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寄稿転載記事 メルマガ「縄文通信」より転載 by 中村忠之さん
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☆ 主語不在の碑文 ―――――――――――――――― 2007/02/21
先週水曜日号の<WEB 熱線>で、広島平和記念公園にある慰霊碑の文言につい
て意見が交わされていました。被爆者の一人として、広島の話題となると黙っ
てはおれません。厚かましいことながらちょっとばかり割り込まして下さい。
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┌--------「通りすがりのブサヨさん」男性
藤岡さんという偉い先生が書いた本の中で、広島慰霊碑の「安らかに眠ってく
ださい、過ちは繰り返しませんから」の碑文に言及し「過ち」を「日本による
侵略」ととらえていましたが、本当に「過ち」とはそういう意味なのでしょう
か。
私は「核兵器が使われること」が「過ち」だとしか読めないのですが、私の考
えは間違ってるのでしょうか?ーーーご教示いただければ幸いです
└--------
▽
┌--------「(^^) OJIN です(^^)」
ところで、「安らかに眠ってください、過ちは繰り返しませんから」
には、
なるほど!今までは「過ちは」は「(侵略)戦争は」という解釈で頭が固まって
いましたが、碑文のある施設の性格を考えると「核兵器を落とされるような事
態」・・・とも読めるんですね〜。もっと頭に柔軟性をもたせねば――――。
└--------
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ちょうど2月14日、広島の平和記念公園で外人相手の英語ボランティアをし
ている旧友(旧制中学同期)が、『原爆と平和』をテーマに研究しているという
有名な東京のI大学院生(社会学研究・地球社会学研究を専攻)にいろいろ話を
聞かせてやってくれといって連れてきた。
「原爆所有」容認論をぶちかねない「硬派(?)の」中村さんでは、少しばかり
お門違いではないかと思っていたが、やはりこの話が出てきたーーー。
『やすらかに眠って下さい、過ちは繰り返しませんから』――――この碑文は
確か広大の偉い先生の言葉らしいが、いまでも時に応じて(この<WEB 熱線>
でのように)「一体誰が過ちを繰り返さないのか?」について繰り返し論議さ
れている。
ーーー当然その話になった。
旧友曰く、「実は、通訳していていつもその部分で、誰が?(Who?)と質問され
るのだ」と言っていた。しかたなく彼が答えるのは、「我々(We)」だと答えて
いるのだ言っていた。
彼が言う「我々」とは「全世界の人」だという意味である。すると今度は「何
故?(Why?)」とくるそうで、うまく説明できずに困っていると嘆いていた。
ーーー考えようでは罪な碑文である。
時あたかも別の知人が、彼のブログで、カナダのモントリオール大学で日本語
教育に従事している神谷武洋先生の『主語を抹殺した男:評伝三上章』という
本を紹介しており、早速読んだばかりだったので、碑文の意味を伝えることに
苦労した気持ちがよくわかった。
全く知らなかったのだが、実はこの三上先生、広島出身だったそうで(碑文の
作者もだが)無知さ加減に赤面するばかりであったーーー。
神谷先生が学生相手に日本語を教えるときに悩んだのは、「ジュ・テーム」と
か「アイ・ラヴ・ユー」が、そのまま日本語に訳せない、訳すと、まさに極め
つきの「悪文」になるし、第一日本人は、誰も、事に及んでこんな言葉を使わ
ない。ーーー悩んだ彼に日本の親友が送ってくれたのが、この三上章の画期的
な「(主語は不要という)日本語文法書」だったのだという。
それ以降、神谷先生の悩みも氷解して、三上文法の紹介と普及に努力しており
その一環がこの本に凝縮されているのだが、神谷先生が同書内で慨嘆されるの
は、――――日本の国語学会の閉鎖性で、戦後の英語教育からの誤った遺産を
後生大事に墨守して、日本語にも「主語+述語+動詞」という教育を(すでに
破綻したにも拘わらず)依然として行い続けるという頑迷な教育者と教育行政
に、痛切な批判を投げかけている。
原爆記念碑の碑文から大分逸れたが、ヒロシマの「主語不在の碑文」は、ただ
主語不在ですまされる問題ではなく、わざわざ韜晦[とうかい]し、曖昧にし、
結論から逃避した卑怯な文だということもできる。
―― 追記:
ご存じかどうか、原爆被爆者には「原爆被害者手帳」が支給され、これがある
と(社会保険・健康保険の払い込みが必要だが)治療費や入院・手術費の負担額
がなくなり無料となるありがたい制度がある。
加えて、特定の病気には「健康手当」が支給される上、さらに「原爆症患者」
に認定されると、毎月そこそこの補助金が支給されるのだが、病気と原爆の因
果関係が不明で、最近その支給を巡って裁判沙汰になっていることをご存じの
方も多いだろう。
私の考えは、たまたま広島で被爆したのだが、アメリカの無差別爆撃で、広島
