☆ 一歩一歩改良を積上げれば ――――――――――― 2008/03/03
by 老玩童 OJIN
ほ〜らほら、ホントに日本人の地道に一歩一歩コツコツと改良していく成果が
時間はかかっても、こういう素晴らしい結果に実を結んでいってるんですね〜
┌──────────「林業と鉱山の再生」
尾鷲[おわせ]ヒノキで有名な、速水林業の作業方法に日本林業再生のカギが隠
されている。また、不要な間伐材の利用方法も多様化してきた。
その中で重要なカギが、木材への加圧注入処理である。――――この処理をす
ると、木材の耐久性、防腐性、防蟻性が高まり、プラスチックと同程度の性能
を持つことになり橋などに間伐材がそのまま使えることになる。
日本の林業とその木材が、脱石油戦略、温暖化対策には必要な日本の宝になる
日が近い。
速水林業の黒字経営の秘密は、良木の生産、作業の合理化、そして産直販売。
戦後の量産の時代に、量より質を求めて間伐を徹底し良木を育ててきた。速水
林業の育成林地域を見ると、下草が生えて太陽が地面に差込み、低い広葉樹も
あるという環境になり、昆虫や小動物たちも生息できる、生態系にもやさしい
ことが特徴である。
普通の林業地域を見ると、木の下に太陽の光が差さない暗い林が多い。このた
め動物もいない。
これができるのは、1年1メートル=ワンイヤー・ワンメーター)の高成長を
示すスーパー苗木の植栽が重要であり、これが下草より先に成長するので下刈
りが不要になっているという。
そして、作業も1人で何でもこなすなど効率化、そして機械の導入による省力
化といった合理化を進めてきた。ここへきてユーロ高による輸入材の価格上昇
で、スギは最も安い木材の一つになった。
高価だといわれたヒノキでさえ、耐久性や強度などの性能を考えると、十分に
安価な建築材料になってきている。
今が日本林業を立て直すチャンスである。そして、ここに林野庁の補助政策も
あり、各地で山側と流通加工が一体化した大型製材工場が作られている。そこ
に山から安定的に木材を供給し、伐採、搬出、加工、流通と、トータルでコス
トを下げていこうとする動きが全国各地で始まっている。
それが本格的になるには、今までのように、部分的に生産性を上げるのではな
く、例えば木材乾燥には廃材などのバイオマス燃料を使用し、発電まで考える
など、木材を全て使い切る利用方法が前提となる。また、製材業だけでなく、
様々な森林産業、木材産業の産業集積が重要だ。
温暖化対策の補助もあって、海外では、林業はファンドの投資対象として組み
込まれるほど有望な産業である。日本も、温暖化ガスの削減目標6%のうち、
森林吸収分3・9%の確保のためにも林業振興は重要なことになっている。
石油資源の高騰により、今後益々重要な産業になっていくことは間違いない。
トヨタも、排出権取引を視野に、日本林業地域の買収と林業経営に乗り出すよ
うだ。企業経営としての面から、計画性や科学性を日本林業に持ち込むことを
期待したい。
もう1つ、
日本には振興すべき鉱山がたくさんある。
日本は火山国であり、マグマや地下から温水などが出ている。このため、レア
メタルが日本にはあり、戦前までは各所に鉱山があった。それを鉱物資源の価
格が下落して採算が取れずに閉山したのだ。
この閉山した鉱山を復活することが、ここ数年の鉱物資源価格の高騰で可能に
なっている。政府も資源不足対策として、日本の資源開発に積極的になるよう
な施策を打つ必要が出てきたと感じる。
都市鉱山の開発も必要である。
リサイクルの循環が確立すると、日本は今までに多くの鉱物を使って日本国内
に製品としてばら撒いている。鉱山の原石より、製品の中に含まれる鉱物資源
の割合のほうが多い。
この2つの施策を打てば、日本に石油危機や資源危機という事態は起きない。
もし危機が起きるとすると、危機管理不足、準備不足から起きるのである。
すでに、日本の原子力発電設備は世界一であり、その電力供給と資源の利用で
日本は生き延びることができる。後はそれを行うかどうかである。日本の未来
は明るい。
└──────────「メルマガ国際戦略コラムより引用」
鉱産物の分野で、
「閉山した鉱山を復活することが、ここ数年の鉱物資源価格の高騰で可能に」
石油資源があと30年で枯渇するとかいわれたのは確か、30数年前だったで
しょうか? しかし、今でも全然枯渇などしておりません――――。
1973年10月の第一次オイルショック以前の原油価格は約3ドル/バレル
で、この値段で採掘可能な場所は非常に限られた条件のいいところだけでした
から「あと30年で枯渇する」と計算されたのでしょうが、
しかし第一次オイルショック・第ニ次オイルショックを経て、現在は100ド
ル/バレルのあたりを上下する価格になっています。実に30数倍の価格高騰
!?
