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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ 日本のパキスタン支援 ――――――――――――― 2009/04/17
――― 汚職助長の可能性

麻生政権、最近、発展途上国へ「支援金」を「ばら撒き」まくっている。それ
も10億ドル≒1000億円単位…。

問題は金額だけではない。問題は、真の支援として、支援金を有効活用させる
為の人材・組織が見えない点にある。

外務省や経産省、各国在の大使館の役人では、支援実務は不可能だろう。机上
の案、金額もアイデアも立派に見えるが、実務に関しては他人事である。

実務に関係すれば汚職に繋がるので、「実務には一切関与せず」が鉄則なので
無理もない。1〜2年後に「予算が余ったから、何とか消化して形を整えてく
れ。金銭的に‘辻褄’が合えば何でも良い」という「官僚的な要請」が世界各
地から聞こえてくる醜い状況が目に浮かぶ。

日本各地の役所でも、長年、年度末になると「このような会話」が役人の間で
繰り返されてきたのが実態だろう。年度末には、予算消化を目的とした公的機
関の「海外視察ミッション」派遣も多い。しかも予算に織り込み済みである。

中央から派遣された若手官僚の「卒業旅行」?…。

今度はパキスタンに支援金1000億円供与、20数カ国で40億ドルの支援
を検討しているが、日本は25%負担すると粋がっている。所詮、裏でアメリ
カから要請され肩代わりするのだろう。

暗殺されたブット元大統領の夫であるザルダリ大統領は、富豪の親米実業家、
最大野党のリーダーであるシャリフ元大統領は、反米のイスラム原理主義者、
両人ともに‘汚職の傷’がある。

パキスタン状勢は、先月復職したチョードリー最高裁長官がKEYを握ってい
る。特に、選挙では長官の復職を公約として掲げておきながら、大統領就任後
は「自らの汚職が再審される可能性が大きい」と怯え、長官の復職を拒んでい
たザルダリ大統領、今は戦々恐々としているだろう。

パキスタンに「汚職はつき物」である。政変の度にリーダーの汚職に関する非
難合戦が繰り広げられる。だが一向に汚職は止みそうもない。アフガニスタン
も同様である。政治権力は利権でもある。

パキスタン経済支援、反米感情の高いパキスタンでは、「アメリカの直接的支
援」は反感を買う。パキスタンの政治家が「親米」「アメリカ寄り」と非難さ
れ攻撃される。

それ以上に、今のアメリカには資金的余裕がない。オバマ大統領は日本に肩代
わり=資金的協力を要請しただろう。当然、麻生首相は満面に笑みを浮かべ、
「OK」した事だろう。オバマ大統領に個人的に「頼られている」と勘違いし
たのかも知れない。

――― 汚職醸成効果?

パキスタンでの支援事業は、「貧困対策」「インフラ整備」「教育関連設備設
置」を柱にしているらしいが、実際に事業を行う主体の殆どは「民間企業」で
ある。

支援事業=支援ビジネスである。政治家・政府の役人・パキスタン実業家が関
与する。当然、ビジネスは利益を生む。日本の企業も関与するだろう。交渉相
手はパキスタン政府の役人とパキスタン民間企業、そこに政治家が登場するの
が常…。中国と同じである。中国の場合、殆どは共産党員であるが…。

支援事業で大きな利益が出れば日本のマスコミに叩かれる。パキスタン政府の
役人との接触や、もし政治家が絡むような事があれば、日本のマスコミが大騒
ぎする。コンプライアンスに過敏になり過ぎた日本企業は、積極的な関与は避
けるだろうし、むしろ消極的だろう。

では、日本政府・関係省庁が具体的に事業に関与できるか?

日本の国家公務員はビジネスに関与できないし、よしんば規制を変え関与可能
としても、能力的に無理だろう。日本政府は「公益法人」に協力要請している
が、公益法人は「調査・検討・案作成・評価」ぐらいはできるだろうが、一切
ビジネス当事者にはなれない。具体的交渉は民間企業任せになる。

汚職が助長・醸成される可能性が大きくなる。

麻生政権、IMF支援、ODA、アフガン支援、パキスタン支援、アフリカ支
援、アジア支援、アジア食糧生産支援…、支援・支援の連発で莫大な金額を各
国に公約しまくっている。

中国のアフリカ支援…、天然資源確保、中国人労働者の派遣、中国製品の市場
拡大、中国製武器販売…「中国のアフリカ植民地化政策」と批判されている。
アフリカの独裁者に対する支援に繋がっているという「人道的批判」も渦巻い
ている。

「人道問題」以外は全て中国の思惑通りだろう。中国はミャンマーでも同じよ
うな支援を行っている。

では、日本政府は何を考えて支援金をばら撒いているのだろうか?

腹の中には「理想論」が渦巻いているのだろうが、理想論だけで具体性が見え
ない。金額だけが先走りし、支援を実施する主体の姿が見えない。
何故か? 支援に日本人と日本企業が余り関与していないからだろう。支援の
結果も日本国民には余り知らされていない。公益法人のPRに、わずかな成功
例が紹介されているぐらいである。

莫大な支援金、どんぶりの中に入れられ、地元の政治家・政府の役人の裁量で
使われる。金には色も国もない。汚職の資金源になりやすい。

汚職大国、BRICs・韓国・パキスタン・アフガニスタン・バングラデシュ
・ASEAN諸国・アフリカ諸国…、ベネズエラのチャベス大統領の疑惑も、
公然とした事実のようだ。支援は良いが、支援金は汚職を助長し、政治的混乱
を醸成する可能性もある。物言えば「内政干渉」になるが…、

「支援する側にも責任はある」だろう。正に北朝鮮が典型的な例である。

昔、日本のODAでパキスタンに学校が建てられた。その学校は神学校として
今でも活用され、イスラム原理主義過激派の温床となり、タリバンを育ててい
る。心の通わない支援は、どのような結果になるか将来にしか判らない。

支援事業は良いが、先ずは、支援する日本側の人的協力体制構築、支援事業に
関するルールの明確化、日本政府・公益法人と日本企業の役割の明確化=コン
プライアンスと利益、NGO・NPOの役割の明確化と支援体勢、安全性の確
保等々の作業が重要だろう。

具体的作業をしていない現在の状態でばら撒きを行えば、逆効果=汚職助長に
繋がりかねない。経済効果はあるだろうが、被支援国の政治が乱れる。国民の
自主性・自立性が損なわれる危険性もある。

それとも、公益法人の役割を拡大・多角化し、天下りポストを「海外」に増や
す算段だろうか? 最近、公益法人の各種「調査レポート」がかなり増えてい
る。
ーーー皮肉り過ぎでしょうか?

                        = この稿おわり =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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