┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  迷子になったらここ!(^O^)  ━┓
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┃ アジアの矩を超えて  ―――――――――――― by 男Aさん

☆ ミネソタに留学するまで..と ――――――――――― 2004/05/10

男Aです。一週間ぶりでございます。

毎回、文化とかのことを書くのも読んで頂く方に失礼ですし、OJINさんからは
身の上話を書くように、と依頼されているので、そろそろ約束を果たそうかと
思います。
ーーその前に一段落分だけ男Aの文化論食べ残しをどうぞ。皿は自分で洗って
下さい。

―― 日本では親と子供が喧嘩すると、子供が家の外に出されます。

皆さんもご存知の、漫画の有名な親父のように、ちゃぶ台を引っくり返して、
「お前なんか出て行け!」っていうわけです。米国の場合、子供が悪いことを
した時、罰として子供は自分の部屋に閉じ込められます。

そうです、私の記憶が正しければ映画ホームアローンにも似たようなシーンが
あったかと思います。あれです。弥生時代から農耕民族である日本人にとって
は、集団から疎外されるのが一番辛いのでしょうか。村八分という言葉もあり
ます。機械化の話は別として、伝統的に農業は集団(家族や村)あってこそ出来
るのですから。

その点、米国人は自由を大切にします。西部の荒野をさすらう一匹狼を小さな
部屋に閉じ込めるのは大変厳しい罰です。ちょっとステレオタイプが過ぎまし
たでしょうか。でも、私はここにも文化を感じるのです。

―― さて、一段落済みました。

歯は抜けましたよ。もう文化の話はしませんので御安心を(中国製のメルマガ
なので保証書をあてにしないで下さい)。ーー脱線しました。

日本で中高一貫教育の学校に通っていたのですが、英語教育に熱心な学校で、
中学3年生の頃に学校を挙げてニュージーランドに2週間、ホームステイに行
きました。1生徒、1家庭といった具合です。

15才の私にとって相当なショックだったのでしょう。即、欧米病にかぶれま
した。----もっとも当時は自覚がありませんでしたが----
ーー病気の自覚の無い病人ほど手に負えないものです。

その頃から必死に留学したい、留学したい、と親を困らせました。

或る日、オーストラリアのテレビ番組が日本で流されました。確か、トラック
の運ちゃんのドキュメンタリーだったと思います。日本とは比較にならない程
の長い行列(名前は忘れましたが有名だそうです)を組んで、荒野の大陸を延々
真っ直ぐに伸び、地平線に消える道路の上で生きている人達です。

オーストラリアはニュージーランドのお隣さんだからでしょうか、今すぐオー
ストラリアに行ってトラックの運ちゃんにならせてくれ、と親に懇願の手紙を
書きました。ーー恥ずかしくて面と向かっては言えませんでした。あの手紙は
今でも親の手元に存在するのかは分かりませんが、教育熱心な親は15か16
の少年を必死に説得します。
少年は「家出してやる!」と言って自転車を夜の闇に走らせました。

初恋といって良いのか分かりませんが、その娘の家までペダルをこいで行きま
した。片恋でしたので、勿論その家に泊まらせて貰うなんて一瞬も考えません
でした。只、行くあてが全然無く、何となく家の前まで行ったのでした。
ーー今風に言えば準ストーカーでしょうか。

家出する勇気も手段も無く、数時間後にコッソリ家に帰ったことはいうまでも
ありません。大学からなら留学させても良いと言っていた親も困ったのでしょ
う。高校一年が終わったら留学させる、ということに決まりました。
ーーそこから、私の現在に続く放浪の旅が始まったのでした。

―― 留学する先はアメリカ。

何故アメリカか?金銭的な状況と、日本人ならとりあえずアメリカ、という勢
いだったのでしょうか。色々な留学雑誌を漁った記憶はありますが、何故アメ
リカになったのかは憶えていません。
ーーなんか警察で取り調べを受けている気分です。

留学斡旋エージェントの人が、キリスト教の私立の学校でアメリカ北部のミネ
ソタ州にあります、と言いました。両親はアメリカの公立は危険だと思ってい
ましたし、私は常日頃から寒い地方が暑い地方よりもロマンチックだと思って
いたので、その学校で決定しました。

そのキリスト教の宗派は教育熱心で、学校に援助をしていたので、金銭的にも
都合が良かったのです。しかしさて、開けてビックリ玉手箱・・・。

キリスト教の宗派には色々あります。
アメリカで一番戒律が厳しいのはアーミッシュかと思います。

ハリスン・フォード主演の映画「目撃者」を御覧になった方なら分かると思い
ますが、アーミッシュは文明社会を否定しているので、今でも自分達の縄張り
の中で馬車を飛ばしています。テレビもねぇ、ラジオもねぇ、って誰かの歌を
歌いだしたくなるような世界です。ナルシストにならないように、鏡の使用も
禁止されているそうです。こんなこと言っているとアーミッシュの方々に怒ら
れそうですが、彼らはインターネットも使わないと思われるので大丈夫でしょ
うか。

誰かの話によると、私の通った学校の宗派はナンバーツーだそうです・・・。
修道院のような学校でした。これから具体的な話に入る前に一応断っておきま
すが、私は後悔もしていませんし、その宗派を批判するつもりもありません。

只、経験を私の目線から書くだけです。欧米文化理解に欠かせない聖書の知識
を教えられたし、今までの人生で一番目か二番目に苦しい時期を過ごしたので
本当に多くを学ばせて頂きました。

ーーと、前置きが済みましたから、、突っ走らせて頂きますので宜しく!

