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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ デリー名物ブルーラインバス廃止、新型5千台導入  2009/06/19
デリー名物のひとつは、民営バス「ブルーライン」。ーーー車体の真ん中に、
ブルーのラインが描かれているのでデリー市民はブルーラインと呼ぶが、別名
は「殺人バス」「走る凶器」。

毎年100〜200人の市民がブルーラインにより事故死、負傷者は数え切れ
ない――――。

バスはデリー市民の重要な足、大半の市民はバスを使う。バスストップでバス
は停まらず、乗客が飛び降りたり飛び乗ったりする光景も珍しくない。極めて
乱暴な運転、強引に前に出る。スピードも出す。マナーなどないに等しい。

30年ぐらい前から、デリー市内を車で走って観察していたが、その当時と比
べても、ブルーラインの容姿は全然変わっていない。ーーーバスの至るところ
に衝突した傷跡があり車体は凸凹、衝突の傷を隠す為のペンキもインド的で粗
雑である。

乾季は埃だらけ、如何にも「インド的な汚さ」である。

変わったといえば、バスにぶら下がっている人や、屋根に乗っている人がいな
くなった事である。昔は「鈴なりの人」が安全なドア側にぶら下がるので、車
体がドア側=左に傾き、傾いたまま走っていた。

ーーーぶら下がり乗客からも料金を取っていたらしいが…。

今はバスの数も増え、ぶら下がる人は殆ど見かけない。ぶら下がりや、屋根に
乗るのが禁止されたのかも知れない。

しかし、事故は相変わらず日常茶飯事、衝突する瞬間を何回も目撃した。衝突
音、衝突してから数秒後に噴出す血、悲惨な光景である――――。

バスの運転手は「まず逃げる」。袋叩きになるのを恐れてだろう。だが、やが
て捕まる。そして、直ぐに釈放され、また運転席に戻る。警察との癒着が問題
視されているが…。

事故件数は30年前とあまり変わらない。むしろ増えているのかも知れない。
原因は様々、運転手の問題、乗客の問題、バス以外の車の運転の問題、警察の
問題…、ーーーだが、総じてデリー市民の交通マナーの問題が主因だろう。

デリー名物のブルーラインが、7月から段階的に廃止される事になった。

デリー市内を走るバスは、民営にブルーライン約4500台、国営バス350
0台、特に、ブルーラインの大半が‘ポンコツ車’の状態にある。

来年10月には、デリーで「コモンウェルス・スポーツ大会」が開催される予
定で、旧英連邦52ヶ国18都市から大勢の人がデリーに集まる事になる。

ポンコツバスは「みっともない」「デリーの恥」と、デリー市当局が重い腰を
やっと上げ、ポンコツバスを全て安全な新型バスに取替えることを決めた。

「今年度中に全てのポンコツバスを新型バスに取り替える方針」と言っている
が、生産が間に合いそうにもない――――。

新型バスの発注先はバスメーカー大手のアショーク・レイランドとタタ・モー
ターズ。ーーーデリー交通公社は、コモンウェルス期間中には5千台の新型バ
スを運行させるとしている。

アショック・レイランドとタタ・モーターズにとっては、正に神風が吹いたよ
うだろう。昨年後半にリストラを決行したが、本年5月にはリストラ人数を超
える人数の新規採用に入っている。

ポンコツバスの新型バスへの取替えはデリーだけに留まらないだろう。インド
各地いたるところでポンコツバスが走っている。新政権は‘安全’を重んじて
おり、インド各地でポンコツバスから新型バスへの取替えを実行していくだろ
う。

インドの国内バス需要は巨大である。ーーーアショック・レイランドとタタ・
モーターズのバス部門は当分の間「フル操業」を約束された。

ーーーインド、

物事には必ずといっていいぐらい「裏」がある――――。安全の「裏」に隠れ
た経済政策、商用車産業育成策だろう。関係者でどのような話がされたのか?

兎も角、ブルーラインが消え、新型バスがデリーに大量に登場する。どんな色
彩になるか興味深い。インド的色彩か?モダンな色彩か? 多分、汚れが目立
たない色彩になると思う。だが…、

デリー市内の事故件数が急に減少するとは思えない。インド人の性格を直さな
ければ、交通事故はなくならない――――。

                        = この稿おわり =
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