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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ 78年ぶりカースト別人口調査実施へ ―――――― 2009/09/23
ーーーインドの国勢調査は10年に一度実施される。

2001年の国勢調査では、人口10億2900万人、内「指定カースト=ア
ウトカースト」は1億6700万人で16.23%、「指定部族=後進山岳民
族」8400万人で8,17%、人口の24.4%が最貧困層であった。

アウトカーストである故に、カースト(ヴァルナ=出自)はない。このカースト
がない最貧困層には種々優遇策や支援策が施されている。22%の国会議員の
議席枠や大学優先入学枠などが与えられている。

他方、

OBC(Other Backward Class)と呼ばれている「その他後進諸階級」低カース
ト層=低所得者=準貧困層への処遇は薄く、大きな社会問題となりつつある。

カーストが定められている故に、アウトカーストが享受している優遇策を授か
る事ができない。「カーストを下に落としてもいいから優遇策に与りたい」と
いう人も増えてきている。OBCの不平・不満が高まりつつある。

OBCの数は「指定カースト」と「指定部族」の倍以上いると推定されている
が、実態・実数は把握されていない。

初めてカースト制度の実態調査が行われたのは、英国植民地時代の1931年
で、78年前である。

インド独立後の1950年に制定されたインド憲法には「カーストによる差別
は全面禁止」と明記されているが、実態は旧態依然、カースト制度は歴然とイ
ンド社会の中に溶け込んでいる。

自出・種性による区別(ヴァルナ)より、ジャーティー=サブ・カースト=職業
世襲制による差別のほうが根強く、現在でも2000〜3000種類ほどのサ
ブ・カーストが存在するといわれている。

「どのカーストがOBCにあたり、どのカーストが非OBCなのか?」非ヒン
ズー教徒には、全く見当がつかない世界である。

国民会議派は「カースト別人口調査」を拒否してきた。独立後60年余、一切
調査を行っていない。「明確なカースト別人口統計を出す事は、カースト制度
廃止の政策を阻害するばかりか、むしろ有害である」という訳のわからぬ固定
概念を固執し続けてきた。

「植民地時代の英国主導の調査に対する反感とシコリ」もあるようだ。「カー
スト別人口調査は人心を惑わすばかりか、地域住民の間に不和を創出する」と
いう考え方もある。

一方、OBCに対する生活支援と社会福祉事業を実行する為には、予算を計上
しなければならない。予算計上の為には、人数を設定する必要がある。但、ど
のカーストまでOBCとして扱うか、ヒンズー教徒にとっても非常に難しい問
題のようだ。

もしある線をOBCラインとして設定すれば、恩恵に授かれない少し上のカー
スト層が騒ぎ出すだろう。エンドレスとなる。無益な騒動を起こしたくないと
いう気持は理解できる。

インド政府はOBCを27%と設定して予算を組み、諸政策を決定してきた。

ところが最近の政府の調査では、地方部のOBCの数は38,5%という結果
が出てしまった。都市部を入れた全体では38,5%を多少下回る数字になる
であろうが、設定した27%よりは遥かに大きい数字である事は間違いない。

その外の複数の調査機関の調査では、OBCの数はインド全体で35%、42
%、52%と大きな差が出ている。誤差が大きいがOBCラインの設定の違い
からくる誤差だろう。何れにせよOBCの人口は27%より大きい事は間違い
ない。

この調査結果を知り、OBCの不満が高まりつつある。野党もこの数字を有効
活用し、国民会議派批判の声を高めている。

「OBC実態を把握しないで予算を決めるなど、無責任もっての他である」
「OBCに対する予算配分は少なすぎる」、そういわれれば国民会議派も反論
できない。

国民会議派にとってもOBCは重要な票田であり、支持階層でもある。

現政権は不承不承、2011年の国勢調査で、カースト別の人口調査を実施す
る方向で検討に入った。OBCの実態が明らかになれば、インドがもう少し判
り易くなる。

何処の線でOBCと非OBCを区分けするか、そこで貧困者と非貧困者が明確
に分けられる。

もし、人口の52%がOBCとして扱われる事になれば、OBCと「指定カー
スト」「指定部族」合計で76.4%が最貧困者・準貧困者となってしまう。
残りは23.6%。
インドの人口は約12億人、0億人が貧困者、3億人が非貧困者=富裕層+中
間層となる。実態はそんなものだろう。

因みに、インドのカースト制度のヴァルナは、

1.バラモン、クシャトリア、ヴァイシャと
2.スードラ、アウト・カーストに分けられ、

「1」の層は浄「2」の層は不浄、とされる。

シーク教徒は100%クシャトリア階級、イスラム教徒は低カースト階層から
イスラム教に改宗したもの者が多く、カーストを失った=下に落とされた)ア
ウト・カースト扱いであった。

最近、イスラム教徒の扱いは大分変わってきているが、イスラム教徒はアウト
カーストと偏見を抱くヒンズー教徒も多い。この視点からすれば「1」は浄の
人=富裕・中間層、「2」は農民・貧困層と区分けできるかも知れない。

〜〜〜牛を食べる大半のイスラム教徒は「2」に入る。

                        = この稿おわり =
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