┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  サイトマップ!(^O^)  ━┓



私見時事論談 ―――――――――――― by hideおじさん

☆ 「Gini(ジニ)係数」からみた中国 ――――――――― 2005/02/25
OJINさんよりライターとしての参加をお願いされ、引き受けたものの諸先輩方
のように対応出来るのか不安です。経験不足ながら追々お話しをさせて頂きま
すので宜しくお願い致します。自己紹介がてら「中国」に対するひとつの見方
をご紹介させて頂きたいと思います。

私は、とある貿易会社で働いておりますが、ご多分に漏れず「中国進出」に対
して積極的であり、いろいろな勉強もさせられます。 ご承知のとおり、昨年
日本の貿易額のトップが米国より中国に変わりました。 いよいよ中国の重要
性は増して来ているのでしょう。ただ、貿易額の中身を精査すると、単純に米
国と比較はできないのですが、それはここでは申しません。

毎年世界開発銀行から公表される統計資料の中に「Gini(ジニ)係数」というも
のがあります。あまり馴染みのない言葉ですが、簡単に言うと「所得分配の平
等さ」を測る指数です。1人の人が全ての所得を独占すると係数は「1」とな
り、みんなに満遍なく平等に所得が分配されると「0」となります。

この数値は、その国の所得格差を表すものです。係数が高くなればなるほど不
公平になり、社会が不安定になるといわれております。ちなみに日本では厚生
労働省がこの数値を計算しています。

昨年2004年度版の各国のジニ係数(約)は、

・アメリカ 0.41
・フランス 0.33
・イギリス 0.36
・ドイツ  0.28
・日本   0.25
・中国   0.45(台湾・香港を除く)

となります。数値の目安は、

   〜0.1 非常に平均化されているが仕組まれる人為的なものがある。
0.1〜0.2 相当平等だが、発展への努力を阻害する懸念がある。
0.2〜0.3 社会で一般的な分配型である。
0.3〜0.4 少々格差はみられるものの、競争という面からは好ましい。
0.4〜0.5 格差がきつく、社会不安定要素がある。
0.5〜    特段の事情がない限り早急な是正が必要。

この公表された数値は、非常に低く見積もられていますが、日本を見た場合、
実際は社会保証としての所得分配等を含めて0.33ぐらいであろうといわれ
ています。ただ、この日本の係数も年々アップしてきており、不公平さが表面
化してきています。

さてこの数値、中国は0.45と非常に高い位置にあります。米国も高いです
が、平均所得が中国と比べて高いけれども、富裕層はとてつもなくお金持ちな
ので、総じてジニ係数は高くなってしまいます。ですから、中国と大差がない
とは言えません。単純に、高いから不公平、低いから公平ということではあり
ませんが目安とはなります。

不思議なことに、その他の国を見てみると、本来平等であるはずの共産国・社
会主義国はジニ係数が高く、不平等といわれる資本主義国が低いという皮肉な
数字になっています。

実際の中国のジニ係数はというと、諸説があり確定されておりませんが、中国
の発表では0.458となっています。ただ、0.49という研究もあります
し、昨年末時点で既に0.51を越えたと見る向きもあります。
年々、都市部と農村部の格差が高まっていることは報じられていますが、その
格差は6:1とも7:1ともいわれています。

最近の中国社会科学院の調査「中国社会情勢分析と予測」の中で、深刻な社会
問題として貧困格差を1位に挙げ、失業問題は2位、第3位には都市間の収入
格差とされています。どちらも所得の不平等さを表すものであり、中国指導層
は深刻な対応を迫られているといえます。

表向きは高度成長が続いているといわれていますが、中国社会の貧富の格差は
既に正常といえる限度を越えており、いつ暴動が起きても不思議ではない状況
にあると言われています。

勿論、これは一方の見方ですから、単に不安を煽るわけではありません。その
他の経済指数を鑑み綜合的に判断すべきものであることは当然です。しかし、
このような不安定要素を含んでいるのが現在の中国だということは忘れてはな
らないと思います。

「良い面だけをみて大局を誤らないようにしよう!」というのは、いつの時代
であれ教訓となるはずです。
 
                        = この稿おわり =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ メールマガジン読後感アンケート結果。
┗━┛
◇ 面白愉快有益! (^○^) ------------------------------- 49人  (64%)
◇ まあまあかな〜(゜.゜) ------------------------------- 13人  (17%)
◇ 知らなかった「謝謝!」 ------------------------------ 14人  (18%)

┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ アンケートコメントボードに頂きました感想。
┗━┛
┌──────────「ミカの赤い服さん」

hideおじさん、こんにちは。「面白愉快有益!」に投票しました。

◆まずはライターデビュー、おめでとうございます。面白い記事を期待してい
ます。
◆『ジニ係数』という言葉は初めて知りました。何となく今まで持っていた、
その国の社会のイメージとだいたい一致する面白い指標ですね。
データが無いかもしれませんが、北の某国の数値はどれくらいになるのでしょ
うか?おそらく、中国よりもずっと高いでしょうね。

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

ミカの赤い服さん、コメントありがとうございました。 ライターデビューし
たものの、いかにみなんさんに楽しんで頂ける記事を書けるかどうか、責任も
感じております。 右側、左側ということではなく、1社会人が見たこと感じ
たことを、ありのままにお話ししたいと思っております。

ジニ係数というのは馴染みが薄いですが、その国の実態を表す指数として判り
やすい指数といわれております。 ただ、決してその国の「幸福度」を表して
いるものではありません。 貧乏でも「幸せ」と感じることもあるでしょうし
お金持ちでも「不幸」と感じる人もいるでしょう。

何がその人にとって「幸せ」かは、個人差がありますから、中国は不公平で多
くの人は不幸せだとはいえないでしょう。 ただ、行き過ぎた拝金主義は中国
本来の「良さ」を損なってしまうのではないかという危惧を抱いております。

北の国は、当たり前というか、ジニ係数に関しては詳しい資料はありません。
そういう統計すらないというのが実情です。 表向きには税金が無く、教育・
医療費は全てタダ、国民皆平等ってことになってますので、限りなく「ゼロ」
に近い数字がはじかれるでしょうけれど、だれも信じる人はいませんよね。

└──────────
┌──────────「うしさん」

日常的なビジネスの現場から見えてくる様々な事象は、売文や視聴率目当ての
マスコミとは異なり、地味ながら確実に社会の構成部分を表していると思いま
す。
そういう意味で、hideおじさんの感じた事柄を楽しみに拝見したいと思ってい
ます。

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

うしさん、ありがとうございました。 これからもなるべく一人の会社員とい
う視点からアジアを見ていきたいと思っております。 日本のマスコミ(日経
新聞など)は、中国の良いことしか伝えませんけれど、失敗や撤退という憂き
目にあった事例も数多くあります。

「勝った」ことから学ぶより「負けた」ことからこそ学ぶべきことが多いとも
思っております。浮かれず、また悲観的にならず、これからお話ししていきた
いと思っています。

└──────────
┌──────────「PACKMANさん」

愉快というより有益でした。北京や上海を見る所得水準も高いと思うし、少し
横にそれると、日本の昭和20年代後期みたいだし、これがジニ係数に表れて
いるのですね、フムフム。続きをお願いします。

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

記事にも書きましたが、日本でも年々このジニ係数が上がってきております。
勝ち組み、負け組みという言葉の意味のひとつには、収入格差の問題もあるか
と思います。 ある程度の差というのは「良い刺激」となるでしょうが、中国
のように、表と裏では大違いというのは国民に不満だけを与えるだけのものと
みられても仕方ないでしょう。

ちなみに、この係数は住んでいる場所、年齢層、家族構成などでも算出されて
おりますので、詳細を分析した上で中国政府も対策を取ろうとしておりますが
どうなることでしょう?

日本の場合は、60歳以上が国民の「富」の70%を抱えているという数字も
あります。 これも異常な数値であることは異論の無いところでしょう。この
ような統計もあるので、最近熟年層に対する負担増が叫ばれているのではない
かとも思っております。

住宅購入や教育などで一番お金が掛かる30代、40代が四苦八苦しているの
はなんとかして欲しいなぁというのも正直なところです。

└──────────
┌──────────「hiro@広州さん」

耳に優しい語り口でとても読みやすく有益でした。
ジニ係数は知っていましたが、美国との比較など思いもよりませんでした。
同じ年頃(S31生)ですので楽しみにしています。

追伸)クイズの答えですが
荒胆(肝)=あらぎも
雑閙=ざっとう
幌車=ほろしゃ・・でOKかな

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

hiroさん、同世代ということで、これからも宜しくお願いします。我々の世代
は、戦争を知らない世代ですけれど、ベテランだけに頼るのではなく、我々が
子供たちに伝えなければならないことも多いと思います。

戦争を知らないだけに、違った視点で中国や欧米を見ることも出来るのではな
いでしょうか? ジニ係数はひとつの切り口ですが、これからはなるべく具体
的な数字を元に中国というものを考えて記事にしていきたいと思っております
ので、応援よろしくお願い致します。

