報みたくなるけど、その点はご了解ください。
└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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