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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ 5月にインド総選挙・徹底した平等性 ―――――― 2009/03/11
ーーーインドの総選挙=下院議会=ローク・サバ)の日程が決まった。

4月16日から5月13日まで、5回に分けて投票が実施され、5月16日に
一斉に開票、コンピューターを駆使し一日で結果が出る。有権者は18才以上
の成人全員、今回の有権者は約7億1千万人、途方も無い数である。

感心するのは、徹底した議席配分の平等性にある。

下院議席は545席、小選挙区制度、28州とデリー首都圏及び6直轄地から
1議席、残りは人口に応じて議席を配分する。但し「指定カースト」に79議
席、「指定部族」に41議席が割り当てられている。

2001年の国勢調査では指定カースト(アウト・カースト)は人口の16.2
%、指定部族は山岳民族等の少数貧困民族で、人口の8.4%、両方で人口の
24.6%を占めている。この比率は現在もあまり変わっていないだろう。

24.6%の代表が120議席22.43%を占める。最近進出が著しい「中
道・左派グループ」は「指定カースト」と「指定部族」出身の議員が多い。

更に大統領権限で、アングロ・インディアン2議席を大統領が指名する。

アングロ・インディアンとは、植民地時代にイギリス人とインド人の間に生ま
れた混血インド人及びその子孫、ーーーインドは、保護されるべき階層全員を
対象に議席を配分している。憲法で規定された弱者保護措置である。

また、読み書きができない有権者対策として、政党のシンボルマークが作られ
支持する政党のシンボルマークに押印する方式になっている。徹底した平等選
挙、これが民主国家インドの選挙の特徴である。

問題は、下位カーストの「後進諸階級」である。

「指定カースト」と余り変わらない、若しくは少し上の生活をしている階層で
ある。彼らには何の優遇措置も採られていない。

最近インド最高裁は国公立教育機関の優先入学枠を義務付ける判決を下した。

人口比率を基準に、指定カースト15%、指定部族に7%、そして新たに上位
カーストを除く「後進諸階級 (OBC・Other Backward Classes)」に27%の優
先入学枠を設定し義務付けた。計算根拠からして、人口の約27%が「後進諸
階級」に当たる事になる。

後進諸階級は、指定カーストに対する保護・優遇策を差別と抗議し、優先入学
枠を勝ち取った事になる。だが、選挙制度ではまだ差別が残っている。後進諸
階級を何処で線引きするか、これは極めて難しい問題である。ーーーやり過ぎ
れば、逆に上位カーストが差別と騒ぎ出す。

兎も角、「指定カースト」「指定部族」「後進諸階級」合計で人口の49%を
占めるインド、貧民を無視して選挙は戦えない。他方、この階層をベースとし
た政党が成長してきている。

2大政党がこれら政党をどのように取り込むかで、インドの連立政権の姿が変
わる。貧民を無視しては成り立たない政治、言い換えれば、貧民を取り込めば
政権が取れる、これがインドの民主政治の姿である。

インドの投票率は56〜60%…。

プライドの高いインド人、支持率が50%を割れば、政治家は何らかの方針転
換をせざるを得ない、それが民主国家の根幹を守っている。

さて、日本、

本当に民主国家なのだろうか? 物質的に裕福になったが、同程度に不純な物
事に鈍感になり過ぎているのではないだろうか…。

                        = この稿おわり =
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