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ラオスからの手紙 ―――――― by 桜ちゃんのパパ
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☆ 間違えた黒いカバン ―――――――――――――― 2003/04/11
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今回は、日本でのお話を紹介します。
私が研修監理員としてJICAの研修員(ラオス人)を幡ヶ谷のホテルにピック
アップした日のことです。ちょうどその日は別のホテルに移動する日でした。
ホテルについてフロントの電話で研修員の部屋に電話して、ロビーに降りてく
るように頼みました。
新聞を読みながら待っていると降りてきたので、チェックアウトしてタクシー
をつかまえに外に出ました。実はその時の私のちょっとした不注意で、他の人
に大きな迷惑をかけてしまいました。
その研修員の荷物だと思って持ってあげた黒いカバンが、実は彼のものではな
く、エチオピアからの研修員のものだったのでした。エチオピアの研修員は、
その日京都に移動する予定で、自分の黒いカバンをロビーの椅子の横に置いた
ままホテルの食堂で食事していたのです。そしてその中には、2000ドル程
の現金が入っていたとか。
ラオスの研修員が降りてきて、自分の荷物を置いたところがちょうどその黒い
カバンの横だったわけです。 私は、彼一人では持っていくのは大変だと思っ
て気をきかしてあげてそのカバンを持ってあげたのです。ラオス人の方も、私
は2つもカバンを持ち歩いているのか、と勘違いしたらしいです。
(その時に確認していればよかったのですが)
さて、その後ホテルをチェックアウトして、タクシーに乗って渋谷のホテルに
行った。朝9時半ころに着いたのでチェックインはできず、荷物はフロントで
預かってもらいました。当然、黒いカバンも預かってもらう事になった。
その時もお互いに、私もラオス人も黒いカバンは相手のものだと思っていたの
でした。
その後、研修受入先の会社に行ってオリエンテェーションを受けた。その時に
JICAから電話がかかってきて「エチオピア人の荷物をラオス人が間違えて
持っていかなかったか」という問い合わせがあった。ラオスの研修員に聞いて
みると、あの黒いカバンは自分の物ではないという。その時初めて私が間違え
て持って来たことに気がついたのです。
我々も会社で研修中で、現場を離れる事ができなかったため、エチオピア人研
修員と担当の研修監理員の方が、渋谷のホテルまで荷物を取りに来て、京都に
向かった。我々は、その日の研修が終わって渋谷のホテルに戻ってから、彼ら
が黒いカバンを受け取って京都に向かった事を確認した。
残された名刺で、その人がエチオピアで地下水開発に携わっているエンジニア
であることがわかった。私も以前、青年海外協力隊員でエチオピアに8ヶ月い
て、専門も地下水開発だったのでひょっとしたら知っている人ではと思った。
また、SさんというJOCVのエチオピアOB(エチオピア時代お世話になっ
た)が、現在エチオピアでJICAの地下水開発プロジェクトに専門家として
参加しているので、Sさんのプロジェクトのカウンターパートだと思った。
JICEの担当から、エチオピア人の京都でのホテルを教えてもらい、その夜
自宅からお詫びの電話をかけた。横で電話を聞いていた父親が「アイアムソー
リー」の連発だったなと笑っていた。結局、黒いカバンは無事に見つかり、中
のお金も無事だったので一件落着したが、こういう時にはどんなお詫びの言葉
を言えばいいのだろうか。
私はエチオピアに8ヶ月いたことがあるとはいえ、もう10年以上も前の事。
当時、少しは喋れたアムハラ語も忘れてしまったので、間違えて黒いカバンを
持っていってしまったことについてのお詫びを英語でしたわけだ。というわけ
で「アイアム、ソーリー」の連発になったわけだ。
この場合は、お金がなくなった訳ではなかったのでこれでもよかったのであろ
うが、英語を母国語にしている人はこういった時にどういった謝り方をするの
だろうか? もしお金がなくなっていたら、私も「アイアム、ソーリー」とは
言わなかったと思う。
そう言うと、私がこの問題について全責任を負わなければいけなくなる。
他の人の意見では、エチオピア人の方も大事なお金をロビーの椅子の横に置い
たまま食事に行くからいけないのだ。と、言う人もいた。よく解釈すれば日本
は泥棒が少ないので、エチオピア人も安心して食事に行ったのだろう。
私は、以前エチオピアで生活したことがあるので、エチオピアの人にとっての
2000ドルが、どれだけの価値があるかよくわかる。 彼は今回の研修でも
らった日当を貯めてエチオピアに帰り、家族、親戚のために使うのだろう。
そのお金が消えてしまったのだから、出てくるまでの時間、本当にパニックに
なっただろう。彼の気持ちはよく理解できる。
実際私自身であって、日本に仕事で行ってお金を稼いでラオスで生活している
人間だから。本当に自分の不注意で申し訳ないことをしたと思った。
その後、腕時計を買ってお詫びの気持ちとしてプレゼントした。
またエチオピアのSさんにもメールを送っておいた。
= この稿おわり =
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