ラオスからの手紙 ―――――― by 桜ちゃんのパパ
☆ ラオス人のやさしさの表現 ――――――――――― 2006/07/19

ーーー義理の弟(ケック)の親友、キーボー君がカナダから来た。

何のまえぶれもなく、いきなり寮都の我が家に現れたのにはビックリした。

着くなり、いきなりミア・コイ・ターイレオ「女房が死んだ」というではない
か!?キーボー君の奥さんはタイ人で、彼は難民としてカナダに定住したカナ
ダ国籍の中国系ラオス人である。去年は奥さんと一緒にラオスに来たのだが、
今年は一人だ。

キーボー君と義理の弟のケックは親友で、お互いにオレお前の仲である。

キーボー君が来た時、実はわたしは機嫌が悪くムシャクシャしていた。何日か
前にカナダから来たベトナム人(元ラオス難民)に失礼なことを言われて気分が
晴れていなかったからである。

「女房が死んだ」という言葉を聞いて、キーボー君の大らかで気さくな性格を
知っていたわたしは、半分冗談と半分はムシャクシャした気持ちを晴らすため
か、思わず、ソムナムナー「ザマーみろ」と言ってしまった。

ーーーいきなりミア・コイ・ターイレオ「女房が死んだ」なんていわれても、
キーボー君が冗談を言っているのだと思ったからだ。

しかしその後淑珍が聞いてみると、本当に奥さんが亡くなられたのであった。

キーボー君は、タイ人の奥さんとカナダで知り合った。奥さんがどのような立
場でカナダに来ていたか私は知らない。その後、奥さんはビザの問題でカナダ
にいられなくなりタイに戻った。

キーボー君は、年に一度タイに行き奥さんに会う。そして毎月奥さんに送金す
るという生活を続けていた。去年ラオスに遊びに来た時も、奥さんは体調が悪
いようでグッタリしていることが多かった。

亡くなれたのは肺炎であるが、合併症がいろいろとあったようである。

しばらくして義理の弟が我が家に来た。キーボー君の奥さんが亡くなったこと
をキーボー君から聞いて「それはよかったな!今度は美人の奥さんをもらえ」
と言っている。----たしかに、亡くなった奥さんは美人ではなかったが----

ここまでくると日本人とラオス人はずいぶん違うと思った。

日本人だったら、いくら親友でも、最愛の妻を亡くした友に、ここまでの冗談
が言えるかどうかである。

今のさっき、ソムナムナー「ザマーみろ」と言ってしまった私でも、ケックの
言い方にはびっくりした。だけどこういった会話が、乱暴だけど飾らないラオ
ス人のやさしさの表現かもしれない、と思った。

ラオス語は「田舎言葉」かもしれない。「田舎言葉」だから、飾ったお世辞や
甘い言葉がないのである。だから淑珍やケックが言った言葉も、マナーには反
するが、それはそれで心のこもったやさしい言葉かもしれない。

ーーー慇懃無礼とは反対なのがラオスの言い方なのかもしれない。

                        = この稿おわり =
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