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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ リライアンスグループ、ハリウッド買収に始動 ―― 2008/06/11
世界の原油消費、日量約8500万バーレル、古い油井のコストは精々バーレ
ル2〜3ドル、高くても20ドル弱、なのにWTIは130ドルを突破した。

今後、短・中期的には130ドル前後で推移していくのだろう。産油国は大ま
かに計算すれば、毎日100億ドル、1兆円程度の純利益を享受している事に
なる。OPECは約3000万バーレル、中東の油井のオーナーは王族・王族
の親族が殆どである。

アラブ首長国連邦、特にドバイ、巨万の富を背景に、金融・商業センターやオ
アシス兼未来都市を夢見て巨額な不動産投資を行っている。海を埋め立てた大
規模な人工リゾート島、豪華な別荘建設などが着々と進んでいる。

現在建設中の超高層複合商業ビル「バージュ・ドバイ」は高さが800mを超
す。未だ、ビルの高さを何mにするか決めていない。マル秘である。数十mは
調整できる設計で、兎に角、世界一の高さを誇る超高層ビルにしたいというの
が、オーナーの最大の願望である。

桁違いの成金がいる中国やインドが800mを越すビルを建てる可能性があり
それを恐れて未だ高さを最終決定していないらしい。何百、何千億円かけるの
やら、全く無意味な砂上の楼閣、21世紀の愚の象徴のような気がしてならな
い。

ドバイ、何回も行ったが、熱いだけの乾いた世界である。文化も無い。ショッ
ピングを楽しむのも良いが、決して長居する場所ではない。人口海辺の別荘で
星を眺めるのも良いだろうが、長続きはしない。

金の使い道が見つからなかった‘金満居士’のロマン(?)というか、無駄遣い
というか、ここまでくると単なる‘娯楽’を通り越した‘狂気の沙汰’としか
思えない。

資金源は、地球に存在する65億人以上の人、皆が知らず知らずに払い、消費
しているガソリン、石化製品、電気代…、一日、一人1〜2円払えば100億
円になる。皆が満遍なく負担しているので余計始末が悪い。それが‘砂上の楼
閣の資金源’になっている。

巨額な金の使い方に、プロジェクト・マネージャーはそれなりの言い訳をして
いる。ビジネスの一環であると…。残念(?)ながら成功しているビジネスが多
い。成金仲間‘似非セレブ’がセレブの仲間入りをしたいと思い、見栄で彼ら
の物件を買っているからだろう。ーーーいつまで続く事か…。

セレブ族が今熱中しているのは、大衆娯楽・エンターテイメント産業である。

典型的なのは、ロシア人アブラモヴィッチ氏が買収したチェルシー、タイ前首
相タクシン氏が買収したマンチェスター・シティー。イングランド・プレミア
リーグ20チームのうち、8チームは英国人以外の個人がオーナーになってい
る。

アメリカは論外、NFL、MLB、NBA、NHL、巨大過ぎて買収ができな
い。そこで目を付けたのがイングランド・プレミアリーグだろう。巨額の資金
をつぎ込み、世界のスタープレーヤーを買収したので、人気は急激に高まって
いるようだ。

お陰で興行利益・放映権収益も大幅増大し、オーナーに高収益を齎せている。

インド・セレブ族はまだ常識の範囲内、インド国内の地道なエンターテインメ
ント産業から着手し始めている。

インドでビールのシェア50%以上を占めるキングフィッシャーは、数年前に
航空ビジネスに参入、2010年F1誘致に成功、次のチャレンジとしてイン
ドの国民的スポーツであり、コモンウェルス世界の最大の人気スポーツである
クリケットに焦点を当てている。
┌--------
注:コモンウェルス世界(Commonwealth of Nations)=英連邦加盟諸国
現在は、英国ともで54ヶ国。かってのイギリス植民地が独立した後、次々と
加盟している。その地域別および政治形態別一覧表は以下。
http://www.asahi-net.or.jp/~cn2k-oosg/room0690.html
└--------

昨年、クリケット・インディアン・プレミア・リーグ構想を打ちたて、入札で
オーナーを決めた。

コモンウェルス諸国の名スターを巨額な金で招聘、4月からプレミア・リーグ
が始まり、インド全国民が熱狂している。オーナーは、キングフィッシャー、
不動産最大手のDLF、ヒーローホンダ、ITC・ウェルカム・グループ、シ
ティー・バンク等々…、

放映権はソニー・エンターテインメントTVとワールド・スポーツ・グループ
これを契機にインドでエンターテインメント・ビジネスが始まることは間違い
ない。テレビが急速に普及しており、ベスト・タイミングだろう。

この世界は、日本の高度成長期に似ている。純粋なビジネスではあるが、背後
には、コモンウェルスのセレブ族が暗躍する上流世界がある。

ーーー他方、インドの化け物的存在になっているリライアンス・グループ。

弟のアニル・アンバニ氏の目下の最大の関心事は、ハリウッド買収である。

インドの映画産業は世界最大、ムンバイ・ベースの‘ボリウッド’チェンナイ
・ベースの‘コリウッド’コルカタ・ベースの‘トリウッド’そして名前はつ
いていないが、ハイデラバード・ベースの映画産業・撮影所がある。4地域、
それぞれ言語と文化の違う地域に多くの撮影所がある。

インドはアメリカの約2倍、年間約1100本の映画を製作している。

リライアンスは、ばらばらなインド映画産業、インドの巨大な映画市場を見据
え、内からの攻勢と、外からの攻勢、更に世界の市場を見据えて、ハリウッド
を押さえようとしているようだ。

サポーターはジョージ・ソロス氏。

彼は、インドが世界のメディア・映画界で重要な役割を果たすと読み、昨年、
リライアンス・BIG・エンターテインメントに1億ドル投資、共同で戦略を
練っているようだ。まず地固めとして、側近のインド系アメリカ人、べディ・
シン氏をMGMの社長No2に据えた。

取り敢えず、ハリウッドの8撮影所を傘下に収めるべく交渉中、すでに北米の
200近くの映画関連商品販売店を買収しており、‘次世代メディア・カンパ
ニー’を目指すと公言している。

アニル・アンバニの個人資産は約4兆円、ムンバイのマリーン・ドライブを愛
車フェラーリで、傍若無人に猛スピードで突っ走っているのを良く見かけた。

インドでは、大物経営者が自分で運転するのは珍しい。彼ぐらいだろう。その
内、専属F1ドライバーを雇うかもしれない。

セレブが導く世界…、

‘残念ながら’彼らのBIGビジネスが巨額な利益を生んでいる。規模の為せ
る業、ーーー日本企業には発想すら浮かばない世界であるーーー

インドは中国の取り組み方と一味違う。

インドは、グローバル世界の中でインド市場を梃子に、巧みに、且つ、豪快に

化けようとしている――――。

                        = この稿おわり =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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