「ロシア政治経済ジャーナル」No.431より転載 by 北野幸伯(きたのよしのり)さん
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☆ 格差社会日本の未来 ――――――――――― 転載 2007/01/10
――「ロシア政治経済ジャーナル」No.431 2006/12/22
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┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
新年になりましたので、日本の進むべき道は、という道標になるような記事を
「ロシア政治経済ジャーナル No.431 2006/12/22号」よりの転載でお届けさ
せて頂きます。→ http://www.mag2.com/m/0000012950.html
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☆ 格差社会日本の未来 ―――――――――――――― 2007/01/10
┏━━━━━━━━━━「転載誌面ここから」
埼玉のAさまからおたよりをいただきました。↓
┌--------
北野さん、こんにちは!いつも勉強させていただいております。
(中略)
日本はこれからどうなってしまうのでしょうか?ご存知かと思いますが最近は
どの新聞雑誌を見ても「格差社会」「下流社会」という言葉が並んでいます。
世界のこともそうですが、やはり一番関心があるのは自分のことと日本のこと
です。北野さんの専門外だとわかっていますが、誌上ででもお考えお聞かせい
ただければ幸いです。
└--------
最近、アメリカの話が多かったので、日本のことを考えてみましょう。
▼ 格差社会の出現は必然
日本は一億総中流社会だったのに、最近は貧富の差がどんどん開いて「格差社
会」になっている。
それどころか、貧しい人が多い下流社会になっている。
誰が悪いのでしょうか?
ハイ!小泉さんが悪いのですね。(^▽^)(^▽^)(^▽^)
まあ、そうなのですが、もっと長いスパンでみると小泉さんだけを批判するわ
けにもいきません。
なぜなら「格差社会」は日本だけではないからです。
歴史を振り返ってみましょう。
150年前、資本主義はとても残酷なシステムでした。
6歳の子供を15時間働かせていたのです。
資本家のモットーは、「最小限の投資で最大限の利益を」。
当時の資本主義理論はアダムスミスのいわゆる「古典派」。
「市場が自由であればすべてよし」。
こういうひどい状況を見て、マルクスさんは、「共産主義理論」を構築しまし
た。
資本主義と共産主義にはいろいろ違いがありますが、特に国家の役割が異なり
ます。
資本主義(古典派)、政府は経済に介入しないのがいい。
共産主義は、全部国がやる計画経済。
1929年、アメリカ発の世界恐慌が起こります。
資本主義の総本山アメリカでは失業率が30%を超え、一向に改善する兆しが
みえない。
それで、世界の人々は、「あ〜マルクスのいっているとおりだ」と考えた。
資本主義教危うし!
そんなとき、資本主義の救世主として現れたのがケインズさん。
ケインズは、「有効需要(消費・投資)が増えれば、生産と所得が増える。そ
れなら、国が支出を増やして有効需要を増やせばいいじゃん」と提案。
ケインズ理論を採用したのがアメリカのルーズベルト大統領。
また、
ヒトラーも知ってか知らずかケインズ的政策をとり、ドイツを世界2位の経済
大国にしてしまいます。
第2次大戦後、世界は資本主義教分派ケインズと、共産主義教の二つにわかれ
ました。ーーー共産主義教がその後どうなったかは、皆さんご存知ですね。
ところが、ケインズ教にも問題があった。
クセになるんです。(^▽^)(^▽^)(^▽^)
だって、「国が財政支出を増やして公共事業をすればGDPが増える」。
こんな簡単な方法はない。
というわけで、第2次大戦後ケインズ教にはまった欧米諸国では、ことごとく
財政赤字が深刻化していきます。
そして、
80年代になると、レーガンさん・サッチャーさんがケインズ主義を捨て去り
古典派に回帰したのでした。
古典派は自由放任・競争絶対善ですから、必然的に格差社会になってしまいま
す。
世界を見てください。
アメリカ・イギリスばかりでなく、元共産国ロシアも、中国もメチャクチャな
格差社会。
貧富の差が比較的少ないのは、北欧諸国ぐらいでしょう。
まとめてみましょう。
1.資本主義古典派 対 共産主義 →世界恐慌で古典派ピンチ
2.資本主義ケインズ 対 共産主義 →共産主義経済は伸びず崩壊
3.資本主義ケインズ 対 資本主義古典派 →米英で古典派が勝利
こう見てみると古典派は金持ちの味方、ケインズと共産主義は貧乏人の味方。
そして格差社会の到来は、世界の国々が共産主義とケインズを捨て去ったこと
が原因。
なぜ捨て去ったか?
