┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━┓ |
┃ ┃ ┃ ┃ |
![]()
インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
|
☆ インドのバイオエタノール事業〜地産地消 ―――― 2008/07/30
インドのバイオエタノール生産、現在のガソリン混入率は5%だが、2010
年頃には混入率を10%にする計画である。バイオエタノールの原料は大量に
収穫できるサトウキビ。
ある日本の企業は、インドでバイオエタノールを生産し、日本への輸入を検討
していた。これだけ原油価格が高騰していれば非現実的なアイデアではない。
ただ、インドにはインド独自の難しい現実がある。殆どの日本人はそれを理解
していない――――。
インドの農家の約70%が、耕地面積2ヘクタール以下の零細農家。小作人も
多い。インドの耕地面積は中国の1.13倍だが、痩せた耕作地も多い。
バイオエタノールの原料であるサトウキビの産地はインド広範にわたり、収穫
したサトウキビは、工場に‘役牛・水牛’で運ぶ。役牛・水牛は時速5km程度
で人間の歩く速度と略々同じだ。
バイオエタノールの原料となるサトウキビは、収穫して24時間以内にエキス
を搾り取らないと痛んでしまう。従い、圧搾工場から精々10〜20kmの範囲
がバイオエタノールの生産‘経済範囲’となる。
トラックで集荷するのも一策だが、トラックの燃料費も馬鹿にならない。工場
周辺各地で収穫されたサトウキビを集め、工場に運び込み、各工場で生産され
たバイオエタノールを集め、数百キロ先の港の専用タンクに溜め込み、
4万トンぐらい溜め込んでタンカーで日本に運ぶことを想定すると、集荷する
トラックの燃料代、タンカーの燃料代…、なんの為のバイオエタノール生産な
のか、結果的には省エネにはならない。
やはりインド国内で生産されるバイオ・エタノールは、地元で消費するしか経
済性がない。むしろ、飲料用アルコールのほうが採算性はあるだろう。
多分、日本も同じことがいえるだろう。バイオエタノールの基本は地産地消だ
ろう。地域文化として根付けば良い。‘もったいない意識’と地域の共同意識
の種になる。
インドでは、飲料用アルコールも、将来性の高い高収益が期待できる産業であ
る。バイオエタノールの用途は多岐にわたる。
最近、インドでは、プランテーション型のサトウキビ生産が検討されているが
プランテーション栽培の発想は、農地問題・小作人問題に繋がる恐れがある。
英国の植民地時代に‘搾取’された記憶がインド農民によみがえる。精神的に
そう簡単な問題ではない。
バイオエタノールの価格を安定的に保証できるかどうか、という問題もある。
バイオエタノールの価格は原油価格次第だろうし、変動リスクは大きい。土地
の所有形態を含む大規模な農業改革が行われれば、プランテーション型も可能
だろうが、それは政治不安のリスクを伴う。連邦共和制のインドでは実現しに
くい課題である。
政治家はリスキーなことは絶対やらないだろう。
アメリカやブラジルと違った、農地が小規模な国でのバイオエタノール産業は
地産地消型の産業にならざるを得ない。輸送費がかかり過ぎるからだ。
最近、「非食糧物質からバイオエタノールを生産すべし」という論調が強い。
食糧をバイオ・エタノールの原料にするのは「もってのほか、徒に食糧価格を
引き上げる要因になる」というのが理由である。非食糧物質を使ったバイオエ
タノール生産に関する様々な研究が進行中である。大変、結構な事である。
問題はコスト…。しかし「非食糧物質からのみバイオエタノールを生産せよ」
というのも変な考え方である。重要なことは先ずは‘食糧増産’だろう。食糧
増産の余剰分をバイオエタノールに回す、その過程で、食糧価格安定を図る。
これが本筋だろう。
なにも非食糧植物を栽培する必要はない。本末転倒である。当然、食糧増産の
過程での森林伐採は避けねばならぬ。インドやアフリカ、その他の地域で穀物
生産量を増加させる策はいくらでもある。例えば、
インドの一単位面積当りの穀物収穫量は中国の半分以下である。
灌漑施設の不備や、種苗技術、農業資材が乏しいのが主因である。更に保存イ
ンフラなどが不備なことも問題となっている。耕地は十分ある。インド農業を
中国並みの生産効率にするだけで、世界の食糧問題は大半が解決できる。
ーーー余ればバイオ・エタノールに回せば良い。
世界の政治家のエゴが、世界の悲劇を招く可能性が大きい時代になってきてい
るが、物的成長のスピードをダウンし、農業・環境面で見直し、それが地球温
暖化問題の決め手になると愚考する。
エネルギー消費減少、大いに歓迎すべき事象だろう。
一時的に我慢し、その状態を持続すれば、10〜20%のエネルギー消費減少
は簡単に実現する。言っても判らなければ経済的に強制すれば良い、良いテス
トケースである。結果は数ヵ月後に出る。
これが、なるようにしかならない人間社会の現実だろう。政治は無力、消費者
の行動が現実、これが実態…。車屋やガソリンスタンドは困るだろうが…。
ーーー所詮、消費者が神様…。
= この稿おわり =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃ ┃ 読後アンケート結果。
┗━┛ ◇ これは有益! (^○^) --------------------------------- 17人 (68%)
◇ まあまあですね (゜.゜) ------------------------------ 7人 (28%)
◇ まあまあ..の..まあまあ(-_-) ------------------------- 1人 ( 4%)
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
|