┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━┓ |
┃ ┃ ┃ ┃ |
![]()
インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
|
☆ インド虎絶滅の危機・生態系の変化が原因 ―――― 2009/09/04
インドの環境保護団体によれば、1997年の調査で3508頭いたインド虎
が2008年1月の調査では1411頭に激減した。2009年に入り、8ヶ
月で66頭の死亡が確認されている、との事。
計算上は1年で約100頭減少、今年も同じペースで減少している事になる。
全インド規模での現象である。
今年死亡が確認されたインド虎の死因は、23頭が密猟、残りの43頭の死因
は様々である。虎同士の争い、雌を巡っての争いで深手を負ったのだろう。
虎と人間との争い、老衰、事故、病気、洪水…、6月のサイクロンで虎の保護
区が水没し、かなりの数の虎が行方不明になったままである。
死因は様々であるが、一番気になるのは、餌となる動物が減少している事であ
る。原因は、一つは餌となる動物の密猟、そしてもう一つは生態系の変化によ
る餌となる動物の減少である。
餌が少なくなれば、人間も餌の対象になる。人食い虎が出現すれば人間は闘い
時に虎を退治してしまう。
インドの国土面積は日本の8.7倍、人口は日本の9.1倍、日本より人口密
度は高い。そして人口は毎年2000万人以上も増え続けている。生活水準も
年々向上しているが、社会インフラの整備は遅れ遅れになっている。
狭い国土での動物との共生、牛や馬なら危険ではなかろうが、流石に「虎との
共生」は難しい。
インドには自然保護公園が沢山ある。
だが、人間の営みから発する環境破壊は目に見えぬ形で自然を侵しつつある。
大気汚染、河川水質汚染、人間による人工物建設による目に見えぬ影響、弱い
動物から生息数を減らしていく。自然淘汰現象…。
インド虎とインド虎の餌が減少しているのは、大部分は人間の仕業だろうし、
自然破壊過程の現象だろう。当然、生態系も年々変わってきている。
インド虎ばかりでない。
野生のインド象、インドライオン、インド豹なども絶滅の危機に直面している
動物達である。ガンジス河イルカは、現在、約2000頭生息しているといわ
れているが、ガンジス河の水質が悪くなってきており、今後どうなるか不安視
されている。
「経済成長の規模やスピードを凌駕する環境対策の実施」「生態系変化に対す
る対策の実施」、これを怠ると、将来、インドは自然からしっぺ返しを食らう
事になる。
何故ならインドの基礎は農業、インドの農業の基本と農民生活の基本は「自然
との共生」「自然サイクルとリサイクル」だからだ。生態系が狂えば、連鎖し
て何かが狂い始め、結局、自然界に大きな狂いを生じさせる。自然界は因果関
係で繋がっている。
あと10年、インド虎は絶滅するのか、それともインド政府が何らかの対策を
講じインド虎を救う事ができるか、将来のインドを占う試金石になる。
長期的観点より視れば、目先の経済政策より重要な課題だろう。自然はインド
にとって共生すべき最重要な宝物である。12億人の生命を支える自然、今は
その意識が薄れ始めている気がする。
ーーーインドは悠々と、時間をかけて成長すれば良い。急がば回れである。
= この稿おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
|