┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  サイトマップ!(^O^)  ━┓




インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ インド総選挙・日本との違い ―――――――――― 2009/04/29
世界最大の民主主義国家インドの総選挙、有権者は18歳以上の成人で、約7
億1千4百万人、ーーー何もかも驚くほどのスケールである。

有権者が多いので、投票は、4月16日から5月13日までの4週間に亘り、
5回に分けられて行われる。

投票で選ばれる543議席に対し、立候補者は4617名、約300もの政党
からの立候補である。選挙を管理するスタッフは650万人。投票所は82万
8804箇所、そこに不正投票が不可能な電子投票器が136万8430台設
置されている。

開票は5月16日に一斉に行われ、1日で結果が判明する。

2004年の総選挙の時は、電子投票に疑問と不安を感じた国連監視団の下に
開票が行われ、集計のスピードは世界を驚かせた。さすがインドはIT大国!
というイメージを世界に与えた。

前回の投票率は56%であったが、今回は60%に届くかも知れない。下層階
級の生活レベルの向上=知識水準の向上は、投票率向上と繋がる可能性が大き
い。

インドの議会制民主主義は、日本とは大分異なる。

多くの人が、インドの政治はネルー・ガンジー家の率いる国民会議派が牛耳っ
ているものと思い込んでいるようだが、実態はかなり異なる。

インドの2大政党、国民会議派とヒンズー教至上主義のインド人民党=BJP
、現在の下院544議席の内、国民会議派は151議席、BJPは122議席
と、2大政党の議席を合計しても273議席で全議席の半数にしかならない。

残りの半数は、地方政党や階級(カースト)を代表する政党である。

2大政党がそれ以外の政党をどのように取り込み連立を組むか、で与党政党が
決まる。今日現在、出口調査などでやや国民会議派が有利と言われているが、
どちらに転んでもおかしくない状況である。

インドの民主主義が安全なのは、2大政党以外の政党は「それぞれの地方の政
治的安定と経済成長」「低カーストの保護」が主目的であり、「国家的課題」
や「国際政治外交」に関しては2大政党に委ねている点にある。

さらに「国家経済政策」に関しては、基本的に2大政党は殆ど同じ路線である
点も大きな要素だろう。どちらの政党が政権を握っても、基本的経済政策はあ
まり変わらない。

インドは連邦共和制、各州の自治権が一定程度保護されている。

典型的な例が「州の財政基盤である税制」州税などは州政府に決定権がある。
州によって税制が違うのでややこしい。地方から選出された議員は「州の利益
代表」として中央政界で自説を展開する。

複数の州をまたぐ大規模な国家プロジェクトなどは、利害関係が複雑に絡み、
従い、中々結論が出せず、遅れ遅れになる背景である。共産主義国家・中国と
インドの大きな差は、インドの議会制民主主義体制に起因する。

インド経済、世界不況の影響を受け減速しているが、それでも6〜7%の成長
を遂げている。現状、大きなマイナス要因も見当たらず、一方、巨大な国内市
場は着々と成長の道を歩んでいる。今年の2Qには回復するだろうという楽観
論者が多い。

懸念されるのは、「テロリスト」の動きと「山岳に潜む毛沢東派」の暴力沙汰
ぐらいだろう。ムンバイで起きたテロ事件、それ以降の現インド政権のパキス
タンとの交渉、ムンバイ・テロ事件以降も相次ぐテロ事件、BJPは現政権を
「弱腰」と非難している。

だが多くのインド人は、ここでヒンズー教至上主義のBJPが政権を取れば、
パキスタンとの関係が悪化し、強いては国内のテロ事件が増加するのでは、と
不安を抱いているようだ。

ーーー兎も角、5月16日には大勢が判明する。

                        = この稿おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
インド事報の目次に戻ります







SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送