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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ 金高騰1千ドル超え、インド農民歓喜の声 ―――― 2009/02/27
20日のNY金市場、昨年3月以来久々に1トロイオンス1千ドルを超えた。
インド人は大喜びである。インドでは、金の価格動向は殆どの新聞の1面に掲
載されており、国民の関心度は高い。インド‘The Economic Times’紙は、ム
ンバイの金専門店の様子を写真入りで1面記事にしている。
この数ヶ月、インド国内の金取引は活況を呈しており「今が売り時」「まだま
だ上がる。今は買い時」と、庶民の間で諸説が飛び交っているようだ。
インドでは、金は特別の意味を持つ。
宗教的な意味もあるようだが、むしろ財産保全の為、金は一番確実な資産であ
り資産管理方法でもある。金に替えておけば、何かあった場合でも持ち運びに
便利である。
歴史的に、異民族による略奪も度々経験している。盗賊団もいた。更に、盗人
が多いインド社会、「盗人の罪」より「盗まれたほうの不注意」が非難され、
嘲笑される社会でもある。
資産を金に替え、常に身に着けていれば、盗まれる心配も少ない。従い、宝飾
品として常に身に着けている。ファッションでもある。見栄もあろう。富の象
徴でもある。当然、箪笥預金・退蔵金になっている場合も多い。
女性は、鼻の片方に丸い小粒の金の玉を着け、イヤリング、ネックレス、ブレ
スレット、バングル、指輪(手足)、男性は大きく重そうな金の指輪をはめてい
る。宗教行事では金箔をふんだんに使う。兎に角、金の需要量は大きい。
世界の金の年間生産量は約2500トン、その内の約28〜30%はインドが
輸入している。毎年700〜800トンの‘現物の金’がインドに流れ込んで
くる。
一部は宝飾品として加工され再輸出されるが、大半がインド国内に留まる。
金の一部は、歯の充填剤や産業用に使われてはいるが、極々微量であり、殆ど
の金は宝飾品、もしくはコイン状にされ、個人退蔵される。
金の需要は都市部が35%農村部が65%、インド国内に満遍なく行き渡る。
農村部の人口は約7億5千万人で約65%、金は貧富の差にはあまり関係なく
殆どのインド人が何らかの形で所有している。
この金は外貨準備金には勘定されていない。統計上は純粋の消費物資として扱
われている。だが、金・銀の宝飾品は、時に換金され、純貨幣に変わる。
街で取引される金は‘セカンドハンド・ゴールド’若しくは‘リサイクルド・
ゴールド’として輸入純金と区別され、多くは‘重さ売り’であり、通常輸入
純金より2〜3%安く取引されている。
銀行で売っている金価格は、20日は10グラム税込み約16000ルピー≒
30400円)街中では約15500ルピー≒29450円)ぐらいで取引さ
れている。ーーー1月は約13000ルピー≒24700円)であった。来週
は更に上がるだろう。
インド人の一人当たりの所得は少ないが、人口が巨大である。11億5千万人
の内、5億5千万人は女性、殆どの女性は何かしらの金を身に着けている。
街の物乞いの女の子でも、鼻に小さい小粒の金の玉やブレスレットを着けてい
る。一人1グラムで550トンになる。10グラムであれば5500トンにも
なる。
インドの金の需要は今始まったことではない。長年輸入し続けている。今現在
インド国内に退蔵されている金はどのぐらいの量なのか…、想像もつかない量
だろう。
2000年のNY平均金価格は1トロイオンス279ドルであった。2001
年271ドル、2002年310ドル、2003年364ドル、2004年4
09ドル、2005年444ドル、2006年604ドル、2007年695
ドル、2008年872ドル(田中貴金属資料)
2000年以降、コンスタントな右肩上がりの商品になっている。
「金価格は、インドのモンスーンの良し悪しに影響される」とも言われ始めて
いる。世界の金生産量の20%=インドの輸入量の65%)がインド農村向け
である。
モンスーンの雨量が良ければ豊作となり、収入が増え、金の需要が増える。
一人当たり数グラムの金需要でも、7億5千万人の農村人口、合計すれば莫大
な量となる。
金価格が1千ドルを超えれば、かなりの個人資産増となる。インド社会、徐々
に消費社会になりつつあり、欲しい物が着実に増えている。大量の金が現金化
され、消費に回る可能性は大きい。
金価格高騰もインドにとっては消費拡大の大きな要因となる。更に、今年の春
の収穫は豊作予想、インド農民が大喜びしている顔が眼に浮かぶ。
「瓢箪から駒」「世界政治不安や恐慌になれば金価格が上がり、インド農民が
喜ぶ」図式である。
= この稿おわり =
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