ここまで高くならない段階でも‥もう寿命は尽きたようですが‥イギリス沖の
北海油田のような3ドル/バレルではとても採算が合わないような条件のとこ
ろでも採掘可能になり、
さらに、これから200ドル/バレルの時代になったらどうでしょうか?1千
メートルでも2千メートルの海底油田でも採算が合うようになるのではないで
しょうか。
ーーー食料も同じだと思います。
日本の食料自給率向上のために何度も提起記事を掲載してきましたし産経新聞
が開設している「せいろん談話室」に投稿したりして賛論・反論を求めてきま
したが、
どうも食料品の価格が(おそらく)10倍20倍30倍になるという状況に思い
をいたして頂けないようで、現状からの判断に拠るご意見しか頂くことができ
ませんでした。
石油の価格が上がってきたのは需給だけの原因によるものではありませんが、
しかし人間が生きていく上では、食べ物は石油よりも必要不可欠で重要なもの
です。
――――地球の人口は毎年8千万人ずつ増え続けています。
そして、
――――世界的に農業従事者の数は減少しています。
┌--------「06年1月25日9時59分 毎日新聞【ダボス(スイス)澤田克己】」
〈世界雇用情勢〉サービス業が農業を上回る ILO報告
国際労働機関(ILO)は25日、世界の雇用情勢に関する年次報告書を公表し
た。
報告によると、サービス産業の就労者数が、昨年末に初めて農業を上回った。
昨年末の世界の就労人口に占める産業別割合は、
◇サービス業40% ◇農業38.7% ◇工業21.3%。
10年前にあたる96年には、
◇サービス業35.5% ◇農業43.1% だった。
途上国では依然として農業のほうが多いものの、東アジア(日本を除く)と東南
アジア・太平洋地域では、昨年末、農業がそれぞれ48.3%、47%と半数
以下となった。
└--------
さらに、
現在は食料輸出国として買え買えと圧力をかけているアメリカにしたところで
┌--------
05年2億9600万人だった人口は、現在のペースで増え続ければ、50年
には4億3800万人に到達。増加する約1億4200万人の8割余りは新た
な移民とその子孫。
└--------
という状況では、いつまで食料輸出国であり続けられるのか分かりませんし、
中国なんかはもう既に食料輸入国です。
去年中国で日本のお米を初めて販売しましたが、そのときの値段は
┌--------
新潟産コシヒカリ :2970円/2kg
宮城産ひとめぼれ :2820円/2kg
中国産米現地店頭価格水準: 64円/2kg
:〜320円/2kg
└--------
中国の最高級のお米の値段の「たった10倍程度」でした。
10倍というと日本人なら驚かれるかもしれませんが、ーーー今年の春節前後
の大雪の影響と、春節期の物価上昇のダブルパンチで、物にもよりますが食品
価格は3倍5倍10倍になりました。
物の値段なんて、需給状況で直ぐにでも高騰します。
日本の食料自給率が100%以上であるならば外国の需給状況による価格変動
なんて関係ありませんが、今はそういう時代じゃなく、世界中と緊密に連動し
ている時代です。
そして、
では日本の食料自給率の内訳はどうなっているのか?と品目別に眺めてみると
┌────────── 農水省「平成18年度食料需給表(概算値)」
―― 穀類(米、小麦、トウモロコシなど)自給率26.9%(国産÷消費量)
国産 960万2000トン
輸入 2685万6000トン
消費量 3572万3000トン(飼料用を含む)
米はほとんど自給だが、小麦・大麦は自給率11.7%
国産 99万8000トン
輸入 761万7000トン
消費量 853万1000トン
トウモロコシ(乾燥粒状のもの)は自給率ゼロ。
―― イモ類(サツマイモ、ジャガイモ)自給率79.9%
国産 363万2000トン
輸入 91万9000トン
消費量 454万9000トン
―― 豆類(大豆など)自給率41.6%
国産 33万2000トン
輸入 437万7000トン
消費量 479万2000トン
日本食に欠かせない味噌、醤油、納豆などは大半が輸入物を原料にしている。
―― 野菜自給率79.3%
国産 1236万3000トン
輸入 324万6000トン
消費量 1560万トンで
―― 果実(りんご、ミカンなど)
みかんの輸入量はごく僅かだが、
りんごは自給率55.8%
国産 83万2000トン
輸入 77万6000トン
消費量 149万トン
―― 肉類(牛、豚、鶏肉など)自給率55.8%
国産 309万5000トン
輸入 241万6000トン
消費量 555万トン
牛肉は輸入が国産を上回っているが、豚肉は国産と同じほど輸入されている。
飼料はほとんどが輸入されているようだから、それを考慮すると自給率は極端
に下がると思われる。
―― 牛乳および乳製品
飲用向けはすべて国産。チーズ、バターなどの乳製品向けには国産とほぼ同量
が輸入されている。
―― 魚介類自給率51.6%
国産 506万7000トン
輸入 571万1000トン
消費量 982万トン
豊かな海に囲まれているのに半分は輸入に頼っている。
└──────────
米・イモ類・野菜・果物・牛乳は、まあまあそこそこの水準でOKのようです
が、小麦・大麦・トウモロコシは酷いものでございます。そして豆類・肉類・
魚介類はほぼ半分が輸入品――――。
やはり日本の農地は狭いですから、小麦・大麦・トウモロコシ・豆類なんかは
効率=価格的にどうにもならない結果でこうなるんでしょうか。しかし魚介類
を半分も輸入しているというのは、海に囲まれている日本としてはどうなんで
しょうか?ーーー養殖技術の改良や捕鯨問題をなんとかすれば、このへんも何
とかなりそうでございます。
で、現在食料を輸入している主な国は、
穀 類:米国・カナダ・ブラジル・豪州・中国
肉 類:米国・豪州・ニュージーランド・カナダ・ブラジル・中国
野菜類:中国
ということだそうですから、野菜はまあ問題ないとして、小麦・大麦・トウモ
ロコシ・豆類・肉類などは、例え価格が割高になったとしてもとりあえず輸入
相手国を増やして分散し、食料の安全保障を確保しながら、増産へ向けた次の
手を打っていくようにすればいいんじゃないでしょうか。
しかし、
そういう統計なんてないんでしょうけれど、無駄に食べ残したり賞味期限切れ
なんかで棄てている食料をなくすようにすれば、自給率なんてたちまち5%以
上アップするんじゃないのかな?ーーーと感じるんですけれど、皆さんはいか
がお考えになりますでしょうか?
= おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
この記事は、メールマガジン「縄文塾通信」2008年3月15日発行第296号に、転載して頂きました。とても真面目で面白い、素晴らしい
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┌──────────「縄文塾通信中村忠之主幹のコメント」
「今年は明るく明るく〜」と宣言?しながら「有言不実行、看板に偽りあり」を余儀なくされてきたことの穴埋めではない
が、フレンドリー・メルマガに取り上げて下さった≪WEB 熱線≫≡アジアの街角から≡より、「心が元気になる話」をピンチ
ヒッターとして登場いただいた。
『伐って燃やせば森は生きる』『森を守れが森を殺す』など、過激な題名の本で知られる田中淳夫さんは「すでに日本の木材
価格は国際水準になっているのに、流通・品揃え・品質管理などが大いに遅れている現状を指摘している。だが、ここでの事例
はそうした課題をクリアしてるようだ。
考えようでは、今までは資源の温存という見方もでき、これからの的確な取り組みが大いに待たれるところだ。鉱山問題・廃棄
製品からの再資源化、日本の持つ技術と英知の出番とみたい。
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┃ ┃ 読後アンケートの結果
┗━┛ ◇ これならなんとかなりそうじゃないか!? -------------- 29人 (94%)
◇ そんなに食糧の心配をすることないでしょ -------------- 0人 ( 0%)
◇ その他‥‥ ------------------------------------------ 2人 ( 6%)
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┃ ┃ 縄文塾通信読者よりのご意見
┗━┛ ┌──────────「佐藤洋一郎先生」(縄文塾通信投稿より)
さて、今回は OJIN さんの「一歩一歩改良を積上げれば」に共感してこれを書
きます。
今の日本は、平和ボケの言葉のとおり、情報洪水のさなかにありながら、情報
砂漠のさなかにあります。食料の問題が大問題になることがこれほど言われな
がら、政策には何らそれが反映されていません。
食の輸入がいかに危うい状況にあるかは OJIN さんの仰るとおりですし、私が
さらに問題と思うのは、食料の自給をいいながら、過疎の問題、国内農業をめ
ぐる問題に、ちゃんとした議論が行われていないことです。
客観的には今の日本は、国外から膨大な量の食料を輸入し=つまり他国の水資
源を使い)、その少なくない部分を「消費(賞味)期限切れ」という、あまり根
拠のない理由で捨て、あるいは家畜の餌にし、
それでいて自国の田畑は荒れるに任せ、さらには多くの国民が「メタボリック
シンドローム」なる語に踊らされてダイエットに興じるという、とんでもない
ことをやっているのです。
経済の専門家の中には、日本の農産物に国際競争力をつけようと、馬鹿みたい
に高い食料品を作って輸出することを勧める方もおられますが私は反対です。
「環境」をいうなら、「国益」をいうなら、食のマイレージ=生産者から消費
者に渡るまでの距離と使用エネルギー)を下げ、多少のことがあっても日本人
が飢えなくするしっかりした自給基盤、を作ることが先決なのではないでしょ
うか。
それは決して不可能ではないと思います。
稲の起源の研究などを通じて、私は、人類の集団は過去に謂われていたよりは
るかに頻繁に「崩壊」を経験してきたのではないかと思うようになりました。
「崩壊」は忌まわしきこととして、今まで歴史の記述などからも抹殺されてき
たケースが多いと思いますが、実際には崩壊は、もっと頻繁に起きているよう
です。
1200年の歴史と威張っている京都でさえも、少なくとも応仁の乱の時には
いったん崩壊しています。これからは、崩壊を経験し、そこから這い上がって
きた人々の歴史を研究することが、今の時代、とても重要なもではないかと思
うようになりました。
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佐藤洋一郎先生:京都大学農学部卒、静岡大学農学部助教授を経て、現在
総合地球環境学研究所教授。DNAによる「イネの歴史」の第一人者。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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