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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ ディワリ・ギフト…インド版菓子折り ―――――― 2009/10/23
中国の中秋節では、超高価な「月餅」=賄賂が話題になったが、形は変わって
もインドも同様である。泥臭い人間社会は何処の世界も同じ…。
インドの場合は「ディワリ・ギフト=ヒンズー教の新年のギフト交換」
今年は10月17日である。17日以前にディワリ・ギフトが「グリーティン
グカード」に添えて贈られる。慣習として贈り物はナッツ類が多い。ピーナッ
ツ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタッチオ、レーズン、ナツメヤシ、最
近はチョコレートなどの甘菓子も増えてきている。
ぎっしりと箱に詰め、キンキラキンの包装紙に派手に包まれ送られてくる。
値段は一箱200〜300ルピー≒400〜600円)程度が普通で、一家族
が数十家族に贈る事もざらである。お蔭でこのシーズンには毎年アフリカ諸国
からナッツ類を緊急輸入する。
生活水準の向上はディワリ・ギフトにも変化をもたらしている。
最近は、ナッツ類以外にかなり高価な贈り物が増えている。見栄っ張りのイン
ド人は多い。島国根性の日本によく似ている。
元国会議員が現職国会議全員にディワリ・ギフトとしてウィスキーを贈って話
題になった。「ブラックドッグ」、日本人にはあまりポピュラーではないが、
インド以西の世界では知る人ぞ知るスコッチ12年物で、結構美味しいウィス
キーである。----但しインド・ボトリング=偽物も多い。
喜んで飲んでしまった議員も多いようだが、激怒したインド人もいる。激怒し
た現職国会議員P氏、マスコミに怒りをぶつけた。ウィスキーを送り返し、グ
リーティングカードの返事を書いて送った。
その返事の内容が報道され話題になった。P氏曰く、
┌--------
貴方のディワリ・ギフト=ウィスキーは、私のライフスタイルには全く無縁の
代物です。ウィスキーを貰い、喜んで飲んでしまった人もいるでしょう。です
が、国会と国会議員の尊厳と品位を認識して頂きたかった。
私自身=私の信条)を知らずにウィスキーを私に贈った貴方の(下品な)行為に
驚いております。
ウィスキーを贈られた人は、(何も考えずに受けとってしまえば)ウィスキーを
飲んでいるんだ、と世間に思われ、世間に冷笑される事になるでしょう。そん
な行為は、国会議員としてやるべきでない行為です。
昔、デリー州政府は、公衆の面前でアルコールを飲む事を禁止し、規則を破っ
た場合は5000ルピー≒10万円という高額な罰金を課す条例を検討した事
があります。貴方の非礼な行為はこれに当たるのでは、と思います。
ウィスキーを送り返します。部屋に置いていては、私が「ウィスキーを飲むの
か?」と、いらぬ質問をされる恐れがあり、煩わしいからです。
私の家には、昔から続いている家の文化、があります。酒は、無用な諍いと災
いを創り出すだけで、如何なる問題も解決しません。
└--------
なにを言いたいのか? インド人の言うことは哲学的で判りにくい事が多い。
P氏は、宗教的にアルコールを飲まない御仁なのでしょう。アルコールを飲ま
ないヒンズー教徒は多いが、アルコールを飲むヒンズー教徒も多い。アルコー
ルを飲まない人は、貰ったウィスキーを誰かにプレゼントするか、売ってしま
う者も多い。余り深く考える事もあるまい。
P氏のように激怒し、ウィスキーを返送、グリーティングカードに返事を書き
それをマスコミに公表するような人はインドでも稀有である。
現職国会議員として、ウィスキーの送り人が元国会議員だから公表したのかも
しれないが、余程腹が立ったのだろう。推測するに、「自分のことを全く知ら
ず、自分のライフスタイルを確かめようともせず、絶対に飲まないウィスキー
が送られてきた」ことに対し、プライドが傷つけられたと激怒したのだろう。
確かにアルコールを絶対に飲まない純粋なヒンズー教徒も多い。だが、「自分
を知らない=無視された」という思いは国会議員として極めて屈辱的な事だっ
たのではなかろうか。
いろいろなインド人がいるが、皆「プライド」を重視する。
アーリア=高貴の意、インド国の正式名はバラット。高貴・威厳・GREAT
・高いプライド…、それがDNAとして染込んでいる。正に‘インド根性’だ
ろう。屁理屈も多いがそれも‘インド根性’何が何でも自分を正当化しようと
する習性がある――――。
インド社会、ウィスキーを贈ったほうも、貰ったほうも罪にはならない。堂々
と「賄賂的なギフト」をやり取りするインド社会、「年間25000ルピー≒
5万円まではギフトを貰っても収入扱いされず課税されない」と法律に明文化
されている。
だが、実態を調べる事は殆どない。ギフトには領収書もない。公然と贈り物の
やり取りが行われている。それが汚職大国インドの実態である。
逆に、堂々とオープンにやっているので、陰鬱な暗さは全く感じられず、ユー
モラスでもある。悪い、などという感覚はない。インドのギフトは年々派手に
なってきているようだ。
----小生もギフトにジョニーウォーカー青ラベルを貰った経験がある。当然、
美味しく味わった覚えがある。何故貰ったか?など考えもしなかった。お返し
なども、全然、気にもしなかった。それが当たり前の文化・・・。
堂々と「ギフトのやり取り」がまかり通っている社会。
汚職社会というより、慣習として当たり前の社会、昔の日本企業のお中元・お
歳暮の習慣とよく似ている。中国の月餅と「似て非なる」慣習だが、ディワリ
・ギフトの品の変わり方は見ていて面白い。急速に変わっている。
堂々とオープンにやるところがインド的である。罪にはならない。そのうちに
は贈賄罪が論議されるだろうが、まだまだ先の事だろう。
日本・中国・インドのギフトと贈り方の違い=文化の違い=国民性の違い、
ーーー成長の度合いが良く判る。
= この稿おわり =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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