以上の死傷者を出した東京・大阪を始め、無数の被害者がいる中で、広島・長
崎だけが特別の恩恵を受けているではないか。それを今更国や広島市を相手に
裁判沙汰にするのは、強く言えば「許せぬ」、柔らかく言えば「いかがなもの
か」と言いたい。
原爆症だったら、もうすでに死んでしまっていてもおかしくない。もし裁判に
勝って支給されたら、それなく死んでいった人たちがいる事からみても、まさ
に不公平ではないか。
もし、どうしても裁判に持ち込みたいのなら、相手は当然アメリカであって然
るべきである。――――戦後の政府や広島市には一切責任など無い。
こうした事件は、碑文にはっきり「アメリカは過ちを繰り返すな!」と書いて
いなかったためではないか。
= おわり =
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┃ ┃ この意見に頂きましたあれこれ。
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┌──────────「北村真一さん」男性@四十代@会社員@福島
いつも楽しく拝読させて頂いております。今回は、私も意見を言いたいと思い
投稿させて頂きました。
「安らかに眠ってください、過ちは繰り返しませんから」についてですが、過
ちは「核兵器を使用した事」についてだと思っていました。人それぞれ捉え方
が違うようです。
私が思うに、わざと主語不在の文にしたのではないかと思われます。それは、
読んだ方が自分で考え反省する、日本人的発想(?)からだと思われます。
仕事上、外国の方とのお付き合いもありますが、当然彼らには伝わりません。
殆どは自分に有利な方向で解釈します。ただ、現代でもこの日本人的発想は無
くしたくないと思っております。
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┌──────────「縄文塾 中村忠之さんから」
広島の縄文塾中村です。ちょうどモントリオール大学(偶然ですが、モントリ
オールは広島市と姉妹都市です)の金谷武洋先生の『主語を抹殺した男 評伝
三上章』を読んだ直後でして、それにたまたま英語ボランティアしている友人
の訪問と重なった時だったので、早速≪ WEB 熱線 ≫で、取り上げられていた
この話題に、「タイムリー!」とばかり飛びついたわけです。
この碑文については、以前よりあれこれ論議されていますが、作文された先生
は故人となっていらっしゃるせいか、外野席での侃々諤々[かんかんがくがく]
当然本人抜きですので真相は藪の中で終わっています。
私個人的に作者の心根を忖度[そんたく]すれば、――おっしゃるように他国で
は決して通用しないでしょうが――おそらく日本を含めて、この戦争を行った
(広く第二次世界大戦の)当事国、或いは「全世界の人たち」ではないかと思っ
ています。
実は今もそうですが、広島は、あれこれ問答無用という「絶対的平和論者」の
メッカみたいな位置づけですし、平和学習の総本山です。この問題ですが、で
きれば日本中でアンケートを採ってみれば面白いのでは、と、バカなことを考
えています。
竹島・尖閣・北方領土問題、それに拉致問題の長年放棄など、先方に非があっ
てもそれをはっきりと言えない日本の、日本人の有り様をみれば、「日本の常
識 世界の非常識」、八方丸く収まることを本気で考えるところにおのずと答
えが見えてきます。私はこれを「弥生式発想」と呼んでいます。
さて、お答えになったかどうか疑問ですが。
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ほんのちょっとしたご縁で、石原敏郎さんのHP“hanahana日記”に、縄文塾
そして中村のことを、非常に好意的に取り上げて戴いております。石原さんは
島根県飯南町在住、同サイトで町の運営に積極的な意見を発表していらっしゃ
います。―――→ http://www17.ocn.ne.jp/~hana2/
今回非常に驚き且つ喜んだのは、同サイトトップページに、拙論『葬送曲“日
本海洋国論”が特大の文字サイズで、しかも読みやすいカラー文字も交えて、
そっくり全文紹介されていることです。同欄には、同じく中村の『中村流「新
教育論」の骨子』も紹介されています。
本論は、最近のチャイナとの尖閣列島・春暁ガス田問題、コリアの竹島問題、
ロシアとの北方四島および漁船拿捕と銃撃事件などなど、「海洋国にあるまじ
き〜」と憤慨される向きに対して、実は『日本は海洋国ではなかった』という
逆説的論旨を、今後の対応も含めて改めてリライトした上で、<日本再興・日
本戦略の研究会>のメルマガに連載したものであります。
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中村忠之氏の電子書籍集「城門への道」'the Road to the Castle Gate'
http://joumontn.com/
気ままに、気楽に更新中!縄文ブログ
http://joumontn.jugem.jp
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