└──────────
┌──────────「田中次郎さん」

何かしら興味深いのが中国ですね。マレーシアに3年余り居りまして、その間
に、3回仕事絡みで、1回は遊びで訪れました。

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

田中様、コメントありがとうございました。

マレーシアというとマハディール・モハマド前首相を思い出します。「ルック
・イースト政策」で有名ですね。日本に見習えということで大いに発展したマ
レーシアですが、今も「日本に見習え」と言ってもらえるかどうか自信はあり
ません。
東南アジア諸国に「やはり日本だ」と言われるぐらいの気概を持って仕事にも
力を入れたいです。

とはいえ、中国というのはいろんな意味で面白い国です。中国との政治・経済
交流を「楽しむ」という視点で見た場合、これほど「刺激的」な国はありませ
ん。日本を理解して欲しいと同時に、我々も中国を理解できるような形でこれ
からもお話ししていきたいと思っております。

└──────────
┌──────────「爺さん」

お話期待しています。

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

爺さん様、ありがとうございました。ご期待に添えるよう努力致しますので、
今後ともこのメルマガをご愛読下さいませ。

└──────────
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ お便りで頂きました感想。
┗━┛
┌──────────「海人さん」

お世話になります。 いつも楽しくメルマガを拝見させて頂いております。
ジニ係数についての記事がでておりましたので、愚見をお送りします。

中国の貧富の差は、よく議論に上る問題の一つですね。

もう随分前に、ラビ・バトラーという人の著書で米国の崩壊を予言しているの
がありました。その時は今ほど経済や国際関係に通じていなかったので、変に
納得したのを今だに覚えております。その考え方はいたって簡単で、貧富の差
の拡大はその社会を崩壊するパワーを生むといったもののようだったと思いま
す。
でも、未だに米国は崩壊しておりませんし、貧富の差(つまり結果)が問題なの
ではなくて、金持ちになれる道が平等に開かれているかが、一番の大きな問題
ではないかと思います。

貧乏人だけがアメリカンドリームを目指して米国に行くのではなく、今もなお
欧州の豊かな国からもアメリカンドリームを目指して行くという事実は、現在
でも米国は規制の少ない、自由の国のひとつであることを示していると思いま
す。
たとえその国での最難間の大学を卒業しても、満足な仕事にありつけないよう
な国(その人の能力以外のファクターが重視される)は、まだ世界にはたくさん
存在します。911テロで、資本主義の象徴の如き貿易センタービルにジャン
ボジェットで突っ込んだ人もそんなひとりだっとと記事には載っていました。
----そんなハードタスクを完結出来るほど頭脳は優秀?なのですが、その国で
は満足できる仕事に就けないのです。

中国は、官僚体制が千数百年も続いている国です。科挙制度の良いところは、
それが世襲制ではないということだと思います。貧乏人であろうと金持ちであ
ろうと、その試験に通りさえすれば役人(金持ち)になれる。つまり努力さえす
れば、能力さえあれば報われる社会だったのではないでしょうか?

その歴史的な事実から、中国社会は身分制度社会ではなく単なる階級制度社会
だったのではないでしょうか?ですから今も中国社会では金持ちが尊敬される
のでしょう。

以前仕事の関係で色んな中国人に出会いました。裸一貫で、そしてその商才だ
けで、しかも数年間で何億もの資産を築いた人などはスゴイ(商人のセンスと
して)としかいいようがありません。大切なことは四川の山奥の貧農(劉兄弟)
が大金持ちになれることが今でも中国では起こっているという事実です。
ーーまた、大卒の初任給でも、中国では市場原理が既に働いており、その差は
数倍になっています。

今の中国で貧富の差が原因で、社会の崩壊が近未来に起こるのでしょうか?

その答えのヒントになるのは、歴代の王朝がどのような状況の時に崩壊したか
を知れば、多少なりとも分かるかもしれません。――ある事業家(台湾人)の話
によると、乞食も役人の不正も大昔からあったもので、それは一つの富(付加
価値)の再分配である。

そんなことでは国は崩壊しない。もしそんなことで崩壊するのならば、中国は
過去毎年崩壊していたよ。ましてや今の役人の権限などは、歴代の王朝時代に
比べれば微々たるものであると。

逆に、ジニ係数の低い国である日本は、では幸せな国なのかと問われればどう
ですか?----もちろんその答えは個人によって違うとは思いますが----

今話題のライブドアの件などは、日本の現状を良く表していると思います。
政治家のこの件に関する言動は、多分日本の一般庶民の感情を考慮にいれたも
の(つまり損得勘定)からでしょうから、日本は未だに平等幻想の強い社会なの
だなと改めて感じてしまいました。

