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帝国電網省 ―――――――――― by 竹下義朗さん
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☆ その名に恥じぬ「参議の院」を確立せよ ――――― 2009/05/15
日本政界での専[もっぱ]らの関心事といえば、与野党を問わず「衆議院の解散
・総選挙はいつ行われるのか?」ではないでしょうか?ーーーところでご存知
のように、日本の国会=議会は衆議院と参議院とからなる「二院制」を採用し
ています。
そして、日本国憲法の規定により、衆参両院で異なった議決が為された際には
衆議院の議決が国会の議決となる「衆議院の優越性」というものもあります。
その為か、とかく参議院は衆議院の陰にかすみ、「第二の衆議院」等と揶揄さ
れる始末。
彼の「変人宰相」小泉純一郎氏ですら、日本の国会は「一院制」にすべし=つ
まりは参議院を廃止し衆議院に一本化する)等という暴論を吐く程ですから、
その社会的地位というか存在価値は、正に地に堕ちてしまっているといっても
過言ではないでしょう。
しかし、そのような状況下にあろうとも、私は敢えてこう言います。
一院制などもっての外!! 参議院の廃止に断固反対!!
と。いや、むしろ逆に、二院制を維持した上で、参議院の改革に着手せよ、と
強く言いたい。
というわけで、今回は「第二の衆議院」と揶揄される参議院に光を当てる事で
私なりの国会改革案を披瀝してみたいと思います。
参議院(the House of Councillors)は、諸外国に於ける上院 (upper house)に
相当する議院ですが、それでは、諸外国の「上院」とはどんな存在なのか?
二院制を採用している諸国の上院を、日本では一律に上院と呼んでいますが、
実は「上院」という名称は正確ではありませんし、元々の存在意義をぼやかし
てしまっているとも言えます。
我々が当たり前のように上院と呼んでいる議院の多くは、諸外国に於いて「元
老院」と呼ばれているのです。
諸外国に於ける「上院」の正式名称:
アメリカ:英語:the Untied States Senate(正式和訳:合衆国元老院)
議員選出方法:州代表(民選議員)
イギリス:英語:the House of Lords(貴族院) 国王勅任者
フランス:仏語:le S?nat(元老院) 民選議員
ドイツ:独語:der Bundesrat(連邦参議院) 州代表(州政府派遣制)
イタリア:伊語:il Senato della Repubblica Italiana(イタリア共和国元老
院 民選議員と終身議員(大統領経験者等)により構成
カナダ:
英語:the Senate of Canada 仏語:le S?nat du Canada(カナダ元老院)
州代表(総督任命制)
オーストラリア:英語:the Senate(元老院) 州代表(単記移譲式投票制)
スペイン:西語:el Senado de Espa?a(スペイン元老院)
民選議員と地方自治体代表により構成
ロシア:露語:Совет Федерации(Sovet Federatsii=連邦院)
連邦構成主体代表
ベラルーシ:露語:Совет Республики (Sovet Respublik=共
和国院) 各州及び首都ミンスク市議会の代表と大統領指名者
ベルギー:仏語:le S?nat 蘭語:de Senaat 独語:der Senat(元老院)
民選議員及び王族=国王の子女
ポーランド:波語:Senat Rzeczypospolitej Polskiej(ポーランド共和国元老
院) 民選議員(中選挙区制)
アイルランド:愛語:Seanad ?ireann 英語:Senate of Ireland シャナズ・
エアラン(アイルランド元老院) 首相指名者・特定大学出身者及び
下院議員・改選前上院議員・職業別委員会より選出
スイス:独語:der Staenderat 英語:the Council of States(全州院)
