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私見時事論談 ―――――――――――― by hideおじさん

☆ 重慶爆撃はハーグ条約違反か ――――――――――― 2009/06/29
竹下義朗さんの記事に対するコメントで、権兵さんと尊野ジョーイさんが応酬
なさっている「重慶爆撃」について、横から口を挟んで申し訳ないですけど、
ちょっと話をさせてください。

ーーー「戦争史上初の無差別爆撃」と槍玉に挙げられる重慶爆撃ですが、

尊野ジョーイさんが仰るように、一般住民が住んでいる同じところに、万を越
える兵士を混在させた国民党にもルール違反があった、ということを認識して
いないと、正しい判断はできないのではないかと思います。

ましてや、日本軍からの攻撃が明白であるにも関わらず、重慶の一般住民に対
する有効な手段を講じていなかった責任は、軽いとはいえないでしょう。

ーーーこれを踏まえた上で、少々理屈を述べさせていただきます。

日本のこの攻撃を、「ハーグ条約違反」だとの批判があることは間違いありま
せん。確かに陸戦法規では、

「防守せざる都市=無防備都市、村落、住宅又は建物は、如何なる手段に依る
も之を攻撃、又は砲撃することを得ず」となっておりますから、

一見すると日本軍の攻撃は「違反である」という認識になりそうです。

ただ、この陸戦法規の解釈に沿うと「軍事力の存在しない都市であれば、たと
えそこに武器弾薬などの軍事物資があっても攻撃できない」ことになります。

ところが、これは現実的ではない、不合理であるとして、空戦法規にある「軍
事目標主義」に沿って行われることを要件に、空爆は合法とされた経緯があり
ます。

ーーー誤解を招くといけませんので、もう少しお話ししますと、

そもそも攻撃目標となるものには「防守都市」と「軍事目標」というものがあ
ります。「防守」とは、都市の占領を企図して接近する敵に対し、軍隊が抵抗
することを意味しており、このような都市に対しては攻撃が認められる(陸戦
規約25条)とされております。

但し、同27条には、宗教施設・学術施設・医療施設などは、軍事上の目的に
使用されない限り、また、可能な限り被害を免れるように努力しなければなら
ないとする規定もあります。

一方「無防守都市=軍事力の存在しない都市」に対しての攻撃対象は「軍事目
標のみに限定」され、民間のものに関しては攻撃が禁止される。この原則を軍
事目標主義(Doctorine of Military Objective)といいます。

この解釈は陸戦だけでなく、海上や空中からの攻撃にも同様の制約があるとさ
れるので(海軍砲撃条約第2条・空戦法規案第24条)、空爆もこの解釈に沿っ
て行わなければなりません。

さらに、軍事目標への攻撃によって民用物に付帯的な被害が出ても、故意にな
されたものではなく、また、目標の破壊による軍事的な利益に比較して軽微な
場合には違法ではないとされています。

簡単に言うと「軍事目標主義」というのは、軍事目標=糧秣、弾薬倉庫なども
含む)があれば、防御の有無に関わらず攻撃の対象としてよい。但し、無駄に
市民を殺傷するような攻撃はやめましょう、という考えです。

ーーーこれらを踏まえて考えると、

重慶には多くの国民党軍兵士が存在しており、尚且つ軍事施設があり、さらに
重慶政府という中心があったわけですから、「無防守都市=無防備都市=軍事
力の存在しない都市」とはいえません。

攻撃しても違反ではない都市と解釈して問題ないでしょう。

さらに、第1議定書58条「軍事目標近傍からの文民の移動・人口密集地の軍
事目標設置の禁止」に反している国民党軍の行動を考えても、爆撃したことを
もって日本だけ戦時国際法違反であるという非難は妥当だとは思えません。

勿論、重慶爆撃は「絨毯爆撃」という方法で、一般住民に甚大な被害が出たの
だから、とても「軍事的利益に比較して軽微な場合とはいえない」ーーーいく
ら理屈を並べたところで戦時国際法違反であり、非人道的なことに間違いない