要するに、共産主義国とケインズ国の経済が行き詰まった。
そして、古典派に勝る魅力的な理論が登場していないからでしょう。
ところで日本。
日本は70年代「世界の工場」になり、80年代は「世界経済の中心」になっ
た。好調だったので、米英が古典派に回帰しているのに、ケインズを続けてい
ました。
90年代初めにバブルが崩壊した後もなかなか夢から覚めず。
10年間もケインズと古典派の間をウロウロウロウロ。
債務は雪だるま式に増えていった。
日本の借金は1970年から25年間で100倍(!!!)化しています。
小泉さんは首相になったとき悩んだことでしょう。
「ケインズを続ければ国家破産は不可避だ。古典派にシフトすれば格差社会が
生まれる。どうしよう?」
しかし、国家破産は格差社会より悲惨ですから、格差社会を選択したのです。
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▼ レーガンの大失敗
小泉さんがお手本にしたのがレーガンの政策。
レーガノミックスの中身はいろいろあります。
・大減税
・高金利政策
・金融・通信分野の規制緩和 等々。
しかし、当時の政策をひと言で言い表した言葉がこれ。
「脱工業化政策」
どういうことでしょうか?
社会は、1.農業社会 2.工業社会 3.情報化社会 と進む。
アメリカは、日本やその他の国々より進歩している。だから一足先に工業社会
を抜け出して、情報社会に進むのだと。
「脱工業化社会」には二つの大きな意味があります。
1.工業社会から情報化社会へ進む。
2.「物づくり」は日本やその他の国にやらせよう。
レーガンの時代、アメリカは金融とソフトに特化し、物づくりはやめました。
というか、製造業を続けたい米国企業は安い労働力を求めて全世界に散らばっ
ていった。
この現象を一般的に、「製造業の空洞化」が起こったといいます。
結果はどうか?
アメリカはご存知のとおり、世界一の貿易赤字国・財政赤字国・対外債務国。
(日本の国家債務は、GDP比で先進国中最悪だが、90%以上が国内債務)
▼ 日本でレーガノミックスは亡国
小泉さんはレーガノミックスをマネしました。ところが、日本でレーガノミッ
クスをそのままやると、必ず破局がおとずれます。
アメリカでは空洞化が進み、結果世界一の財政赤字・貿易赤字国になった。
05年の貿易赤字はなんと80兆円。
それでもアメリカはまわっていますね。
なぜでしょうか?
これは皆さんわかりますね。
そう、ドルが基軸通貨・世界通貨・国際通貨だから。
アメリカは、いくら借金してもドルを刷るだけでいいのです。
ところで、円は(^▽^)ローカル通貨(^▽^)ですが、アメリカと同じ政
策をとっていいのでしょうか?
もちろんダメですね。
日本の人口はアメリカの半分以下。
例えば、日本の貿易赤字がアメリカの半分の40兆円になったら、どうなるで
しょう?
当然、円は大暴落して、ハイパーインフレが日本を襲います。
こんなこと書くと必ず、「日本は世界一の債権国です」とか「日本は貿易黒字
国です」とか文句をいう人が出てきます。
ーーー私は今の話をしているのではありません。
ちなみにアメリカは、80年代のはじめ世界一の債権国だった。
ところが、80年代末には世界一の債務国に転落しています。
貿易赤字も、レーガンが就任した81年はたったの280億ドル。
それが、87年には1500億ドルで5倍増加。
さらに、05年は7257億ドル、81年比で26倍増(!!!)。
今「世界一の債権国だ!」とか「貿易黒字国だ!」と威張っていても、10年
で状況は全然変わりえるのです。
例えば1990年代半ば、日本の専門家は口をそろえて中国をバカにしていま
した。それが今ではGDP世界4位、軍事費世界2位。
日本がレーガノミックスをやるとダメな理由が、おわかり頂けたでしょう。
▼ 空洞化を防げ!
「日本は大丈夫だ!」という人がいます。
こういう人たちは「日本企業」と「日本国」のどっちの話をしているのか、明
確にする必要があるでしょう。
企業はいいのです。
人件費20分の1の中国にいって安く生産し、それを日本に逆輸入すれば大儲
け。ところが日本国内では、A社の工場が中国に移動したことで
1.失業者増
2.それによる税収減
3.失業手当による支出増
4.消費減
等々、ネガティブな反応がどんどん起こってきます。
結論をいえば、「日本政府は決して空洞化を許してはならない」となります。
とはいえ、20分の1の人件費は捨てがたいですね。
どうすればいいのでしょうか?
