中国レポート ―――――――――― by 平野信幸さん
☆ 反日デモに揺れる?日本 ―――――――――――― 2005/04/25

2005年4月16日、上海で2万人ともいわれる「反日デモ」が行われた。
これは、先週の北京・シンセンのデモに触発されたもので、17日には全国的
な規模にも拡大していった。

デモが行われた上海から17日東京に戻って、一昨年起きた「SARS騒動」
に感じた思いが再び蘇った。それは、あの時と全く同じ状況で、日本の「過剰
反応、報道の異常さ」である。

中国において度々耳にする「過去を忘れる日本人」を、自らが実感している。

昭和44年(1969年)、日本は「70年安保闘争」に明け暮れていた。筆者
自身も高校で禁止されていたが、佐世保米軍基地に向けたデモの中にいた。
「60年・70年安保闘争」はその後の大学運動に過激さを加え「成田闘争」
(昭和42〜60年)や「安田講堂攻防戦」(昭和44年)、そして「浅間山荘事
件」(昭和47年2月)に繋がっていった。

メディアに登場しコメントをする「見識が高いとみられている人々」は、殆ど
50代以上の年齢であり、彼らは自分の「青春の真っ只中」で、あの時を共有
したはずである。その事を「忘却の彼方」に置き去り(葬り)、「暴動・暴徒」
と「一刀両断に切り捨てる!」、そして、中国政府の限界を云々する。

彼等は、「実体験した自分の過去(記憶)」さえ忘れてしまったのか・・・・。

長期に亘ったあの時期の闘争(デモ)に比較したら、今回の中国におけるデモは
「そよ風が吹いた程度」でしかない。むしろ「中国の若者の健全さ」に「爽や
かさ」さえ感じる。(勿論、破壊活動を容認するものではない。・・・自分の
したことは棚に上げて・・・)

「中国人の暴走行為」(他人の息子)を非難する前に、就職も侭ならない日本の
現状に、「無関心で、無気力」な日本の若者(自分の愚息)の異常さに、「重大
な憂い」を持つべきであろう。

理想と現実の狭間で、「不安と葛藤、矛盾に対してやり場のない怒り」を持つ
ことは、人間も社会(国家)も、成熟する過程において通過しなければならない
儀式なようなものではないだろうか。

中国に収入の格差(これがエネルギーにもなる)や、不平等などあることは事実
であるが、それは大なり小なり、どのような国家(社会)においても存在してい
ることである。(全ての人への平等は、努力する人や能力・体力のある人への
不平等に繋がり....そして活力を失う)

大衆の暴走をその時の体制が利用するのは「世の常」であり、それは日本でも
あったことで、特別中国の政権だけがそれを行っている訳ではない。体制の主
体派は、世情の動きを利用して「体制の維持を図り」、反体制派は「転覆を図
る」。これは何時の時代でも行われたことである。
----中国政府は、デモによる一部破壊行為に謝罪をしなかったが、上海市は被
害を被った店舗等に保証をするようである。----

日本の報道は、日本が過去に歩んできた道を忘れ「悪戯に不安を煽っている」
と感じる。過去の「中国レポート」にも書いたことだが、「自分の価値観を押
し付けず、相手の文化を理解し、相手の心情を害する行為をしてはならない」
そのことに、充分な留意を払わなければならない。

複数の報道機関では、今回のデモが「中国では全く報道されていない」とコメ
ントがあった。これはまったくの誤りである。16日夕方には、上海において
(短い時間ではあったが)「デモの様子」が、報道されていた。このような誤報
は、中国の実態を経験することのない日本人に「大きな誤解を、生じさせてい
るのではないか」と懸念される。

今回の「デモ」によって、「中国事業を見直す」のも、「旅行を中止する」の
も、それぞれの企業や個人の価値観によって判断されるものであり、それを外
部の者が云々すべきことではないが、その判断の要件には、正確な情報収集が
肝要であり、報道機関にはその事実を報道する責任がある。

