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┃ 李華さんのいま話、むかし話 ―――――― by ぽんずさん

☆ 李華さんの家−2 ――――――――――――――――― 2003/04/04

李華さんの家は、前回に触れたように、昔のスタイルの家だ。

四合院というのがその家のスタイルの名前だが、
四角い中庭を囲むように家が建っている。
以前はその四合院に一家族と使用人が暮していたが、
現在では数家族が長屋状態で住んでいる。

だから李華さん一家が住んでいる部屋は、
かつては一番よい部屋だったところだが、
面積からすると、四分の一にも満たない広さに住んでいるのだ。
簡単にいったら二部屋だけ。

台所は庭の片隅に小さな小屋があって、そこが台所。
これは後から建てたもの。風呂場もないし、トイレもない。
風呂は公衆浴場に行き、トイレは横町の公衆トイレを使う。

李華さんに言わせると
「ひとつの四合院に数家族が住むようになってから、水道は足りない、
 トイレにする場所もないということで随分生活スタイルが変ったの」
だそうだ。

以前は、入口に近いひとつの部屋が台所で、水道が引かれていたのに、
数家族が住むようになってから、庭に共同の蛇口がつけられて、
そこから水をとるようになったという。
その後、それぞれの台所に水道管をひいたという。

トイレは、ひとつの小さな部屋が汲み取り式のトイレになっていて、
毎日、回収する人がきていたけれど、
人数が多くなったらそれでは追いつかないので、
横町のあちこちに公衆トイレが出来たのだという。

そして彼女の話から推測すると、文化大革命の前までは、
共産中国の建国前とあまりかわらない生活を送っていたようだ。
変ってしまったのは、文化大革命期に軍隊に入り、帰って来てかららしい。
彼女の言葉には、「軍隊から帰ってきた後」という言葉がよく出て来る。

軍隊から帰ってきてみたら、家には他の人達が住んでいたのだそうだ。
それからいろいろな手続きを踏んで、ようやく二部屋だけ自分たちの住居用に
取り戻したものの、手を加えないと住めないほどに荒らされてしまっていたと
いう。

彼女は現在、そんな家に住んでいる。
李華さんも、大学生の娘さんも、
不便だけれど、その生活が気に入っているといっている。

「天井が高くて、夏は涼しいし。
冬は寒いけれど、簡易のスチームを暖房にしたし。」
そして何より、彼女のおばあさんやご両親の思い出がたくさん詰まった家だ。

北京の都市改革が進むにつれ、取り壊しの話しがとり沙汰されている。
昨年も、年末までに引っ越さなければいけないかもしれない、と言っていた。

「結局、何もなかったわ。崇文区は人口は多いけど貧しいのね。
 それで、お金がなくなったから取り壊しが先延ばしになったって噂が立って
 いるの。」

彼女は今、新しい家を探しながら古い家に住んでいる。
住める間は、そこに住みたいといっている。

                           = つづく =
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┃┃コメントボードに頂きました感想。
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┌--------「たろおじさん」

ぽんずさん、李華さんのいま話、むかし話とても、面白かった。
こうしたことを知り合うことが、ほんとの交流だと思います。

日本の昔話に相当するような話もこちらから出て、お互いに自然にひととなり
に相当するような、理解というか共感しあえるようになることが望ましいです
ね。これからのお話に期待してます。

ぽんずさん、ありがとう。
李華さんへもよろしく。

└--------
 
┌--------「ぽんずさんから謝謝」

ありがとうございます。
地道な交流と言うか、相互理解が出来れば良いなぁと私も思っています。

これからもよろしくお願いします。

└--------
┌--------「ガオチョウさん」

以前から四合院には興味があり(NHKTV中国語会話で以前に「四合院的日子」
と言うドラマを見てから)そこではどんな風に…北京を訪れた時など行って
見たかったがいつも時間が無くて周りを車で通るくらいでしたが、こうして
話が読めるというのは有り難い。今後も是非!

└--------
 
┌--------「ぽんずさんから謝謝」

外から見ることは出来ても、中にはなかなか入れないですよね。
李華さんのご好意で、四合院を見たいという友達をつれて
時々お邪魔させてもらっています。
お宅にお邪魔したときに聞かせてもらう話、
そして我が家に来てくれているときに聞かせてもらう話で、
生活の様子がよくわかります。

中の生活の様子、そして横町(胡同)の様子も、
これからご紹介できればと思います。

└--------
┌--------「yoneさん」

思い出のたくさんつまったお家を離れるのは辛いことですよね。
私も自分の生まれ育った家は、もう取り壊されてしまいましたが
夢によく出てきます。
それにしても「不便だけど現在の生活が気に入っている」と言える
李華さん親子、素敵です。
李華さん、いいお家が見つかりますように・・・!

└--------
 
┌--------「ぽんずさんから謝謝」

ありがとうございます。

家ばかりではなく、町並みも皆消えてしまうのが本当につらいですね。
開発の手は、歩いて数分のところにまで来ています。もう時間の問題……。
彼女の様子を見ていて、こちらもつらくなります。
本当に、よい家が見つかると良いなぁ……と私も思っています。

└--------
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
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 ぽんずさんの「北京に暮らして」はこちら!
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