Enviro-News from Junko Edahiro より転載 by 枝廣淳子さん
☆ キューバの知恵 ――――――――――――― 転載:2004/02/13
       ――「Enviro-News from Junko Edahiro」No.946 2004/01/07
      購読は http://www2d.biglobe.ne.jp/~edahiro/enviro/reg2.cgi

お話になった吉田太郎さんは、
『有機農業が国を変えた―小さなキューバの大きな実験』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4906640540/junkoedahiro-22

『200万都市が有機野菜で自給できるわけ
 ―都市農業大国キューバ・リポート』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806712493/junkoedahiro-22

などが書かれています。
  キューバの有機農業サイト
http://members.jcom.home.ne.jp/cuba/

┏━━━━━━━━━━「転載記事ここから」

―――― グローバリズムに抗する国キューバ。

1000万人の人口(1996年統計)を持つキューバは、世界を席巻している
グローバリゼーションとは反対方向にある。この国は社会主義圏の中でグロー
バリゼーションを経験しており、砂糖を生産する代わりにソ連から石油の供給
を受けてきた。

ところが1990年代のソ連崩壊と、アメリカによる経済封鎖はエネルギーの
枯渇を招いた。輸出入の1/3を失い、GNP成長率はマイナス20%=19
93年)に落ち込んでしまう。基礎的エネルギーをどのように賄うかが国家の
存亡をかけた緊急課題となり様々な手を打ち始めた。

「本当に必要なもの以外は消費しない」をスローガンに、これまでエネルギー
を必要としてきた技術を、ローテクノロジーへの転換で補い、節電に努め、自
然エネルギーを導入することで乗り切ったのである。

キューバ国民1世帯当りの消費電力は117KWHに過ぎないが、これはサト
ウキビのバガス=絞りかす)を使ったバイオマス発電、河川における小水力発
電、風車を使った揚水施設や風力発電、太陽光発電、木質バイオマスを供給す
るための「エネルギー林」の造成といった、懸命のエネルギー源開発と共に、
子供に対する環境教育を通じて最小のエネルギー消費で抑えているのである。

エネルギー消費を抑える為に、これまで莫大なエネルギーを投入してきた農業
についても転換が図られた。
トラクターは牛耕に、化学肥料は天敵に、輸入に頼っていた飼料は林間放牧へ
取って代わり、国を挙げて有機農業に取り組み始めたのだ。

このため大規模な国営農場は解体され、独立採算性による小さな組合が設立さ
れ、国民一人一人が農業をできるよう法律が改正された。「人民耕作」は個人
による自給用のコメづくりであるが、日本から最新技術を導入することで収穫
量をアップさせたそうである。ーーその最新技術とは「田植え」であった。

首都ハバナのような大都市では、軍民が協力して空き地を利用した野菜栽培が
始まり、日本で若者を中心にスローフードが持てはやされているが、キューバ
では国を挙げてスローフード運動に取り組み、市内にはベジタリアンレストラ
ンも開店している。

また、政府もエネルギー消費を抑える技術の開発に努めており、高温のため作
物が育たない夏場でも農業ができるよう、温室ならぬ「冷室」が開発されてい
る。
屋根を二重ガラスにして赤外線を吸収するフィルムを貼りつけて中を涼しくす
るのである。研究機関での殺菌装置も熱ではなく圧力で殺菌している。

政府だけでなく、国内に2200あるNGOも、太陽光発電の普及などで活動
している。

こうしたキューバ政府の政策を支えているのは、アメリカから独裁者と忌み嫌
われているカストロ議長の指導力に負うところが大きい。

世界を席巻しているグローバリズムを、あと50年も続かないとし「消費社会
から将来は描けない」と語るカストロ議長は政府の意識改革に取り組み、行政
改革や非効率的な組織の改廃を断行し、エネルギー消費が小さくとも耐えうる
国家を作ったのである。

もちろん共産党による一党支配であるし、住民参加を進めているのは革命防衛
委員会という隣組組織である。国民の平均月収はわずかに20ドルだ。しかし
国民はスローに楽しみながら生きている。それを目にしたとき「幸せとは何な
のか」を考えさせられた。

石油はいずれ枯渇する。そのために戦争が繰り返されているが、キューバは石
油がなくとも国家が立ち行くことを示している。このことは世界において貴重
である。世界のエネルギーは石油に頼っている。原子力が利用できるのも石油
のおかげだ。

日本の農業も、用水の供給や栽培、収穫にエネルギーを費やしており、エネル
ギー収支は投入エネルギーを100%とした場合、約40%に過ぎない。

先進国の農業は非持続可能なものであり、エネルギーが枯渇したら農業ができ
なくなってしまう。
これに対して、江戸時代の農業はエネルギー収支で約250%に達する。

ーー過去に学ぶことは多いのではないだろうか。

┗━━━━━━━━━━「転載記事ここまで」
                        = この稿おわり =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ この記事にお便りを頂きました。
┗━┛
┌──────────「ミカの赤い服さん」

――――「グローバリズムに抗する国キューバ」について

あまりニュースに出てこないキューバの様子が分かり、興味深かったです。
なぜか共産国家の中で、キューバは情報が無かったです。北朝鮮も拉致問題の
後で情報が入り始めましたから。

江戸時代の日本はリサイクル技術が今以上に発達していたと聞いていました。

記事を拝見すると、キューバの思想は江戸時代の日本と似ているようですね。
今みたいに、エネルギー消費に依存した社会は、やはり将来、破綻すると私も
思います。

└──────────「メルマガ(こころに響くことば)」

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
寄稿転載記事集の目次に戻ります

みなさまからのご寄稿をお待ちしています!!
詳しくはこちらを覗いて下さいね〜。







SEO お金 無料レンタルサーバー ブログ SEO