日本の加熱報道によって、日本の友人・知人が安否を心配して、多くの電話や
メールを頂いた。
「上海は、天気曇りなれど、平穏なり」(過剰反応で、徒に騒がないで・・・)

日本における「右翼団体街宣カーの演説」が日本国民の「総意な訳ではない」

―――― 中国の「反日デモ」も同様で、中国人民の「総意な訳ではない!」

                        = この稿おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
↓
◆ この他の「2005年反日騒動」関係記事。

◆ 2005/04/15「中国市井事象的記録:2005反日運動関連の」-- by OJIN
◆ 2005/04/17「深セン反日運動…現地での実感」----------- by HAJIMEさん
◆ 2005/04/20「上海反日デモ..台風の如く通過」------- by 半日半華人さん
◆ 2005/04/22「反日中国の淵源考察(1)」----------------- by gosakuさん
◆ 2005/04/25「反日デモに揺れる?日本」--------------- by 平野信幸さん
◆ 2005/04/27「上海反日デモ..その現場(裏)実情」----- by 半日半華人さん
◆ 2005/05/01「いい加減飽きたよ反日に…うんざり!」----- by HAJIMEさん
◆ 2005/05/23「反日中国の淵源考察(2)」----------------- by gosakuさん
◆ 2005/06/20「反日中国の淵源考察(3)」----------------- by gosakuさん

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┃┃ この記事にご意見や感想を頂きました。
┗━┛
―― 2005年4月30日 平野信幸

4月17日に帰国し、まだ東京に滞在しております。

先日、関西で悲惨的な電車事故があり(犠牲者107人)、それまで「中国での
反日デモ、中国批判」一辺倒だったテレビ報道は、すっかり姿を消してしまい
ました。(犠牲になられました方々のご冥福をお祈り致します。)

「なぜ、デモが起きたのか、起きるのか」
「我が国に問題はないのか」
「今後、どのように付き合うべきか」

本質的議論はされず、今回の「デモ騒動」は「日本と中国の将来に活かされな
いのではないか」と残念に思います。

┌──────────「HAT さん」

―― 平野信幸さんの「半日デモに揺れる?日本」を読んで:
  「きちんと抗議することと、騒ぎ立てることは違います」

「全共闘世代がやったことと比べれば今の中国は」というのは、まことに牽強
付会で、不快であります。
全共闘時代に、実際にやった人々は、ぬけシャーシャーと今も生き延び、やら
れた側や反対していた側が、徐々に控えめに口を開いているのではないでしょ
うか。
中国の若者のことより、日本の若者のNEET現象などが問題であるというのは、
自分の息子が落コボレだから、他人の息子が犯罪を犯しているのを我慢して眺
めていろというのにも似て、おかしいでしょう。

どうしてそこまでして、中国の日本に対する暴行に対してきちんとした対応を
とろうとする行為を、人々を、妨害しようとするのか、意図を図りかねます。
ーーいや、実はハッキリしているのかもしれません。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

HAT さん、お便りありがとうございます。

今回のレポートの何処の部分から「中国の日本に対する暴行に対してきちんと
した対応をとろうとする行為を、人々を、妨害しようとするのか」と、お受け
取りになったのでしょうか。ーーーーその意図は全くありません。

表現力不足により、誤解を生じさせましたとしたら、貧筆故とご容赦下さい。

レポートの本題からは逸脱しますが、
現在、日本には「働く意思のない、ニート」が52万人いるそうです。
(平成17年4月25日付、産経新聞)

ーー彼らは「社会の寄生虫で、許しがたい存在」です。
自分の親だけでなく、先人が営々と築いてきた社会資産も無意味に浪費・消耗
させている。「落ちこぼれ」などと、簡単な言葉で片付けられる問題ではあり
ません。
一生「ニート」でいたとするならば、これは「極めて重大な社会的犯罪行為」
ではないでしょうか。--(その責任は、「ニート」を許しているその親にある)

