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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ インドの緊急経済対策即決実行!日本とは大違い ― 2009/01/21
世界最大の民主国家インド、政治的な重要課題は侃々諤諤と議論を尽くし、な
かなか結論が出ないが、こと経済政策に関しては「結論」も「アクション」も
早い。
もとより、与党・野党とも基本的な経済政策は殆ど同じであり、大票田である
「貧民・農民の人気取り」の為になるなら、野党も反対する理由はない。与・
野党結束して緊急経済対策に乗り出している。
昨年10月以降、経済政策として、物品税(消費税と同質)と輸入関税=追加関
税)を14%から10%に引き下げ、ガソリン価格も10%引き下げた。ガソ
リンに関しては、近々再引き下げとなるだろう。
金利の大幅引き下げ(3.5%)、外資規制の大幅緩和、続々と緊急経済対策が
決定され「即日実行」されている。インド中央銀行の政策金利は史上最低水準
にまで引き下げられている。
緊急経済政策は約3兆ルピー≒5兆7千億円規模だが、年初、国民会議派の大
御所ソニア・ガンジー氏は、更なる対策として「100日以内」という期間限
定で「追加1兆ルピー≒1兆9千億円インド経済に注入せよ」と命じた。
具体的詳細は明らかにされていないが、貧民救済策=消費増大策であることは
間違いない。何故なら、5月に行われる総選挙、既に選挙戦が始まっている。
「100日以内」という事は4月中旬まで1兆ルピー使い切る事、即ち「人気
取り」「票集め」のバラ撒きである事は疑う余地もない。このバラ撒きは野党
にとってもマイナスではない。
1兆ルピー、インドの購買力平価を考えれば、8〜10兆円規模といえる。
インド各地の貧民対策、農民・農村対策が主力であろうが、「輸出減少でリス
トラされている弱者」、特に繊維部門や宝石・ジュエリー、革製品部門などの
労働集約型産業の失業者支援に回す筈である。
昨今の輸出減少の影響で、約1千万人の失業者が出る可能性があると推測され
ている。彼らの月給は約5千ルピー、ひとり当たり2ヶ月分の給料、約1万ル
ピーを給付しても、総額1千億ルピー≒1900億円。
1兆ルピーの予算があれば、難しい問題ではない。ちゃんと失業者の手元に給
付金が届くかどうかが問題だが――――。
兎も角、選挙対策用のバラ撒きが公然と実行される事になる。だが、咎める者
はいない。実際に恩恵をこうむる大勢の弱者がいるからだ。経済効果のほうは
どうか?
彼らは貯金をするほど余裕はない。給付金として渡しても‘確実’に‘直ぐ’
消費に回される。現物給付でも‘消費が増える’という点では同質である。
大盤振る舞いするインド政府の「懐具合」を心配する者がいる。だが、昨年4
月〜11月の直接税徴収額は、前年比20%以上増加している。企業業績・個
人収入が大幅に増えている証拠である。10〜12月も同様だろう。経済成長
が減速したとはいえ、前年比7〜8%成長しているので、当然の数字である。
懸念されたインフレ、昨年の8月には12%後半まで跳ね上がったが、現在は
6%台で推移、通年で6%台で収まる見通しである。
更に、原油価格もピーク時のバスケット価格バーレル129ドルから40ドル
近辺にまで急落している。一安心だろう。急増した貿易赤字も大幅に改善され
る。
金利引き下げにも関わらず、ルピーは対ドル強含み、1ドル50ルピーから4
8ルピー前後まで回復している。急減した外貨準備高も、12月から増え始め
2500億ドル強となっている。
SENSEX指数も10000ポイント台に回復、更に、特質すべきはNRI
=在外インド人からのインドへの送金が急増していることである。特に、リー
マン破綻前後の7〜9月には、史上最高額142億ドルの送金があった。
前年対比57%増である。金融危機の最中。昨年度(07年4月〜08年3月)
のインド向け送金総額は410億ドル、本年度は優に500億ドルを突破する
だろう。利に聡いインド人、早々と資金をインドにシフトしたようだ。
某経済紙は、インド経済が大分「後退」しているような印象を与える記事を頻
繁に出しているが、「前進」している現象には興味は無いのだろうか?
「自動車の販売台数が急減している」と度々報道しているが、昨年10〜12
月に自動車を買い控えるのは「当然といえば当然」である。金利は下げ基調、
小型車のニューモデルも続々発表される予定である。
部品の資材コストも値下がりしており、自動車本体価格も値下がりする可能性
がある。ーーーインディアン・タイム、半年ぐらい買うのを待ってもなんてこ
とはない。「買うのは先送りしよう」と考えるのは当然である。
‘不況’‘資金不足’で買えないのではなく、価格や金利が落ち着くまで待っ
ている、というのが実情だろう。金持のインド人は多い。貸し渋りに合って買
えない訳でもあるまい。
根っからの商売人、「損する買い物」はしない。皆に馬鹿にされる。そういう
意味では、多少自動車の販売台数が落ち込んでも、インド経済を云々するほど
の意味ある指標にはなりえない。時間が解決する消費者心理の問題である。
兎も角、インドは政府の積極的な経済政策が功を奏し、回復は順調にいきそう
である。与野党間のごたごたで二進も三進もいかない日本、お粗末としか言い
ようがない。倒産が続出してから検討を始めても後手・後手になる。
給付金などは「愚の骨頂」だろう。使い道は山ほどある。少しは民主国家イン
ドを見習ってみたらどうだろうかーーー。時間をかけ過ぎては「効果は半減」
する。
給付金は貯金、当分手を付けない人が多いだろう。
ーーー手を付けようにも額が小さ過ぎるーーー
= この稿おわり =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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