堀江氏は資本金600万から始めて、7年間で2000億超まで時価総額を伸
ばした実績から、本来は賞賛されてしかるべきだと思いますが、でも日本では
そうならないのですね。
過去に何の実績(付加価値の創造)も出来なかった、単なる雇われ社長が、株主
総会の決議も経ずに新株予約権を特定の者に発行することを決めてしまうこと
などが出来るという社会のほうが私には驚異でなりません。

米国では、普通の人は付加価値の創造ができる人にとても感謝しています。
例えば“私はピーター・リンチに感謝しているよ!”“アマゾンには感謝して
いるよ!(他の書店が潰れてゆくのは)時代の趨勢として仕方のないことだよ”
などと。
彼らはとてもストレートだし、へんな妬みなどないように私には思えますが。

例えば私の場合、孫正義氏には感謝しています。彼のお陰でネット環境が安く
速くなったのですから。もし彼がいなかったら今頃は..考えるだけでも恐ろ
しいことになっていたでしょうね。

最後に、某政治家の“金があれば何をやっても許されるというのはいかがなも
のか?”という発言には、本当に驚きました。世界中で最も選挙資金がかかる
日本という特殊な環境でしか政治家になれない人間が、このようなことをシラ
フで言えるということが。

さて、どのような社会が、いや国がいいのかは、やはり時間が証明してくれる
ことになるのでしょうね。

└──────────
 
┌──────────「hideおじさんから」

海人さん 同じようにGine係数に興味を持って下さる方がいらっしゃるという
こと、嬉しく思います。――海人さんのご意見も非常に判りやすく、私も勉強
になりました。

Gine係数というのは、あくまで富の分配がどのような傾向にあるかを示すもの
です。私も書かせて頂きましたが、「貧乏だから不幸、金持ちだから幸福」と
は言えません。ーー人それぞれの感覚にあるものだと思います。

また、幸福度というのは別の観点から見なければなりません。これは、海人さ
んがおっしゃる通りです。ニューギニア奥地の、大昔のような生活をしている
人が不幸かとは言えませんよね。

国の豊さ判断するときに、どんな物差しが使われるのでしょう?

GDP、GNP、平均所得額などはよく聞く言葉です。しかし、経済指数だけ
ではその国の豊さを測ることは出来ません。「所得が多ければ豊か?」
ーーそうではないはずです。その国の豊さを客観的に測ろうとする指数で「人
間開発指数HDI(Human Development Index)」というものがあります。

UNDP(国連開発計画)は、毎年刊行する人間開発報告書(Human Development
 Report)の指標の中心としてHDIを用いて国の開発の度合いを測定していま
す。経済はあくまでひとつの要因と捉え、幅広い範囲の豊かさを数値化しよう
という試みは、より判りやすい物差しとして今注目されています。

この、国民生活の豊かさを測る「人間開発指数HDI」は、毎年200ヶ国の
統計資料から、基本となる3要因の指数を算出し「豊かさ」ランキングを発表
しています。
(1)寿命「Longevity」出生時の平均余命、平均寿命指数 
(2)知識「Knowledge」成人識字率、総就学率、教育指数 
(3)人間らしい生活水準「A decent standard of living」
  1人当たり実質GDP(PPPドル)
   (PPPドル= Purchase Power Parity=購買力平価)
(4)食糧、を加えることもあります。

この要因を元に計算されたHDIランキングをGDPと並べてみると、
    HDI      GDP
 1−ノルウェー    1−米国 
 2−スウェーデン   2−日本
 3−オーストラリア  3−ドイツ
 4−カナダ      4−英国 
 5−オランダ     5−フランス
 6−ベルギー     6−中国
 7−アイスランド   7−イタリア
 8−米国       8−カナダ
 9−日本       9−スペイン
10−アイルランド  10−メキシコ

これらはよく新聞などでも報道されているので、ご覧になったことがある人も
多いと思います。

中国は、HDI指数でみると20位にも入っておりません。 先進国の中では
遥かに遅れています。しかしGDPでみると世界第6位にまでなっています。
ここに中国の「歪み」があります。その他の国を見ると、HDIとGDPがこ
れほど掛け離れている国はありません。

一方、HDI指数に食糧というポイントを含めると、なんと中国はベスト50
位にも入らないのではないかとも言われています。今回の全人代の発表では、
中国の耕地面積は昨年7%少なくなったと発表されました。今まで食糧の輸出
国だった中国が、今後食糧も輸入せざるを得ない状況になってきています。