州代表
インド:ヒンディー語:原語標記不能(R?jya Sabh?) 英語:the Council of
States ラージヤ・サバー(全州院)
各州議会議員による間接投票及び大統領指名者
フィリピン:比語:Senado ng Pilipinas 英語: the Senate of the
Philippines(フィリピン元老院) 民選議員(全国区制)
マレーシア:馬語:Dewan Negara 英語:the Senate デワン・ネガラ(元老院)
国王勅任者及び各州議会選出者
タイ:泰語:原語標記不能 英語:the Senate ウッティサパー(元老院)
国王勅任者及び民選議員
ブータン:ゾンカ語:原語標記不能(Gyelyong Tshogde) 英語:the National
Council ゲヨン・ツォグデ(国家評議会) 国王勅任者及び民選議員
メキシコ:西語:la Senado de la Rep?blica(共和国元老院)
各連邦行政区・州代表及び全国区代表=民選議員)
ブラジル:葡語:Senado Federal(連邦元老院)
各連邦行政区・州代表=民選議員)
アルゼンチン:西語:el Senado(元老院) 各連邦行政区・州代表(民選議員)
南アフリカ:英語:the National Council of Provinces(全国州評議会)
各州議会選出の常任議員及び各州政府閣僚が兼任する特別議員により構成
―――「元老院」の起源は、古く古代ローマにまで遡ります。
古代ローマでは、建国の王ロムルス(ローマの語源となった)の時代以来、貴族
(パトリキ)が終身議員として元老院[セナトゥス Senatus]を構成し、王政時代
には国王の助言機関、共和制時代には国権の最高統治機関、そしてオクタウィ
アヌス[アウグストゥス]が帝位について以降の帝政時代には皇帝の諮問機関と
して機能してきました。
その後、ローマ起源の元老院は、例えば貴族=爵位を有する者)が選挙を経る
事なく国王から直接任命される英国の「貴族院」や、地方自治体=連邦行政区
・州等)代表や、有識者、国家元首経験者や王族が議員を務める議院として、
衆議院(日)・庶民院(英・加)や国民議会(仏)、代議院(米・伊・濠・西)といっ
た民衆の政治参加を起源とする下院とは一線を画してきました。
現代日本の上院に相当する参議院の前身が貴族院(House of Peers)であった事
は皆さんもご存じだと思います。
その貴族院はといえば、地位こそ旧衆議院と対等(但し、予算先議権は衆議院)
だったものの、普通選挙により選出される衆議院議員とは異なり、貴族院議員
には誰もがなれた訳ではありません。
その資格は、皇族・華族及び天皇勅任者に限られ、現在の参議院議員のように
衆議院議員からの鞍替えや知名度の高さを利用したタレント議員等というもの
は存在し得ませんでした。また、議員の多くが終身任期で、議院の解散もあり
ませんでした。
これを、現在の民主主義に逆行する、閉鎖的で極めて前近代的な議会システム
とみる向きもあるかも知れません。しかし、
それとは逆に、当選或いは再選する為、常に選挙区民=票田の顔色を窺い、利
益誘導に腐心しなければならない現代の議員とは異なり、選挙の洗礼を受けず
に済むからこそ、天下国家の大局に目を向け論じる事ができるというプラス面
があった事も事実です。
私は冒頭で、日本の国会を「参議院を廃止し一院制にすべし」という意見に反
対する旨主張しましたが、それは何も、現在の参議院をそのまま残せと言って
いるのではありません。
衆議院議員になるのは難しそうだが、参議院議員なら何とかなりそうだ・・・
といった感覚の、いわゆる「第二の衆議院」としての参議院を存続させろ等と
は露ほども思っていません。
参議院──私は、この名称に相応しい議会上院として、ローマ起源の元老院、
大日本帝國憲法下の貴族院を継ぐ、由緒正しい議院として新たな参議院を確立
せよ、といっているのです。
「参議院」──私はこれを文字通り「参議の院」と解釈します。
それでは、「参議」とは一体何なのか?
