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帝国電網省 ―――――――――― by 竹下義朗さん

☆ 北方領土考(1)北方領土は返ってこない?! ――― 2008/01/25
昭和20(1945)年8月18日、カムチャツカ半島とは目と鼻の先、当時、れっ
きとした日本領だった千島列島最北端の占守[しゅむしゅ]島にソ連軍が侵攻し
てきました。いうまでもなく

ーーー『ポツダム宣言』受諾(8月15日)の「3日後」の事です。

千島列島に侵攻してきたソ連軍は、占守島を皮切りに島々を次々と攻略し、8
月28日には択捉[えとろふ]島に上陸。その後、択捉島とともに現在「北方領
土」と呼ばれている、色丹[しこたん]島・国後[くなしり]島・歯舞[はぼまい]
諸島にも侵攻し、9月5日、遂に千島全島がソ連軍によって占領されてしまい
ました。

それから半世紀以上が経ちましたが「北方領土」は未だ返還されずにいます。

ゴルバチョフ・ソ連大統領の時代に日ソ間に融和ムードが漂い始め、エリツィ
ン・ロシア大統領の時代に、領土問題を巡って幾度となく交渉が持たれました
が、残念ながら問題解決には至っていません。

というか、今後も遅々として進展しないでしょうし、はっきりいえば、現在の
交渉方法では恐らく永遠に返還されないことでしょう。

という訳で、今回は「北方領土」を、歴史的背景とは違った側面から眺めてみ
たいと思います。

第一に「心理的側面」から。

まずはこの極東地図を眺めてみて下さい。
これは一般の、北が上で南が下の地図ですが、日本列島(以下単に「日本」と 略)・千島列島(以下単に「千島」と略)・大陸の位置関係に注目して下さい。 日本は大陸にへばり付いているというか、ぶら下がっているように見えること と思います。それでは、次にもう一つの極東地図を眺めてみて下さい。
これは先程のものとは違って、東が上で西が下の地図ですが、日本・千島・大 陸の位置関係に改めて注目してみて下さい。如何でしょうか?先程の地図とは 印象がガラリと変わったことと思います。 では、なぜ「東が上で西が下」の地図なのか? 実はこれはロシア(旧ソ連)の 首都・モスクワから極東を見た場合の地図なのです。カー・ナビゲーション・ システム(カーナビ)をお使いの方はご存じのことかと思いますが、最近のカー ナビは、常に進行方向が上にくるように地図画面が変化します。 名古屋から東京方向に走行していれば、「東が上で西が下」になる訳です。 話題が逸れましたが、「東が上で西が下」の極東地図では、日本が日本海を挟 んで大陸に覆い被さるような ── 見方を変えれば、漬け物石よろしくドッカ と載っているよに見えることと思います。 そして、更によく見てみると、日本海に面した極東ロシア港湾から太平洋へと 出る主要ルートは、北から津軽・関門・対馬と、全て日本の海峡を通過しなく てはならないことに気付かれると思います。 また宗谷海峡も、終戦以前、南樺太(北緯50度以南の樺太)を日本が領有して いた頃は文字通り日本の内海でしたが、樺太[サハリン]全島がロシア(旧ソ連) 領となっている現在では、更にその先の国後水道(国後島と択捉島との間)が、 太平洋への「出入口」となっています。 ここまで読まれた方ならもうお分かりのことと思いますが、ピョートル大帝の 時代から東方へと領土を拡大し、遂には日本海へ進出したロシアにとって、更 にその向こうに広がる太平洋への「出入口」(海峡)が、全て日本に押さえられ ているということは、閉所恐怖症よろしくロシアに心理的な閉塞感を抱かせて いる訳です。 なにしろ不凍港(冬でも凍結しない港)に大変な執着を見せた国です。広大な領 土からみればちっぽけな島々でしかない北方領土であっても、誰はばかること なく自由に日本海と太平洋を行き来することができる「出入口」(宗谷海峡で あり国後水道)の存在は、ロシアにとって閉塞感を解放する為の一種の「弁」 の役割をしている訳です。 第二に「商品的価値」としてみた場合。 「領土問題は解決済み」「領土問題は存在しない」などと表明していた時期は さておき、近年の日露間の領土交渉をみてみると、「返されそうで、返されな い」ような曖昧な進展具合が続いています。 その都度、ロシアは日本に、領土問題に囚われない包括的な関係進展(その大 半が対露経済協力問題)を主張し、日本も「領土問題が進展するなら‥‥」と 経済協力などの対露支援で応えています。こんなことがダラダラと続いている のが「北方領土」を巡っての両国関係なのです。 では、なぜそうなってしまうのか? それは、ロシアからすれば「北方領土」 が日本から資金援助などを引き出すのに必要不可欠な「打ち出の小槌」だから です。 