ラオスからの手紙 ―――――― by 桜ちゃんのパパ
☆ 左前(ひだりまえ) ――――――――――――――― 2005/08/17

「あら、これ左前じゃない?」お袋にこう言われてハッと気がついた。
ーーーそういえば日本にはそういった習慣があったな。

今年の4月、ラオスの正月に家族で写したデジタル写真のことである。
ビエンチャンには、デジタルカメラで写真を写して、メークアップから衣装の
着付け(着物・チャイナドレス・ラオスの民族衣装)までセットで写真を撮って
くれるお店がある。経営者はもちろんラオス人、たぶん中国系であろう。

我が家も、年に一度の記念にとその店で写真を撮ったのである。本当は中国の
正月にしたかったのだが、毎年中国正月の時期は、私は日本に仕事に出ている
ので、やむなくラオス正月に撮ったわけである。

さて、できた写真をメールで日本の両親に送った。私の家族は、淑珍・桜・蘭
ちゃんの3人は日本の着物を選んだ。私は黒の背広だ。

その後、5月に日本に帰った時、お袋に言われたのがこの「左前」の話だ。

日本では、着物や浴衣など、右のおくみを外側に出して着ることは不吉だと言
われている。死んだ人の装束をそのようにするからだ。私も日本人だから一応
知ってはいた。(撮影時は気がつかなかった)

妻と娘たちの着物の着付は写真屋の人が担当した。顔のメークをしてTシャツ
の上からペラペラの着物を着たのだが、すべて店の人がやったことで、私も特
に注意していなかった。ーーー出来あがった写真を見て「華僑の子供はいくら
親が日本人でもチャイナっぽいな」と思っただけで、あまり注意しなかった。

ところが、日本に帰ってお袋から指摘されて気がついたのである。

たしかによく見るとそうである。だけどこの写真、添付書類の形で色々な人に
配ったけれど..誰も教えてくれなかったぞ〜。みんな「きれいな写真ですね」
「可愛いお子様と美人の奥様で」なんて誉めてくれるものだから嬉しくなって
いたのだが、・・・・こんな落とし穴があったとは・・・・。

おそらく日本人だったら、ほとんどの人は気がついていたのだと思う。着物の
左前は死んだ人に着せる死に装束ということを。ーーーただ、こういうことは
注意すると逆に失礼ではないか、本人を傷つけるのでは?または「あの人ラオ
スに長く住みついて日本の習慣を忘れたのかしら、ラオス呆け?」このように
考えたのであろう。

しかしここは我が母親、自分のお腹を痛めて産んだ子の失敗であるから、ここ
は遠慮なく注意してくれたのだろう。持つべきものはこういった親子・親戚の
アドバイス、教えである。他人は遠慮して、心ではわかっているのに口に出し
て教えてくれない。

さて、これだけ自分の失敗を取り上げたので、他の人の話もしていいだろう。

ラオスには色々な国の外国人が住んでいる。けっこうこの人たちもラオス人の
目からみればラオスの習慣と違った、考えに合わないことをしているのかもし
れない。
たとえばTPOをわきまえない服装をしていたり、間違えた意味のラオス語を
使っていたり。ラオス語の発音がおかしくて、意味が違っていたり、、、。

だけど、やはりお客さんには恥をかかせないようにするのはラオスでも日本で
も同じである。ましてその人が社会的に身分の高い人なら尚更であろう。とい
うことで、私も過去を振り返ってみて、エチケット違反をしたのでは?と思え
ることがいっぱいある。

そのような時は、いつも妻の淑珍に注意してもらった。逆に日本の習慣に反す
ることを彼女がした場合は私が注意したものだが。

こういったことは、余程親しい間柄でないと教えてくれないものである。特に
外人の場合は気をつけないと「ボーペンニャン」で済んでしまうだろう。とい
うことで、この国生まれの配偶者を持つ私は、こういった意味で徳をしている
のだろう。
┌--------
│ボーペンニャン:言葉
│「いいですよ、かまいません、大丈夫です」
│こんな感じの日本語に翻訳できると思います。
│けれど、迷惑をかけた人が被害者に対して言うこともあるので、日本語には
│訳しづらいでしょう。
│
│「許してください。仕方がないでしょう」
│こういった意味になる場合もあります。
│ラオス人をひと言で表現すれば、この言葉になると思います。
│これは大らかな、寛容なラオス人の性格を表している言葉だと思います。
└--------

さて、何故ラオスの写真屋で着物の着付けを間違えたのか。

これは、着付けの担当者が、正しい着物の着つけを知らなかったのが理由であ
る。(当たり前だけど)ーーーだけどどうして左前になったのか?

これはラオスの巻きスカート(シン)の穿き方、肩掛け(パービアン)の掛け方を
みれば理解できるであろう。人によって違うらしいが、ほとんどのラオス女性
は左前で合わせるらしい。

ーーーということで、間違えとはいえちゃんとした理由があったわけだ。

                        = この稿おわり =
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┃┃ この記事にお便りを頂きました。
┗━┛
┌──────────「Aruiさん」

天津在住の日本男児 Arui です。

左前、右前は、なかなか分かりずらいんですね。
ーーーとくに、言葉で説明するのは難しいです。

私は結構和服を着る機会が多かったので、盲目的に、右の身頃(和服の右半分
と思ってください)を先に体に巻きつけて、それから左の身頃を巻きつけるか
ら、左の身頃が外側、見方によっては前へ出るのが、右前です。

これで、帯を締めた時に、帯の上のところで右手がすっと懐に入る着方が右前
と覚えれば判り易いでしょうか。ーーー左手が入りやすいのは左前です。

そうすると全世界、Yシャツは右前になりますね。一度、手作りのカーデガン
で左前に作られたものを貰ったことがありましたが、ボタンかけ難いですね。
ーーー着る度に難儀したことがあります。

桜ちゃんのパパの言われるように----写真に写ってしまっているのに----これ
は左前ですねーーーとは言えないもんですね。

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┌--------
│ LAOS(ラオス)の情報  ・・です!!
│ http://members.tripod.co.jp/kengchang/
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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