ラオスからの手紙 ―――――― by 桜ちゃんのパパ
☆ 看護婦さんとりどり ―――――――――――――― 2004/05/09

さて今回は、出稼ぎで日本に帰っていた時に聞いたいい話を紹介します。

―― やさしい看護婦さん。

福島県立医科大学付属病院のNICU(新生児集中治療室)の婦長さんからお聞
きした話です。

あるところに心の優しい看護婦さんがいました。

入院した経験がある方なら皆さん御存知でしょうが、毎朝、看護婦さんが検温
に来ますよね。その時に腋の下に体温計を挟むのですが、ある冬の朝、この親
切な看護婦さんは
「冷たい体温計を腋の下に挟んだら患者さんが冷たくて可哀想では」
そう思って、盥(たらい)にお湯をはって、体温計をその中に漬けて暖めてから
患者さんに渡そうとしました。

ーーそうしたら、体温計の水銀が飛んで全部壊れてしまったそうです。

大失敗ですが、その後この看護婦さんはいい看護婦さんになったと思います。
入院した経験がある人ならきっとわかると思いますが、患者の処置がテキパキ
と早いけれど、あまり心が伴っていない人ってよくいますよね。
いわゆる、技術はあるけれど心がこもってない。

これはどの職業にも言えるかも。いわゆる「頭はいいけど、性格が」・・・。

―― コミュニケーション

福島県立医科大学には看護学部があり、たくさんの学生さんが未来の看護婦を
目指して毎日の勉強に励んでいます。看護学部の教授に聞いた話をひとつ。

看護学部の1年生はコミュニケーション論を必須で勉強しなければならない。
今の学生は核家族で育ったせいか、他の人とコミュニケーションをとることが
苦手。
コンピューターや携帯電話は得意だが、実際のコミュニケーションは下手。

ところがこれが出来ないと患者さんに自分の意思が伝えられない、患者さんの
気持ちが分からないという事になる。したがって、大学に入った最初の年に、
この問題について徹底的に勉強するとのこと。

核家族についていえば、私の妻は15人家族の9番目。貧乏人の子沢山の華僑
に育ったわけなのでこの点は逞しいと思う。子供のころから沢山の親戚・家族
・兄弟と暮らしているので、人との付き合いは私より上手である。
‥‥華僑で商売人の家の娘だからかもしれないが。

このコミュニケーションの問題は、簡単にいえば「人との付き合い」ですが、
国際交流と同じかも。

―― 名前の呼び方。(おじいちゃんと呼ばないで)

これも病院の小児科の婦長さんから聞いた話である。

日本の病院で、例えば高齢の方が入院したとする。その時、看護婦さんはどの
ようにその人を呼ぶか。――ラオス人だと「おじいちゃん」というラオス語で
呼ぶだろう。これが普通だろう。

だけど日本の病院ではこの呼び方はタブー。

もし、若い看護婦さんが、自分のおじいちゃんぐらいの高齢の方を呼ぶとき、
苗字を呼ぶらしい。例えば患者さんが佐藤栄作さん(75歳)だったとしよう。
この場合は「おじいちゃん」ではなく「佐藤さん」と呼ぶようにしているらし
い。

どうしてこのようにするのだろう?それは、佐藤さんの気持ちとして本当の孫
でない人に「おじいちゃん」とは呼ばれたくないからだ。しかし、逆にラオス
人としては、本当の自分のおじいちゃんでなくても、こういった場合は「おじ
いちゃん」と呼ぶ方が親しみ・愛情がわくのだろう。

ーーこれはもう文化の違いだろう。

特に日本人が嫌がるのが「おばさん」であろう。
これを知らない人に言うと、顰蹙をかうのは100%間違いない。

ということで、以前にもこの「ラオスからの手紙」でも何故ラオス人は外人に
は「アーイ」という御兄さんにあたる敬称をつけないのか、について書いたが
・・・本当に難しい。

―― ラオスの看護婦さん。

元ラオス人で、現在は日本に帰化しているが、準看の看護学校、正看の看護学
校を日本人と一緒に勉強して主席で卒業した人を知っている。
現在は埼玉の病院で日夜、看護婦業務に励んでいて、勉強して他の医療関係の
資格も色々と取得している。妹2人も看護婦さんで、本当にすごい人である。

彼女は留学生として日本に来たのではなく、難民として日本に定住して、努力
して日本の看護婦資格を得たわけであるから、本当に素晴らしい。
このような人たちが、自分の技術をまた祖国ラオスのために生かしてくれるよ
うになれば本当にいいのだが。

                        = この稿おわり =
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