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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
どんどんやるべし!野村がインドリーマンIT拠点買収  2008/10/15
リーマンの破綻、世界各地でリーマンの資産・利権処理が進行中である。先日
野村が、リーマンのインドのバックオフィス・IT開発・調査部門を数十億円
で買収する事で大筋合意した。2千人強の社員もそのまま引き継ぐとの事。

日本企業のインド進出・直接投資は、欧米に比べ大分に出遅れている。殆どの
日本企業にとって、インドは新規市場であり、しかも‘全くの異質・未経験の
文化圏市場’である。

FSにも時間がかかる。経験と知識不足の日本人によるFSは不十分なものと
なり勝ちである。FS担当者が、自らの判断に確信を持てないケースを散見す
る。それ故、結論は遅れ遅れになり勝ちである。

インド経済界・政界との人脈も人的関係も薄い。更に、インド人自身に対する
‘生理的疑念’を晴らせないでいる者も多い。それでは、経営者にとっても判
断は極めて難しい。

他方、目と鼻の先に急成長を持続している大市場・中国がある。

中国に比べればインドの市場規模はまだまだ小さい。インドの将来性を認知は
しているが、未だ「興味はあるが暗中模索」の日本企業が多いようだ。

日本企業に比べると、欧米企業にとってはインドは日本企業より遥かに判り易
い。イギリスの旧植民地であり、インドに関する知識は十分ある。英語圏でも
ある。

人的関係も深い。

政界も経済界も何らかの形でパイプがある。欧米に移住し土着化しているイン
ド人も多い。彼らの中には、経済界、科学界、医学界などで活躍している者も
多い。当然、人的信頼関係も深いだろう。

NRI(在外インド人)の役割も大きい。

欧米企業を組んで、積極的にインド直接投資を牽引してきた。欧米企業の幹部
社員の中にはインド人も多い。最近は競って有能なインド人を採用している。

言い換えれば、欧米企業のインド進出のFSは、信頼できるインド人社員、イ
ンドを熟知しているインド人社員・専門家によるFSが殆どである。

IT関連企業への投資はいうまでもない。将来性を確信した優良投資が殆どだ
ろう。リーマン・ブラザーズも、その欧米企業の一角である。最近は特に不動
産投資や有望企業へのPE投資が増えていた。ーーーいずれ誰かが、有利な安
値で引き受ける筈である。

欧米金融機関の破綻による資産処理、その中には有望な案件も多々ある。

インド側は誰かが引き受けてくれれば大歓迎だろう。失業者も出ないで済む。
その買収金額が幾らであっても、インド側の実損にはならない。外資誘致にも
繋がる。

あのAIG、タタと合弁でインドで保険事業を展開しているが、先日、タタは
タタ主導でインドでの保険事業大幅拡大の方針を打ち出した。AIGは将来性
の大きいインド市場を死守する方針のようだ。

タタは、必要ならばAIGの権利を格安で引き受ける用意があるようだ。

欧米の金融機関、総崩れの様相を呈している。リーマンだけではないだろう。

インド向け投資に関しては、この2年間にインド政府に許可された外資投資案
件を調べれば直ぐ判る。誰が何処に投資したかも判る筈である。投資した外資
金融機関が死に体であれば優良資産を格安で買収する絶好のチャンスである。

出遅れている日本企業、特にIT関係は殆ど未着手である。

インドのIT関連ビジネスは世界の主役になりつつあるが、殆ど欧米向けで、
日本市場は未開拓状態に近い。

ーーー日本向けはインドITビジネス全体の4%程度だろう。

欧米景気後退の最中、インドIT企業の標的は、大市場である日本に向き始め
ている。斯かる状況下、野村がリーマンのインド拠点、即ち、証券決済などの
バックオフィス部門、IT開発部門、調査部門の3拠点を買収する事は、極め
て興味深い。日本市場に与える影響は大きいだろう。

勿論、野村がどのようにインド拠点を日本で活用するかがKEYとなるが…。

「金融危機、次は実態経済?」などとマスコミ・評論家は騒いでいるが、金融
と実態経済は表裏一体、余り意味がないマスコミ的表現である。今は「金融危
機」に直面して投売りされ始めた「実態経済」の優良案件を物色し、自らの企
業を再編する絶好のチャンスと言える。

つぶれる企業は所詮つぶれる。やがて弱肉強食の自然淘汰の世界となる。欧米
の景気後退・景気低迷は数年続くだろうし、企業再編・合理化の時代になる。

この時期の経営者の能力、経営判断・決断力、実行力が、個々の企業の将来を
決めることになる。買収・提携・支援対象はインドだけではない。全世界に散
在している。

買収者は日本だけではない。中国、中東、シンガポール等の政府系ファンドや
巨大資産家も虎視眈々と蠢いている。視点を変えれば、日本企業がグローバル
化する絶好の機会だろう。

ーーー破綻寸前の欧米金融機関を支援するより、余程有意義だと思うのだが。

                        = この稿おわり =
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