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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ インドと北朝鮮の貧民・食糧問題 ―――――――― 2009/07/31
ーーー昔、インドの学者に聞いた話だが…

3500年前頃からインドに南下し始めたアーリア人。元来、半農半牧の穏や
かな民、ヴェーダ信仰を生活の指針としていた。彼らは1千年に亘りインドに
進攻、次々とインド各地を征服し藩王国を樹立した。

ーーーインダス・ガンジス文明を支えた原住民は奴隷とされた。

アーリア人の大半は農民である。当時の主産業は農業、アーリア人農民と奴隷
は、同じ農地で農業を営み、混血化が始まった。都市部でも混血化が始まり、
アーリア文化の変質を恐れたバラモンが考案したのがカースト制である。

バラモンは、アーリア人を4種類に分けた。バラモン、クシャトリア、ヴァイ
シャ、スードラ、農民の一部(富裕者=権力者)は、ヴァイシャ、そしてほとん
どの農民はスードラである。

原住民=奴隷は、非アーリア人であり、従い、カーストのないアウトカースト
=不可触民にされ、「不浄の者」とされた。1千年以上かけて完成させた制度
であり、2千年後の今でもインド人の脳や体に染み込んでしまった感性のよう
である。

人口的には、スードラとアウトカーストの階級が圧倒的に多い。殆どが農民で
ある。現在50%近くいる「被差別階級」はこの階級の末裔であり、現在のイ
ンド政府は、インドの最重要課題として種々対策を検討し、特別扱い=優遇措
置を施している。

いつの世でも、支配者は非支配者・大勢を占める大衆の反乱を恐れる。

バラモンは4種類のカーストに加え、様々なサブ・カースト=世襲の職業カー
ストを考案し、カーストの異なる者の交流を防いだ。今でも2千〜3千種類の
サブ・カーストが残っていると言われる。

しかし、それでも完全に反乱を防げる訳ではない。ーーーそこで行った行為は
食生活で貧民を支配する事であった。

「腹が減っては戦はできぬ」である。

貧民が反乱しようにも「反乱できない体力」にする。反乱しても「持続できな
い限界の体力」にしておく。「常に空腹状態にしておく」。

食糧供給権を持っていれば可能である。

従わない者には食糧の支給を止める。従わぬ者は餓死するしかない。農民の殆
どは奴隷か零細小作人、収穫物は支配者に収奪される。彼らの食生活、ぎりぎ
りの体力と生命を維持する程度の食事=支配者に支給された食糧、

1日1回の食事、朝飯はチャイ、昼飯は抜き、夜飯はチャパティーか米に味付
け程度のカレー、それも野菜ベース、食事の量も回数も支配者にコントロール
される。

今は、政治体制が変わり、自由度が増えたが、食事の内容は余り変わっていな
いようだ。現在の貧困者の食事の内容もこんなものだろう。今でもインドには
栄養失調者が約20%=2億3千万人いる。

インド政府の重要課題は、彼らへの食糧支援である。昔は「反乱防止」の食糧
政策、今は票確保の政策に変質している。

他方、自衛策も独特である。

富裕層の家には必ずチョキダール=門番・ガードマンがおり、住居は厳重な造
りになっている。高い塀と、ガラスや尖った鉄棒で防備されている家も散見す
る。そして鉄格子の窓、多い鍵、富裕者は常に襲われる危険を感じていたのだ
ろう。

昔のアメリカは、奴隷に手枷・足枷をかけ、そして自衛の為の銃保有…、奴隷
解放後「自衛の為の銃保有」の考え方は益々強まり、今でも変わらない。

インドでは銃を持たされているガードマンも多い。これも過去の歴史・生活習
慣の名残だろう。ガードマンの数は優に1千万人を超えるだろう。

インドの一大産業・職種でもある。

ーーー大衆反乱の歴史的防止策も各国各様だ。

北朝鮮は、何故に大衆が反乱できないのか?

多分、昔のインドと同様、食糧で封じ込めているのだろう。政府や役人・警官
に逆らえば、抑圧され、食糧を支給されず、餓死するしかない。軍事力・警察
力も強いのは、内に向けての反乱防止策でもあるだろう。

兵隊・警官は体力がありそうに見える。十分食糧が行き渡っているのだろう。

貧民は体力的にも反抗できない。人道支援目的で米・韓は食糧支援を継続して
いるが、「これでは経済制裁の効果が薄れる」と批判する者も多い。ーーー支
配者側が支援物資を横領しているのは間違いないだろう。

だが逆に、あり余るほどの食料支援を実行し、貧民に行き渡るようにするのも
一策ではなかろうか? 貧民に体力がつき、余裕が生まれ、矛盾を感じるよう
になれば、多少なりとも北朝鮮は変わるかもしれない。

食料供給権、軍・警察力、マインド・コントロール、北朝鮮治世の三種の神器
の一角を崩す方法…、ーーー十分な食糧を貧民に満遍なく支給する方法もある
だろう。

日本は?

反政府活動をした学生・若者は、良い職場に就職できないとマインド・コント
ロールされている学生が大半のようだ。若者が政治に無関心にならざるを得な
い。ーーー団塊世代との大きな差である。

ーーー彼らには投票権しか訴えるものがない。

〜〜〜次の総選挙、若者の投票率が結果を大きく左右するだろう。

                        = この稿おわり =
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