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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
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☆ アメリカの景気後退はインドのプラス要因(1) ―― 2008/05/28
インドに投資を検討している人の参考になればと思い、私見ですが纏めてみま
した。
アメリカの景気が後退すると、半年後にアジアからのアメリカ向け輸出減少が
顕著になり、アジアの景気が減速する、というのが過去のパターンであった。
他方、急成長している中国とインドの国内消費の増大が、アメリカの国内消費
減少をある程度カバーし、世界の景気後退をある程度和らげる機能を果たす、
という期待感もある。
アメリカの国内消費減少及び米ドル安は、生産過剰状態の創出、及び輸出競争
力の低下という両面でアジア、特にアメリカ向け輸出の依存度が高い中国に大
きな影響を与えることは間違いない。
特に四川大地震の国内経済に与える影響が懸念される中国、中央政府の指導が
あるにも関らず、前年比25%以上の固定資産投資が増加し続けている過熱し
た状態が継続する中国、北京オリンピック後にクラッシュの可能性がある。
原油や鉄鉱石などの天然資源高騰、そして食料価格の高騰、インフレーション
この数ヶ月の株価大幅下落、環境問題など問題山積みの中国、目先の問題とし
て‘鋼材’など供給・生産能力過剰となっている製造業種も増え始めているよ
うだ。
商品市況の混乱は免れ得ない。更に、貧富格差の拡大と国民の欲求不満蓄積は
政治的不安材料にもなっている。
ーーーでは、インドはどうか?
インドもアメリカの景気後退の影響は免れないだろうが、その影響は微々たる
ものであり、中国とは異なり、逆に「プラス要因」になる要素が多々ある。そ
の理由を列挙すると、
1.アメリカ依存度。
インドの輸出入総額は、世界の貿易の1%程度であり、アメリカ向け輸出は余
り大きくない。アメリカの消費減少による影響は微々たるものである。
BPOなどIT関連はアメリカとの取引の減少を免れ得ないだろうが、日本な
どの新規市場開拓で多少カバーされよう。2000年以降、インドのIT産業
はインドの経済成長の牽引役であったが、IT産業はインドのGDPの5%に
過ぎない。他方、
IBMやフォードなどのアメリカ企業や、世界企業のR&Dセンターのインド
シフトも加速している。アメリカ景気の後退影響は微々たるものだろう。
2.インド国内市場の急速且つ底辺の拡大基調。
インドは「これ以上に落ちようがない市場」ーーー生活レベルの向上に伴い、
最低生活必需品の需要が急拡大している。‘衛生用品’や‘お菓子’や‘おも
ちゃ・文房具’など、FMCG分野の成長は著しい。
他方、毎年10%以上収入増を続けている中間層の増加と、富裕層の増加は、
高級嗜好品の需要を増加させている。言い換えれば、全分野で消費が急拡大し
ている。10年前ぐらいの中国と同じ現象といえる。
3.アメリカ・欧州の先端技術のインドへの移転が始まっている。
ICT、航空機、一部軍事産業開発分野、宇宙、医療・薬品・バイオ、原子力
発電等々。一般産業分野では、日本がやっとインドに進出し始めた事も大きな
変化である。
4.インド政府主導のインフラ整備事業が本格的にスタートしている。
向こう5年間で40兆円規模。インフラ整備は外資導入の為の国是となってい
る。その事業に、ファンドなどの巨額な資金が海外から流入している。最大の
懸念材料であった財資不足問題が払拭され、大規模なインフラ整備事業が着々
と進んでいる。
5.民間企業の設備投資が本格的にスタートしている。
2004年に政権を取った現インド政府は、積極的外資誘致政策に転換、外資
規制緩和など具体的に見え始めた2006年頃から外資参入が急増し始め、外
資とのJV、外資直接投資も拡大基調にある。
6.需要に追いつかない状態であった工業団地やホテル、住居、病院等々、ま
た、新規需要であるショッピング・モール、スーパー、娯楽施設等々の都市イ
ンフラの建設投資が急速に拡大している。
不動産事業は急成長、シンガポールやマレーシアなどの外資の参入も多い。こ
の分野は、需給バランスからいって、バブルの卵が生まれる以前の状況といえ
る。殆どが今まで無かった新規インフラ分野である。
7.固定資産投資に拍車を掛けているのが海外からのPE投資の拡大である。
2007年のPE投資額は、約170億米ドルに達している。インド国内銀行
も積極的PE投資に動き出している。
8.2009年には総選挙がある。
現インド政権は、票確保の目的もあろうが、最重要政策として生活レベル・教
育レベル向上を掲げている。所得税納税対象者を、昨年までの11万ルピー以
上から15万ルピー以上に引上げた。
農民の債務減免など、貧民救済策を打っている。教育関連予算は前年比20%
増、物品税も2%下げた。貧民の経費減少は消費拡大を促進する効果が期待さ