└──────────
┌──────────「RYO @海外在住さん」

―― 平野信幸さんの「半日デモに揺れる?日本」について:

はじめまして。いつも楽しく拝読させていただいています。

主題の記事について個人的に思ったことがあり、いつもは自分の腹の中に押し
込むのですが、今回はメールしてしまっています。

記事本文内後半に、『複数の報道機関では、今回のデモが「中国では全く報道
されていない」とコメントがあった。これはまったくの誤りである。(中略)
このような誤報は、中国の実態を経験することのない日本人に「大きな誤解を
生じさせているのではないか」と懸念される。』とありますが、

報道機関なんて、所詮このようなものだと思われます。事実だから書けないこ
とはたくさんあるだろうし、本文中にも『体制が大衆を利用することはよくあ
る』的な内容もありますが、報道は体制に利用されるものだとも思われます。

報道機関に対して懸念するだけではなく、報道機関からのニュースを鵜呑みに
しないよう多くの友人や若い世代の人々に訴えていきたい、と個人的には考え
ます。
また、
『今回の「デモ」によって「中国事業を見直す」のも、「旅行を中止する」の
も、それぞれ企業や個人の価値観によって判断されるものであり、(中略)正確
な情報収集が肝要であり、報道機関にはその事実を報道する責任がある。』と
もありますが、
現在の日本において、本当の意味において価値観を持っている個人というもの
が存在しているのでしょうか? そもそも、"考えること"自体ができなくなっ
ている日本人に価値観もクソ(失礼!)もあったものではないと思われます。

また、自分で考えるということをしない人たちにとって、情報収集の大切さな
んて全く理解できないと思われますし、報道機関の責任なんて、一体何人の人
が追及しているのでしょうか?

ニュースの流して手もニュースの受け取り手も、視野が狭いというか、井の中
の蛙というか、まぁ、平和な人たちだということでしょうか?

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

RYO@海外在住さん、お便りありがとうございます。

正にご指摘のとおり、流される報道を鵜呑みにして「思考停止状態」だと私も
感じます。
日本の報道は、時間も内容も見事に統制が取れており、「社会主義国」が目指
した理想的な社会構造になっています。

全て「均一的な発想・行動」を「社会の善」とし、他と違う意見は「徹底的に
非難するか、無視をする」、それが「日本社会の掟」のように感じます。

└──────────
┌──────────「イトーシンタローさん」

そうです、そうです。 以前の日本の学生は元気がありました。最近の学生は
大学ランドで遊び呆けて、歴史も知らない人が多くなっているようです。
ーーーーこれこそ問題です。

中国のデモをしている人も、無知な人が多いように見えますが、元気はありま
すね。変に醒めていないところは、少しだけプラスに評価できますね。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

イトーシンタローさん、お便りありがとうございます。

私の青春時代に、「若いという字は、苦しいという字に似てるわ・・」という
フォークソングがありました。

生きることの「苦しみや矛盾」に悩み、無茶で無謀で、思慮は浅いが、正義感
に燃え、持て余すエネルギーを持っている。
それが「若さの特権」だと思いますが、日本の若者は「良い子で、醒めていま
す」ね。

ーーこれで、良いのでしょうか??「HAJIMEさん」

└──────────
┌──────────「Jan さん」男性@五十代@自営業@神奈川

中国に長くいるとそういう考えになるのですね。
σ(^^);=私)は今度の反日デモは政府黙認だったと思います。

反日でガス抜きしないと不満が政府に向かうわけですから、それを適当に解消
させていると思います。共産主義が破綻した現在、古今東西、国をまとめると
いえば仮想敵国を作ることがイージーであり、日本がスケープゴートになった
だけだと思います。

第一、自国の教科書は後ろ向きの愛国心を煽る欺瞞に満ち溢れさせていながら
日本にケチをつけるとは何事ですか。もっとも、それに同調する愚かな日本人
が多いのも日頃苦々しく思っている一人ですが‥‥。

