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寄稿転載記事 ――――――――――― by 松島悠佐先生
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☆ 中国の手法を甘く見てはいけない ―――――――― 2007/02/16
つい先日(2月4日)、尖閣諸島付近で、中国の海洋調査船が事前通報もせず調
査活動を行い、海保の巡視船が中止を呼びかけても無視して調査を続行したと
の新聞報道がありました。
中国の海洋調査船の活動は、昨年は低調でほとんど行われていません。それは
過去の反日的な行動が日本企業の対中投資にブレーキをかけているとの懸念か
ら、中国政府が日本を刺激する活動を封じているからだろうと見られていまし
た。
昨年10月、安倍首相が中国を訪問して以降は、再び経済交流が活発化して中
国側にそのような懸念がなくなり、これまで抑えていた海洋調査が再び活発に
なる兆しが出てきました。
もともと中国は、1992年に「海洋法」を公布し、尖閣諸島を自国の領土と
宣言しており、自国内を調査をするのに一々日本に断る必要はないとの考えを
持っています。2月6日に行われた中国外務省報道官の会見でも、「中国近海
で実施する正常な海洋科学調査であり、正当な主権行為だ」と述べています。
今、日中間で目の前の問題になっているのは、東シナ海中間線付近での天然ガ
ス田の開発ですが、これに対しても中国は同じような態度をとっています。
中国の天然ガス採取は、日本側EEZ内への影響が懸念される為、日本側は調
査資料の開示を求めていますが中国側は拒否しています。
中国が一方的な開発を続けるなら、日本側も試掘調査をするべきだとして、平
成17年には中川経済産業大臣(当時)が帝国石油に試掘権設定を許可しました
が、二階大臣(当時)に交代してからは、まず話し合いが大事として中国側との
摩擦を避けるため、試掘を中止し今日に至っています。
領域・権益の問題での中国の手法は、話し合いが先ではありません。
まず実効支配し、それを背景にして自らの要求を突きつけるのが手法です。そ
れは南シナ海の西沙諸島・南沙諸島の占領を見ても分かります。実効支配を重
ね自国の旗を立て、それから交渉に応じ、「俺の領土に何故ケチをつけるか」
という態度にでます。
目下中国が、中東・アフリカ・南米など世界各地で展開している資源獲得の施
策でも、政府が交渉を始める前から、商売人が食品・衣料・電気製品から兵器
まで、まず現地で商売を始め、市場などの結びつきが出来てから、それを梃子
にして交渉が進められているようです。
東シナ海での天然ガス田に対するわが国の対応は、今後の中国の同海域での権
益拡大にとって大きな影響を及ぼします。中国は四周の情勢を見るのには非常
に慎重な国ですから、今、日本の対応を見ています。日本が何にもしないこと
が分かれば、北京オリンピックが終わったあたりから尖閣諸島実効支配に動き
出す懸念があります。
日本が毅然とした対応をすれば、中国もそれなりに判断して新たな手を考えて
くるでしょう。天然ガス田への対応は今後の対中国対応の試金石になります。
仮に、わが国が試掘を開始するなり、あるいは警戒態勢を厳重にするなり、毅
然とした対応行動を採った場合、中国との衝突になることも考えておかなけれ
ばなりません。
しかし、目下わが国にはそのような事態に的確に対応できる法律もありません
し、準備も出来ていません。海上保安庁も自衛隊も何も出来ないのが現実の姿
です。
今わが国がしなければならないことは、「海洋基本法」をしっかりと審議して
安全保障を含めた海洋政策を確立し、少なくとも当面の天然ガス田問題には毅
然とした対応が採れるようにすることだと思います。国家としての明確な指針
が出れば、海上保安庁も自衛隊も的確な対応を採れる実力は十分にあります。
わが国が、主権侵害に対して実力行使も辞さないとの態度をとれば、逆に中国
は強硬な姿勢には出てこない可能性もあります。中国は、相手と四周を常によ
く見て、無理をせずに隙を見つけて実効支配を拡大してきます。それが彼らの
手法だから、決して付け込む隙を与えてはいけません。
二階代議士のように、中国との摩擦を避け穏便に事を運びたいとする国会議員
や有識者、所謂媚中派と称する人達も沢山います。だが、中国の手法を甘く見
てはいけません。このままの状態が続くと、魚釣島にやがて中国の国旗が立つ
危険性があります。
媚中派の人達も、そこまで許容している訳ではないと思いますが、中国のこれ
までの手法をよく研究し、わが国の安全保障の課題に、しっかりと取り組んで
貰いたいと思います。
いずれにしても、柳沢厚生労働大臣の不適切発言に、マスコミの尻馬に載って
非難中傷し騒いでいる時ではないように思います。
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ご参考までに:
「東シナ海が危ない ▼ 」という本が1月に光人社から発刊されました。
http://chinachips.fc2web.com/tiny/jiji.html
自衛隊OBが10人ほどでシミュレーションをしています。結構具体的で信憑
性があります。詳しく勉強されたい方には参考になると思います。
(07・2・9記)
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松島悠佐(まつしま ゆうすけ):
元陸上自衛隊中部方面総監
防衛大学卒業後、自衛隊入隊、陸上幕僚監部・防衛部長、第8師団長(熊本)等
の要職を経る。
平成7年の阪神大震災時、中部方面総監として活躍。
同年、中部方面総監で退官。
著書に「阪神大震災・自衛隊かく戦えり ▼ 」(時事通信社刊)がある。
http://chinachips.fc2web.com/tiny/jp_top.html
現在、危機管理などの講演を精力的に行う。
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┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
平河総合戦略研究所 < http://www.hirakawa-i.org > 発行のメールマガジン
「☆☆甦れ美しい日本☆☆」―→ http://www.melma.com/backnumber_133212
より転載させて頂きました。
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= おわり =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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