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バリ島の市井に暮らして ―─ by 美龍@バリ島さん
☆ スマトラ沖地震:続報1 ―――――――――――― 2005/01/10 スマトラ沖地震に関するインドネシアの現況は次のとおりです。 ――被災難民、およそ50万人: インドネシア政府の公式発表によれば、津波に襲われた後に難民化してしまっ た人の数は、これまで正式に発表されていた387,607人から89,01 2人増え、476,619人となりました。また、少なく見積もってもアチェ 全体における死者の数は94,200人にも上るだろうと報告されています。 ――被災難民のキャンプ: 現在、被災者が自分達で作ったキャンプのようなものがありますが、当然のこ とながら衛生状態は劣悪です。この状態を視察した国連が、被災難民となられ た方々のためにキャンプを作ると公式に発表し、安全な飲料水の供給や下水整 備がなされていない環境下におけるトイレなどが設置され、家族が一緒に暮ら すことができるようになるというこの案にインドネシア政府も同意しました。 国連によれば、このキャンプは北部スマトラの中心都市であるバンダ・アチェ に4箇所設置が予定されており、50万人の被災者に必要な、テントや備品が 供給されるそうです。 ――被災者支援物資: 現在、食料・飲料水・医薬品などの支援物資が、主にバンダ・アチェ周辺にヘ リコプターから投下されているわけですが、いくつかの物資は汚水施設化して いるような場所に落下してしまったり、また落下した物資を求めて人々が殺到 し、必ずしも適切に分配されているわけではありません。 また、皮肉な話ですが、メダンというところでは米軍のヘリコプターから投下 された物資が、ショッピングモールに駐車していた車の上に落ちて、その車が (荷物の重さで)潰れてしまうという事故も起きました。 幸いこれによる死傷者はありませんでしたが、北部スマトラの州知事は、米軍 に対して重量のある物資の投下を止めるように求めたそうです。米軍によるヘ リコプターでの支援物資投下は、海軍によって運営されています。 この北部スマトラ州知事からの中止要請を受けた米国海軍は、輸送方法の変更 については、すぐには明確にできないと答えているようです。 ――支援物資の横領者に対して重い罪を: 昨日、ユドヨノ大統領は、国内外からのアチェ救援物資・資金を横領(という のでしょうか?こういう場合も..)した者には、何人といえども厳罰に処すと 宣言しました。 これまでの歴代の大統領も似たような発言をしてきましたが、実際には絵に描 いた餅のようなものでしかありませんでした。ですが、就任直後から政府など の公的関係者による不正を無くそうと尽力しているユドヨノ大統領は、これま でとは異なり、一歩踏み込んで、地震と津波発生直後の混乱期に、救援資金が 横領(着服)されている可能性があることを指摘し、懸念しているとも表明して います。 現在、アチェ復興に関する統括権限を、従来の一極集中型ではなく災害と行政 で2分割して行うようにしていますが、この隙間を狙って悪事を働く人間がで ないことを祈るばかりです。 ――1千人の教師が行方不明、50%の学校が崩壊: アチェでは、今回の大津波によって少なくとも1千人の教師が行方不明になっ ていて、50%以上の学校が崩壊したと発表されています。およそ14万人の 小学生と2万人の中学生が勉強をする場所を無くし、具体的な内訳としては、 914の小学校、115の中学校、67の高校、そして15の職業訓練学校が 津波によって破壊されていると説明しています。 これに対してインドネシア教育省は、なんとか1月20日頃までには仮の教育 施設を準備できるよう検討しているそうで、応急対策として、2千のテントと 新たに1千人の教師を採用し、被災難民キャンプの近くに95箇所の仮教育施 設を設ける準備を進めています。 また、今回の津波で孤児となってしまった子供達のために、被災孤児院の設立 も検討されはじめました。 ――世界各国から: 専門の医師・看護婦さん、そして多くのボランティアの方々が救済にあたって くれていますが、宿泊施設もなければ、衛生環境も劣悪のままですので、被災 された方々はもとより、現地にて活動をしてくださっている方の健康面につい ても、インドネシア政府は考慮する必要があるかと思います。 また、インドネシア各地の大手スーパーなどでも、アチェ救援のための募金箱 などが設置されており、ここバリ島でも目にすることが多くなってきました。                         = この稿おわり = ┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ お便りで頂きました感想。 ┗━┛ ┌──────────「中年不良探偵団さん」男性@五十代@東京 スマトラ沖地震・津波の情報は、TV・大手新聞などからしか得られません。 この現地からの通信は、とても貴重なものと読ませていただいています。 昔々に、バり島に足跡を残した経験があるだけに、あの辺りはどうなっている かなどと想像しております。