れる。
9.携帯電話とテレビの普及。
昨年8月、携帯電話の加入者は2億を超え、その後も毎月800〜900万の
ペースで増え続けている。年内には3億を突破するだろう。テレビの普及も著
しい。
携帯電話とテレビの普及は、消費者の情報量拡大を伴い、新規需要拡大効果は
大きい。わずか数年の変化である。
10.インフレに対する経済調整手段が多々ある。
未だ高めに設定されている輸入関税、物品税、VAT、数%程度のインフレは
税金面で調整できる。為替に関しては、3千億ドルに近い外貨準備がある。外
貨準備をどのように使うかは、今後注意を要する点でもある。
11.通貨ルピーの安定。
この数年ルピー高の傾向にあったが、最近は1米ドル40ルピー程度で安定し
ている。
12.食糧に心配がない。
食糧は食料油を除き自給自足体制にあり、穀物や乳製品などは輸出国である。
米・小麦は中国に次ぐ世界2位の生産国、ミルクは世界1位、野菜・果実類は
40%ほど廃棄処分している=廃棄処分せざるを得ない)状態である。
更に、食肉の消費量は少ない。豚肉・牛肉は宗教的理由で食べない人と、ベジ
タリアンが圧倒的に多い国である。ーーーインドには食料不足の問題はないと
いえる。
他方、農業の生産性はかなり低い。米の生産性(=反収)は中国の数分の一であ
る。これは見方を変えれば、農業の生産性を向上させる余地は十分にあるとい
うことであり、こと食料に関しては、一時的インフレはあるだろうが、政策的
に解決可能である。
13.原油は70%輸入依存だが、絶対的消費量は比較的小さい。
中国の3分の1以下である。原油高はインフレ要因になっているが、直接的影
響はエネルギー消費者である、富裕・中間層に限られる。貧民はガソリンも電
気も関係ない。未だ電化率50%弱の国である。
14.後進性のメリットがある。
特に環境問題等に関しては、これからの設備投資は環境を配慮し、最先端技術
を取り入れた設備が基本となる。しかもCDM案件や公的な技術支援対象案件
が殆どである。結果的にコスト低減効果がある。環境問題に関してはインド政
府は厳しく規制している。日本の出番でもある。
15.高騰している鉄鉱石、石炭、ボーキサイト、チタン等々の資源は国内に
豊富にあり、輸出国である。殆ど手付かずの資源も多い。価格高騰はインドに
とり収入増となる。
16.政治的要因。
インドは世界最大の民主国家であり、法治国家の利点がある。外交的には中立
・内政不干渉、内政は政教分離、いわゆる世俗主義、そして第3国のリーダー
格、大国の利点もある。
混迷する国際社会の中で、地政学的に重要性を増している。連立政権は一見不
安定に見えるが、民主選挙による安定している政体、大票田である貧民が支え
る政権である。
インドには貧富問題は大きな問題ではない。問題は貧困問題、貧民に良い政治
をやれば国は安泰である。急速に経済成長しているインド、民主国家ゆえに政
治リスクは小さいといえる。
17.BRICsとして世界に認知されている事も大きな要素である。
投資先として注目され、世界のファンドが多量にインドに流れている。米輸銀
もインフラ・プロジェクトや航空機等の米製品購入に対し、それぞれ22億ド
ル・60億ドルと巨額なクレジット・ラインを設定している。米年金ファンド
もインドに流れている。
最近はイスラムマネーの動きも活発化している。更に景気後退基調のアメリカ
から逃避する世界の余剰資金が、長・中期的避難先として、持続的収益が期待
できる安定投資先として、インドを選択する可能性が大きい。
18.インド経済はモンスーンの雨量に大きく影響される。
地球温暖化・異常気象、普通に考えれば雨量が増える、と考えるのが自然だろ
う。海水温が上昇し、大気の湿度が高まりインドに流れてくるからである。
今年のモンスーンは平年より1週間ほど早まり雨量も平年並みの予想である。
雨量が多ければ多いほどインドの農業は潤う。
19.原油高騰で景気のよい金満中東と、これから成長するアフリカは、歴史
的にインドの市場であり、インド人も大勢いる。この地域向けの輸出は減らな
い。むしろ増加するだろう。
20.インド企業、特に財閥系は自己資本比率が高く、昔からグローバル性に
富んでいる。
金融のプロも多く、M&Aの才能に長けている。経営能力も高く、何よりも集
金能力が高い。タタ、ミタル、リライアンスなどの財閥系に加え、ウィプロな
どの新興大企業、収益力を付けている国営大企業、その個々の資金力とIPO
など様々な形で行っている集金力、これも見逃せぬインドの実力である。
ーーーまだまだインドの成長性を裏付けるポイントはある。
最後に、「日本企業がやっと動き始めた」こともインド経済を牽引する効果が
あるだろう。インドに進出している日本企業は、年初の段階で約500社だが
今年は100〜200社が新たにインドに進出するだろう。中国からインドに
シフトを考えている企業も散見する。
2000年以降、ITが牽引してきたインド経済、これからは固定資本投資と
製造業がインド経済の牽引役になる。インド、まだまだ経済規模は小さいが、