という批判は当然あるでしょう。結果、1万2千人以上の犠牲者が出たことは
事実ですから、日本に非がないとはいえません。

しかし、そもそも蒋介石軍は、相当数の対空砲台を、わざわざ飛行場や軍事施
設から市街地域に移動させ、また、軍需工場も地下に造成したため、日本軍は
やむなく市街地域の絨毯爆撃を決定した、といういきさつがあります。

司令官として、一般住民が巻き添えになることが明白なのにも関わらず、敢て
市街地に軍事施設を置いたことは、一般住民が犠牲になっても構わないという
認識であろうことは疑いようもないことで、

国民党軍の国際法違反も、十分認識しなければならないことだと思います。

自国民軽視ともいえるこの行動こそ「非人道的」と非難されても仕方がないの
ではないでしょうか。

                        = この稿おわり =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ 読後感アンケートの結果。 ┗━┛
◇ 国民党軍のほうが悪い! ------------------------------ 70人 (74%) ◇ どっちが悪いのかな? -------------------------------- 20人 (21%) ◇ 日本軍のほうが悪い! -------------------------------- 4人 ( 4%)
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┃┃ お寄せいただきましたご意見や感想。 ┗━┛
┌──────────「張宋援さん」 「軍需工場も地下に造成したため」とありますが、何か資料はありますか? ーーー今でも工場跡地はあるのでしょうか?
└────────── ┌──────────「hideおじさんから」
地下軍需工場のことは、以前月刊「正論」の記事で読みました。また前田哲男 氏の「戦略爆撃の思想」という本にも簡単ではありますが書かれていた記憶が あります。 現在跡地(当時その多くが防空壕であった)がどうなっているか、詳しい資料は ありませんが、戦後は共産党軍の武器工場として使われたとか、一部は遊戯場 として使われていた、または現在バイク工場があるとか、いろいろな話があり ます。 直接は関係無いかもしれませんが、北村稔・林思雲氏の「日中戦争」なども参 考になるかと思います。 └────────── ┌──────────「緑の保守派の尊野ジョーイさん」 蒋介石に、一般市民を守るなんて意識なんか最初からありませんよ。 彼は、退却中に日本軍を攪乱するために川にコレラ菌をばらまいています。 =最初に細菌兵器を使ったのは支那国民党軍である。川下にいる支那住民が被 害を受けることなどはお構いなしです。 台湾でも、3万もの知識人を虐殺しています。権力のためなら、一般市民の犠 牲など何とも思わない、冷酷な性格の持ち主なのでしょう。----毛沢東にはか なわないけど――――。 歴代の支那皇帝も一般市民には圧政を行ってきました、今の中共と同様です。 天皇と皇帝の統治は、月とすっぽんぐらいの差がありますね、日本に生まれて 良かったです。
└────────── ┌──────────「hideおじさんから」
まさに仰るとおりです。さんざん日本軍の残虐さを訴えておきながら、自分が やっていることはそれ以下のことです。 重慶に退却する際に、追撃を逃れるため黄河をわざと決壊させ、32万人もの 犠牲者を出したこと。重慶の前にも、上海の租界を空爆し欧米人も含めて百人 単位の犠牲者を生んだことなど、無差別爆撃を言うならこれも批判されて当然 です。 許せないのは、国民党はこれを日本軍の仕業と虚偽の宣伝を行ったことです。 自分の違反行為は棚に上げて、さらにそれを他人のせいにする。戦争のルール を守れというのならば、国民党こそルールを守れということです。 ーーー少なくとも日本軍は、自国民が黙って犠牲になって良いなどとは考えて もおりません。 重慶爆撃があったから広島・長崎、東京などの大都市空襲があったのだとか、 東京裁判で重慶爆撃を問題にするとこれらの空襲も批判されるから、というよ うな意見もあります。