PUBLICITY(パブリシティー) より転載 by 竹山徹朗氏
☆ 仁義なきライブドア戦争 ――――――――― 転載 2005/02/28
      ――「PUBLICITY(パブリシティー)」No.1112 2005/02/24
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▼“ライブドア戦争”の投稿をいただいている。

が、事態は急展開。映画『仁義なき戦い』のテーマがピッタリのガチンコ勝負
になってきた。ちゃちゃちゃ〜。ちゃちゃちゃぁ〜ん。金子信雄の顔アップ!
┌──────────
フジサンケイグループのラジオ局であるニッポン放送は、23日、同社株を大
量に買い集めているインターネット関連会社ライブドアに対抗し、フジテレビ
ジョン(フジテレビ)を引受先として、ニッポン放送株を最大で4720万株新
たに取得できる権利(新株予約権)を3月24日に発行すると発表した。

フジテレビも引き受ける意向だ。ニッポン放送の発行済み株式は3280万株
のため、ライブドアが市場でどんなに買い集めても過半数を確保できず、フジ
は実施中の株式公開買い付け(TOB)の結果にかかわらず、子会社化できる。
(讀賣)
└──────────

▼新株予約権! そんな弾があったのかっ! ライブドアはいっぱい株を持っ
てるのに、なんで止められなかったのか?と思うが、ちょっと調べてみたのだ
が、この新株予約権ってのは、株主総会での議決などは必要なく、取締役会な
どで決められることなのだそうだ。ほほう。

しかし、「フジテレビも引き受ける意向だ」って、そりゃ当たり前だろ讀賣さ
ん、こういう節々に卑しさがにじんでるよ。しかし、ここまでくると、いくら
経済オンチのぼくにも理解できる。みんな知らないかも知れないが、フジテレ
ビは、おそらくライブドアが嫌いなのだ(んなこたぁ分かってんだよっ!)。

さあ、ホリエモンの反撃は如何に? ちゃららぁ〜ん!
成田三樹夫の顔アップ!
┌──────────
ライブドアの堀江貴文社長は、23日夜、東京都内で会見し、ニッポン放送に
よるフジを割当先とした新株予約権発行について「差し止めを求める方向だ。
仮処分の方向で考えている」と述べ、24日にも、東京地裁に仮処分申請する
意向を示した。
堀江社長はまた、「今後もニッポン放送株を買い進める」と徹底的に争う姿勢
を強調した。(毎日新聞)
└──────────

▼うひょー!誰の目にも分かるかたちで盛り上がってきた。裁判になるのか。
やはりライブドアに不利なのかなあ。今までいただいた投稿は、あとでいくつ
か紹介するが、今後も投稿をいただきたいのであります。

▼要するに前号で愚痴ってた理由は、冒頭の日本映画史に残る名セリフではな
いが、この戦争において、「どんな弾が残っているのか?」が分からんからな
のである。

個人的には、やはり商法を改正させることになった――つまり国を動かしてし
まったホリエモンに、さんざん暴れてほしいなあと思うが。もう弾はないのか
なあ。

▼自由競争の戦場では、おそらく、退いたほうが負けるのかな、と感じた。
退かなきゃ勝てるってわけでもないだろうが。
菅原文太演じる広能も言ったじゃないの、「最後じゃけぇ、言うとったるがの
う。追われる者より追う者のほうが強いんで。そがあな考え方しとったら、隙
ができるど」

あのオモチャ屋の、松方弘樹が殺されるシーン、何回見てもいい。いいんだよ
なあ。深作、偉大なり。
せっかくだから、松方弘樹の名セリフも書いておこう。

「おやじさん、云うとってあげるが、あんたは初めからわしらが担いどる神輿
じゃないの。組がここまでなるのに、誰が血流しとるんや。神輿が勝手に歩け
るいうんなら歩いてみないや、のう!」

くーっ、いいなあ。フジテレビに、こういう啖呵をきる部下はいるのかな?
ーーまあ、組ではないが。

ちなみに、自民党政治家たちの面構えは、野中や亀井あたりを境目に『仁義な
き戦い』の面々よりもはるかにしょぼくなったように思う。日本映画にはあれ
ほど豪華な役者たちが揃っていた時代があったのだ。

?はっ!まったく違う話になってしもうた。

しかし、第三部「代理戦争」のラストは泣けた。あそこで渡瀬恒彦の(以下略)

【投稿紹介】
▼ブログのコメント欄には、「じゃむおじさん」から、「ライブドアのCBの
お話のご参考になれば・・・」と、以下のウェブサイトを紹介して頂いた。
http://jobhopper.air-nifty.com/blog/images/livedoor.jpg

これには「CBの損益図」「貸株売りの損益図」「合成ポジションの損益図」
が載っている。が、じゃむおじさん、ほんとうに申し訳ない、まったく分かり
ません。くぅっ(泣)。でも、いろいろ紹介してくれるのがうれしいのダ。

最低限、「ライブドアの株価が下がると、CBは単なる社債としての価値しか
なくなり、ライブドアの株価が上がると、CBは株式的意味合いを深める」と
いうことは分かった。
・
で、「株式的意味合い」って何だ?(←分かってねえじゃん!)