―― まずロケーションが凄かった。

ミネソタの某町(村?)とだけ申し上げますが、寒いなんてもんじゃなかった。
カナダと国境を共有しているし、大陸のど真ん中なので、毎年寒いことは寒い
のですが、私のいた2年間で百年ぶり以上の記録を打ち破りやがりました。
注:)零度とか日本の尺度ではありません。日本の気温のプラマイを逆転した
レベルの話です。

マイナス40度を体験しました。マイナス数十を体験した人なら分かると思い
ますが、雪なんて世界は生ぬるくて欠伸が出そうです。カチカチの氷の世界で
す。普通の雪靴の上に更に専用のブーツを履くのです。

地元生徒を除く、私を含む生徒の大半は校舎内に住んでいるのですが、寮から
カフェテリアに行くときも、寒風突き刺す中を突っ走ります。3分間も外にい
たら文字通り死んでしまいます。カフェテリアまで危険な旅です。本当に覚悟
を決めて寮のドアを押し開けます。おりゃー!走る、走る、ジョイナー走る!
----って..何で女になっているのでしょうか?----、

走るっ〜〜〜!2分程でカフェテリアに到着です。本人は全速力のつもりです
が、実は早く走れないのです。何たって氷張りの道を行くのですから。ブーツ
も二重に履いています。一度コケて氷に鼻血をブチまけたこともあります。

さてカフェテリアに入ってからも苦しみは続きます。髪の毛が凍っています。
バナナで釘が打てます、の世界です。髪の毛が折れるような気がするので、頭
に手をやらないほうが無難かと・・・。カフェテリアに入ると、眼鏡が一瞬に
して真っ白になります。私の眼鏡は日本ではラーメン食べる時だけ真っ白にな
ります。でも真っ白になったまま40分ぐらい戻らないのです。それ程、外と
中の気温差が大きいのです。

私はひどい近眼で、眼鏡なしには横の学生のパンを食べてしまうぐらいなので
真っ白なままでいます。眼鏡は外せません。一部の金持ちの学生は予備の眼鏡
をおもむろに懐から取り出します。20分程で食事を終えたころには、眼鏡の
中心の薄い所は透明になってきます、(色反転パンダみたいなイメージです)
やれ良かった!....でしょうか?

甘いです。学生は勉強が仕事です。カフェテリアを出て、今度は校舎へジョイ
ナーなのです。眼鏡逆戻りです。だから1時間目(1時限目は毎日聖書でした)
は、ホワイトボードを見るのに苦労します。

追記ですが、時計をいじってしまったのか時間を間違えてカフェテリアに行っ
たことがありました。ジョイナーしてもカフェテリアのドアは閉まっていて、
本気で助けを求めても誰も中にいない。再度ジョイナーして寮に戻りました。
往復約4分。
デッドゾーンの3分を過ぎています。本当に死ぬかと思いました。
ーー文明社会にいても食べ物の為に命を懸けることってあるんですね。

―― ミネソタ州の道路には死体がゴロゴロ?....は、してません。

ミネソタの浮浪者は冬になると南下するので御心配無用(もちろん凍死する人
も毎年いますが)です..念の為。ところが冬が過ぎると彼等はまたミネソタに
戻ってくるのです。何故戻りたいのか。私にとって永遠の謎です。渡り鳥のよ
うです。現代のミネソタに芭蕉先生がいたら季語にしていたかもしれません。

私にとってはミネソタに人が住んでいること自体も不思議です。大陸の中央に
あることと関係しているのか分かりませんが、夏は日本より暑く、非常に過ご
し難いそうです。もっとも私は夏休みに帰郷するので詳しくは語れません。

アメリカの学校の夏休みは3ヶ月です。私はミネソタの夏は知りません。春と
秋は人間用の季節になるのですが、非常に短いです。一年の温度差が激し過ぎ
るので、道路は伸びたり縮んだり(漢字変換ミスって知人ダリになりましたで
す、はい)の大忙しです。結果、凸凹とヒビだらけの不快な道路になります。

それを直す為(結局工事が追いつく筈もないのですが)に税金は鰻のようにのぼ
ります。重箱一丁、っていう感じでしょうか。冬は冬で電気代が洒落になりま
せん。道路と同じ理屈で家も不具合だらけになります。それを直すのも追いつ
きやしません。車でモール(スーパーのようなもの)に買物に行くと、エンジン
が冷えてしまい、帰りはエンジンをかけるのにプロを呼びたくなる程です。
ーー映画のように、アメ車は最初から近いものがありますが。

―― さて、質問の答に戻ります。

何故、ミネソタには人が住んでいるのか。私には解答することが出来ません。
ミネソタを銀メダルにしたら金メダリストはアラスカか?、私は知りません。
何も存じ上げません。見ざる、言わざる、聞かざるです。怖くて行きたくもな
いです。

高校のネタは尽きないのですが、今回はもうかなり書いてしまいました。
ここらで一週間のCMです。CMの後は恐怖の学校生活について..です。

                        = この稿おわり =
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