だから日本が悪かったのだとなるのでしょうが、 私は、このような方々はアメリカを知らないのではないかと思います。 だいたいアメリカが、人道的でフェアプレーであるならば、最初から原爆など 使用しなかったでしょうし、大都市空襲もしなかったでしょう。 アメリカというのは「やられたら徹底的にやり返せ」の国です。今でも多くの アメリカ人が「原爆攻撃」は是としているのです。それが、重慶を取り上げる と原爆も批判される、などというようなセンチメンタルな気持を持つはずがあ りません。 1940年代の週刊誌「ライフ」では、日本人を「インディアンと同様で排除 して構わない人種」とする記事を出しております。こんな認識の国が、重慶と 原爆を比較して弱気になどなるわけがないのです。 冷酷だというのなら、中国がそうであり、アメリカがそうであったのです。人 を虫けら同様に考えていたのはどちらか、その反省なくして何の反省になるの でしょう。 └────────── ┌──────────「げさん」 重慶爆撃を正当化することは、広島・長崎の原爆投下、東京やドレスデンの空 襲を正当化する輩にお墨付きを与える、ことに他なりません。 我々の、過ちは過ちとしてきちんと反省し、その上で、先の大戦における米英 の過ちをも追求することが必要なのではないでしょうか。
└────────── ┌──────────「hideおじさんから」
げさん、コメントありがとうございました。 本文をお読み頂ければ理解いただけると思いますが、日本の重慶爆撃は正しい とは申しておりません。理由はどうあれ、この攻撃によって多くの一般人が犠 牲になったことは疑いもないことですから、日本に非がないとは申せません。 しかし、何ゆえこのような多くの犠牲者が生まれたのか、日本が「侵略戦争」 といわれるものをしなければこんなことが起こらなかった、という見方だけで は、悲劇の原因とするには無謀であると思います。 戦闘を行う当事者は、ルールを守る義務があります。ーーー戦争は単なる殺し 合いではなく、国際法で認められた武力を使った政治に他ならないのですから 為政者は特に慎重であるべきです。 それを、わざわざ犠牲者が出るように仕向けた中国の指揮官が無罪と言えるの か、責任を日本に押し付けるだけで、彼らの行動が正当化できるのか、大いに 疑問を持っております。 ルールを守らない戦闘は、敵であれ味方であれ、勝者であれ敗者であれ、同罪 ではないのではないでしょうか。 このことを明確にしないと、広島・長崎の原爆も、東京大空襲、ドレスデン空 襲も、勝者の論理でしか語られなくなるのだと思います。 └────────── ┌──────────「hideおじさんから」 さぶろうさん、書かれていたコメントがその後見当たらなくなりましたが、何 かの手違い? 失礼があってもいけませんので、ご返事させていただきます。 陸戦協定は所詮「戦争のルール」であって「平和のルール」ではありません。 それを考えると、どんなに理由のある攻撃であろうが不合理であり、悲劇を生 むことには変わりません。 戦争のルールでは「よい」からといって、平和のルールでも「よい」ものなど ないでしょう。逆に考えれば、そもそも不合理である戦争を平和のルールで判 断しても、双方相容れるものではないと思います。 そういった矛盾があるからこそ、指揮官はどんなルールであれ厳守する義務が あるのだと思います。それを考えると日本軍は無罪だとは言えないでしょうし 連合軍とて無罪だとは言えません。 戦争に勝ったから無罪で、負けたから有罪、という理屈などありえないのでは ないでしょうか。 重慶を考えた場合、住民が犠牲になるのが明らかであるのにも関わらず、敢て 一般住民の住居の傍に対空砲や軍需工場を郊外から移設した国民党軍は、住民 を盾にしたとしか考えられません。 さらに、重慶の前に「以水代兵」ということで、蒋介石が黄河を意図的に決壊 させ、一説には32万人の犠牲者を出したことにも触れておくべきでしょう。 このような自国民軽視の作戦が果たして許されるものなのか、日本軍が侵略し たからこうなった、という問題ではないはずです。