つまりロシアは「北方領土」を手放さない限り、ちょっとでも「返す」素振り を見せるだけで、日本からカネを引き出せるという訳なのです。これ程、重宝 なキャッシュカード ── しかも返済する必要のないカードは、どこを探して も見あたりません。 ですから、ロシアが表面上は「領土問題の存在」を認めていても、本音が「商 品的価値」にある以上、日本側の外交姿勢が変わらない限り、まず戻ってこな いとみて間違いないでしょう。 このような見方からすれば、日本側に求められるもの=外交姿勢)は、「決し て妥協しない」の一語に尽きると思います。たとえ相手国の首都・モスクワで の領土交渉であっても、安易な妥協はすべきではないのです。 「もしかしたら返してくれるかも知れない」などと、甘い期待を抱いて小切手 を切り続けては、返ってくるものも返ってはきません。交渉において日本は、 ロシアに対して「四島一括返還」についてイエスかノーかを迫り、 答えが「ノー」なら、交渉のテーブルを蹴ってさっさと帰国するぐらいの姿勢 が必要です。当然の事ながら、中途半端な「二島先行返還」等は論外。ロシア にとっても「お客(日本)」あっての「商品(北方領土)」です。本気で「お客」 を怒らせては「商品」の「価値」もタダ同然となってしまいます。 日本が「北方領土」の領有権放棄と引き替えに、対露関係全面凍結を主張した らそれこそお終い。日本は「お客」で、強い立場なのですから、ロシアに対し て「商品」の値段を叩くだけ叩くべきです。 ーーー脅して、すかして、宥[なだ]める それこそが、魑魅魍魎[ちみもうりょう]が跋扈する国際政治の世界で、従来の 日本に最も欠けていたもの。且つ、最も求められている外交交渉姿勢とはいえ ないでしょうか? そして、この外交姿勢なくして「北方領土」問題の解決は到底あり得ないとい えるのです。                         = この稿つづく =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ 読後アンケートの結果。 ┗━┛
◇ そうだこのとおり! ----------------------------------126人 (85%) ◇ いや、そうではない! -------------------------------- 7人 ( 5%) ◇ どちらともいえない‥‥ ------------------------------ 9人 ( 6%) ◇ そうだったのか知らなかった -------------------------- 6人 ( 4%)
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ この記事に頂きましたご意見や感想。 ┗━┛
┌──────────「n さん」 本文を読んだ後でこの設問はどう答えて良いか解りません。 現在の交渉法ではダメだとは思いますが。 └────────── ┌──────────「外務省へさん」 二島ずつの返還であっても、日本の国益にあっているのならば実行すべき。 └────────── ┌──────────「すぎさん」 そうです!そのとおりです。 北方領土・対中交渉・拉致問題のどれも、基本姿勢の「根」は、ここにありま す。日本にも「ミスターニエット」がいたらナー‥‥‥ └────────── ┌──────────「hideおじさん」 北方領土問題は、北海道出身である私にとっては身近な問題です。  しかし、非常に残念ながら現状では北方領土の返還は難しいでしょう。 お説の通り、冷戦時代と比べるとその価値は低くなったとはいえ、地政学的に 北方領土の存在は、ロシアに利のあるものです。ロシア海軍の太平洋への出入 り口という面もあれば、オホーツク海を封じる役目も果たすものですから安全 保障上の価値は今でもあると思います。 海底・海洋資源の面からも、ロシアがそうやすやすと手放すとは思えません。 また、ロシアは他にも国境問題を抱えているわけですから、北方領土だけ特別 扱いするわけにはいかないでしょう。 エリツィン大統領時代に北方領土問題に進展があるようにみえたものの、その 後のプーチン大統領になると大幅に後退。 二島返還とか面積分割などなど、 いろいろな案が出されてはいても、まったく進展が無い状態です。 竹下氏は、毅然と席を立つ姿勢も重要とのお説ですが、私は、現状では日本が 交渉の席を蹴ったとしても、ロシアは痛くも痒くもないと思います。エリツィ ン時代は経済的にも困窮していたので、日本の主張を受けれやすい雰囲気があ りましたが、 プーチン時代になると、その広大な領土からの資源を活かして、BRICs= 経済新興国)の仲間入りを果たした現況では、以前と比べて「資金援助」とい うカードは、あまり有効ではなくなってきていると思います。 