▼Kさんからは、おすすめのニュース解説を教えていただいた。
┌──────────
竹山さん、いつも楽しく読ませてもらっています。

さて、日経ビジネスのWeb サイト版に最新の分析と解説がありました。

フジに着いている大和と、ライブドアのバックにいるリーマンブラザースに焦
点をあてたもので、なかなかの分析です。日経ビジネスのこういう分析記事は
優れているものが多いです。

これを読むと、フジ対ライブドアというメディアの報道が、いかに表層的なも
のであるかがよく分かります。
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/360094
これなら、専門的な株式用語が分からなくても理解できるのではないでしょう
か。
└──────────

▼この記事には、ライブドアがどこからニッポン放送株を買ったのかが示され
ている。感謝。

フジテレビが仕掛けたTOB(公開株式買い付け)のアドバイザーが、大和証券
SMBC。一方、ライブドアを助けたのはアメリカの投資銀行リーマン・ブラ
ザーズ。両者の巧拙が明らかになったわけだ。巧かったのは、もちろんリーマ
ン。あとは、
ニッポン放送株の20%近くを持っている村上世彰M&Aコンサルティング代
表が陰の主役であるらしい。フジ対ライブドアという平板な図式ではダメなん
だべ。

さらに補足投稿。
┌──────────
1.株式市場は資本主義の「鉄火場」

日本企業は、株の持ち合い、銀行・親企業の系列によって「クローニー(縁故)
資本主義」で企業を支配してきた。フジテレビのやり方は、その意味で極めて
典型的な90年代までの日本企業のやり方。

それは90年代一杯で崩壊。日本でも、アメリカ流の株主による企業支配のや
り方が中心になりつつある。ライブドアはその典型。
ライブドア(オンザ・エッジ)はITバブルの生き残り。

ITバブルを煽った自民党の森喜朗が「カネが全てだという堀江のような奴が
生まれたのは教育が悪い」というのには笑った。自分が生んだ「鬼っ子」なの
に。

2.ライブドア流「錬金術」

ライブドアの資金捻出法。――1株を4回に分けて3万株に分割する。つまり
株価が600円だとして、それを3万で割る。そうすると1株は0.0000
0002円(?)。
分割しても1株600円の値が付いたとしたら、元1株が3万倍になるので、
1800万円(?)になる。

ライブドアはまともにビジネスをやっているわけではない。株式市場をゲーム
だと考えている。

3.どうしてこういう事が可能なのか。

デイトレーダーがライブドアを押し上げる。1日にネット証券で何十回も取引
する。ライブドアが話題になればなるほど注目は集まり、株価も安定する。

4.だから、堀江は話題になり続けるためにメディアに出続ける。それが彼の
ビジネスの成功を支えるカギ。

5.フジ対ライブドアとはやし立てるメディアは、見事にライブドアの戦略に
乗っている。

以上です。こんなう観点で読むと、日経ビジネスの記事は分かりやすいのでは
ないでしょうか。
└──────────

なるほどー、鉄火場ねえ。たしかにマスメディアは、ライブドアの戦略に乗っ
てるナ。そして鉄火場の動きを伝えていない。

▼いっぽう、「記憶太郎」さんからは、「ごめん下さい竹山様。いつも労作の
メルマガをありがとうございます」ということで(こちらこそ読んでいただい
て感謝である)、以下の投稿を。堀江社長のメディア観について。
┌──────────
今回配信していただいた、ライブドアの堀江氏についてですが、ジャーナリス
トの江川紹子氏のHPに、堀江氏のインタビュー記事があり、彼のメディアに
対する考え方を知る上で参考になるのではないかと思い、URLを貼らせてい
ただきます。(ご存知でしたら申し訳ありません)

「新聞・テレビを殺します」 〜ライブドアのメディア戦略
http://www.egawashoko.com/menu4/contents/02_1_data_40.html
└──────────

いやあ、知らなんだ。すぐに読みましたよ。

▼で、江川紹子の文章を読んだうえでの話。

ぼくは、「ホリエモン、大いにやってくれ」と思う。
「えー、マジかよ竹山」という声が聞こえる。

ホリエモンは「報道の使命」なんて「思い上がり」で「自意識過剰」だと言っ
ている。記者の主観など「歪曲」に過ぎぬと言う。そんなヤツに「大いにやっ
てくれ」とは、けしからん、と。〜〜そうかな?