他人のルール違反を責める のは簡単ですが、自分たちのルール違反によってより多くの犠牲が出たことも 指揮官は大いに反省すべきだと思います。 └────────── ┌──────────「ポポンさん」30代@男性 原爆判決 http://www.geocities.jp/bluemilesjp/genbaku.html なるものが存在しており、この判決の中には、軍事目標主義の詳細な検討がな されています。是非ご参考になさってください。 とくにここ↓ ---------- 引用開始 ---------- 七)それでは、防守都市と無防守都市との区別は何か。 一般に防守都市とは【地上兵力による占領の企図に対し抵抗しつつある都市】 をいうのであって、【単に防衛施設や軍隊が存在しても、戦場から遠く離れ、 敵の占領の危険が迫つていない都市は、これを無差別に砲撃しなければならな い軍事的必要はないから、防守都市ということはできず、この場合は軍事目標 に対する砲爆撃が許されるにすぎない】。 これに反して、敵の占領の企図に対して抵抗する都市に対しては、軍事目標と 非軍事目標とを区別する攻撃では、軍事上の効果が少く所期の目的を達するこ とができないから、軍事上の必要上無差別砲撃がみとめられているのである。 このように無防守都市に対しては無差別爆撃は許されず、ただ軍事目標の爆撃 しか許されないのが従来一般に認められた空襲に関する国際法上の原則である ということができる。(田畑茂二郎、高野雄一の鑑定参照) ---------- 引用終わり ---------- きちんと日本軍が1−地上兵力をもって、2−重慶を占領しようと 3−近接 していたかどうか、の検討もなさっていただいたほうがより正確な解釈になる と思います。
└────────── ┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
参考情報:日本軍はその頃、重慶のある四川省と山ひとつ隔てた、湖北省宜昌 市を制圧、現在の三峡ダムのあたりまで進撃していました。ーーーこれだけで は分かりづらいでしょうか? 例えば東京を攻撃するのに、箱根の山の向う側、三島を占領して箱根山の途中 まで攻め登っていた。----四川省湖北省間の山塊はもっと広大なので、箱根山 が北アルプスか南アルプスぐらい、そんな感じです。 したがって「1−地上兵力をもって、2−重慶を占領しようと 3−近接して いた」という条件は十分満たしていると思います。
└────────── ┌──────────「権兵さん」
重慶爆撃についていろいろ言われてますが、では聞きたい。 宣戦布告もせず敵側の首都南京を攻略して、更に重慶爆撃までしたことが許さ れる戦闘行為といえるか??この点について回答されたい。 宣戦布告は、中国側から昭和16年12月8日の翌日9日に宣せられ 日本も 受けて宣戦布告している。それまでは戦争扱いではなく討匪行としての戦闘扱 いであった。名称的には支那事変、あくまで事変扱いであること。 まあ、後発の帝国主義国家としての日本の攻撃である。国権の発動としてはお 粗末なことだと思うが如何かな??
└────────── ┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
権兵さんは当時の事情をよくご存知のようですけれども、どうも、なんとかし て日本が悪い!日本が悪い!ーーーと話をもっていこうとなさっているように 感じられるんですが?? 満州事変から支那事変と、宣戦布告なき戦闘状況が拡大していったのは、日中 双方ともに様々な伏線があったのは当然ご存知のはずですが、支那事変として 直接的に大規模な戦闘状態になったのは、 国民政府軍が上海駐屯日本軍に対して大規模な包囲殲滅戦を挑み、それに敗れ て南京へ向けて敗退するのを日本軍が追撃していって南京戦となり、蒋介石が 武漢に拠って抗戦したため更に武漢三鎮攻略、更に重慶に後退したので重慶を 攻めた。 ただ、国民政府とはいっても、蒋介石と袂を分かった汪兆銘が昭和15年3月 に南京国民政府を樹立しており、日本政府はこちらを中国の正統政権と認めて 重慶の蒋介石政権は認めていませんでした。