それより、日本は樺太(サハリン)での天然ガスプロジェクトに多大な資金を投 入しており、ロシアの気分如何で凍結させられるリスクを背負っています。 ですから、領土問題で日本が四の五の言うと「サハリンがどうなっても..」 とロシアに言われると、日本は尻込みしてしまう状況です。 実際、「環境破壊の恐れがある」などと、「お前には言われたくない」ような クレームで、日本の開発がストップしたこともあります。日本は、北方領土だ けでなく、天然ガス開発という名前の人質も手渡してしまった状態ですから、 いくら交渉の中で勢い良く席を立ったとしても「ああ、そうですか」という程 度にしかならないでしょう。 悔しくてたまりませんが、現状では「打つ手なし」というのが正直なところで はないでしょうか。 日本の長期的な戦略の無さが現状を招いているのですから、今からでも戦略を 練り直し、どのように国際社会に訴え続けていくか、北方領土を手放してもロ シアに利益がある「何か」をちらつかせるとか、1から考え直さなければなら ないでしょう。長引くのを覚悟でじっくり時間を掛けることが必要だと思いま す。 それには、竹下氏の仰るように、目先の利益にとらわれないで、出したり引っ 込めたり交渉上手にならなければ、この老獪な国を落とすことはできないので はないでしょうか。 次稿以下での、もう少し具体的な竹下氏の打開策をお待ちしております。 └────────── ┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」 昭和20年8月18日、占守[しゅむしゅ]島にソ連軍侵攻、即ち『ポツダム宣 言』受諾(8月15日)の「3日後」・・・そして、爾来60有余年、実効支配 を続けています。 台湾また然り!「乞食廟公」と謗[そし]られながらも実効支配したほうの勝 ち!(「乞食廟公」=居直り強盗)ーーー小さいながら「竹島」も同じ。 しかも台湾などは現在、その居直り強盗はオレらの同族だから、そこもオレら のものだ!と、その居直り強盗の上前を掠め取ろうと狙っている輩までいる! 日本(人)は、 シッカリ勝者に洗脳呪縛されて、ウェイトトレーニングもさせず、揉み手しか できず、 外務省の皆様!それでも頑張って!よろしくお願いいたしますッ! └────────── ┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」 ◎「根室」から北方領土除外←道の支庁再編案 道は「ロシアが実効支配」 【根室】道の支庁再編案で、釧路総合振興局への統合対象となっている根室支 庁管内の面積に、北方領土を含んでいないことが分かった。道は、 「職員配置の効率性を議論する上で、実際に仕事ができない北方領土を含めて も意味はない」(企画振興部)としているが、元島民らは「島の返還を考えてい ないのか」と憤っている。 道の資料は、現在の14支庁の人口と面積をまとめた欄で、根室支庁の面積を 3497.96平方キロメートルと記述し、「北方領土=5036.14平方 キロメートル)は除く」と付記している。 24日に根室で開かれた再編案の意見交換会で、出席者がこの記述に疑問を示 したが、嵐田昇副知事は「現実的にロシアに実効支配されており、今回は除外 した」と説明。 だが、千島歯舞諸島居住者連盟の河田弘登志根室支部長は「北方領土の六村は 廃村手続きをせず存続している。島に本籍がある人もいる。返還を目指して運 動しているのに、納得できない」と語気を強める。 地元が怒るのは、道が、実際には北方四島の面積の恩恵を受けている事情があ る。四島の面積は、地方交付税の算定に反映されており、道は根室市の行政区 域に入る歯舞諸島以外の算定分で、年間約8億円の交付を得ている。 また、根室支庁の面積は、北方領土を含めると8534.10平方キロメート ル。宗谷支庁(4050.76平方キロメートル)がそのまま残る「宗谷総合振 興局」を上回る。このため「宗谷を残す理屈が通らなくなるから、北方領土を 外したのではないか」(市内経済界)との見方も。 道は、根室支庁に8人を配置している北方領土対策業務について、「再編後も 支障のない組織を検討する」としている。 └──────────「北海道新聞(08/01/26)」
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┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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