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サムライ駐在員週報特記事項アリ by サムライ駐在員さん
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☆ 雨が降ったら ――――――――――――――――― 2006/05/05
ーーー久方ぶりに雨が降った。
ここしばらくは乾燥した天気が続き、本当は天気が良かったのかもしれないが
黄砂で空一面がなんともいえない色に覆われる埃っぽい気候であったので、雨
はありがたい。
明け方から降り始めた雨は、どうもドシャ降りだったようで、低血圧でないに
も関わらず朝に弱い私でも、雨音で目が覚めたぐらいなので、相当降ったらし
い。
ともかくも、雨が降ると空気がキレイになるのでなんだか気分がいい。
ピッチピッチチャップチャップランランランとは歌わなかったが、出勤前に雨
傘を携帯し、普段どおりエレベーターに乗りマンションの外に出ると、既に雨
はやんでいるらしく、これならば三輪車=屋根がある)でなくバイタク=バイ
クの後席なので屋根なし)で出勤できるわいと安堵する。
バイタクがマンションを出てか
ら大通りに差し掛かると、運転
手が急ブレーキをかける??
どうしたんじゃと聞くと、
ズボンの裾をまくれというので
ある。
ーーー??なんのこっちゃ??
と
思いながら前方を見て驚いた!
片側3車線の常平大道が運河に
なっていた!
大陸で、水はある意味危険である。広東省の平野部では、流れが止まった川や
池、水溜りなどのたまり水がいたるところで見られるが、それらは往々にして
なんともいえない情景を呈している。
ほとんど透明度がない、黒またはゾウキンの絞り汁のようなネズミ色で、ちょ
うどカメゼリー(註:広東名物のカメのゼリー)のような色をしており、水面
もカメゼリーの原液のように一種とろみを帯びていて、ただの水ではない。
流れがないため、これら漆黒のたまり水は、水銀のように風景をくっきり映し
出し、周囲にはなんともいえない臭気が漂っているーーー。
ところが、これほどまでに汚い水(もはや水とはいえないような気がする)で
あるので、さぞや生き物は住めないであろうと思ったら大間違いなのだ。
確かに、酸素を吸って二酸化炭素を排出するフツウの生物(カエル・サカナ・
水草など)は住めないのであるが、数十億年前、アミノ酸から地球上に生命が
生まれてからごく早い時期に分かれて進化した系統の生物には「嫌気性細菌」
という連中がいる。
地球の大気組成が現在と異なる時期に、地球の主であったといわれるこれらの
生物は、酸素を嫌い、代謝の過程で有機物を分解する際にメタンガスを排泄す
るという連中で、現在でもこういったたまり水の中に生息し、一部廃水処理の
過程では、汚泥の分解に利用されているのであるが、ーーーつまりはこういう
のがウヨウヨしているのである。
嫌気性細菌の中でも、特に有名でヤッカイなのが破傷風桿菌で、こいつに感染
すると、ひとつ間違えば助からない。ドラマ「大地の子」でも、上川隆也が実
にリアルに演じていたのだが、ーーーこいつに罹患すると、高熱を伴い、光を
当てると特に苦しむため、患者は暗室にて治療し、血清注射の治療が遅れれば
悪寒戦慄により死に至るという恐るべき感染症である。
そういった菌が、たまり水にはウジャウジャひしめいており、元気に活動して
いる証左に、水面にはメタンガスがフツフツと涌いているーーー。
先ほど、鏡のごとき水面と書いたが、正確には、浮かんだまま動かないゴミに
混じって、これらメタンガスのアワによる微小な波紋が常に正確な同心円をあ
ちこちで描いている、というのがより適当な描写であろう。
メタンガスは、中国語では「沼気(ZHAOQI)」というが、なるほどその通りであ
る。メタンガス自体には臭いはないのだが、こういったたまり水は吐き気を催
す独特のすばらしい芳香を放出していることがほとんどで、我々などはまった
く耐え難いのだが、
現地の中国人にとってはそうでないらしく、そういった川や池の周りに、夜、
夕涼みなどで人が集まり、ベトンのベンチまで設備されているので、人間の感
覚は分からないものだ。
なお、当社の場合、日本からの出張者には毎回「こっちでどんな事故にあって
もらってもかまいませんし、どんな重症を負ってもかまいませんので、水には
漬からないでください。漬かると死にます」とビビらせているのだが、これは
かなりの説得力があるようだ。
ともかく防疫上極めてロクでもない土地であるといえ、こちらの街頭の物乞い
には、四肢を欠損している人がかなり多いのは、案外こういうことが原因では
ないかと思うのである。