なので重慶政権との戦闘は、まあ いうならば反政府ゲリラ討伐ということにでもなるのでしょう。 「宣戦布告が昭和16年12月9日に中国側から宣せられ」 といってもこれは重慶政権からで、日本側が認めていない地方政権なわけです から、現在でいうならばアフガニスタンにおけるタリバンみたいなものでしょ う。相手にしていない相手から宣戦布告されてどう応じたのかは知りませんが そも宣戦布告なんてものは、相手から言われたからこちらも同じように宣する なんてものではなく、相手から殴りかかられたら、こちらは丁寧に喧嘩状を出 して殴り返す、ではなく、即座に殴り返す、そんなものではございませんか。 ソ連のアフガン侵攻・グルジア介入、中国のチベット占領・ベトナム懲罰(?) 戦争、アメリカのイラク戦争、イギリスとアルゼンチンのフォークランド紛争 などなど、どちらからかの宣戦布告なんてありましたか? 戦争は「政治の中の外交という部分のひとつの手段であり、別の国と利害が対 立したとき最終的に使われる交渉の手段」です。手続きがどうとかは枝葉末節 の事柄で、拘るのは意味がないのではありませんか?
└────────── ┌──────────「hideおじさんから」
宣戦布告しなかったから攻撃するのは許されないとか、したから攻撃は許され るものだという話ではないと思います。 あくまでも「戦い」なのですから、戦時国際法や陸戦法規等々守るべきルール を遵守していたかどうかが問われる問題だと思います。 現中国が批判しているのは、日本は宣戦布告していないのだから南京や重慶を 攻撃したのが問題だというのではなく、攻撃が非人道的でルールを守らなかっ たから批判しているのではないでしょうか。 さらに、戦闘・紛争であろうが、事変という名称であろうが、それで戦いの大 きさや規模が規定されるものではありません。事変なのにこんなこともした、 あんなこともしたとか、規模を過小化していたというのは何等批判対象にはな りません。 次に、宣戦布告がなければ攻撃そのものが不法で批判されるのか、を考えてみ ます。 陸戦法規の規定では、『開戦に関する条約』第一条に「宣戦布告」についてあ りますが、日本を含めた各国は次のような文章で批准しております。 ┌-------- 締約国は、理由を附したる開戦の宣言の形式又は条件附き開戦宣言を含む最後 通牒の形式を有する、明瞭かつ事前の通告なくしてその相互間に戦争を開始す べからざることを承認す。 └-------- 「やっぱり宣戦布告せずに戦争してはならないとなっているではないか?」と 思われますが、ここで重要なのは「戦争を開始してはならない」という条約で あって、紛争・戦闘そのものが「戦争法」に違反しているという意味ではあり ませんし、宣戦布告しないで一切の戦闘を起こしてはならないという規定でも ありません。 国際法でいう「戦争」を起こしてはならないとしているものです。 ここらあたりは、国際法や戦争法などの本を読まれるとご理解頂けると思いま す。 しかし、戦争であれ紛争・事変であれ、武力を使った国家行為には変わりあり ませんから、「戦うルール」は守る義務があります。これは宣戦布告には全く 関係なく、大前提に遵守しなければならないルールです。 先にも述べましたように、中国側の批判はこの点にあるのであって、宣戦布告 の有無を批判しているとは少なくとも彼らの口から聞いたことがありません。 では、宣戦布告が必要不可欠なことだったのか否かを考えると、当時日中の状 態がどうであったかを見なければならないと思います。 「宣戦布告」の目的は、「不意打ちを禁じよう」というのがそもそもの出発点 であります。そこでまず考えなければならないことは、この時の国民党と日本 の状況を見た場合、「不意打ちを禁ずる」というような状態であったのかとい う点です。 既にこのときには、後に「日中戦争」といわれるように、実質的な戦争状態に あり、国際的に国民党中国と日本は「紛争」「戦闘状態」にあるということが 認識されていました。ーーーですから不意打ちもクソもいわけです。 