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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ インドの中長期経済政策・教育に重点投資 ―――― 2009/03/04
インド初代首相ネルーは、インドの最重要国是の一つとして教育を掲げた。
民主国家を宣言し、18歳以上の成人全員に選挙権を与えたものの、国民の知
的レベルは極めて低く、インド近代化の大きな壁として立ちはだかっていた。
巨大な人口の殆どが零細農民や低階層単純労働者、識字率も極めて低い。言語
数も700〜800種類、地域により文化や慣習が異なる。イスラム教徒も多
い。
教育の重要性は理解するが乏しい国家財政もあり極めて困難な課題であった。
こつこつ、徐々に、着実に、押し進めるしか手立てはなかった。正にインディ
アン・タイムの世界である。
独立後60年余、急成長し始めたインドは、‘教育改革の第2段階’に着手し
始めた。従来は基礎教育重視であったが、これからは「基礎教育+高等教育の
深化・拡大」という教育改革を目標に掲げている。
先日、2009年度の予算案を発表した。
全体の内容は平凡なものであった。が、一際目立ったのは教育重視の政策であ
る。予算案では教育に破格の予算8500億ルピー≒1.6兆円を計上した。
先に官民共同して科学技術専門学校1000校設置の計画を発表したが、新た
に、新規大学設置構想を打ち出した。
世界的に優秀な頭脳を創出する大学として認知されているIIT=インド工科
大学7校、IIM=インド経営大学7校、そしてIIIT=インド情報技術大
学院30校を新設する構想である。
更に、インド全土を6000ブロックに分け、全ブロックにハイレベルのモデ
ル校を設置する計画も併せ公表した。ーーー公共事業にも繋がる。
1月12〜13日にグジャラート州で開催された世界投資家サミットでは、グ
ジャラート州とマイクロソフトが州の教育分野の総合開発で合意書を取り交わ
した。インド各州も教育には注力している。
だが、問題点も難題もある。ーーー教師の問題。
いくら学校数を増やしても、肝心な有能な教師を確保できるだろうか?
或る大学の学長は、「大学は‘教授の質’より‘学生の質’」と言っていた。
インドの学生は皆アグレッシブなので高等教育にはあまり問題はないだろう。
ーーー日本とは大分違う。
問題は基礎教育、
公立学校の教師の質の低さ・質の悪さ、は大分前から問題になっている。ろく
な教育をしていないし、頻繁に休む。インドの‘国家公務員気質’だろうか?
公立学校の教師でも、自分の子供は公立学校に行かせず、私学に通わせている
らしい。お蔭でインドでは公立学校より‘費用が安く’‘教育レベルの高い’
私学が急増している。民間ボランティアによる教育も盛んである。
インドの大学では、「特定の低カースト」の学生の優先入学枠が設定されてい
る。数年前、インド政府はその入学枠を広げ大騒動となった。
上層カーストの学生の入学枠が狭まり「受験競争が厳しくなる」というのが建
前上の大きな理由であるが「‘不浄’の学生と同じ空間で学ぶのは堪らない」
というのが本音だろう。
受験生を抱える上層カーストの親・学生が激しく抗議し、全国規模の反対運動
を展開した。インド政府は頑として譲らず、大学数を増やすことで受験戦争を
緩和する対抗策を打ち出した。今年から、その公約が実行される事になる。
一方、異なった問題が発生している。
入学を優先される「特定の低カースト」より「少し上の低カースト階層」の子
弟は優先枠の対象にはならない。彼らは「特定の低カースト」と同じ扱いにし
てくれとインド政府に要求している。
「カーストが下がっても良い」としている。それを認めてしまうと、彼らより
少し上のカースト階層が同じ要求をしてくるだろう。「一難去って又一難!」
インド社会はまだまだ発展途上である――――。
様々な社会が混在する国、‘一見の人には理解できない国’であるが、教育プ
ロジェクトは着々と進んでいる事は間違いない。
= この稿おわり =
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