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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ インドのダイヤモンド産業復活の兆候 ―――――― 2009/06/17
知る人ぞ知る、世界で流通するダイヤモンドの大半は、インドでカッティング
・研磨され輸出されたダイヤモンドである。カッティング・研磨の中心地は、
インド9番目の都市スーラト(Surat)。
ムンバイの北方に位置し、アラビア湾に面する人口約300万人の貿易都市で
17世紀には「東インド会社」の支店も開設された歴史的都市でもある。日本
人にはあまり知られていないがインド更紗[さらさ]の語源ともいわれている。
インドには、ダイヤモンド処理工場が約6000ユニット以上あり、半数の約
3000ユニットがスーラトに集中している。スーラトのダイヤモンド産業は
5000億ルピー≒1兆円産業。
販売先として圧倒的に多かったのがアメリカ市場、次にインド国内市場。90
%が輸出されている。現在、インドにはダイヤモンド加工の為の超ハイテク・
レーザー機器が500台以上あり、ダイヤモンドの品質評価も高い。
資産価値も世界的に定評がある。資産価値評価・認定機関・システムも確立さ
れている。コンスタントに輸出されてきたのは、品質の評価が高く信頼されて
いる証だろう。
昨年9月のリーマン・ブラザース破綻以降のアメリカ経済後退は、アメリカ向
け輸出に依存するスーラトのダイヤモンド産業にとって大打撃であった。10
月後半のディワリ祭りを境に、約2000ユニットは休業状態になり、40万
人のダイヤモンド加工技能者が職を失い帰郷した。
アメリカ国内の販売店は惨憺たる状況に陥り、多くは閉店し、ダイヤモンドを
インドに戻さざるを得ない窮地に追い込まれた。
だが、今年の3月以降に徐々に回復、5月段階では、休業していた2000ユ
ニットの内、約500ユニットが再開した。現在、残りの1500ユニットが
再開準備中である。
ここで問題が発生した。ダイヤモンド原石の不足である。
休業中に原石在庫を処分してしまったので、現在はダイヤモンド原石不足の状
態。急に原石手当てに入った為、原石の価格が20%も跳ね上がっている。
原石手当て以上に大きな問題が技能者不足である。
失業した約40万人の(超低賃金)ダイヤモンド加工技能者は、帰郷し、農業や
繊維産業に転職した者が多い。約半数はダイヤモンド産業に戻る気はないらし
い。スーラトのダイヤモンド産業は、ダイヤモンド加工技能者不足問題に直面
している。
多少給料を上げ、ある程度の期間「金銭的保証」をすれば、問題は解決するだ
ろうが…。(ダイヤモンド技能者=低賃金労働者)
ダイヤモンドは「金」と同様、世界経済の動きを反映する商品でもある。
インドのダイヤモンド産業回復の理由は?ーーーアメリカ向け輸出が回復した
からではない。インド人が「資産」として買い始めたのが背景のようだ。
従来、インド人はジュエリー・宝飾品としてダイヤモンドを買っていた。イン
ドは世界最大の金の消費国。大半が宝飾品・装飾品用、そこにダイヤモンドが
使われていた。また、金は‘退蔵貨幣’の役割も果たしている。
ーーーその金の世界市場価格は高騰、天井に張り付いている状態である。
そのような状況の中で、利に聡いインド人、「資産」としてのダイヤモンドに
着目したらしい。ダイヤモンドは世界的需要減少により値下がっている。今が
「狙い目」とインド人が「比較的安値で評価されているダイヤモンド」を「資
産」として買いに入っているようだ。
‘国内需要’急増が、インド・ダイヤモンド産業復活の背景だといわれる。
インド人の購買力は中途半端ではない。毎年、金を700〜800トンも買っ
ているのをみれば一目瞭然、その一部がダイヤモンドにシフトしているのだろ
う。今がダイヤモンドの買い時、「将来にダイヤモンドの価格は上がる可能性
が大きい」と想っているインド人は多いだろう。
見方を変えれば、ダイヤモンドの国内需要増加は、「インド国内市場は世界景
気後退による影響をあまり受けていない」「国内市場は着々と成長している」
という経済的指標(証拠)になるかも知れない。
追記)
インドでダイヤモンドを買って損をする日本人は多い。商売上手のインドの宝
石商、一見の客にはあの手この手で高売りする。騙される日本人も多い。
装飾品・宝飾品として比較的安価で買うのは良いが、インドでダイヤモンドを
「資産」として「高価な買い物をする」には少々リスクがある。専門家でない
と判らぬ商品、
ーーー信頼できるプロの目を通して買うほうが無難だろう。
= この稿おわり =
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