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祖父の朝鮮・満州懐旧談録 ――――― by hideおじさん
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| ☆ 朝鮮..祖父の悔惜譚(4) ―――――――――――― 2005/08/05
また、教育に対する負担金と学費については、内地人家庭一戸の負担が当時の
金額で年間12円程度、朝鮮人家庭では約1円50銭....学費は、内地人年間
約40円に対し、朝鮮人は年間約7円..が初等教育に対する経費(学費)として
徴収されました。ーーーこの差が「教育の質の差別」として、日本人のほうが
恵まれた教育を受けているといった誤解を生んだようです。が、
ーーーこれは、質の差別ではなく、日本人児童が少なく、学校も少ない..とい
うことは、一人あたりの経費も高くなるという、ごく当たり前のことでありま
す。―――朝鮮人学校は児童数も多く、学校の数も多い。当然、一人当たりの
経費も少なくすむわけです。
それと、朝鮮人家庭では裕福とはいえない家庭も多く、なるべく負担金・学費
を押さえるという方針もあったのです。ーーー中には、少ない学費も払えない
家庭もあり、督促されることもあったそうですが、これをもって強制的に徴収
したというのは酷でしょう。
また、「忍びない」ということで、子供の学費をポケットマネーで立て替えて
いた先生もいたそうです。ーーー残念ですが、このような善意の先生であって
も、「ルールはルール」として懲戒処分になったこともあったようです。
負担金と学費は、内地人と朝鮮人が一緒になった「国民学校」でも、同様に負
担額の差はそのまま踏襲されました。この学費の差額は総督府が負担するわけ
ですが、年々その負担額が大きくなり、教育予算に大きな圧迫を強いました。
ーーーそれが祖父の言う「いつも金が無かった」という発言に繋がるのです。
―― 次に、今でも大きく取り上げられる「創氏改名」
これは、日本政府・朝鮮総督府内においても、賛否両論あり、祖父は「一言で
は説明出来ない難しい問題だ」ーーーと言っておりました。
簡単に言うと、いわゆる「名前」という感覚が日本と朝鮮では決定的に違って
いたことです。
朝鮮の場合、つい最近まで「同姓」の結婚は禁止されていたということでも、
特に「姓」に対する意識というのが、日本とは全く異なるということを理解し
なければなりません。
日本では、同姓同士の結婚というのは稀なことでもありませんし、まして法律
で禁止されているものでもありません。ーーーしかし、昔の朝鮮では、例えば
「朴」という姓であれば、親戚でも近親者でもなくとも、親等に関係無く結婚
は出来ませんでした。
これは、儒教観念からくるもので、同姓で結婚などというのは近親相姦に近い
大罪とされていたのです。
―― ところが「創氏改名」となると、
表面的には、「朴」さんなのか「李」さんなのか判断出来なくなります。
となると、同姓同士の結婚もありうることになるわけですが、これはとんでも
ないことだと反発が出てきたわけです。
しかし、皇民化政策の一環といわれ、「名前を奪った」ということで批判され
ていますが、ーーーそんな簡単なひと言で説明出来るようなものではなかった
そうです。ーーーよく言われるように、朝鮮人自身からの要望も確かにあった
そうです。しかし祖父は、「総督府としての説明不足も否めない」と語ってい
ました。
総督府だけに責任を擦りつけるわけではありませんが、やはり末端官吏、教師
を含め、「創氏」と「改名」とは、どういう意味があるのかということを市民
に理解し易く説明してこなかったことが問題だったと思うと言っていました。
祖父は、創氏改名賛成派でしたが、それは教育現場からの要望があったことで
児童教育管理のひとつとして、家庭状況と児童数を正確に把握できるシステム
が必要だったということもありました。
例えば朝鮮では、「金・李・朴・崔さん」などを代表とする、いわゆる「姓」
で全体の過半数を占める訳で、学校の場合、日本では出欠を「青木さん、佐藤
さん」となりますが、朝鮮では、「金さん」といったら、教室の3文の1が、
「ハイ!」という返事が返ってきたという笑えない話しがあったそうです。
フルネームで呼べば良いのですが、「朝鮮語読み」の名前はなかなか難しく、
大変だったらしいです。
―― また、
児童を把握する場合、日本だと「佐藤さんのとこの○○君、○○子ちゃん」と
いうことで、ひとくくりで判断出来ますが、朝鮮では、同じ金さんのところで
も、お父さんは金さん、お母さんは朴さん、お婆さんは李さん、子供は金ちゃ