▼彼がメディアに興味を持つのは、それが「稼ぎ」に直結するからだ。そして
それだけだ。「稼ぎ」を貫く。だからあの年齢で、あそこまでのしあがったの
だろう。
そもそも、株式会社は「株主の利益の最大化」が唯一の目的だ。他のメディア
だって、このルールの上に乗っかって勝負している。ともかく、食っていかな
ければならない。神様はお客様だけではない、むしろ企業にとってはその企業
がどんな業種であれ、株主こそが神様のはずだ。

そして彼は“金融系事業にとって、メディアを持つことは重要だ”という論理
を、ロイターやブルームバーグの実例を挙げて説得的に論じる。

そう、ホリエモンは、「メディアで飯を食って、なにが悪い?」と問うている
に過ぎない。彼の「メディア戦略」は、「どのようなメディアをつくるか」の
戦略ではなく、「企業規模拡大のために、メディアは何ができるか」の戦略で
ある。
だから、なぜメディアがホリエモンをこれだけ叩くのか、よく分からん。さも
「新聞やテレビを商売道具にするな」と言わんばかりではないか。言ってるあ
んたらは何でメシ食ってんだ。

▼そのうえで。彼のメディア観を嫌う人が多くいるのはよく分かる。ぼくも、
率先して彼の考えを支持しようとは思わない。

しかし、そもそもホリエモンは、この国のすべてのメディアを「読者ランキン
グ」にしようとしているわけではない。そういう独裁的な話であれば、ぼくは
断固反対する。そうではなく、自由市場のうえで戦う話なんだから、存分に株
のゲームをすればいいではないか。

フリーランス・ジャーナリストが仕事以外の雑務をぜんぶ自分でやらなければ
ならないのと基本的には同じ理屈なのではないだろうか。で、フリーランスは
その煩雑さに文句を言ったりしない。言う人もいるけど。ともあれ市場の論理
とジャーナリズムの倫理とは、いったん分けて考えなければならない。

▼「新聞とかテレビを我々は殺していく」とホリエモンは言うが、たかが一企
業の私欲に殺される新聞やテレビであれば、ニッポンのマスメディアは所詮、
その程度のものだったに過ぎない。何を驚くことがあろうか。

それにぼくは、「報道の使命」と呼ばれるものが殺されるとは思わない。ホリ
エモンは、報道の使命なんて自意識過剰の思い上がりだと断言するが、そんな
一言がまったく届かない場所まで深々と突き刺さる言論があることを、ぼくは
知っている。それを守ろうと思う。

人生は「諸行無常」(byホリエモン)だからこそ、人間は、自他ともの命を震
わせる言論を生むことができる。その一事に価値を置く人もいれば、価値を置
かない人もいるという事。

ホリエモンの「殺していく」発言は、商売のうえで、そのような価値はカネに
ならない、むしろ邪魔だ、といっているだけの話で、至極真っ当な意見だろう
よ。ーー会社や法人は殺されても、個人が殺されるわけではない。

ある出来事を「私は絶対に許さない」「書かなければ、生きる意味がない」と
祈りをこめて言葉を生む人の意志を、ニッポンのマスメディアは守ろうとして
いるかどうか。それが問われている。守っている仁義を見せてくれ。

しかしマスメディアは今、ライブドアの一挙手一投足を「怯えながら鼻で笑っ
ている」。その報道内容こそ、ホリエモンやリーマンたちからみれば「曳かれ
者の小唄」なのではないか。

ライブドアの行動規範は、この社会のどこまで刺さることができるか、そして
この社会は、何に価値を置いているのか、浮き彫りになっていくような感じが
する。ーー弾はまだ、残っているのか?

                        = この号おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
↓
☆【 PUBLICITY 】1113:堀江貴文の仁義 ――― 転載 2005/02/28
                  ソース記事発行日 2005/02/25

▼ブログに、special-weekさんから見事なコメントをいただいた。拍手!

拍手! といえば、フジテレビの「平成教育2005予備校」で先生役のユー
スケ・サンタマリアが「堀江君はどうした!堀江君はどこだ!」ってやらかし
て、助手役のフジテレビアナウンサー高島彩が困ってて、あれは少し笑えた。
たけしなら、もうちょっと突っ込んだだろうな。ユースケってああいうことを
やるキャラなんですね。

しっかし、フジテレビもバカだよなあ。あのままホリエモンを出演させてたら
絶対に視聴率があがってたのにサ。昨今のご時世に、テレビ局にとって視聴率
よりも重要なものって何だ?

