サムライ駐在員週報特記事項アリ by サムライ駐在員さん
☆ ガマの油ダイエット ―――――――――――――― 2006/07/28

「サアサア、御用とお急ぎでない方はゆっくりと見てらっしゃい!酒屋の前に
三年三月立っていたって、飲まぬ酒に酔わぬが道理だがお立会い!手前共がこ
れに用意したるは七面相四六のガマ・・・」

落語でお馴染みのガマの油売りの口上で、ガマから油をとる方法が実にふるっ
ている。ーーー四方を鏡で囲われた中にガマを追い込むと、ガマは鏡に映った
己の醜さにタラ〜リタラリと脂汗を流すので、これを下の金網にて抜き取り、
21日間じっくり煮込むのだそうだ。

タラ〜リタラリと脂汗を流すというあたりがいかにも写実的で、聞いているほ
うも暑くなってくるーーー。

さて、現在広東省は気温32度、湿度65%のカマの中である。今回内地から
常平に戻る際に、フンパツして寒暖計・湿度計つきの壁掛け時計を持ち込んで
現場に据えつけた。

湿度は、天気の変化に合わせて 60%から70%の間をウロチ ョロと動くのだが、 温度の指針はいつ見ても、まる で高周波ロー付で固定したかの ように32度の目盛りからビク リとも動かない。 湿度計には60%以上のゲージ に「HUMID (蒸し暑い)」と刻ま れているが、なるほどそのとお りで恐ろしく蒸し暑い。 特に検品室は、埃をきらうため四方を壁とガラスで囲ってあるので、まったく サウナ同様である。全身から汗がボタリボタリと落ちるので、インクジェット プリンターで印刷したオーダーシートがにじんでしまう。 額から流れる汗は、ときおりアゴから滴下するのだが、タイミングが悪いと検 品台の上に落ちてしまうので、アゴの位置と角度にも気を使わなければならな い。 そういうわけで30分(通常の1ロット抜き取り検品は大体30分が1サイク ル)ほど検品室にいると、すっかり水をかぶったようにズブ濡れになってしま う。 もっとも私の場合、腎臓の関係で体が水分を溜め込みやすい体質であるから特 に顕著なのであるが、さりとて一般の現地ワーカーにしても、溶けたバターみ たいになってダレているので相当「受不了(SHOUBULIAO:タマラン)」らしい。 余談になるが、以前は夏になるほど商品の汚損がひどく、特に手袋を着用した がらないので指紋の残留がひどかった。現場曰く、「夏は暑いから手袋をした くない」とのことだったが、 「そんなもん関係あるかい、本当に暑いかどうかいっぺんやってみい!」と指 導してきたところ、やっぱり手袋ぐらいでは「差不多(CHABUDUO:大して変わ らん)」らしいと分かったようで、最近はちゃんと手袋の着用が励行されてい るのはありがたいことである。
このように、ズブ濡れになって 現場から事務所に戻ってくると 今度は大きな寒暖の差が控えて いる。 なにせ私の事務所のクーラーは 場違いなほどバカでかく、あろ うことか私の座っている背後1 メートルのところに据えてある ので、一旦クーラーをつけるな りブリザードのようになる。 風量もものすごく、机の上のハイザラの灰が飛ぶばかりか、酸素が潤沢に供給 されるので、消し方があまい吸殻などは、そのままフィルターまで灰になる始 末である。 ときどきタバコのストックが切れて、仕方なくシケモクを吸おうと思っても、 なぜかそういうときに限って吸殻はフィルターギリギリまで灰になってしまっ ているので世の中は不条理だ。 ともかく、この巨大なクーラーのせいで、事務所では大いに凍えなければなら ない。特に灼熱の現場からズブ濡れで帰ってくると、気化熱で一気に冷却され るので、焼きプリンの気持ちがよくわかる。 ところが、 仕事が終わってマンション「悪の牙城」に帰ってくると状況は一変する。 もともと、少しでも涼しく蚊のいない快適な居住環境を求めて、バカみたいに 高層マンションのいちばんてっぺんを借りたわけなのだが、いざフタを開けて みると、窓を開ければバンバン蚊が我が領空を侵犯するので、毎日蚊取り豚を 使用しなければならず、窓も1箇所しかないので、開けても大して風は入って こない。 風を入れるためには、玄関のドアも開かなければならないが、日本統治下の台 湾ではあるまいし、自衛上そんなマネはできない。従って頼みの綱は、部屋に 備え付けてある空調機のみとなるのだが、この大陸製の空調たるや実にロクで もないのである。 マンション「悪の牙城」に越してきた当初は結構寒かったので、空調の暖房を 入れたのだが、冷たい空気をかき回すだけで一向に暖かくならず、フトンを買 うまでは、3枚ほど服を着込んだうえで寝袋に入り、なおかつ足は、登山用の 背嚢に突っ込んで寝たものだ。 では冷房なら効くのかというと、これもたいしたことはない。ほとんど効かな いので、温度設定を16度にするのだが、クーラー本体の温度計は28度から 動かず、ちょっとだけ湿気を取ってくれるだけのようなものだ。 そんなクーラーでも、ないよりはマシなのだが、先月の電気代が171元もか かったので、来月の家賃を払うときには、ひとつ大家をヒデエ目に会わせなけ ればならないと固く誓っている次第である。
