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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ 東部オリッサ州熱波・死者百人突破 ――――――― 2009/05/13
総選挙で熱くなっているインド、第一回目の投票日に合わせたように4月中旬
から強烈な熱波がインド各地を襲っている。例年より1〜2週間早い。

インド最貧州の一つである東部オリッサ州、毎年のように大洪水と熱波に襲わ
れる。昨年9月には猛烈な集中豪雨に襲われ大洪水、州内6000以上の村が
浸水した。犠牲者は数千人、約400万人が住居を失った。

不運は続く。洪水被害から7ヶ月経った4月中旬に、今年最初の熱波がオリッ
サ州に襲来した。それ以降、最高気温が摂氏40度を超える日が続き、最高で
摂氏47度を突破、連日州内で熱射病による死者が出ている。

最低気温も摂氏30度、これでは夜も暑くて寝られない。オリッサ州の熱射病
犠牲者は既に100人を突破し、益々増えそうな状態である。

摂氏40〜47度といっても、この季節のオリッサ州では‘異常に高い’とい
う程の気温ではない。むしろ普通である。2005年には最高気温摂氏55度
(非公式)、摂氏52.5度(公式)を記録している。

では何故、今年は熱射病の犠牲者が多いのか?ーーー昨年の大洪水で多くの住
民が住居を失い、未だ満足できる住居環境にない事。従い、暑さから逃げる方
法がない事。貧困による栄養失調で体力がない事。この2つが主因だろう。

オリッサ州以外でも多数熱射病犠牲者が出ているが、被害の大きな地域は貧困
地域に集中している。しかし、今のインドでは打つ手立てがない。

世界のマスコミは「豚フル」一辺倒である。インドの大手マスコミも連日「豚
フル」関連ニュースを報じている。

だが、オリッサ州の熱射病に関しての今日の報道は「The Hindu」一紙のみ、
それも小さな記事であった。100人程度の熱射病犠牲者が出ても、毎年の事
なのでインド国内ではニュースに値しないのだろう。

インド貧民の命が軽く扱われている。彼らには熱波から逃れる手段がない。エ
アコンもない。それ以前に電気がない。満足な栄養も摂取していない。住んで
いる土地から逃げることもできない。

「京都議定書」に替わる次の草案が検討されている。

日本政府は「インドもCO2削減すべき」と主張しているが、今現在CO2を
僅かしか排出していないインド人が何億人いる事か…。自然生活(原始生活?)
に近い。ーーーCO2を削減しようにも「これ以上削減できない限界点」で生
活している。

それどころか、わずかな生活水準向上の為に‘電気’を必要としている。電気
があり、エアコンは当面無理だろうが、冷蔵庫で冷やした飲料水があれば、熱
射病の犠牲者はかなり減らす事ができるだろう。

インド政府は、環境対策を考慮して「村落での太陽光発電」に懸命になってい
るが、電力不足量が巨大であり、不足分の大半は大型石炭火力発電所に頼らざ
るを得ないのが実態である。

いくらなんでも、日本政府はインド貧民に対し「電気のない生活を続けろ」と
は言えないだろう。ーーーインドの電化率は、未だ50%強である。

日本政府は、もう少し「発展途上国の現実」を視て「世界の環境対策」を検討
すべきだろう。日本政府の理論ではインドと中国は絶対に賛成しない。

ーーーその他の発展途上国も、インドと中国にフォローする事は間違いない。

                        = この稿おわり =
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