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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ 麻薬大国インドと日本との関係 ――――――――― 2009/09/30
インドと日本、普段はあまり気にしないので「関係は薄い」と思われがちであ
る。だが、意外なところで日本人がインドに接している事に気付く。
仏教発祥の地インド、「寛容の精神」を基本とし「多くの信仰を集大成したヒ
ンズー教」では、「仏教はヒンズー教の一派」と看做されている。
ヒンズー教と仏教は精神的な面での類似点が多い。寛容の精神そのもの自体が
仏教の影響だろう。仏典はサンスクリット語で書かれており、日本語になった
サンスクリット語も多い。
「ガヤ」は郊外の意味、「××ヶ谷」という町は日本に多いが、本来は郊外の
意味である。インドのブッタガヤは有名であるが…。スツーパは「卒塔婆」、
「俺のシマ」の「シマ」もサンスクリット語である。
薬師寺に収められている経典も、オリジンはインドである。日本の薬学・薬草
もインドに通じるものが多くある事だろう。
味に関しては、カレー・香辛料、紅茶などは典型である。あまり知られていな
いのがチョコレートの原料。チョコレートを口の中に入れ摂氏34度ぐらいで
トロけるようにするとチョコレートの美味しさが倍増する。その為に必要な原
料はサルファット油。沙羅双樹の実を絞って作られるが、略々100%インド
から輸入されている。
だが、殆ど知られていないのは「麻薬」である。
イギリスがインドからアヘンを大量に買い付け、中国に売り込みアヘン戦争を
引き起こしたのは周知の歴史的事件。当時インドは世界で最大の麻薬生産国で
あったろうし、現在でもかなりの量の麻薬が生産されている。
麻薬…、現在の医薬には欠かせない原料。
鎮痛剤・風邪薬など、かなりの種類の薬に使われている必需品である。日本は
麻薬は100%輸入依存、買い付けは厚生省管轄である。
25年前の経験だが…。
当時、買い付け対象国は、トルコ、インド、タイなど数ヶ国、一国に1商社が
買い付け代行を任じられていた。インドも某商社がその役割を果たしていた。
購入は国際入札形式で、必要量の100%を一国だけから1年に一回一括購入
するシステム、例年インドが落札する。
インドの麻薬取り扱いは100%財務省管轄。国対国の取引である。輸送は通
常JALのチャーター便2機、ハイジャック防止の為、一挙、且つ、極秘裏に
行われる。
25年前、「利権を1商社に独占的に供与するのはおかしい」と主張した厚生
省の課長がいた。お蔭で「麻薬買い付け代行」を検討させられたが、某商社の
担当者が友人だったので、本社に否定的な意見を言い、その課長の主張をご破
算にしてもらった経験がある。
「買い付け・輸出業務」が、極めて厳格且つ秘密性に富み、更に、日印両国の
役人との関係(接待)も出てきそうで面倒だったからである。その厚生省の課長
は、その後左遷させられたと噂に聞いた。
それほど秘密性に富む業務、裏返せば、厚生省の利権が絡んでいたのだろう。
尤も、代行を固定した一社に任せれば簡単な事は簡単であり、安全ではある。
現在、買い付けシステムがどうなっているかは判らないが…。兎も角、長年に
亘り日本人はインド産の麻薬を薬の形で体内に取り入れていることになる。
インド国内で麻薬を入手するのは簡単且つ安価なようだ。ネパールのカトマン
ズ、インドのゴアなどはヒッピー族のメッカといわれ、昔から多くのヒッピー
が訪れ長逗留している。中には麻薬漬けになる者も多い。
ニューデリーのイミグレーションセンターには、インド滞在期間延長やネパー
ル入国ビザ取得の為だろう、大勢の怪しげなヒッピーがいた。
ヒッピーばかりではない。
最近は多くの日本人の若者が、自分探しの旅と称してインドを訪れる。旅行代
は節約すれば格安で済む。一日数百円…。
自分を探せるかどうかは個人個人様々だろう。だが、時々「自分を失い麻薬に
染まる若者」も出てきている。麻薬に染まった若者の保護は、大使館担当官に
とっては大変な仕事だと聞いた。
インドでは、麻薬売買は勿論、麻薬をやること自体が違法である。見つかれば
即逮捕され重罪になる。逮捕される前に保護し、秘密裏に日本に送り返す仕事
である。彼らには所持金など殆どない。親・家族への連絡し、手早く秘密裏に
処理しなければならない。結局、自己・家族責任を取らされるハメになる。
癒しや、精神的疲れの解消、更には麻薬自体の魔力に惹かれ、先進国では麻薬
に手を染める者が絶えない。一方、ヒンズー教やイスラム教は宗教的に麻薬を
禁じている。
宗教を重んじコミュニティーを大切にするインド社会、監視の目も多く、麻薬
に染まる者は少ない。だが、ビジネスとして街中で麻薬を扱う者は多い。殆ど
が外国人目当ての小さな取引である。値段も格安のようだ。麻薬大国インドの
一面でもある。
一方、国際的な麻薬取引ではインド人の名は滅多に聞かない。インド政府の取
締りが厳重だからだろう。
「自分探し」や「癒し」で麻薬に手を染め「自分を失う」日本人も多い。
ーーー現代日本病だろうか?
= この稿おわり =
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この記事は、メールマガジン「頂門の一針」2009年10月27日発行第1708号に転載して頂きました。「NHKらしく
ない蝮のNHK政治記者」として日本の高度経済成長期を見つめ、その後は外務大臣と厚生大臣の秘書官として国際化時代を体験
してきた渡部亮次郎氏が日刊で発行している無料の情報マガジンです。購読される場合はここをクリックして下さい。(←新しいウインドウで開きます)
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