さて、クーラーを全開にしてい ても汗がにじんでくる始末なの で、却って扇風機のほうが効率 がよい。 特に、クーラーがイカれたとき の代替手段として扇風機と希釈 アルコール噴霧の併用は大変心 地よい。―――――――――→ 霧吹きに、医療用75%アルコールと水を半々で入れた奴を噴霧して、その気 加熱で清涼感を得るという、どこからみても変人としか思えない方法なのだが 理にはかなっている。 安価で、地球に優しく空間を冷却する方法として微細な水滴を噴霧するという 設備はすでに実用化されており、例えばシドニーオリンピックのスタジアムの 空調はこの方法だったそうだ。 これは、身体に直接噴霧するよりも、扇風機の風量と角度を見極めた上で撒布 点を50CMほど風上に置き、飛沫を風に乗せることでより広い撒布界が得ら れるのみならず、また飛沫自体も風に乗っている間に若干気化することで十分 に冷却されるため実に心地よい。 但し、計算を間違えて目に入ったりすると、別に死にはしないが死ぬほど痛い ので注意が必要である。(ために、この希釈アルコール噴霧器は、掃除用及び 前述の用途の他に、賊を撃退するための自衛用としての用途も兼ねている) そういうわけで、私は酒は一滴も飲まないが、医療用75%アルコールは月に 2瓶ほど消費しているーーー。 また、清涼感を得る手段としては、「比較の効果を応用」することも有効であ る。つまり「もっと暑い状況」の中ですごす事で、普通の暑さを「相対的に涼 しくする」のである。 鍋に茶を沸かして、熱い奴を飲みながら服をたくさん着込んで、DVDを見な がら1時間ほど足踏みジョギングをやったり、二節棍(ヌンチャク)を振り回し ていたりすると汗がドクドクと出てくる。 どうやら汗には一定の在庫量が決まっているようで、一気に汗を絞るとしばら くは在庫が切れて出てこなくなる。額が乾きだすのがだいたいの目安で、そう なったらシャワーに駆け込んで冷水をかぶると大変に心地よい。 汗を出し切ると、しばらくはあまり暑さも感じず快適に過ごすことができるの である。そんな「ガマの油」のようなことをやっていると、どうも健康になっ てしまうような気がする。 最近は身体における「断熱材」の含有量も増えてきたことであるし、「ガマの 油ダイエット」として紹介したら、意外とはやるのではないだろうか。 ーーーその際は、四方を鏡で囲っておくことで、さらによい効果が得られるに 違いないと思う。 ――――2006/07/13/記                         = この稿おわり = ┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ メルマガ掲載読後感アンケートの結果。 ┗━┛ ◇ 面白かった! (^○^) --------------------------------- 45人 (79%) ◇ まあまあかな〜(゜.゜) ------------------------------- 10人 (18%) ◇ まあまあ..の..まあまあ(-_-) ------------------------- 2人 ( 4%) ┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ アンケートコメントボードに頂きました感想。 ┗━┛ ┌──────────「《м.м》さん」 クーラーが動いていて効かないのは、ガスが抜けているのではないですか? └────────── ┌──────────「サムライ駐在員さんから」 初めはガス抜けを疑ったんですが、どういうわけか冷えるときと冷えないとき にムラがあって、16度設定のまま寝ていたら何かの間違いでクーラーがちゃ んと効きだして、朝起きたら鼻水が出ているなんてこともありますね。 なにせ新築アパートの最初の店子で、まだ家賃も4回ぐらいしか払っていない のでクーラーもマッサラの新品のはずなのですが、妙なものです。あさって家 賃を払うときに大家にねじ込んでみるつもりです。 おお、そういえば風呂場の排水溝もよく詰まって頻繁に足上冠水になり、先日 の洪水をフラッシュバックしてしまうので、これもねじ込まないといけない。 やっぱり大陸の新築はいろいろと問題ありですね。 └────────── ┌──────────「Jan さん」 そーですか。中国はそんなに蒸し暑いのですか。 私は中国は大陸なので乾燥していてビールがうまいだろうと思っていました。 ナニシロ夏は出張は全然しませんので‥‥(*^^* 蒸し風呂のような経験は、大阪で勤務していた夏の夕方です。あれはたまりま せんでした。ご苦労様です。 └────────── ┌──────────「サムライ駐在員さんから」 昔西安に住んでいたころは、ほとんど砂漠に近いぐらい乾燥している気候だっ たので、気温38度でも日陰にはいればけっこう涼しかったものですが、南方 は蒸しますね。 これでも例年よりは涼しいですが、風通しのないところなどはあっという間に サウナ状態です。かなり汗を搾り取られるのでビールはうまいでしょうね。 ----私は酒は一切不可なのでビールのうまさがわかりません---- もっぱら1.5リットルのペットボトルの水を凍らせては氷水を飲んでます。 風呂上りの氷水は最高です。 └────────── ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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