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バリ島の市井に暮らして ―─ by 美龍@バリ島さん
| ☆ スマトラ沖地震 ―――――――――――――――― 2005/01/05
明けましておめでとうございます。
ーーーとは言ってみたものの、あまり気分はめでたくないのですが、、、。
インドネシアを震源地とする大地震と津波の被害については、すでにご存知の
ことと思います。ここインドネシアでも、連日のようにTV、ラジオ、新聞な
どでその被害の状況が報道されていますが、何分にも通信網が未整備なうえに
切断された状態のため、その被害の現状も「日々増えている」としか言えない
ような状態で、これから先、いったいどれほどの被害が報告されるのか、予想
もできないような有様です。
実は、この地震が起こる数日前に、友人と話していたんです。
雨季に入ったにも関わらずなかなか雨が降らない年には、絶対に何かが起きる
よね、と・・・。以前に、干ばつの被害が拡大した時には国内に暴動がおきま
した。
記憶に新しいところでは、これもスマトラだったと思いますが、森林火災がお
き、その煙害で近隣諸国にもご迷惑をかけました。そして、
やはり、、起きました。しかも、またしても近隣諸国にまでその被害が及ぶほ
どの天災・・・。
インドネシアのTVや新聞での報道は、日本とは異なり、ありのままがすべて
映し出されます。それが例え、残虐な殺人事件だとしても..です。そんなわけ
で、住宅地が海のようになってしまった映像などに混じって、亡くなられた方
の遺体をブルドーザーで集めている映像や、丸太のように積み上げられた遺体
の映像などが流されていて、さすがに目を覆いたくなるものがあります。
そんな映像を見るたびに、そこに命が宿っていないからといって、あまりにも
多くの死者だからといって、そんな風に遺体を扱わざるを得ない現実というも
のに、なんともいえないやり切れない気持ちを感じています。
世界各国から、被害に遭った国への援助がおこなわれているようで、ここイン
ドネシアに対しても、日本政府は迅速に動いてくれたようですね。新潟地震や
紀伊半島を中心とした大雨洪水で被害に遭われた方も多数いる中、本当にあり
がたいことだと思います。
インドネシアの医療体制は、お金のない人間にはとても冷酷です。
たとえ入院することができても、家族親戚などで付き添いが出来る人間がいな
ければ、薬も点滴も何一つ手にいれることができません。というのも、インド
ネシアの病院では、各自が病院に併設の薬局で現金で購入しなければならない
システムだからです。
交通事故に遭っても、天災に遭っても、どんなに緊急の容態でも、身元不明で
面倒をみれる者がいない場合は、このシステムは頑なに守られています。病院
の入り口や救急治療室に、ストレッチャーに乗せられたまま放置されている人
がいるのは日常茶飯事のことなのです。
地震の震源地に近かったアチェでは、家族・親類一同が被害に遭った人が多数
のはずです。そして、もちろん病院で施される治療費が払えないであろう人た
ちもいます。その方たちは、たとえ運良く病院に収容されても、ただ死を待つ
しかない可能性を秘めているのです。
ジャワ島やバリ島のように、外国人がそこそこ快適に生活できる島とは異なり
スマトラやその他の島は、まだまだ未開の地に等しいものがあります。
今、インドネシアは雨季です。ここバリでも、連日のように激しいスコールが
朝晩となく降ります。瓦礫と泥にまみれ、衛生状態が悪化しているわけですか
ら、蚊を媒介にした熱帯性の病気、コレラ、マラリア、デング熱などで生命の
危機に見舞われる人もでてくるはずです。そういった意味では、二次災害とも
呼べる状況が発生する可能性がとても高いのです。
交通手段が途絶え、震源地となったアチェから離れたくてひたすら歩き続ける
人々もいます。まるで、そうすることが唯一の安全の確保であるかのように。
でも、彼らにはどこへ行けばいいのか、どこなら安全で平穏な生活ができるの
かわかっていません。ーーでも、歩かずにはいられないのです。
最も悲しいことは、今回被害に遭われた方の大半が、未来あるはずの子供達に
多かったことです。瓦礫の山の間に見える..無数の小さな身体の一部..そんな
光景、日本の皆さんはご覧になったことがありますか?
その瓦礫の山の中から、幸い--と呼んでいいのか分かりませんが--にも発見さ
れて戻ってきた子供の遺体を抱きかかえながら号泣する母親の姿。
ーーこれは映画でも作り話でもありません。本当に今、インドネシアで繰り広
げられている現実なのです。
突然の津波で、愛する家族や友達と引き離されてしまった子供達の魂は、その
瞬間に何を思ったのでしょうか。なぜ、未来を担うはずの未知なる可能性を秘
めた彼らの命が奪われなくてはならなかったのでしょうか。
ーーこの国の未来が惨憺たるものだからなのでしょうか?
