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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ インド産ダイヤ米国向け輸出激減〜ダイヤの買い時? 2008/11/14
ーーーアメリカ経済の後退で、様々なビジネスに影響が出始めている。
インドは世界最大のダイヤモンド輸出国である。原石は殆ど輸入ではあるが。
この20年、アメリカはインド・ダイヤモンドの最大の市場であった。3年前
のアメリカ向け輸出は約1兆円、ダイヤモンド輸出量の約60%がアメリカ向
けであった。
サブプライム問題が起こって以来、アメリカ国内の需要は落ち始め、昨年は、
前年比30%減、今年も前年同期比28%減、回復の兆しは全然見えない。回
復どころか、日に日に暗くなってきている。
インドのダイヤモンドを取り扱う店は全米に約700店、この4ヶ月で約20
0店も閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれている。
インド商人はダイヤモンドをアメリカからインドに戻し始めている。統計上は
インドの輸入になり、これもインド貿易収支を数字的に悪化させている要因に
なっている。
因みに4〜9月のインドのダイヤモンド輸入量は、前年同期比84.6%増、
如何にアメリカ市場=アメリカ経済が悪化しているかが良く判る。
インド人経営によるダイヤモンド・宝石商は世界各地にいる。日本では東京下
町にインド人経営の宝石店が数多くある。
現在アメリカにいるインド人は2〜3百万人、インド本国にいる宝石商の親戚
が個人的に宝石店を経営しているのであろう。しかし、700店もあるとは驚
きである。
所詮、地方の都市に小さな店を構えているぐらいだろうし、ダイヤモンドの価
値が下がった訳ではないので実害は小さいだろう。だが、大幅な輸出減少・販
売量減少にどのように対処するか? インド商人がダイヤモンドの売り先を必
死に探している。
インドのダイヤモンドの歴史は長い。
紀元前に「いくら叩いても割れない石」がインドの川原で見つかった。人類最
初のダイヤモンドの産地はインド。次に見つかったのはブラジルで、18世紀
になってからである。ただ、ブラジルのダイヤモンド産出量は少なく、100
年程で枯渇してしまった。
19世紀後半に南アフリカでダイヤモンドの大鉱脈が発見されるまでは、イン
ドは唯一のダイヤモンド産出国であったといえる。約2000年もの間にイン
ドで蓄積されたダイヤモンドのカット技術と研磨技術、今でも90%近くのダ
イヤモンドはインド西岸の都市スーラトでカットされ研磨されている。今では
58面体までカット可能だそうだ。
歴史上に登場するダイヤモンドを使った王冠などの装飾品、使われているダイ
ヤモンドは略々100%インド製である。中世・近世ヨーロッパ、帝政ロシア
…華やかな装飾品に輝くダイヤモンド、今は博物館にあるものが多い。
大航海時代、ダイヤモンドを巡る戦いも数々繰り返された事だろう。ダイヤモ
ンドを狙ってインドに行った西洋商人も多かっただろう。全てが‘インド搾取
の象徴’でもある。
一番有名なのは「King of Diamond」コ・イ・ヌールである。
現在、エリザベス女王の王冠の飾りとして、ロンドン塔博物館に収蔵されてい
るらしいが、このコ・イ・ヌールは、最初はインドの小藩の藩王が所有してい
たもの、それをムガール帝国が奪い取った。
タージマハルを建てたシャー・ジャハンも愛用したであろうから、当然王妃の
ムムターズ・マハルが身に着けていたかもしれない。
時を経てコ・イ・ヌールは転々とし、ペルシャの王に所有されるが、東インド
会社に買われ、東インド会社がビクトリア女王に献上した経緯がある。
今は英国王室の財産となっているが、インド政府はインドの財産であり「イン
ドに返還すべき」と要求しており、未だ紛糾している。
あの魔性のダイヤモンド「Blue Diamond」もインド産である。マリー・アント
ワネットがこよなく愛したダイヤモンド、このダイヤモンドを所有したものは
呪われ、所有した者は、ほぼ全員が悲劇的な死を遂げている。
皆に恐れられ、誰も所有したがらず、現在はアメリカの博物館に収蔵されてい
る。その外、西洋やロシアの皇女など、歴史に登場する富と栄華の象徴される
ダイヤモンドは、全てインド産である。
西洋人がインドを異なった感覚で見る背景には、インドがダイヤモンドなどの
宝石の宝庫であり、大航海時代に故国に帰る際に、愛人に対する高価なお土産
が手に入る国、そんな思いがあるかも知れない。
今ではノスタルジアに近い感覚だろうが…。
ダイヤモンドは腐らない。金と同様に永遠の商品である。売り急がないでじっ
と景気回復を待つのも一策だろう。だが、スーラトのダイヤモンド商人の資金
負担力がどの程度あるかによる。そんなに負担力があるとは思えない。
どうやらインド商人は、新たなバイヤーを必死に探しているようだ。
傷も軽く、世界で唯一通貨が強くなっている日本、当然、インド人は狙ってい
るだろう。円高の折、ダイヤモンドを日本で安値販売する絶好のチャンスかも
知れない。
= この稿おわり =
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