▼おっと、コメント紹介である。適宜▼と竹山の註を入れ、若干てにをはに手
を入れた。「竹山もひどいが私も経済オンチなんだよなぁ」な、あなたも熟読
するのよっ。
┌──────────
▼もともと、子会社であるべきニッポン放送(時価総額約1千億円)が親会社た
るフジ(約5千億円)の株を約22%も保有していたことが発端です。
そこで、フジはその奇妙な状態を解消しようと、ニッポン放送の株を50%以
上保有することにより、本来あるべき姿(親がフジ、子がニッポン)に戻そうと
していました。

▼3分の1以上の株券を取得しようとする時は証券取引法の規定により、TO
C(公開買付)で行わなければなりません。

▼株式会社で最も偉いのは、言うまでもなく株主です。

闇の取引等により会社の経営陣等が変わってしまうと、株主に不測の損害を被
らせる恐れがあります。ですから、大量の株券を取得するには、公にその目的
や買い取る値段などを公表して行うのです。

それがTOCです。(竹山の註:おおー、そういうことだったのか! ◎。◎)

▼当初、フジは一株5950円という値段を提示し、ニッポン放送を子会社化
するために50%以上の保有率を目指してTOCを開始しました。
一方、ライブドアはニッポン放送の株を当初から数%保有しており、さらにT
OCをしなくても済むギリギリの量の株券を取引所を通さず、あっという間に
獲得してしまったのです。

----30〜40%は外資が保有しており、海外投資家は名義を変えないものも
多く、株主リストでも目立たないのですが、実質は相当量の株を持っているの
です。そこからライブドアは買ったと思われます。
(竹山の註:なるほどなるほど)

▼明らかに買収が目的なのだから、TOCをすべきではないか、これは市場外
取引である、というのが批判側に立った意見です。
(竹山の註:なるほど、この批判もスジが通っているナ。でも、いまの法律上
は違法ではなかったのだろう)

▼それ以降もライブドアは着々と買取を進め,現在約40%。

また、ライブドアの動きが報道されたことにより、ニッポン放送の株価が急上
昇しました。昨日の時点で6700円。ーーフジのTOCの5950円で売る
人がいるはずがありません。

▼そこで実質不可能なので、フジは50%の保有を諦め、最悪でもニッポン放
送の影響力がフジに及ばなくなるようにしようと、目標を25%以上の保有に
切り換えたわけです。
子会社にはできなくても、対等の立場に立つことにより、商法の規定によって
フジに対するニッポン放送の議決権をなくしてしまおうというのが狙いです。
フジは完全に後手に回ってしまったということです。
(竹山の註:そうだな、そこまではぼくちんにもだいたい分かった)

▼で、昨日信じられない発表を行いないました。

ニッポン放送が、現在の株数の約1.4倍の株を新たに発行するということで
す。しかもその株をすべてフジが買うとのこと。
(竹山の註:あー、やっぱ信じられないことなんだ)

まあ、普通に考えたら完全な違法だと思います。
(竹山の註:これは、一般の株主の利益を損ねるからかな?)

▼株式を発行すること自体は違法ではありません。
定款に定めてある以内の株数であれば発行できます。

で、ニッポン放送は現在、約3500万株を発行していますが、現在の定款に
は8000万株まで発行できると定められているらしく、そのギリギリまで発
行しますというのが今日の発表です。

その決定は株主総会を通さず、取締役会だけで決定できます。定款というもの
が株主総会で定められるものだからです。40%も株を保有しているライブド
アをまったく無視してこの決定ができたのはそういったカラクリです。
(竹山の註:ほんと、カラクリだナ)

▼さらにフジが汚いのは、現状約6500円で取引されているのに、TOCの
買付価格を5950円から上げないことです。ライブドアは約6100円で取
得していますので、もし5950円で売ったとしたら、約60億円の損害にな
ります。
(竹山の註:ここらへんは、ちょっと分からなかったが、まあいいや)

ライブドアは当然、司法に判断をゆだねるという形になると思いますが、さあ
どうなるでしょうか。
└──────────

▼いやー、コメントに感謝! さらなる投稿望む。

さあ、司法の判断はどうなるだろうか。「ニッポンの裁判所は強い者の味方」
という方程式(そんな方程式あんのか?)によれば、ライブドアは負けるだろう
が。。。
ぼくは、ライブドアが徹底抗戦すればするほど、行動の理由が分かるのはライ
ブドア、理由が分からんのはフジサンケイ、というふうになっていくと思う。
つまり、ライブドア有利。

市場の正義は株価に忠実に反映される、いや、株価だけが正義である、とすれ
ば、そのことをより深く知っているのは、どっちだろう。
フジサンケイを応援するために東京電力が動いたりして、なんだかなあ、だ。