これらを上手くコントロール出来なければ、中国の明日は非常に悲観的なもの
になるのではという不安は私にはあります。

勿論、このHDIとて完璧なものではありません。単純に数値化できないもの
もあります。――例えば個人個人の幸福に対する考え方など、数値することは
不可能です。それでも単なる、もちろんHDIも完ぺきではありません。単純
に数値化することが難しい要素もたくさんあるはず。経済中心のニュースから
は見えない各国の現状をHDIが簡潔に映し出していることは確かです。

中国の本当の姿だけでなく、日本や日本人の姿も、意外とこういったところか
ら見えてきたりするのではないでしょうか。

さて、海人さんのご指摘にあった中国と米国の比較ですが、当然貧富の差だけ
で国の行く末は判断できません。 中国人と米国人は思考が似ているとも言わ
れています。ウマが合うといえるかもしれません。しかし、決定的に違うのは
民主主義の国と社会主義の国という点です。この部分を見逃すと、表面的に似
ているだけに大きな誤解を招くことになります。

中国と米国、「双方共に金持ちになれる道が平等に開かれている」と言えるで
しょうか?
アメリカンドリーム、チャイナドリーム、確かに誰にもチャンスがあるように
見えますが、国家のひと言で潰されるリスクはどちらにあるかということも考
えなければなりません。開かれている部分だけを見るのではなく、閉じられて
いる部分も見なければ、正しい判断は難しいのではないでしょうか。

米国とて、なんでも自由に出来るわけではありません。規制もあり不自由なこ
ともたくさんあります。しかし、中国とは比較になりません。今中国では海亀
族という言葉がありますが、外国(主として米国)で学び、中国で企業を起こす
人たちのことです。
しかし、この海亀族もまた米国に戻ってしまうという現実もあります。
ーー結局、母国中国では限度があると思うからでしょう。

これらは裕福な人たちのことですから、良い例とはいえません。

今中国で問題となっているのは、有名大学を卒業したとしても就職が出来ない
状況もあるということです。
これは、海人さんが指摘された「例えその国での最難間の大学を卒業しても、
満足な仕事にありつけないような国(その人の能力以外のファクターが重視さ
れる)は、まだ世界にはたくさん存在します」という部分は、中国にも当ては
まります。

折角一族の期待を担って有名大学を卒業したのに、良い会社に就職出来ないと
いう現実は、これもひとつの不満として燻っております。基本的に「コネ」や
海外留学等のオプションが無ければ満足に就職出来ないという現実は、究極す
れば「貧富の差」によるものとはいえないでしょうか。
――元々お金のある人が留学をし、コネのある人は成績が悪くてもそれなりの
企業に就職できるというのは問題だと思います。

科挙制度というのは、私も非常に平等な制度で、あの昔からこの制度を取り入
れた中国という国の素晴らしさは否定しません。しかし、この官僚制度が国を
滅ぼす原因になったことも否定出来ません。体制の硬直化、汚職、王朝末期に
みられた科挙の実質的な世襲制などは、現在の中国においても形は違えども似
たようなものと危惧します。

確かに、努力し、裸一貫で金持ちになる人は尊敬されます。これはどこでも同
じでしょう。しかし、平等な競争原理で金持ちになったとしても、負け組とい
われる人たちがそれを素直に受け入れるかというと、別問題ではないでしょう
か。ーー恨みつらみも生れるでしょう。ーー僻み、妬みも生れると思います。
それが人間なのではないでしょうか。

あまりにも富の偏りが生れると、人間本来の醜さから体制への不満として爆発
しないとは限りません。中国の場合、問題とされるのは自分の地位を利用して
金持ちになった人が多いということです。官僚が賄賂等で私腹を肥やしている
ことは中国では皆知っていることです。

外国企業も、共産党幹部に賄賂を贈るのは当然のようにまかり通っています。
一般の中国人民はそれを見ているのです。真面目な競争によって貧富の差が出
てくるのならばまだ救いようもあるのでしょうが、昔の王朝時代より微々たる
ものとはいうものの、豊さの度合いが違う現代においては「微々たるもの」に
感じられないところに不安があるのです。

中国歴代王朝をみるまでもなく、貧富の差だけでは崩壊することはないでしょ
う。ーー確かにそれだけで崩壊した国はありません。しかし、その貧富の差の
裏に隠れている諸要因が国民を突き動かしてきたことも忘れてはならないと思
います。
現中国政府が「貧富の差」問題を最優先に掲げているところに、事の深刻さが
窺われるのではないでしょうか。

└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
私見時事論談目次 ライターはこんな人 アジアの街角から目次 CHINACHIPS 総合トップ





SEO [PR] お金 ギフト  冷え対策 わけあり商品 動画無料レンタルサーバー ブログ SEO