んと、一家の中に多数の「姓」が存在している状況では、家庭環境を把握する
にも不自由だったという問題が、併合当初より取り沙汰されていたようです。
今の韓国では、戸籍システムがちゃんとされておりますし、もともとの自分た
ちの「名前」システムですからなんの不具合も感じないでしょうが、当時戸籍
さえもあやふやな部分が多かっただけに、「どうしたら正確に把握できるのだ
ろう」という悩みがあったようです。
皇民化政策の中には「徴用・徴兵」をスムーズに進めるという目的もあったで
しょうが、ただそれだけのために「創氏改名」があった訳ではないのです。
―― ちなみに、
創氏改名に消極的で反対に回っていたのが、「警察・軍関係」であったという
のは皮肉かもしれません。----日本名にすると区別が出来なくなる、、という
ネガティブな理由によるものだそうです。
教育現場では先生が、「いままでに、○○君と○○ちゃんは日本名にしました
よ」とか、「早く日本名に変えましょう!」という、半ば「強制的」と誤解さ
れるような発言があるという報告もあったそうで、総督府より「誤解を与える
から慎むように」という意見も度々出されたようです。
ーーーしかし、「決まったことは実直に遂行する」という先生の生真面目さが
ここでも裏目に出た、ともいえるかもしれません。
一方で、総督府からは「奨励」も出されていて、「強制はするな」という主旨
の発言をしながら、「奨めるように」という発言もあったりと、非常に曖昧な
態度が、結局、ーーー大きな誤解に繋がっていったのだと考えられます。
= この稿つづく =
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┃ ┃ アンケートコメントボードに頂きました感想。
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┌──────────「ミカの赤い服さん」
hideおじさん、こんにちは。「ますます期待!」に投票しました。
井筒監督が1970年代の京都を舞台に作った映画『パッチギ!』をリバイバ
ル上映で観ました。―――あらすじは、在日朝鮮人の番長の妹を好きになった
日本人の少年が、日本人と在日朝鮮人の間で苦悩するという話で、最後は和解
して主人公たちは結婚できました。
昨年の映画『チルソクの夏』は、日本の少女と韓国の少年の話で、和解はでき
ませんでしたが、数十年後に主人公たちが再会しました。
映画の中の在日朝鮮人や韓国人の叫びを聞いていると、日本人が彼らと『歴史
認識』で和解するのは本当に難しいだろうと私は思います。
〜〜〜なんとかならないでしょうかね。 (^_^;)
└──────────
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┌──────────「hideおじさんから」
ミカの赤い服さん 毎々コメント頂戴しありがとうございます。
隣組じゃないですけど、みんなで助け合って、というのも日本人だけに通じる
観念なのでしょうか。ーーー私などは「何故分ってくれないのだろう」と思っ
てしまいますが、戦前の人たちは、今以上にこのギャップに戸惑いとフラスト
レーションを抱えていたのかもしれません。
一方、ヨーロッパでも、隣国だからこそ紛争が絶えなかったということもあり
ますから、仲良くないのが普通なのかもしれません。ただ、彼らにはキリスト
教という共通の観念がありますから、通じ合えるところもあるのでしょう。
振りかえって日本・中国・韓国を見ると、隣国でありながら政治経済とは別の
「共通観念」がないことが分かり合えない原因かもしれません。
私の友人などは「別に今のままで経済が動いているのだから、無理して仲良し
こよしになる必要は無い」と言っておりますが、それも一理かもしれません。
基本的には分かり合えない、、ということを前提にして付合うドライさも国際
社会では必要でしょう。
日本人はともすれば、「こうすれば相手は分ってくれる」と思いがちですが、
これは日本だけに通じるものだと思います。中国、韓国を責めることは簡単で
すが「分ってくれない」ことを理解してこそ、相手と付合う方法も分るのだと
思いす。----同じことが中国、韓国にも言えます----
アジアどの国でも「国際化」という言葉が叫ばれておりますが、その国その国
独自の価値観があるということを理解することこそ本当の国際化といえるのだ
と思います。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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