お忙しくて大変でしょうが、現地の新聞などから の情報を楽しみにいたしております。 └────────── ┌──────────「美龍@バリ島さんから」 こんにちは。お便りありがとうございました。 現地の新聞にも、硬派のものから軟派のものまでいろいろとありまして、新聞 によって、同じ記事の内容がかなり違っていることもあります。特にバリ島の 場合ですと、ジャカルタに本社を置いているような全国紙タイプの新聞よりも 島内で発行されている新聞のほうが一般市民には馴染みやすく普及もしていま す。 ですが、やはり情報量においては全国紙に劣ってしまいますので、バリ島でも 入手可能な全国紙や英字新聞にもできるだけ目を通すようにしています。です が、ここバリではだいぶ関心も薄れ始めていまして、プーケットやモルディブ からシフトしてきたお客様が増えているので、「今がチャンス!」と思ってい るような雰囲気も出始めてきました。 確かに ここで暮らす者にとってはチャンスなんですが..少々複雑な気持ちです、、。 └────────── ┌──────────「気分は情報無限さん」 日本でもマスコミが連日のように報道していますが、これだけの大規模災害に なると、直接の死者行方不明者が何人であるかよりも、二次被害や三次被害の ほうが深刻なんですね。 確か、北欧のスウェーデンでは行方不明者の氏名を政府が公表しないと決めた そうです。なんでも空き巣が増えると困るからなんだとか・・・。 日本では、阪神大震災を契機に結成された神戸のボランティアグループなどが 現地入りしているそうですが、あまりにも大勢の人達が被災した上に、交通が 寸断されているので打つ手がないみたいです。 そもそも中核組織である国連自体が、未曾有の大災害に対して対応に窮してる らしいです。 嫌な話ですが「義捐金詐欺」まがいの行為も発生しているので、アメリカでは FBIが取締りを始めたそうです。 それから、アフリカのソマリアにも被害が及んでいるものの無政府状態で放置 されたままだとか、ミヤンマー政府は、内政干渉を嫌って正確な被害の公表を していないとか、色んな情報が錯綜しています。 どうも被害にも格差があるみたいで、タイ政府は各国からの経済援助を辞退し たそうです。 ーー最後に美龍@バリ島さんへ 別にアメリカ海軍の人達も「悪気」はないのでしょうが、どうしても海の男は 仕事のやり方が乱暴になってしまうらしいです。アメリカ海軍の中でもとりわ け「海兵隊」は、まともに学校も出られなかった人が多く、それでいて体力だ けは並外れている人間が大半らしいですから、くれぐれもトラブルに巻き込ま れない様に十分注意して下さい。 恐らく、アメリカ軍や公的機関を装って悪い事をする連中もいる筈ですから、 決して油断しないで下さい。 └────────── ┌──────────「美龍@バリ島さんから」 インドネシアは、ジャカルタやスラバヤなどごく少数の大都市を除けば、まだ まだ本当に未開の地のようなところが残っていますし、多少都市化されたとは いっても見た目のうえでのことで、衛生環境などの重要な都市整備は何もされ ていない場所のほうが多いんです。 こういったことが、せっかく来てくださったボランティアの皆さんの善意のあ る行動を足止めしてしまうんですよね。この「WEB 熱線」でも盛んに議論され ていますが、ODAの使い方をもっと考えて欲しいと思います。 今、バリ島では、主要幹線道路から私が住んでいるサヌールという地区にかけ て下水道の工事が行われています。これはJICAのプロジェクトなんだそう です。バリも地方都市で、確かに田舎の部類に属すのかも知れませんが、私に いわせれば「なんでバリ?しかも、今頃になって?」という感覚のほうが強い です。 道路整備も環境整備も、他にやらなくちゃいけない場所があるのに、わざわざ 観光地を選んでするっていうのも変だと思いませんか? 義捐金詐欺の取締りというのは、インドネシア国内においてアメリカのFBI が取り締まるということですか?ごめんなさい、その話は私は知りません。 もしインドネシア国内における話ならば、他国からの義捐金の額が多額だから 目を光らせて環視しようということなのでしょうかね? 日本でも募金を装った詐欺があるように、インドネシアでも、宗教団体・政治 団体を騙[かた]った募金詐欺は腐るほどありますから、今さら、なんでFBI が?っていう感じですね。 インドネシアでは、国内と海外のニュースがTVで同一の時間に報道されるこ とはあまりなく、敢えて海外の詳細な話題を知りたいと思ったら、夜10時台 ぐらいの海外ニュースを待たなくてはならなかったりします。 でも、このスマトラ沖地震に関しては、インドネシアが最大の被災地であるこ とが世界的に知られて、より多くの国からの援助を受けたいと思っている政府 の腹も見え隠れしている気がします。実際、国連に、限度額以上の支援を緊急 だからということで要請したようですし・・・。 各国からの援助を辞退したタイ政府を少しは見習え!と思ってしまいますが、 でも、どうしてタイは辞退したんですか? アメリカ軍の存在よりも、国の内外から送られてくる支援物資を装ったイスラ ム教過激派の爆弾事件が起きるのではないかということのほうが心配です。 