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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ 大規模ストライキに怯える経済界 ―――――――― 2009/10/28
ニューデリー近郊にあるグルガオンで20日、大規模なストライキがあった。
事の発端は、会社側が16名のワーカーの「不正行為に対する警告」の撤回要
求から始まり、超低賃金に喘ぐ「契約社員」の「賃上げ」要求、さらに「契約
社員の正社員への質向上」要求に発展していった。
インドでは良くあるパターンである。質向上は、インドでは画期的な事、上の
カーストに昇格するのに近い感覚である。
ーーー事件は18日に起こった。
インドのメーカーの多くは、労働法の盲点をつき、ワーカーの大半を「臨時雇
用=契約社員=派遣社員形態」としている。ワーカーの給料は正社員=パーマ
ネント)の半分以下の状態である。
自動車部品メーカーであるRICO=エンジン部品メーカー)のワーカーは、
「賃金格差是正=賃上げ」とともに「ワーカーの正社員シフト」を可能にする
ルールを設けるように要求していた。
ーーーこの要求に対し、会社側は断固=当たり前のように)拒否した。
一方、正社員も「過去2年の業績の伸びが2桁である事」を背景に「生産性」
と「業績」にリンクしたプラス・アルファ=特別手当)を要求していた。
この2つのグループが集会で小競り合いになり、両グループを解散させようと
した「会社が雇用している警備員」と衝突、1名が死亡し多数の負傷者が出る
事態となった。
会社が雇っていた警備員が「銃で武装し物騒な格好で威嚇」していたことが、
ワーカーを益々興奮させてしまったようだ。非暴力を国是とする国である。
この事態をTake chanceしようとしたのが、先の総選挙で惨敗した共産党。
配下の組合組織「All India Trade Union Congress」を動かし、グルガオン地
区の企業の組合・ワーカーに「一日ストライキ」で抗議するように指揮、20
日に70社以上の企業の組合員が参加、10万人規模のストライキとなった。
ヒーロー・ホンダやホンダ・モーターサイクル、スクーター大手のHMSIな
どの大企業の組合員も参加、前代未聞の大規模なストライキとなった。
RICOは犠牲者家族に50万ルピー≒100万円の補償金を出すと表明した
が騒ぎは収まらない。今後、賃上げや契約社員に関する法の改正要求にまで発
展する可能性がある。
ハリヤナ州のグルガオン・マネサールからデリー州にかけて、約600社の自
動車・2輪車・自動車部品工場が立ち並んでおり、インドの自動車・2輪車の
約65%がこの地域で生産されている。「インドの自動車ハブ」であり、ワー
カーの数は約100万人といわれている。
今回のストライキで生産休止に追い込まれた工場、部品が足りず減産を余儀な
くされた工場は、100社以上に及んだらしい。今後とも不安を抱える事にな
る。
インドの自動車産業の心臓部が麻痺した今回の事件、一部の部品メーカーが止
まれば、全体に支障をきたす産業の弱点が浮き彫りとなった。当分の間グルガ
オン近隣の自動車・自動車部品産業の操業に支障が出るのは予想に難くない。
スズキは今のところ支障はないようだが、長期化すれば何らかの不都合が出て
くるのは間違いない。
事の重要性に、中央政府は州政府に「法と秩序の早期回復」に全力を傾けるよ
うに指示しているが、賃上げ交渉にまで発展すれば長期化する可能性はゼロで
はない。
一部の部品メーカーが止まれば全体に影響する産業の弱点を共産党は突いてく
るだろう。インド経済界は、このストライキがインド各地・他業界に波及する
のを最も恐れている。
自動車産業は、今年度上半期は前年対比14.5%の成長を遂げ、インド経済
早期回復に大いに寄与しているだけに、インド経済全体に与える影響も懸念さ
れている。ーーー民主主義国家の試練でもある。
= この稿おわり =
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