▼前号では、堀江社長のメディア観について少し書いたが、彼自身のブログな
どから、ニッポン放送買収に関する箇所をいくつか抜書きしておこう。
とにかく毎回、数百のトラックバック、コメントが付く、むちゃくちゃ読まれ
ているブログである。そりゃそうだわな。
┌──────────
http://blog.livedoor.jp/takapon_jp/

――2/8(火):ニッポン放送株35%取得
朝6時に起床。朝一で取締役会。CB発行の決議。これまでの人生で一番大き
な意思決定をした瞬間かもしれない。これまでの人生を賭けた勝負かもしれな
い。その後、同じビルにあるリーマンブラザーズ証券で手続き等。もろもろ終
わって一息。結果としてニッポン放送の35%の株式を取得した。

その後雑務をこなし、昼ごろ某証券会社を訪問。意向を伝える。そしてニッポ
ン放送訪問。社長に業務提携の意思を伝える。
帰社して、アカデミーヒルズで記者会見。ものすごいマスコミの数。質問も激
しいが、やはりニッポン放送やフジサンケイグループの資本構造の問題点は意
外に一般には知られていなかったようだ。ともかくも不退転の決意で望むつも
り。

――2月11日:
目的は、ニッポン放送を中心としたフジサンケイグループの価値向上ですよ。
報道ではよくフジテレビによるグループ防衛策〜、とか言っていますが、何か
ら何を防衛しようとしているんでしょうか?なんでウチが敵になるんでしょう
か?
危害を加えるどころか、価値を向上させようと言っているのです。株主にとっ
ても社員にとっても視聴者(消費者)にとってもいいことだと思いますが。

正直言って現在の既存メディアのIT活用は遅れています。これは周知の事実
だと思います。当社のもっている価値を役立てることにより、既存メディアと
ITの融合が早期に図られます。まあ、マスコミは対抗軸を作って面白おかし
く報道するのが常ですから、しょうがないですが。

まあ、経営陣が株主に文句言われず、自由に経営したいってことなんだろう。
早期に上場して常に株主と対話してきた自分としては信じられないことなんだ
けど。
会社は(資本)金がないとはじめられない。だれが金を出しているのか、株主で
ある。経営陣は株主から経営を委任されているだけの存在である。

――2月13日:
ネットの専門家の立場から言わせてもらえば、もうすぐ手遅れになる。放送業
界が護送船団である時代はもうすぐ終わる。そしたら国はすぐに見捨ててしま
うだろう。競争の時代がきたと。冗談ではない。

形やプライドに拘っている場合ではない。せっかくのチャンスを生かせない経
営者は経営者失格である。単独でやることになんの意味があろうか。買収して
もされてもいいだろう。でも若い先進的な力は活かす形でないといけない。

フジサンケイグループは、私の見るところ日本で一番有望であると思える。重
ねて言おう。私たちライブドアと資本業務提携すれば、フジサンケイグループ
の株主・従業員・取引先の多くに対し、今まで以上のベネフィットを与えるこ
とができる。

私たちから守るものは何もない。だって敵ではないのだから。面白いことやろ
うよ!私が特殊なのかもしれないけど、人間は生まれたときは裸。クソみたい
なプライドに拘るぐらいなら、間違いなく面白いことをやるほうを選ぶね。

――2月22日:
しっかし、今の日本って株主の権利が激しくないがしろにされているなあ、と
感じる。なんで命の次に大事なお金を投資しているのに、会う必要がないなど
とふざけたことがいえるんだろうか。

失礼にもほどがある。

株主が、投資した資本金がなければ会社はスタートできない。そのことを日本
の多くの経営者は忘れてしまっているのではないか?自分たちの力だけで会社
が運営できているとでも思っているのだろうか。
└──────────
▼などなど。

ぼくは彼の意見は至極真っ当だと思う。こうした内容は、もっと報道してもい
いのではないか。というかすべきではないか。
しかし、
基本的に堀江社長は目立ちたがりだとも思う。「社長日記」ってタイトルが分
かりやすい。あえていえば、この文体(を支える思想)に似ているのは、田中康
夫の「ペログリ日記」だ。

いちど社長日記を見ればわかるが、扱う内容も、仕事から食事まで、すべてが
同列に並んでいるように見える。この“同列感”というか“並列感”が、田中
康夫のそれと似ている。

▼ともかく、ホリエモンは、自分から喧嘩を仕掛けたという自覚があるのなら
テレビ・新聞を【黙って殺せばよかった】。根っこに目立ちたがりの気質があ
るから、前号で紹介したような江川紹子の挑発的な取材に乗ってしまったので
はないか。