大陸の環境汚染は、最近になって、ようやく世界でも本気で心配されるように
なったようだが、もう遅いのである。――――衛星写真で見ると一目瞭然で、
フツウの川は、緑色を帯びた淡褐色で写るのに対し、こういった川は黒マジッ
クで引っ張ったようにくっきり明瞭なのである。(おかげで衛星写真上で常平
鎮を探すのが便利でいい)―→ 画像が大きいので別ウインドウで開きます。
また、河口では、墨汁をブチまけたように、こういうドク水がドクドクとタレ
流されている様子が明瞭に確認できるので、死にたくなければ、少なくとも広
州湾東岸(東莞の沙田鎮、虎門鎮、長安鎮など)で獲れた海鮮は食わないほう
が身のためであろう。
さて、雨が降ると空気はキレイになるが、地面はものすごい有様になる。
昔見た映画で、浸水した潜水艦の中で、床に落ちていたゴミやヨゴレやアブラ
やサビなどが、水位の上昇に伴って上がってきて、口元まで水が押し寄せる中
で乗組員が必死に顔をよじる光景があったが、理屈としてはあれに近い。
通常はたまり水としておとなしくしていた奴が、増水することによって街一面
にブチまけられるのである。マンホール(最近は差別用語らしい、なぜだ?)
の汚水なども、盛大にブチまけられるどころか、サイホンの原理によってマン
ホールや暗渠から勢いよく汚水が噴出している光景すら見受けられる。
また、メタンガスが発生するほど汚れていない水などでは、広東省名物のボウ
フラがウヨウヨしているのだが、コイツ等も増水によって新天地を得ることが
でき、ワーイとばかりにショウケツを極めるのである。
バイタクの運転手は、ズボンが汚れるのを気遣ってか裾をたくし上げたほうが
いいと言うが、ズボンなど汚れてもかまわんので、直接皮膚が水で濡れるほう
がよほど心配だと思うのであるーーー。
= この稿おわり =
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┃ ┃ メルマガ掲載読後感アンケートの結果。
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◇ ワッハッハ〜、ッつーか (^○^) ----------------------- 43人 (88%)
◇ まあまあかな〜(゜.゜) ------------------------------- 5人 (10%)
◇ まあまあ..の..まあまあ(-_-) ------------------------- 1人 ( 2%)
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┃ ┃ アンケートコメントボードに頂きました感想。
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┌──────────「中国一人長期出張人さん」
私の居る河北省では水不足で困っています。
以前、運転手君の実家の農村に遊びに連れて行ってもらいました。
家には水道の蛇口が一個だけで、でも蛇口をひねっても、水が出るのは朝一時
間、夕方一時間のみ。その間に水がめに水を溜め込み、一家の使用分を確保す
る。
風呂はどうするかといえば、水がめの水に余裕があればそれで水浴びをする。
無ければ寝るだけ。村の銭湯は一週間に一回(土曜日)のみオープン。
運転主君と実家で一緒に水浴びをしましたが、彼はバケツ一杯(18リットル)
の水で、頭から足の先まで綺麗に洗えます。私は水が足りなくなり、2杯目の
バケツを使用してしまい、後で大変申し訳なく思ったものでした。
└──────────
▼
┌──────────「サムライ駐在員さんから」
河北あたりは乾燥していて大変そうですね。
もっとも、乾燥している分だけ、南方と違って汗をかかないので、案外それで
もなんとかなるのでしょうか。
南方の夏にそのぐらいしか水が使えなかったら、アッという間にホームレス並
になってしまいます。
└──────────
┌──────────「Jan さん」
大変ですね。中国4千年のヘドロ水ですね。
思い出すだけでもおぞましいです。
とにかく中国のたまり水は不気味ですね。
水害後のヘドロ水を思い起こしました。
└──────────
▼
┌──────────「サムライ駐在員さんから」
水害後に伝染病が流行るというのがよく分かりますね。
なお「中国4千年の」とおっしゃいますが、最近は5千年に延長されたみたい
ですよ。
└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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