他国のリゾート地が壊滅的打撃を受けた結果、バリ島に移ってきた外国人観光 客が多いので、またバリ島内で爆弾騒ぎやら何やらが起きるのではないかとい う声も地元の人達の間からも出始めていますので・・・。 もしも今度、イスラム教徒が問題を起こしたら、今度こそバリ人は黙ってはい ないでしょうね。ーーそうなったら・・・、日本に帰ろうかなぁ〜。 アメリカ軍といえば、バリ島にある米海軍の施設跡地だか現施設地の一部だか から、バラバラになった人体が発見されたようです。それも、ただバラしただ けでなく、あっちこっちに本当にバラ撒かれて埋められていたとか・・・。 今、こちらの公立病院で調査がなされているそうです。 └────────── ┌──────────「気分は情報無限さん」 美龍@バリ島さん、どうも勘違いさせてしまったようですので訂正します。 アメリカのFBIが取り締まっているのは、アメリカ国内の義捐金詐欺だけで す。誤解のありませんように・・・。 それから話は変わりますが、インドネシア政府が他国の援助に頼ろうとするの はある程度止むを得ない側面があるものと思われます。何故ならインドネシア は未だ発展途上国であって、約二億人にも達する膨大な人口を抱える国です。 今回の自然災害が原因で、インドネシア通貨のルピアが暴落するのは必至であ り、そうなると外貨準備高が不足して当面の救援物資を調達するのにも支障を きたしかねません。 これに対して、タイ王国の政府が各国からの援助を辞退したのも裏の事情があ ります。実は今回の地震や津波で、一番大勢の日本人が行方不明になっている のはタイ王国なのですが、地震発生直後の防災会議で「津波警報」を発令すべ きところで、もし津波が来なかった際の観光産業への悪影響を心配して警報を 出さなかったそうです。 それでいて首都バンコク周辺では殆んど被害がなかったせいで、本来なら東南 アジア各国に分散していた筈の観光客が殺到してしまい、今までになかったほ どの空前の好景気に沸いているとの事。 ここでひとつ強調しておきたいのですが、この手の「火事場泥棒」モドキの商 売は、決して否定されるべき筋合いのものではありません。日本人が大好きな 「自粛」をしたところで被災地の人々は少しも救われはしないのです。 「違法行為」でないならばドンドン商売をして貰ったほうが、被災地の今後の 復興の為にも好ましい結果をもたらすんじゃないか(?)と思います。 蛇足ながら、、タイの人々の大半は「仏教徒」ですから、きっと儲けたお金を 多少なりとも「喜捨」して下さるのではないかとも思います。 └────────── ┌──────────「美龍@バリ島さんから」 FBIの件は納得です。イスラム過激派の国内での活動が活発になって以来、 ずっと米国とは険悪ムードだったのですが、ここ最近になって政府が米国に頼 る姿勢が見え隠れしていたもので、こんなことまで米国に頼らなくちゃいけな くなったのかと、一瞬思ってしまいました。 仰るとおり、確かにインドネシアはいまだに発展途上国です。気分は情報無限 さんが指摘されることも分かります。でも、この国に住んでいて常に感じるの は、自助努力が不足しているのではないかということです。 国全体として"ゴトンロヨン"と呼ばれる相互扶助精神が浸透しているわけです が、その助け合い精神が、持たざるものが持てるものに頼る→縋りつく→助け てもらって当然という感覚になっているのも事実です。国の指導者は言い換え れば一家の大黒柱と一緒ですよね?その大黒柱までもがそのような感覚では、 それこそ一家の運命=国の運命に影を落とすことにもなりかねないと思うんで す。 このメルマガの中でも書きましたが、バリもバンコク同様に賑わっています。 その賑わいから得た収入のいくらかでも被災地支援に役立てようという精神や 気持ちがあるのならば、まさに国で提唱しているゴトンロヨンの精神に一致す るでしょうし、被災地の復興にもつながると思います。でも、 実際にはそうはならないでしょうし、外国人が増えれば増えた分だけ、一般の 消費者物価もなぜか跳ね上がってしまうのがバリなんです。なぜそうなるのか は、どのインドネシア人に聞いてもわかりません。----今のところは---- そしてバリ人にとっては、地震・津波の被災地支援のことよりも、過去に起き たバリ島爆弾事件の被害者の後遺症や、残された家族の救援にお金が必要だと 主張しているんです。その時に被害にあった慰霊を祀り続けるための資金調達 を、被災地支援の基金調達と同等レベルで語っているのが、バリ州政府の役人 であり、ヒンズー教の宗教指導者達でもあるわけです。 そして、バリ島の人々に限って言うならば、2ヵ月後にやってくるガルンガン (迎え盆)・クニンガン(送り盆)とその合間にあるニュピ(ヒンズー教の新年)の 準備、そしてその準備に伴う出費のほうが大きな問題なのです。 └────────── ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 ページ背景の花は kirakira no kuni BALI サイトのものを使わせて頂いています
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