▼朝日24日付「堀江社長一問一答」では、
「インターネットはオンデマンド(任意のタイミングで見られる)、インタラク
ティブ(双方向性)、ニッチ(少数の希望にも対応する)の3点が強み。テレビや
ラジオと融合すれば、たとえばトーク番組の放送終了後もネット中継できる。
それで視聴したいという人はいるはず」

「(テレビ会社がネットの世界を理解できないのは)かつて映画会社がテレビを
やれなかったことと同じだ」等と答えている。

▼彼の紙媒体の使い方は、どこまでも「まずインターネットあっての紙媒体」
である点に注意が必要だろう。「カネを稼ぐ」という観点からみて「ニッチ」
を逃すはずがない。

「ニッチ」をインターネットでフォローして、自社の信用を高めるのが目的の
紙媒体では「読者ランキング」に徹する(=内容はどうでもいい。出すのが目
的)――それも社会の文脈に沿った、ひとつのメディアのあり方だろう。「社
長日記」と朝日一問一答を読めば、江川インタビューとは、だいぶ印象が違っ
てくる。

テレビ・新聞の視点(つまりマスメディアの視点)を通してのみホリエモンの振
る舞いを観察すると、必然的にズレてしまうような気がする。それにホリエモ
ン自身の目立ちたがり(「殺す」という表現など)が合わさり、誤解は大きくな
りこそすれ小さくはならんだろう。

「これまでの人生を賭けた勝負」であれば、ホリエモンは、そうしたライブド
アにとってもメディアにとっても有益ではない誤解を解かねばならない。でも
そんなこたぁ敵も味方も気にしてねえんだろうな。カネがモノをいう世界です
からのう。

「呆れた田舎もんじゃ!沖縄の極道は仁義という字も知らんのか!」

「そんなもんは腕っ節がありゃ要らんのよ。口先の文句より、取りたいもんが
あるなら、腕で取りに来い。戦争中も、その前も、お前たち本土人は沖縄人に
そうやってきただろうが。今はそうはさせんがね」
△△ 映画『沖縄進撃作戦』1975年、脚本:笠原和夫

まあ、関係ないんですけど、なんとなく、ね……。

                        = この号おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
↓
☆【 PUBLICITY 】1112:ホリエモンの夢 ――― 転載 2005/02/28
                  ソース記事発行日 2005/02/27

▼「堀江社長、条件次第でフジに株売却も」(27日、01:37)
 「ライブドア、証取委に調査申し入れへ」(26日、22:22)

両方とも日刊スポーツから。いわく、
「絶対に損しない仕組みだったら応じてもいい」
「現在のフジのTOB価格では損するので応じない」
ーー「弾」はいろいろあるんだねえ。

▼ホリエモンの目標、というか夢を、知っているだろうか。
「宇宙を自由に旅したい。そのために宇宙旅行会社を作る」これである。

彼の社長日記 http://blog.livedoor.jp/takapon_jp/ の
2月26日で「H−IIロケット打ち上げ」を取り上げ、「うまく打ち上げられ
ると良いな・・・」と書いているのには、理由があるわけだ。

新著『100億稼ぐ仕事術』(SB文庫、2005年2月25日初版第1刷、
ソフトバンクパブリッシング株式会社)の中で、彼はこの夢にふれ、シュリー
マンの例を出して、夢を実現するためにはお金を儲けるのが手っ取り早いと述
べるのである。
たしかに。ニッポン怠国に「自由な言論」を確立するためにも、やっぱりお金
が必要ですかな、呵々。

▼この本の末尾で彼は次のように綴っている。
┌──────────
この世の本質は「諸行無常」である。人生においても、歯をくいしばりながら
努力を重ね、常に走り続けないと、自分という人間などすぐに世の中から消え
去ってしまう。

「人間の存在意義などない」と私は考えている。常に刺激を受けて、感動し続
けられるような挑戦を続けていけば、存在意義など考える余裕すらなくなるは
ずだ。私は常にシビレル人生を歩み続けていきたい。(p252−3)
└──────────

なるほどなー、存在意義などない、か。100億稼ぐ人が言うと、一種独特の
迫力が生まれますな。

▼彼の動向に注目するのは、やはり彼がぼくと同世代だからだ。でも、はじめ
は株の話なんて分からないし(今も分からん)、プロ野球球団買収話以来、漠然
と彼のファンではあっても、積極的に応援するつもりはさらさらなかった。

しかし、26日付の駅売りの夕刊紙をみると、夕刊フジ「堀江社長 仰天私生
活」、日刊ゲンダイ「フジTV見えない圧力、ホリエモン手詰まり」、東京ス
ポーツ「スクープ!!逮捕、堀江社長知人のIT社長 強制わいせつ」と軒並
み堀江貴文にダメージを与える見出しで腹が立つ。