インド流に化ける時期に差し掛かっている。
北京オリンピックを境に苦悩に陥る中国が見えるが、インドは2010年のコ
モンウェルス・スポーツ大会を機に、後進国からの離陸・飛躍のスピードを速
めることは間違いない。
民主主義への先行投資が経済成長に寄与していくことも重要要素だろう。
= この稿おわり =
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┃ ┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
┗━┛ ┌──────────「gardenさん」40代@男性@管理職@関東
楽しく読ませていただきました。私もインドの可能性を高く信じています。
元インドのバングラデシュを含めればかれこれ25年のつきあいです。最近は
年に1度ぐらいの訪問ですが、あのガンジスの流れのように変わらないインド
がここ数年変わってきた、という驚きがあります。
なお、あくまでも私見ですが、インドには美人はほとんどいません。インドの
多数の友人の意見を総合すれば、日本人の美人の感覚とインド人では、大きな
開きもあります。
確かにグラビアではインド美人はいますが、おそらく欧米とのハーフでないか
と思います。
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┌──────────「はぐれ雲さんから」
察するに、インドのご経験はコルカタ近辺?ーーーインドで美人に遭遇しない
とは不幸至極! 個人個人美的感覚は違うでしょうが、インドは美人が多いと
思います。
インドは人種的には、ドラビタ族=褐色)モンゴロイド族=黄色)アーリア民
族=白色)、アーリア族という人種はありませんが、総称アーリア民族の人種
は学術的には白人です。インドは3種族混合の世界。
アーリア人はプライドが高く、混血を忌み嫌っておりますので、アーリア人の
血は純潔に近いと思います。そのアーリア民族に美人が多い。その他2種族の
美人率は、日本とほぼ同じぐらいでしょうか?
小生の感覚では、美人率が低いのはシンガポール…、美人感はは人それぞれな
んでしょうね。インドの種族に関しては、長くなるので別稿で説明します。
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┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
美人問題に関しては OJIN も garden さんに大ブーイング!
インドアーリア族っていうんでしょうか、カシミール地方とか北インドに多い
のかな? いや〜もう!ブスはどこにいるんだい?ーーーというのは言い過ぎ
でしょうが、美形だらけ!
やっぱりバングラっちのほうではね〜、そりゃ真っ黒けばっかり? (^○^)
・
ーーーバングラデシュの皆様!冗句でございますから、怒らないで下さいね〜
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┌──────────「ベンガルさん」30代@男性@海外
バングラデシュでも、色白の美人さんはけっこういますよ。宗教上なかなかそ
ういう美人さんを目にすることができないだけなんですよ。
テレビに出てくる女性はもちろん綺麗ですが、そのへんの大学に通う女性の中
でも、色白で(我々日本人と変わらない白さ)、目鼻立ちの整った方がいます。
どこの国にも綺麗な人はいるということですね。後は、顔の好みは人それぞれ
じゃないですか??
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┌──────────「はぐれ雲さんから」
美人って? 個性と感覚人それぞれ、美に関する感覚は人によって違いましょ
う。肌の色、目の大きさ、目の色、目鼻立ち、唇、顔の輪郭、そしてスタイル
日本人とは違うエキゾティックな美の世界が南西アジアにあると思います。
南西アジアは、日本人にとって、新しい‘美’の宝庫でしょう。
アーリア人は元来白色系のDNAですが、3千5百年の歴史の結果でしょう、
白色といっても褐色(小麦色)となってます。白色系とは違う人種に思えます。
インドのバングラデシュも同根です。ボリウッドの女優、コルカタの女優、今
後、バングラの女優も出てくるでしょうね!‘綺麗な人’の確率は東南アジア
より高いと感じます。感じ方は人それぞれでしょうが…。
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┌──────────「房さん」50代@男性@会社員(技術系)@近畿
はぐれ雲さんの『インド事報』のメールに期待します。
但し、皆忙しいので、メール自体は短目にお願いします。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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