┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓



バリ島の市井に暮らして ―─ by 美龍@バリ島さん
☆ スマトラ沖地震:続報2 ―――――――――――― 2005/01/17 以前、在外公館=大使館)不要などという発言が日本を賑わしていた記憶があ りますが、今回は、その現地日本大使館がどのような情報を発信しているかに ついてお話したいと思います。 まず、皆さんご存知のように私はバリ島在住です。そして、ここにもちゃんと 日本の在外公館はあります。でも、ここから情報をもらったことはほとんどあ りません。以前、僅か一年ぐらいは、独自で現地での在住を届け出ている人に はメールで文書を送ってきてくれていましたが、現在は日本人会に所属してい ないと"いただけない"ものなってしまいました。 なので、私は直接在ジャカルタ日本大使館(正式には日本国総領事館)から情報 を送って貰っています。さすがジャカルタの日本大使館は、バリの領事館(正 式にはデンパサール駐在官事務所で、領事館扱いにはなっていないはずです) とは異なり、日本人会所属云々などというケチクサイことは言いません。 現地在住の届出をしている日本人ならば、希望すれば誰にでもメールで情報を 送ってくれます。そして、実は、バリの日本公館が日本人会経由で流している 情報の元は、このジャカルタ発信の文書なんです。 前書きが長くなりましたが、今日(1月14日)、その在ジャカルタ日本国総領 事館から、地震のあったスマトラ島に関する文書が送付されてきました。現地 の日本国大使館発信の文書など、皆さんはあまり目にする機会もないのではな いかと思いますので、ちょっとご紹介してみたいと思います。 ┌──────────「引用ここから」 総領事館からのお知らせ 平成17年1月14日(総05第1号)在ジャカルタ日本国総領事館 ナングル・アチェ・ダルサラム州への渡航について: 1.ナングル・アチェ・ダルサラム州においては、これまでアチェの独立を求   める武装集団「GAM(独立アチェ運動)」とインドネシアの治安部隊との   間の武力衝突により多数の死傷者が出ており、1月現在も依然として散発   的に銃撃事件が発生していることから、現在、同州には危険情報の「渡航   の延期をおすすめします」(いつでも退避できるよう準備をおすすめしま   す)が発出されています。 2.また、2004年12月26日に発生したスマトラ島沖大地震及び津波に   より、同州は州都バンダ・アチェをはじめとする各地で壊滅的な被害を受   け、犠牲者は10万人を超え、家屋を失った被災民は数十万人にも上ると   言われています。   現在、これら被災民に対する国内外からの救援活動が展開されています。   しかしながら、バンダ・アチェを含む被災地においては、道路網も大きな   被害を受け、ホテル等の宿泊施設が皆無であるだけでなく、車両の確保や   飲料水、食料の確保も困難な状況となっており、携帯電話も繋がりにくい   など通信事情も悪い状態が続いています。   さらに、現地では、銃を使った犯罪や放火、窃盗団の暗躍など、一般治安   も悪化しており、一方で、現地の治安当局は、被災の影響から機能が十分   回復しているとは言えない状況です。   また、同州において外国人が武装集団に狙われる可能性も指摘されていま   す。 3.したがいまして、同地への入域は高いリスクが伴うと考えられますので、   同州への渡航は延期されることをおすすめします。やむを得ず入域される   方は、以上の状況を十分認識し、   (1)宿舎警備・同行警護の確保、   (2)衛星電話等の通信手段の確保、   (3)現地での宿泊施設や車両の確保、   (4)食料品の携行、   (5)感染症に対する予防接種、   (6)退避手段の確保等万全の安全対策をとるとともに、最新の情報の入手   に努め、入域に際しては、事前に在インドネシア日本国大使館(在ジャカ   ルタ日本国大使館)又は在メダン日本国総領事館にお知らせ下さい。 4.