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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ インドのインフラ整備・急務は水事業 ―――――― 2009/08/05
先日、インドの火力発電所設備の整備に国際協力銀行と日本の民間銀行が、約
2億ドル融資するという記事が掲載されていた。

環境関連設備投資を支援する制度の第1号案件。インドのインフラ整備事業の
一環だが、その規模を知らないと先を見誤り、ビジネス・チャンスを失う事に
なる。

インドの第11次5ヵ年計画(2007〜2011年)では、総額4925億ドル≒50
兆円のインフラ整備計画を謳っている。内訳は、電力が1504億ドル、道路
・橋梁が761億ドル、鉄道が622億ドル、水処理が486億ドル、港湾・
空港が265億ドル、その他1287億ドル…。

だが、計画は大分遅れている。

インド独特の問題、民間や州政府の利権争い、州議会の承認、用地買収などが
主因である。先日、国家計画委員会は第12次5ヵ年計画(2012〜2016年)を作
成した。インフラ整備事業に総額9890億ドル≒100兆円をつぎ込む計画
である。

目玉は、デリー・ムンバイ産業大動脈構想(DMIC)と、4000メガワット
級のウルトラ・メガパワー・プロジェクト、9地域に超大型発電所を建設する
計画である。

他方、一基約5千億円といわれる原発建設も2012年から第3段階に入る。
今後数年で10〜20基ほどの発注が予想され、米仏(日)露の争奪戦が繰り広
げられている。

問題は環境問題と水対策。

環境関連は日本技術陣の大きなビジネス・チャンスであるが、水事業は難題で
ある。

2001年の国勢調査の数字しか正確な数字は判らないが、当時の水道利用世
帯は35%、最近の調査による下水道普及率は23%、上下水道普及は遅れ、
それどころか各地で水道管が老朽化し頻繁に破裂している。上水道の水質汚染
(鉄さび等)も問題である。

今年もインド各地で洪水が発生、水はあるが飲み水が足りない。工業用水にも
不安がある。農業用水は60%が自然の雨=モンスーンに依存している。

生活水準が徐々に向上し、貧民もミネラルウォーターを飲むようになってきて
いる。一人一日一本のミネラルウォーターを飲めば、毎日12億本のペットボ
トルが消費される。

インドの強みは、定期的に来るモンスーン、弱点はモンスーンに頼りすぎてい
る点である。多量の雨量があるが有効利用されず、海に流れるままになってい
る。毎年、洪水で数千人の死者が出ているが無策である。

州間の水利権争いもある。ダムを造るに際しては環境に与える影響などの調査
が必要とNGOが訴え中々進展しない。

国家運営の必要物資は、食糧・水・エネルギーであり、嗜好品ではない。

電力がなくとも長年生きてきたインド、道路が貧弱でも車は通れる。今、必要
なのは綺麗で清潔な飲料水、農業用水、工業用水の確保と、水質汚染防止対策
=下水処理だろう。その外のインフラ整備を多少遅らせても大した事はない。

「遅れるのが普通のインド」である。

しかし、飲料水が不足し、農業用水確保が不安定であれば、不要なペットボト
ルが増え、ごみが増える。国民の不満も高まる。

多少、電力・道路・空港などの予算を削っても、水事業に大きな資金を配分す
べきだろう。日本の協力も期待できる。

ーーー水商売、インドでは有望な慈善事業でもある。

                        = この稿おわり =
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