日刊ゲンダイは「大新聞・TVは例によってタレ流し報道に終始しているが、
法廷に持ち込まれた株買い占め戦を法的に専門筋が解説」と、“例によった”
見出しを立てていて、たしかに、他紙と比べて内容は冷静だが、結局見出しに
「手詰まり」と書いて、あたかもライブドアが閉塞しているように感じさせる
から、目糞が鼻糞を笑っているようなものだ。

ホリエモンの肩をもってやろうじゃないの、と思うわけよ。何の稼ぎにもなら
んけどさ。

▼『100億稼ぐ仕事術』から2つほど引用しておこう。
┌──────────
お酒は別にしても、新入社員や転職者向けの歓迎会は必ず開くべきだろう。行
きたくなさそうな人を無理に誘う必要はないが(世の中いろんな人がいるので)
それまで周りの雰囲気に溶け込めなかった新入社員も、次の日からすっかりみ
んなと打ち解けていることが多い。歓迎会を開かないと、何となくギクシャク
しがちである。(p57)
└──────────
┌──────────
コスト管理は商売の基本である。商売をしているのに、ビジネスだ、経営だと
カッコいい言葉でごまかしてしまうと、この基本をおろそかにしてしまいがち
だ。(p166)
└──────────

両方とも、巷に流布されている印象と比べて「へえ、けっこうマトモじゃん」
と思わせる内容だと思うが、マトモじゃなかったら年商300億の会社のトッ
プには立てんだろう。

▼「株式会社は誰のものか」〜〜「株主のものである」

「複雑に考えると、会社は従業員のためとか、顧客のためとか、社会のためと
か、そういった利益相反しそうな要素を考えてしまう。どれにプライオリティ
を置けばいいのか焦点がずれてしまい結果としてどの要素も中途半端になる。
そして会社がうまく回らなくなってしまうのだ」(p120)

この一文に違和感や嫌悪感を覚える理由は何だろうか。それは「株式会社」の
本来のあり方と、「ニッポンの株式会社」のあり方との違いに拠るのではない
だろうか。土着的世界観の反発。

今回のライブドアの殴りこみは、ニッポン社会に「株式会社の本質」を思い知
らせるところに最大の価値があったのかも知れない。

「勉強しまっせ、引越しのサカイ〜、ほんまかいなそうかいな」、ガバナンス
(統治)が崩壊したとき「勉強しまっせ」の仮面は剥がれ、「株主利益の追求」
という本質が覗く。この事実こそ、ここ数年の企業をめぐる報道からオーディ
エンスが学ばなければならなかった、「自身が拠って立つ社会」の実像ではな
かったか?

「株式会社」は株主の利益を第一義に考えねばならない。
しかし
「社会」は、株主の利益を第一義に考えてはならない。

この列島にあるのは、社会か、ムラか――この「現実の認識」のうえでどのよ
うな公共性をつくるべきかに議論を集中しないといけないのに、なんでオッサ
ンオバハン連中は感情的に噴き上がるのかなあ。それは温暖化のせいですよ。

あんたら全員『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』
を観るべきだよ(なんでだよ!)。迷わず観ろよ、観ればわかるさ、「20世紀
は終わった」のだ。それでも生きてゆくしかないのダ。だから、クールダウン
しなしゃんせ。

▼要するに、ホリエモンは何も悪いことをしていない。法的に許容される範囲
で株を買い、徹頭徹尾、法律に則って振る舞っている。
唯一やった悪事といえば、彼が殴りこんだせいで、NHKへの政治介入事件や
内部告発報道など吹っ飛んでしまったことだ。看過し難い所業である。
ーーが仕方ない、それはぼくがフォローしよう、戦えホリエモン!

▼「ホリエモン頑張れー!」とか、いろいろ投稿届いてます。
本誌で盛り上がるきっかけを作ってくれたマサフジさんから。
┌──────────
ども、マサフジです。ニッポン放送問題、ネタ振った甲斐がありましたねー。

多くの詳しい方から情報が寄せられていると思いますので、僕からはあまり触
れられない部分を。

まあ、日経ビジネスの「ライブドアの錬金術」の補足みたいなものなんですが
東証マザーズの上場廃止基準のひとつに「時価総額5億円基準」ってのがあり
ます。
発行済株式数とその株式の時価で時価総額を計算するわけですが、ライブドア
は去年10分割、一昨年に100分割を行っていて、現在の発行済株式数は6
億株超なんですよね。ちなみに、マザーズでの株価はどんなに下がっても1円
未満になりません。