なおインドネシア政府は、   (1)外国の援助機関は現地での受け入れ先(スポンサー)を明確にすること   (2)外国の援助機関の活動期間を制限し、活動場所を指定すること、   (3)外国人は、バンダ・アチェに到着後、直ちに国家警察現地司令本部   (Posko Police)に出頭すること、   (4)国家警察現地司令本部は、出頭した外国人に旅行証(Surat Jalan)を   与えること等を求めています。 やむを得ず入域される方は、関係当局において必要な手続をとられるようご留 意下さい。また、上記手続が、今後変更される可能性もありますので、報道内 容を随時フォローして下さい。 └──────────「引用ここまで」 この最後の項目が、インドネシアにおけるアチェの特徴を現していると思いま す。以前にも書きましたが、東ティモールの独立というインドネシアにとって は苦い経験をして以来、インドネシア政府は、たとえ人道的な活動であろうと も、外国人の国内での活動には神経質になっています。 被災地支援の名の下に、独立を後押しする外国人が入り込んでくることも懸念 していますし、それによって、イスラム過激派の攻撃対象がそこにいる外国人 全体となりうることも懸念しているわけです。 本当に支援を志してくださっている方には申し訳ない話ですが、現地受け入れ のスポンサーがいなければまず許可の対象にはなりません。そして、国家警察 に出頭するということは・・・、まずいろいろと難癖をつけられることでしょ う。これはスポンサーがいても同じことです。つまり、ここで(インドネシア にとって)危険な外国人かそうでないかを篩[ふる]いにかけるわけです。 と同時に、外国人に対する攻撃があった場合に、警察が守れる範囲に人数を絞 り込んでおきたい、というのもあるかと思います。出頭したからといって誰に でも許可を発行してしまったら、とてもではないですがイザというときに外国 人保護にまで手が回りません。 もしも被災地支援の外国人に死傷者が出たならば、当然、その非難は免れない わけですから、どうしてもここで篩[ふる]いにかけるしかないわけです。 もし、この「Web 熱線」をご覧の方で、アチェにおける支援活動を希望されて いる方がいらしたら、まずは在ジャカルタ日本大使館に問い合わせされること をお勧めします。 また、希望している人が知人友人にいるという方は、どうぞ、この現地日本大 使館発行の文書の情報を教えてあげてください。 ================== 今日、1月14日現在、スマトラ沖地震によるアチェ・北スマトラ両州の死者 は110,229名、不明者は12,132名と社会福祉省(日本でいう厚生 省―すみません、現在の省庁名を忘れました)の災害対策本部が発表ました。 すでにご承知の通り、インドネシアには世界の三大宗教といわれるイスラム教 ・キリスト教・仏教、そしてヒンズー教が、一つの国の中に存在しているわけ ですが、中でも戒律に一番うるさいのがイスラム教徒であることは容易に想像 がつくことと思います。 1月11日付けで、インドネシア・ウラマ評議会がスマトラ沖地震・津波被災 地における埋葬と食品に関する特別な決定を出しました。このウラマ評議会と いうのは、イスラム教の指導者団体で、政府機関にも強い影響力を持っていま す。その内容は、 埋葬について: ・遺体を清め、白布でくるみ、礼拝を捧げることを省略してよい。 ・男女、イスラム教徒・非イスラム教徒を区別せず一緒に集合埋葬してよい。 ・遺体が発見された場所において埋葬を行ってよい。 外国からの支援物資食品について: ・適正な食品検査ができず、ハラル(後述)の認定ができないのが現状だが、非  常事 態であることを考慮し、期限付きで(いつまでかは今後の状況を見て  判断する)ハラル認定のされていない食品を食べてもよい。 というものです。 インドネシアでは、多くの食品に、それがイスラムの教義に適応しているかど うかを示す「ハラル」という認証マークが入っていて、イスラム教徒が安心し て食品を購入できるようになっています。日本でもお馴染みのマクドナルドや ケンタッキーにもこの認証マークがついています。 