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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ インド最大製薬会社ランバクシーを第一三共が買収 2008/07/23
6月10日、インドの新聞 The Financial Expressは、「第一三共」がインド
最大の製薬会社ランバクシー・ラボラトリーズを買収すると報道した。
インドのMr.Malvinder Singhをプロモーターに、まず彼の持つ株式34.82
%を取得、次に株式公開買付けに入る。買付価格は一株737ルピー、
過去3ヶ月の平均株価の53.5%プレミアム、一昨日株価終値の31.4%
プレミアム、買取総額は推定34〜46億ドル(3600〜4900億円)。
Closing は2009年3月、ランバクシー株の売却額総額は約85億ドル≒9
千億円)になるだろうと推定されている。第一三共は最低50.1%の株を取
得する方針。
プレミアムは高く見えるが、今年前半のインド株価はアメリカ経済急減速の影
響を受け大幅に下げており、今後のインドの株価上昇の可能性、ランバクシー
の成長性からみれば、市場関係者は妥当な線との評価もある。
成長著しいランバクシーが買収される、という点で注目度が高い。業績が良く
成長性の高いインド企業が日本企業に買収されるという話題性もある。
ランバクシー経営陣と Mr.M.Shinghと第一三共が納得しての買収劇、当面は、
今回の買収劇の影の主役 Mr.M.ShinghがCEO&MD、将来的にはChairmanに
収まる予定である。
彼のコメントは、
┌--------
「今回のディールは、ランバクシー社の研究開発に新風を吹き込み、より強固
な基礎を構築する望ましい合体である」
Together with our pool of scientific, technical and managerial
resources and talent, we would enter a new orbit to chart a higher
trajectory of sustainable growth in the medium and long term in
developed and emerging markets organically and inorganically
└--------
絶賛である。
インドの報道もむしろ歓迎ムードである。インドには日本のような陰鬱な外国
企業に買収される、というような‘悲哀’に似た感情はない。日本企業に買収
されることに何ら違和感を抱いていないようでもある。
買収された側が喜ぶ構図、買収金額が高いからだけではないだろう。今世紀に
入り急成長し、業績拡大を続けてきたランバクシー、ジェネリック新薬開発で
は世界のトップクラス、インド特有の感染症や糖尿病・高血圧などの分野に強
い。だがランバクシーにとっても壁がある。
ーーー世界市場でのジェネリック薬のマーケティングである。
ジェネリック薬開発の背景には、インドの夢がある。2000年当初、ジェネ
リック薬を開発するに当たって、インドの知識人が集結し開発の基本精神が討
議された。
基本精神は、今までインドが苦しんでいた問題の合理的解決、即ち、インドは
長年高い薬品に苦しめられていた。ーーー高い薬品の主因は、欧米の特許シス
テムにある。
ジェネリック薬開発の目的は、「より良い薬をより安く」「貧民も飲める価格
帯」になるようにすることにある。集結した知識人の中心に、小生の知人の、
故ポール・ポーテン氏もいた。
彼は南インドでは立志伝中の賢人、インド最大の国営肥料会社IFFCOの最
高責任者であり、晩年は故郷コチの片田舎で質素に生活、地元の営農指導や貧
民救済事業に専念していた。
21世紀に入り、ジェネリック薬開発検討委員会のメンバーに抜擢され、貧民
の為の事業と位置づけ、検討委員会のオピニオンリーダーとなっていた。視点
はインドばかりでなく、アフリカ等の貧民救済にも向けられていた。アフリカ
にも安くて良い薬を、というのが彼の訴えであった。
彼は数年前亡くなった。南インドでは神様のような存在であった。
その精神が引き継がれ、ジェネリック薬の特許を巡り、利益重視の欧米勢と裁
判沙汰が多発しかねない状況にある。ジェネリック薬・後発薬のほとんどは特
許(発明・発見)にあたらない改良品、特許権は認められない、というのがイン
ドの主張である。
特許切れの改良品、特許料を支払わなくても良い安い新薬、このジェネリック
新薬がランバクシーの強みである。
ジェネリック薬は第一三共が弱い世界、ランバクシーはアジア市場、特に宝庫
の日本市場ではまだまだ新参者である。両社の長所と短所を生かした共同戦略
日本・インドを中核としたアジア・アフリカでのビジネス展開の可能性を考え
れば、結構良い結合かもしれない。
インドの薬品メーカーには日本の中小薬品メーカーの買収を検討している企業
もある。‘食われるより前に食え’これが最大のM&A防衛策かも知れない。
ーーー‘攻撃は最大の防御’
一方、買収されることにより(買収側の長所を活かし)自己の真の目的の達成に
邁進する生き方もある。買収側との考え方と真に合致すれば、理想的な買収劇
になる。主導権はそう大きな問題ではない。
企業理念を貫くほうが重要、そういう企業があっても良い。
数千億円、数兆円規模の買収・合併、日本企業も、規模に驚かずグローバルに
理想的な合体を図るべきだろう。グローバル化を進めるためには、グローバル
な企業と血を混ぜるやり方が一番手っ取り早い方法である。
日本の経営者に自信と度胸があれば、勝算が大きい業種も多々ある。
‘防衛より攻め’
攻めに転じれば‘ファンド’も評価し協力することだろう。
= この稿おわり =
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鋭い切れ味のお考え!確かに、大局観から見れば、どちらが主導権をとろうと
も構わない筈というのは、目から鱗が落ちました。
日本人では為し難い(苦笑)、さすが悠久の大地インドの人の経営判断であり、
インド在住の人だからこその解釈だと思いました。
ただ、もう少し泥臭い事情‥‥開けてびっくり不正経理の山!(笑)など‥‥が
買収されたインド企業から将来出ないといいのですが・・・
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