そもそも戦争にまで発展する過程というのは、当初、ある地域におけるいざこ ざだったり、小競り合いなどから始まるのが一般的です。それが広域の地方の 戦闘になり、さらに大々的な武力行使に発展し、最後に宣戦布告して内外に戦 争状態に突入したことを知らしめるというものです。第一次大戦などが良い例 でしょう。 ですから、最初に「宣戦布告ありき」ではありません。 さらに、日中どちらからでも宣戦布告できる状態であったにも関わらず、両国 ともそれをしておりません。 それには多くの理由が出されています。 日本においては、蒋介石国民政府を中国の代表として認めていないので宣戦布 告すべき国が存在していなかったという理屈。汪兆銘政府が中国の正式な政府 としていたのであり、汪兆銘中国に宣戦布告する理由がないということ。 重要なのは、世界の耳目を集めないためにも、地域紛争として解決したい。さ らに、「戦争」と称すると多くの国々を巻き込むことになり、結果日本の影響 力が低下することが考えられるというものです。 蒋介石国民党中国においては、まず第一に、日本が一方的に攻め入っているの であって、中国は被害者であるということをアピールできること。 最も重要なのは、戦闘行為の継続にはアメリカの援助が必要不可欠であったこ とです。当時アメリカは、戦争国に対して援助することができませんでしたか ら、日本と中国が宣戦布告して戦争状態になったら、表立って援助ができなく なります。 だから中国もアメリカも、宣戦布告は不要だった訳です。 そして、最終的に真珠湾攻撃でアメリカの参戦が決定したことで、何の遠慮も なく援助協力が受けられることになり、中国は日本に対して正式に宣戦布告を することになったのです。 別に日本が稚拙だということでもありません。
└────────── ┌──────────「hideおじさんから」
ポポンさん、拙文お読み頂き、誠にありがとうございました。また、資料等の ご紹介、大変勉強になりましたことお礼申し上げます。 そもそもこの投稿の主旨は「重慶爆撃は無差別爆撃であり国際法違反である」 として、一方的に日本に非があるとする意見に疑問を表するものでした。 軍事施設も無い、軍隊もいない都市に対して無差別爆撃を敢行したとする日本 軍を批判する意見は多く、明確な国際法違反と弾劾する意見が、今の一般的な 認識だろうと思います。 しかしながら、果たして重慶が本当に無防守都市といえたのかどうか、そこが 曖昧なまま日本軍への批判だけが語られているように思えてなりません。 もともと、重慶の市街地・人口密集地帯には軍事施設は無かったと言われてい ます。何も無いところに空爆なり攻撃を加えることは明らかに違反行為と言え るでしょう。 しかし国民党が重慶に中心を移してから、最初は重慶郊外にあった武器工場や 対空砲火設備等々を重慶市街地に移動・分散させるということを行いました。 これは、人口密集地に軍事目標を置いてはならないという国際法に違反してお ります。このような根本的な問題を無視していることに疑問を抱いています。 いろいろ誤解もあるようですが、日本軍は最初から重慶市街に対して絨毯爆撃 や無差別爆撃をした訳ではなく、日本海軍航空史などによりますと、1940 年6月以降、市街地からの対空砲火により爆撃目標を変更していった、という 記述が見られます。 それまでは、郊外にある飛行場を中心とした爆撃だったとしています。 どちらにせよ、爆撃された一般市民からすれば、軍事施設を街中に持ってきた 国民党より、実際に爆弾を落とした日本軍にうらみつらみがあるのは当然だと 思いますが、 心情は理解すべきとは思うものの、どちらか一方を責めるだけでは多くの犠牲 者が生まれた本当の原因を曖昧にするものではないかと思うのです。 └──────────
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┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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