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ラオスからの手紙 ―――――― by 桜ちゃんのパパ
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☆ 変化するラオス語 ――――――――――――――― 2007/11/05
わたしは代々のお手伝いさんを呼ぶとき「シオ」と言う。本来のラオス語の意
味で「シオ」は本当の親友。お手伝いさんと雇い主ではこんな言い方はしては
いけない。わたしが「シオ」と呼ぶのは、単なる呼称にすぎない。うちの家の
場合は、お手伝いさんのニックネームぐらいの意味だろうか。
シオの応用系も色々作った。
1.カレーム・シオ
2.ミー・シオ
3.エアロビックス・シオ
1のカレーム・シオだが、近所のアイスクリーム屋のおばさんのこと。
2のミー・シオは淑珍の友人のラーメン屋のおばさん(いつもお客さんがいっ
ぱいのお店)
3のエアロビックス・シオは近所のラオス人のおばさんで、以前エアロビクス
を踊っていたから。
この場合「シオ」は英語のfriend「友達」程度の意味である。英語のノ
リで言えば「Hellow my friend」ぐらいである。
昔、シェンクアン県で、雲南省から来た行商のおばちゃんが、ラオス人に「シ
オ、シオ、シュー、シュー」と言っていたのを覚えている。この場合のシオは
中国語の「朋友」にあたる言葉なのだろう。日本語に訳すと「ねー、あなた、
お願いだから買ってちょうだい」だろう。
インドやフィリピンで町を歩いていると、両替屋や物売りから「My Fri
end」とか、日本語で「友達、友達」などと声をかけられるが、意味はその
程度である。
ただしこの「シオ」は、普通のラオス人からすれば誤解をまねくだろう。以前
義理の兄の嫁から「明雄」と呼び捨てに言われたので頭にきて「シオ」と呼び
返した。すると「ノーン(妹)と呼ばれるのならまだしも、シオとは」と怒って
いた。(ちなみに義理の兄の嫁とはいえ、年は私よりも20歳ほど下)
本当のシオでない人にシオと呼ぶと、言われたほうは嫌な顔をする。このへん
は物事に寛容なラオス人でも許せないことなのであろう。シオ同士だったのが
シオAがシオBを騙してお金をまきあげたというケースも知っている。日本で
もそうだが、真の友人、「走れメロス」みたいな友はなかなかいないのであろ
う。
ただし、このごろラオス語も乱れている。
特に若い世代のラオス語は、古い世代の人が聞くと「宇宙語」みたいだとか。
寮都学校の若い世代がどんなラオス語を使っているか?ーーーラオス語を習い
たての日本人が聞いたらビックリするだろう。今後、ラオス語がラオス人だけ
のものではなく、ラオスに住む外国人の共通語になれば、ラオス語も変わって
いっていいと思う。
外国人が一番頭を痛めるのは、場所によって、状況によって、呼称が違ってく
ることだ。この人をどのように呼んだらいいのか、ラオス語が母国語ではない
人間にとって難しいことである。
ラオス語と比べると、その点では日本語は簡単なのかもしれない。名前、ある
いは苗字の後に「さん」をつければたいていのケースでは問題ないからだ。
タイでも昔、第二次世界大戦の頃のピブン首相が、タイ語の複雑な呼称を簡略
化しようとしたらしいが失敗に終わったらしい。
潮州系の華僑は、自分は「ウオア」で、相手が「ルー」を使っている。ベトナ
ムの華僑は広東人が多いので、広東語の一人称、2人称を呼称としてベトナム
語のなかに用いていると聞いた事がある。
この前、仕事でカムアン県のタケクに行った。保健局に配属になっている日本
人ボランティアと韓国人ボランティアがラオス語を使ってコミュニケーション
をとっているという。
こうなると、ラオス語はラオス人だけの言葉ではなくなる。ラオスに住んでい
る人々の共通語と考えてもいいのではないか。普通のラオス人が聞いたらおぞ
ましい、おかしな表現がでてくるかもしれない。しかしそれによってラオス語
がまた新しい語彙・表現をとりいれて、いっそう豊かな言語になっていくと思
うのだが。
= この稿おわり =
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