今回の地震の震源地となったアチェという地方は、インドネシアからの独立を
求める人々と、インドネシア国軍が絶えず対立・衝突を繰り返している場所で
す。東ティモールの独立以後、インドネシア国内におけるイスラム教と他宗教
の対立、そして各島の独立要望は日に日に強まってきていました。
そんな中でも、アチェの独立闘争問題に関しては、統一されたインドネシアと
いう認識を弱め、さらにはアジアの中の一大イスラム国家を目指す政府の方針
を根幹から突き崩すような動きと見なされていました。
なぜなら、独立を目指しているのは少数派の非イスラム教徒だからです。この
地震が起きる直前まで、政府軍と独立派が睨み合い、いつ衝突してもおかしく
ない状態でした。そんな、宗教対立、民族対立のお膝元とも呼べるような場所
で起きた今度の地震、そして、宗教を問わずに受けたその被害の大きさを考え
ると、単なる天災、自然災害という他に、もっと別の意味があるようにすら思
えてきます。
知人から、「インドネシアが一つになることは、世界が一つになることと同じ
です。家庭が一つになることも同じです。一見小さく見える自分から、そして
家庭から、一つにしなければなりませんね。」という言葉を聞かされました。
本当にそうだと思います。
金銭的支援や労働的支援をして欲しいとはいいません。
でもどうか、平穏無事であること、愛する人達と一緒にいられることがどれほ
ど素晴らしいことか考えてみてください。そして、今回被災された方たちが、
一日も早く、そんな普通の幸せな生活に戻れるように祈ってください。
ごめんなさい・・・。
もっと冷静にスマトラ地震のことを書こうと思ったのですけれど、あまりにも
目にする連日の映像が生々しくて・・・、感傷的でまとまりのない文になって
しまいました。
ーーー各被災地で犠牲になられた方々のご冥福を心から祈ります。
= この稿おわり =
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┃ ┃ お便りで頂きました感想。
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┌──────────「気分は情報無限さん」
御無事だったんですね。
スマトラ島沖地震には、年末の大掃除の際に出て来た古い「壱万円札」を少々
寄付させて頂きました。ニュース報道を見ている限りでは、地震や高潮はとも
かく、津波の経験が全く無い地域だったので被害が大規模に拡大したらしいで
すね。
因みに「TUNAMI(津波)」とは万国共通語の固有名詞になっていたそうです。
この事実からも分かるように、我が日本国は津波対策の先進国であり、最近は
インドネシアに津波対策センターを設置しようとする動きもあって日本も支援
していたそうですが、資金不足で間に合わなかったそうです。
日本国内での報道によると、日本主導でインド洋沿岸諸国の津波対策が実施さ
れるそうですが、当面は被災地域の復旧が優先されるでしょう。
しかしながら状況は全然楽観できないですね。今のところ確認された死者は、
約十数万人ですが、おそらく各国の最終的な死者行方不明者総数は、三十万人
(二十万人で収まるとは思えません)を超えるのでは!?と個人的に判断してい
ます。
でも、インドネシアはまだマシなほうですね。
スリランカの場合は、人口比でみるとインドネシアより格段に被害が大きかっ
たにも関わらず明らかに支援が後回しにされています。かわいそうな話です。
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┌──────────「美龍@バリ島さんから」
気分は情報無限さん、ご心配いただきましてありがとうございます。
そうなんです、「TSUNAMI =津波」という言葉は国際認知されている言葉なん
です。
インドネシアに限らず、今回の被災地のいずれもが、津波に対する警報を発し
ていなかったわけですが、経験が無ければそれも仕方のないことだったのかも
しれません。
四方を海に囲まれ、火山と暮らしてきた日本人は地震対策についても津波対策
についても貴重な経験を有しているんですよね。そして、それを忘れることな
く防災訓練として生かしている。
私も、バリ東部で地震があった時には、学生時代の非難訓練を思い出しながら
周りのインドネシア人に対処の仕方を教えたりもしました。まさかこんなとこ
ろで、あの退屈だった訓練が役に立つとは思いませんでした。
津波対策センターについては、近い将来に計画が復活するかもしれません。
年が明けてからの政府の緊急会合で、津波警報メカニズムが協議されました。
詳細については一般にはまだ発表されていませんが、恐らく、日本の皆さんの
知識、経験(そして..たぶん費用も・・・)を拝借することになるのではないか
と思います。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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