はて。要するに、
「ライブドアは株価が1円になっても、時価総額は6億円以上」と計算されて
しまうわけですかねー?まあ、実際にどうなのか疑問ですが・・・

まあ、分割の理由はいろいろあるのでしょうが(個人投資家が買いやすくなる
等)、副次的にこういう事も起こってしまうと。
――(マサフジさん)
└──────────

▼ほんと、ネタ振っていただいて助かりましたよ。
……ところで、「時価総額」って何ですか?(殴)

▼さて、この話題への反響は、ブログのほうにもいくつかきている。経済オン
チのブログにも反響が来るのは、ホリエモンがメディアについて語ったからだ
ろうな。2本続けて紹介。
┌──────────
フジのTOBに応じて損失を最小限に抑える方法もありますねぇ。

以下は概算なんですが。ライブドアがフジのTOB価格の1000円高ぐらい
でニッポン放送株を40%買っているとすると、フジに買い戻してもらうと、
150億円ぐらいの損失になるんでしょうか。仮に150億としても、MSC
Bの発行で得たお金のうちの650億は手元に戻って来ます。

それを元手に新事業を起す算段も、まあ、悪くはないですね。
しかしながら増資の差し止めに成功したら得るモノはプライスレス。

しかし、失敗したら計算上、希薄化でニッポン放送は2500−2000円ぐ
らいになってもおかしくないですね、その場合、700億以上を失いますか・
・・・。上場も廃止されるでしょうし。

「どうしようかなぁ」と迷ってるウチに、フジがTOB価格を上げて誘ってく
るかもですね・・・。
ライブドアに損が出ない程度に・・・。これはありそうだなぁ。

うーん、基本的にこの増資話はハッタリだと思うのだが。
どうする。男、堀江貴文!!――(シュートさん)
└──────────
┌──────────
堀江社長の顔も知らんけどおもしろい。
ドイツにいても日本事情がわかる「PUBLICITY」に感謝。

堀江社長の「メディアを殺す」っていう文句には違和感もあるけど、なんとな
く共感するところもある。「報道の使命」なんかクソクラエで、読者ランキン
グが全てだってことみたいだ。
そもそも、日本の大新聞が「報道の使命」を果たしてきたとは思えないから、
いっそのこと読者ランキングに任せてみるのも面白い。ネットが発達して「読
者の意見」が噴出する時代、意見の対立をくぐり抜けてみるしかないでしょ。

ところで、ホリエモンに「思想」はあるか? あるでしょ。典型的なリバタリ
アン(自由経済至上主義者)ですね。「こころざし」とか「使命」なんて信じな
い。でも、市場を均衡させる「神の手」を信じている人たちです。

それを政治に適用すると「大衆の声」をあがめることになる。文句なしに「大
衆」に迎合することになるから、議論を重んずる民主主義とはちょっと違うと
僕は思う。「敵」のフジテレビにもまったく当てはまるかもしれない。類は友
をよぶということか。

ただ、それもひとつの原理主義だということに気づく人は少ない。江川紹子の
インタビューで編集方針を尋ねられると、堀江氏は「そんなもん、何もないで
すよ」「ありのままを出せばいいんじゃないですか」と言う。それに対し江川
は「ありのままを出すというのも方針ですよ」と鋭いツッコミをいれている。

いったい堀江氏の「ありのまま」がどんなものなのか、ぜひ見てみたい。

――(小椋さん)
└──────────

▼シュートさんの書いたとおり、ホリエモンは冒頭で触れた発言をしている。
興味は尽きない。

▼トラックバックをいただいた「EXIT2005」(國貞陽一の「脱・出・
系」コラムマガジン) http://blog.livedoor.jp/planet_knsd/
には、次のような指摘があった。
┌──────────
私は個人的に、韓流ドラマで膨大な女性たちがインターネットに参入している
現在、彼女たちの意見が今後のメディアを左右するように思う。オンデマンド
でドラマをダウンロードしている彼女たちは、すでにインターネット・メディ
アの何たるかを知っている。

歴史は後戻りはできない。メディアの民主主義化は大衆迎合ともなるだろうが
そこでプロフェッショナリズムがどう生き残るかが問題だ。
└──────────

まったく同感。韓流スターにぞっこんな女性たちにアンケートをとったら、必
ずライブドアに軍配が上がるはずだ。韓国など、すごくインターネットが普及
しているっていうしねえ。

▼インターネットと既存メディアの融合に関して、案外、異民族から黒船の如
く外圧をかけられるかたちではなく、同胞たるホリエモンが、黒船的な役割を
担ってくれているだけ、国家主義者たちは国辱を感じずにすんでいるのかも知
れんよ、フフフ。

                        = この稿おわり =
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