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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ 肥料価格も大暴落〜忍び寄るデフレ ――――――― 2008/11/26
2007年初頭から徐々に値上がり始めた肥料価格、昨年夏から暴騰し始め、
今年の春から夏にかけて、2007年年初の価格に比較して約3倍に跳ね上が
り、農産物価格高騰の一因となっていた。
サプライヤーは、原料価格の高騰、生産コストの上昇、中国・インドの需要拡
大を理由に強気一点張り、次々大幅値上げに踏み切った。そして秋口から価格
は高止まり状態になり、今週、暴落した。
肥料の国際主力商品である燐安は、トン約1000ドルから一気に約500ド
ルに、アンモニアはトン約900ドルから200ドル近辺まで暴落している。
やがて200ドルを割るだろう。ーーーなんと最高値の四分の一以下である。
他の肥料も軒並み下がるのは確実だ。
肥料の3要素、窒素、燐酸,加里、それぞれ生産・販売形態は異なる。
窒素の原料は、天然ガス・ナフサ・アンモニア、原油や天然ガスの価格に直接
影響される。殆どが日々の相場で価格決定される。
燐酸の原料は、燐砿石と硫酸とアンモニア。燐砿石生産者が燐案メーカーの大
手であり、燐分の生産コストは基本的に変わらない筈である。従い、アンモニ
アの価格上昇分だけがコストアップになる。
燐砿石は長期契約が殆どであるが、燐安は日々の相場で価格設定される。
加里の原料は塩化加里。鉱区で掘ったままの形態で商品になるので、基本的に
コストは変わらない。時々スポットでの売買もあるが長期契約が殆どである。
燐砿石と塩化加里のサプライヤーは世界で数社しかなく、略々完全な寡占天然
資源と言える。最大の産出国は、燐砿石はモロッコ、加里はカナダ。
この2資源は、早急に、世界規模で、地球・人類の重要な資源として、何とか
しなければならない課題だろう。食糧確保・食糧安保につながる重要問題であ
る。国連管理下に置いても良い資源である。
日本には一切無い資源、全量輸入に頼っている。有限な資源、今後もいつ何時
暴騰するか判らない。
国際商品としては、尿素(アンモニア)、燐安(燐酸液)、塩化加里として物流し
ている相場商品である。ーーー尿素の値上がりは理解できる。原油・天然ガス
の価格と略々比例して相場が動く。
燐安に関しては、燐砿石サプライヤーの政治的判断で決められる色彩が濃いが
燐案メーカーの数が多く、日々大きく変動する相場商品である。
塩化加里は、カナダ・ロシア・フランス・ドイツの大手4社の略々独占状態、
‘暗黙のカルテル’体制の下、価格は政治的に設定され、しかも1年契約が殆
どである。
肥料の中で、塩化加里だけは未だ高止まり状態。しかも世界最大手であるカナ
ダのサプライヤーなどは「更なる値上げ」を要求している。どういう精神構造
なのか?「儲けられる時にできるだけ儲けておこう」という判断だろう。
窒素、燐酸、加里のうち、燐酸と加里は完全な便乗値上げであると言える。商
品相場に投機マネーが入った可能性も大きい。中国やインドの需要が拡大し、
供給がタイトになったのでた値上がりした訳ではないだろう。バブル便乗値上
げといえる。
今回の暴落は、景気後退・需要縮小の傾向を見て、投機家が手を引き始め、現
金化に走ったのが、急落の主因だと思う。それにしても価格の落ち方が急すぎ
る。
ーーー肥料価格急落の火付け役はインドである。
インド国内には、窒素・燐酸・加里の原料は無いに等しい。従い、略々全量、
製品若しくは半製品の形で輸入している‘世界最大の肥料バイヤー’である。
商売上手のインド人、肥料の世界最安値は、必ずインド発である。激動する相
場を見ながら、インディアン・タイムで交渉するので、大体のサプラーヤーは
参ってしまう。
インドにとり,如何に肥料を安く購入するかは、国の重大事項であり、国家財
政にも大きく影響する問題である。従い、予想を絶する極めて厳しい交渉をす
る。
今インドは‘サプライヤーの横暴’に立ち向かい肥料価格の適正化に向け大役
を果たしている。加里の価格交渉でも是非共頑張ってもらいたいものである。
ーーー高値の在庫を大量に抱えていると思われる全農。
高値をベースに、7月から肥料価格の大幅値上げに踏み切ったが、今後どう対
処するのだろうか? 予測の読み違いというのは酷だろう。あまりにも動きが
急であり、変動幅が大きいので誰も読みきれない。
言えるのは、バブルがはじけ、はじけきった後は昔の自然な価格帯に戻る、と
いうことだ――――。
農民にとっては朗報だろう。円高であり、海上運賃も急落、来年の肥料価格は
半額以下になる公算が高い。しかし、農産物価格も下がる事に繋がるかもしれ
ない。ーーーそうなれば痛し痒しであろう。
デフレがひしひしと押し寄せている。次は鉄鉱石の大幅値下げだろうか…。
= この稿おわり =
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