いくつか方法があると思います。
1.「中国はバブル崩壊が近い」という情報を大々的に流す。
ーーーまあ、あながちウソじゃないし・・・・
2.「中国残酷物語」という小冊子をつくり、日本の全企業に配布する。
具体的には、中国進出に失敗した企業の体験談・怨み節を集める。これは親米
反中の産経新聞さんなんかに頼めば嬉々として作成してくれることでしょう。
3.「死の大地〜環境汚染超大国中国の実態!」という10回特集の番組を作
る。DVD化して企業に配る。
中国の環境汚染は深刻です。環境汚染に苦しむ中国人・中国在住日本人を取材
して番組を作る。そして、「A社さん今度、中国に出るそうですが、命と金と
どっちが大事?」とたずねる。
まあ、これらは全部「情報戦」でセコイやり方ではあります。
もっと根本的に空洞化を阻止する方法は、
「愛」(^▽^)(^▽^)(^▽^)
日本の法人税は現在、法人税・法人住民税・事業税を合わせて40.69%。
これを香港以下の15%まで下げる。
これでかなりの企業がとどまるし、戻ってくる企業も出てくるでしょう。それ
どころか、外国企業が洪水のようにやってきます。
税収は一時落ち込むでしょうが、結局は以下のようなプロセスで増加に転じる
ことでしょう。
1.大減税→ 2.企業に金が余るので投資増 3.反対側の生産増→
4.企業利益増→ 5.消費増→ 6.生産増→ 7.所得増→ 8.消費増
→以下同じプロセスの繰り返し。
「法人税の引き下げ」については、日本でも議論されていますね。
ところが「減税分を個人に負担させよう!」という腹黒い陰謀があり、評判が
悪い。
ちょっと待ってください。
所得税や消費税を上げれば、消費が落ち込み→生産減→所得減→消費減→生産
減→所得減→消費減というデフレスパイラルになってしまいます。
レーガノミックスの良い教訓は、「減税すると経済が活性化されて、税収があ
がる」というもの。81年と86年の減税の結果、レーガンの任期中に税収は
76%増加しています。
(ただし、大軍拡で支出が80%増え、財政赤字問題は深刻化した)
ですから、法人税も所得税も減税すればいいのです。
ただし、いきなり大減税すると、税収が一時激減しますから、「将来ここまで
下げますよ」と提示し、段階的に下げていけばよいでしょう。
(目的は空洞化阻止なわけですから)
さて、質問への回答。
日本はこれからどうなるのでしょうか?
道は二つあります。
1.「円がローカル通貨」なのを自覚せずレーガノミックスをサル真似したら
―→空洞化が進み、10年後には財政赤字・貿易赤字で円は大暴落・ハイパー
インフレが日本を襲う。
2.あらゆる手段を講じて「空洞化」を防ぎ、世界中から企業・お金が集まる
政策をとったら、
―→格差社会は変わらないが、底上げされ下流社会が中流社会になる。
PS:
日本については、書きたいことが山ほどあり、ここでは論じ尽せません。
読者さんもいろいろと文句があると思いますが、近々日本の未来に関する考え
を発表する場を持つ予定ですので、しばらくお待ちください。
┗━━━━━━━━━━「転載誌面ここまで」
= おわり =
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OJIN も様々なメルマガを閲読しています。「必ず読むもの」「その号の内容
次第で読むもの」「ほとんど読まないもの」等々いろいろありますが、「必ず
読む」の筆頭がこの「ロシア政治経済ジャーナル」です。
そこらの評論家や専門の記者が書いたものなど足元にも及ばないほどの斬新な
切り口が目から鱗なのと、もうひとつは、その宣伝手法の巧みさの技術を盗み
たい(学びたい)、という理由から必ず全文読むようにしています。
特に「宣伝手法の巧みさ」においては抜群のものがあり、当誌もあちこちとの
メルマガと相互紹介を行っていますが、「ロシア政治経済ジャーナル」さんと
今年の春先に行った相互紹介では500名以上の読者増加を果たし、12月に
紹介して頂いたときにも600名近くの新規読者を得ることができました。
ですから今「アジアの街角から」をご覧頂いている読者のうち、1千名以上の
方は「ロシア政治経済ジャーナル」さんから登録して頂いた方々ということに
なります――――。
その方々は今でも引き続き「ロシア政治経済ジャーナル」を閲読されておられ
るでしょうから除きまして、それ以外の読者の方々!本当にどんな問題に対し
ても「目から鱗ボロボロ!」の切り口の記事は、これで無料でホントにいいの
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現に以前の「ロシア政治経済ジャーナル」の記事を単行本にまとめて出版した
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かったけれども ▼ というぐらいの売れ行きを示しているようでございます。
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さて、そんな貴重な情報を♪タダ♪で流してくれる「ロシア政治経済ジャーナ
ル」誌を閲読して ▼ 「目から鱗ボロボロ!」をご体験なさってみて下さい!
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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