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サムライ駐在員週報特記事項アリ by サムライ駐在員さん
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☆ イスラムの菓子 ―――――――――――――――― 2006/01/20
どうやら私は、最近随分とイスラム贔屓のようである。
常平には、東トルキスタン(中共領新疆ウイグル)出身のトルコ系の人が少なく
なく、たいていはイスラム食堂か屋台で食い物を売っているのである。
本日の晩飯は、なじみのイスラムラーメンの店で、牛肉冷麺を食ったのだが、
今日はどういうわけか、小さな店の中はトルキスタン人で一杯で、表には屋台
のリアカーが数台止めてある。
どうやら、同じ同郷人の露天商が一服しているか、ちょっとした寄り合いでも
やっているのであろう。中国人と異なり、ムスリムのトルキスタン人は酒を飲
まないため、会食をしていてもキチガイじみた騒ぎ方はしない。
さて、牛肉冷麺とピータンの和え物を食った私は、店の前に置いてある食い物
売りのリヤカーに目を留めた。―――なんともいえない異様なものがリヤカー
一杯に積まれているというか、正確には、ひとつの大きな塊がデンと置いてあ
るのである。
タタミ半畳ぐらいの荷台の上には、高さ10センチぐらいの分厚いナニモノか
が載っており、褐色でデコボコしている表面をよく見ると、一面におびただし
い胡桃と新疆干葡萄が敷き詰められていて、アメで固めてある。
端のほうは、少し切り売りしたと見えて、ザックリ断面が見えており、その断
面たるや、ピーナッツとドライフルーツの細切れが、ぎっしりとアメで固めて
あるのである。
タタミ半畳の広さで高さが10センチもあるシート状の塊が、なんと全てピー
ナッツとドライフルーツとアメの塊なのであった。
食い物単体としては、こんなにばかでかい食い物を見るのは初めてであり、し
ばし見とれていたら、件のイスラムラーメン屋でめしを食っていた屋台のおや
じが、嬉しそうに表に出てきて、買わないかとのたまう。
一斤いくらだねと問うと(註:大陸での計り売りの単位で1斤=500g)、
1両(同じく量り売りの単位で1両=0.1斤=50g)で2.5元だという。
単位が両であったせいか思いのほか安いなと思い、では3両=150g)くれ
ろというとダメだという。
つまりは、大きな塊から切り出して売るので、重さにあわせて切るのではなく
て、適当な大きさに切り出してから計るのだそうだ。 なるほどもっともだと
思い、大体食パンの厚切り3枚分ぐらいの大きさを指でなぞって、このぐらい
切ってくれと言ったら、なぜかおやじは
「本当にいいのか?本当にいいのか?」とやたらに念を押すのである。
まあ単価が2.5元(但し50g)であることだし、食パン3枚分ぐらいだか
らたいしたことはなかろうと思い、かまわんから切ってくれと言うと、おやじ
は大変嬉しそうな顔をして、餅切りのような刃物を取り出して全体重をかけて
切り出した。ーーーなかなか刃が下まで下りないところを見ると、相当硬いか
粘っこいシロモノらしい。
勘定の段になって驚いた。
おやじは、切り出した塊を天秤にかけて重さを量り、「21両ちょいだから、
端数はまけて52元だ」というではないか。 なんだと、食パン3枚分ぐらい
の大きさのくせに21両(1.05kg)とは何事か?!
しかし、持ってみると確かに1キロはあるのである。一旦切ってしまった以上
どうにもならないので、勘定をすませた。おやじはうれしそうに「ヤッフメッ
(ありがとう)」と言った。
それはそうだろう、52元ともなれば、屋台で支払う金額とは桁が違う。なる
ほど、比重の分からないものを買うときは十分に注意が必要だといういい教訓
になった――――。
さて、大きさの割にはやたらに重たい塊を提げてバイタクで工場に帰り、事務
所の明るいところで改めて観察してみると、確かにピーナッツとアメの塊で、
シート状になっていたときの上の面には、胡桃とマスカットを干したような新
疆干葡萄が敷き詰めてある。私は胡桃のアメかけ菓子が大好きなので、すっか
りこれが気に入ってしまった。
さっそくコッヘルに湯を沸かし、取っておきの内地の緑茶ティーバッグでうま
い茶を入れる。
スイスナイフで塊を切り出しにかかるのだが、なるほどおやじがあれだけ手こ
ずっただけのことはありそう、簡単には切れず、粘る刃をダマシダマシ押し込
んで、ようやく一口ヨウカンぐらいのサイズに切り出した。
味は、まごう事なきアメとピーナッツだが、干葡萄やドライフルーツの酸味が
アクセントになっていてなかなかうまい。ーーーうまいのだが、ちょっと食っ
ただけですっかり腹が一杯になってしまった。
うまい肴は酒が進むというが、この重厚長大なイスラムの菓子は、実に緑茶が
進み、おかげで腹がチャブンチャブンになってしまうのである。一口でもこの
ボリュームであるので、もし、この塊2.1斤を一度に食ってしまえば、その
恐るべきカロリーで以って、人は空をも飛ぶことができるであろう。
とりあえず同僚におすそ分けしたり、毎日晩酌のようにチビチビ切り出しては
食おうと思うのだが、肝心なことを忘れていたのに気が付いた。
ーーーこの菓子の名前はなんというのだろうか??
= この稿おわり =
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┃ ┃ お便りで頂きました感想。
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┌──────────「PACKMANさん」男性@六十代@会社員@神奈川
イスラムの菓子 おいしそうですね!!食べてみたいですね。
中国には仕事でよく行きます。町の中で時々変な食べ物を見かけて食べてみた
いな〜と思う一方、なんとなく躊躇する気持ちの戦いで、なかなか買って食べ
ることは少ないのですが・・・なんという名前のものかなー?
ーーー今度探してみたいです。
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┌──────────「サムライ駐在員さんから」
こちらの屋台は、昼間見ると結構勇気と根性がいるものもありますが、夜に裸
電球に照らされているのを見ると、けっこううまそうに見えるものが多いです
よ。
胃腸をやられる方もおられるかもしれませんが、味はなかなかいけます。
よく考えてみると、砂塵や車の排気ガスがもうもうと立ち込めるところで売ら
れているので、身体には決してよくはないと思いますが、雰囲気は楽しめます
ね。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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