「参議」とは、古く平安時代、律令制[りつりょうせい]に基づく司法・行政・
立法を司る国家の最高意志決定機関「太政官[だじょうかん]」に於ける官職の
一つで、朝廷政治に参画した実務官の事です。
また、王政復古なった明治新政府に於いては、公卿[くぎょう=貴族]出身者が
就任した大臣・納言[なごん]と共に、木戸孝允[きどたかよし=桂小五郎]・西
郷隆盛(南洲)・伊藤博文(俊輔)といった維新の功臣達が就任、政務に参画した
官職、それが「参議」でした。
尚、余談ですが、参議は律令制期の唐名を宰相[さいしょう]、新政府期に於け
る英訳呼称を「ミニスター(Minister =大臣」といい、衆議院の風下に立たさ
れている現在の「参議」院議員からは想像できない程、地位も職権も高かった
のです。
その参議の名を冠する議院、それが「参議院」なのですから、その名に恥じぬ
いや、本来、その名に相応しい議院であるべきなのです。
「参議の院」ーーーその名に相応しい参議院の役割とは一体何なのか?
例えば米国の上院(合衆国元老院)は、下院(合衆国代議院 the United States
House of Representatives)に認められている予算案及び関連法案に関する発
議権がない代わりに、下院にはない弾劾裁判権・条約批准承認権・大統領指名
人事承認権を行使する権限が付与されています。
また、米国議会には、日本に於ける所謂「衆議院の優越性」のようなものはあ
りません。つまり、米国議会に於いては上下両院は対等な立場である訳です。
但し、前述の通り、審議案件に関する一種の「棲み分け」は確立していますし
上院が州の代表=定数は各州2名ずつの100名)であるのに対し、下院は民
衆の代表=人口により各州の議席を配分)として選出されています。
つまり日本に於いても、衆参両院で「全く同じ議事案件」を審議する必要性は
ありません。衆議院で審議可決したものを参議院へと送り、再び審議可決して
初めて法案が成立する等という「二度手間」は時間の無駄でしかありませんし
参議院で否決されても衆議院で再可決すれば矢張り成立するというシステムで
は、参議院の真価は全く発揮され得ない訳です。ならば、どうあるべきか?
答えは自ずと導き出されます。つまり、
「衆議院と参議院の権限を分割」
してしまえば良いのです。
例えば、衆議院には、主に予算案及び関連法案に関する発議権や内政問題に関
する権限を認める代わりに、参議院には、外交・防衛・国土経営等、国家的規
模の案件に関する権限を付与する。
そうすれば、同じ法案を衆参両院で審議する「二度手間」は省けますし、衆参
両院で与野党が逆転する、いわゆる「捻れ国会」であっても、担当する権限が
異なっていれば「三度手間」による法案成立の遅れも解消されます。
何より、参議院が「第二の衆議院」を脱却し、その真価を発揮できる土壌が生
まれるのですから、例え二院制を維持したとしても、それはそれで有効に働く
筈です。
小泉改革のように、何でもかでも「無駄」は排除しろ!という論理は分からな
くもありませんが、肝心の「議院の棲み分け=権限の分配と再配置」には手を
付ける事なく、単純に「一院制にすべし」というのでは、あまりにも能がなさ
過ぎます。
改革するのならば、単純な廃止・一元化論ではなく、無駄と思われていたもの
を「活かす」方策を考えるべきではないのか?ーーー私は、そう強く思います
し、国権の最高機関(日本国憲法第41条)国会の一翼を担う上院=参議院の活
性化こそ、政治の活性化に繋がるのではないかと思うのです。
= この稿おわり =
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┗━┛ ◇ なるほどこのとおり! -------------------------------- 60人 (90%)
◇ よく分からない・・・ -------------------------------- 2人 ( 3%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
┗━┛ ┌──────────「lonsome carboyさん」
まったくそのとおりです。
二院制のままで構わないので、質と量の見直しをして欲しいですね。高い見識
を持った人が、少数(50〜100人ぐらい?)で参議するので充分だと思いま
す。
└──────────
┌──────────「月島さん」
権限を分ける案は思いつきませんでした。
なるほど。
国家観で考える院は面白いと思いました。
└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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