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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ 村議会議員の半分を女性枠に〜憲法改正論議 ――― 2009/09/02
インドの民主主義を根幹から支える制度に「パンチァヤット制」がある。

元来、南インドで根付いた村落共同体の治世制度だが、その後、全インドに広
まった。

1993年の憲法改正で、村議会に相当するパンチェヤットの選挙を、州政府
の責任において実施する事が義務化された。国会から村議会に至るまで、全て
の議会議員を民主選挙で選出する民主制度を、全インドに徹底する為である。

但し、選挙実施に関しては州政府の自主性を尊重している。従い、憲法改定当
初は、州政府や地場政党の「都合」や「打算」など、何らかの理由で選挙は遅
れ遅れになり、選挙実施は州によりまちまちであった。

現在は、ほぼ全州でパンチャヤット選挙が行われ、代表=議員の総数は200
万人を超えている。

パンチァヤット[Panchayat]とは、サンスクリット語のパンチ=5、ヤット=
会議、村落共同体で選ばれた5人の賢人・長老による会議が語源で、共同体構
成員はパンチャヤットの決定に従う制度である。個人同士の諍いや、村同士の
トラブルも、パンチャヤットが治めてきた。

今では、村落共同体の様々な課題を議決する議会になっている。連邦共和制の
インド、州政府の下に、県レベルの議会、郡レベルの議会、村落レベル=1村
ないし複数の村から構成する)議会がある。

1993年の憲法改正で、パンチャヤットの議席の三分の一は女性枠と規定し
たが、現在、女性枠を50%に引き上げる憲法再改定が検討されている。州に
よっては50%を女性枠と規定し、既に実行している州もある。

「指定カースト枠」「指定部族枠」の「国会議員枠」や「公立学校の優先入学
枠」など、人口比で枠を設定し、貧民の権利を優先しているインド民主主義、

パンチャヤット制の規制再改定で、女性枠を人口比=50%にし、女性の権利
を留保しようとしている。徹底して制度上の平等性を追及する姿勢である。

女性差別の国と思われているインド、制度上は低カースト層と女性を優遇する
国になってきている。

農村=村落共同体の人口は約8億人、その村にも着々と近代化の波が押し寄せ
つつある。都市と、旧態依然とした農村社会の狭間に置かれた農民の子弟、社
会現象として「中途半端な農村雑業層」が増え始めている。

「農業専業」でも「都会雑業請負」でも生計を立てることが困難な階層も増え
てきている。正に「労働予備軍」である。

中央政府の「農村・農民・農業支援策」「教育政策」が末端まで浸透し、確実
に実施される為は、パンチャヤットの機能の充実化が不可避となっている。女
性の実務能力に期待しているようだ。

課題は…、パンチャヤットの機能を十分に発揮できるようにさせる財政支援、
財政システムの構築だろう。

しかし、思い切った政治をやるものだ…。

インドの貧富格差や女性差別を云々する日本人は多いけれど、日本とインド、
どちらが実質的差別国なのか?

ーーーインドには「一票」の地域格差もない。

                        = この稿おわり =
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