そしてこの「ハラル」の判断を下すのは、政府機関ではなくこのイスラム指導 者団体「ウラマ評議会」です。以前、日本の食品メーカーである「味の素」と いう会社が、現地でも頻繁に使用されている化学調味料の「味の素」の原材料 に豚を使用しているということで、インドネシアの社会福祉省から回収を命じ られました。 味の素は、ちゃんとハラルの認定を受けて販売していたわけですが、製造過程 の検査で、触媒として豚から抽出した酵素が使われていたことを指摘されての ことでした。(イスラム教徒にとっては、豚は穢れた生き物です。) これに対して、上述のウラマ評議会が自主回収を勧告し、政府もそれに従った 決定を下したわけです。この事件では現地法人である味の素インドネシア社の 社長らが逮捕されるという事態にまで至りました。 このように、イスラム教は、宗教戒律・規範に基づき食事から葬儀から生活全 般に渡る宗教作法のようなものがあるわけです。そのイスラム教徒に対し、こ のような特例というか異例ともいえる決定が出されたことは、宗教戒律が入り 込めないほどに現実が悲惨であり、困難であることを物語っているのではない かと思います。 ========「アチェ救援支援者が銃撃される。けが人はなし」 今日(1月16日)、アチェ関連の現地報道を再度チェックしていましたら、確 かに救済支援者が銃撃される事件が起きていました。 1月14日付ジャカルタポスト(英字新聞)によると、アチェで約25人の地震 津波救済支援者が未確認のグループによって銃撃され、支援活動をさらに妨害 する恐れがあるとして、ボランティアから彼らの安全に対する配慮を求めるよ うに報告がなされたようです。 国内で2番目に大きなイスラム教組織である、ムハマディヤの救援特別委員会 のスポークスマンは、「支援者により、難民キャンプへの援助が行われている バンダ・アチェのマラハヤ港近くのクルアンラヤ村で狙撃があったが、幸い、 ボランティアを警護していた警官が応戦するのを控えたため戦闘には至らず、 救済支援者にも怪我人はなかったと」伝えています。 攻撃があったのは、食料の配給を終え戻る準備をしていた時で、高い位置から の狙撃であったために、狙撃者を特定することはできなかったようです。この 狙撃は、ボランティアを狙ったものではなく、政府の人間である警官を狙った ものであり、今回の狙撃の背後には独立主義者達がいるとしています。 また、IPDNというボランティア団体のスタッフは、彼らが救援活動のため に西アチェへ行く途中、正体不明の人々によって阻まれたと報告しています。 これらの報告を受け、インドネシア国軍はGAM(アチェのを独立を組織する グループ)が、津波による犠牲者への支援を妨害するものだとして、許可証を 所持し、警察の警護がついている人道的支援の外国人であっても、アチェから 立ち退くように警告しました。この国軍からの警告に対し、米国はインドネシ ア政府がアチェでの救済支援者の動きを制限する方針を歓迎しています。 また国連は、今のところはその制限は見受けられないが、外国人の動きに対す る統制が必要だとし、外国人の支援活動家はその範囲で働くべきだとも述べて います。また、支援物資の配給に、外国人支援者に対する活動規制が影響して いるかという質問に対しては、それよりもロジスティックのほうが問題だと答 えています。 国連は、インドネシア政府がアチェで直面している最大の問題は、管理機能の 大半が破壊されることであり、政府が一生懸命その問題に取り組んでいるので 3ヶ月以内(3月下旬まで)に国連から完全に人道的支援活動を引継ぎ、アチェ におけ統率がとれるようになるだろう、と述べています。                         = この稿おわり = ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 ページ背景の花は kirakira no kuni BALI サイトのものを使わせて頂いています
バリ島の市井に暮らしての目次に戻ります







SEO [PR] お金 ギフト  冷え対策 わけあり商品 動画無料レンタルサーバー ブログ SEO