σ(^^);は中国に対して、いつまでも歴史問題を外交のカードに使うなと言い
たいですね。あれは我々のお爺さんがやったことだが、孫の我々も深く反省し
ていると何度も謝っているではないか、いつになったらまともなお付き合いを
してくれるのかね。ーーこのままでは未来がなくなってしまいます。

それとも、戦争に負けたからいつまでもグズグズ言われなくてはならないのだ
ろうか。
それだったら、もう一回やって勝ったら黙ってくれるのかね、と、ブチ切れそ
うな日本人もいることを中国政府にいいたいですね。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

Jan さん、お便りありがとうございます。

「・・・今度の反日デモは政府黙認・・・」
私もそのように思います。時の政権が民衆の動向を利用するのは、いつの時代
でもあることで、殊更特別視することもないと思います。

「・・・戦争に負けたから..いつまでもグズグズ言われ続けなくてはならない
のだろうか。」
ーーそうですね。私自身は、自分の父親が中国で従軍していたので、「父親の
負の遺産」(まだ健在ですが‥‥)として、グズグズ言われても仕方ないと思っ
ています・・・・。

└──────────
┌──────────「湯浅直昭さん」男性@六十代@神奈川

今般の反日デモに対する中国政府の対応に鑑み、外国企業の対中投資マインド
が如何なるか、又その影響に興味があります。
例の法律制定後、台湾企業の最近の対中投資案件が半減しているようですが、
次の機会に特集して下さい。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

湯浅直昭さん、お便りありがとうございます。

現在、台湾企業関連の情報は持ち合わせおりませんが、機会がありましたら
ご報告致します。今後ともよろしくお願いします。

└──────────
┌──────────「toshirouさん」

このWEB 熱線、有意義で勉強になり、且つ楽しいので、いつも次号配信を心待
ちにし期待して待っています。

今回「反日デモに揺れる」の投稿者、平野信幸氏の記事内容にはすっかり驚き
呆れました。文面から、この投稿者は日本人であるように思えますが、若しそ
うだとすれば将に十人十色と申しますか、ものの見方、考え方誠に様々なこと
を改めて痛感しました。

長期にわたり中国に滞在すると、人によってはこのように、思考回路に変調を
きたす人もあるのかも知れません。

「今回のデモはそよ風が吹いた程度で、中国の若者の健全さにむしろ爽やかさ
を感じる」という発言は、情報を途絶されている中国在住なるが故の発言とは
思ってもみましたが、「日本の報道はいたずらに不安を煽る」との発言から、
領事館の惨状や日本がらみの建物、広告、車などに加えられた被害は充分承知
の上での発言でしょう。

するとこれらは日常茶飯事のものなのか、この程度の被害は当然の報いで、彼
らの今回の行動こそ健全なもので、別段驚くに値しないとでも考えているのか
ーー投稿者の意図が全く理解出来ません。

私も中国が好きで、幾度も一人旅をし、たとえ僅かな期間でも中国人の生活の
なかに飛び込み、それを実感することも一つの楽しみにしています。
今までの多くの旅行で接触した中国人は、幸いだったのかすべて常に友好的で
礼儀正しく、親切に面倒をみてくれ、只の一度も不満を感じたことはありませ
ん。
従って現在「今回の反日デモは中国人民の総意でない」と言われるこの一点だ
けはこの投稿に同感です。

しかし、若い世代は子供の時から反日教育を受けてきており、これまで幾度も
反日デモ暴動を起こしてきました。これらの世代が、今後中国社会の中核をな
し、同様の教育を受けた世代が後続していくとすれば、彼らの、日頃は心の底
に鎮まっている反日意識が、何かの軽い衝撃でも、一気に増幅し噴出する可能
性を考えたとき、将来の日中友好問題にいささかの不安を感じます。

今回のデモを一過性と見過ごすのでなく、どだい無理な話でしょうが、問題の
根源を双方が謙虚に受け止め、将来に向けて少しでも前向きな動きが出ること
を願っています。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

toshirouさん、お便りありがとうございます。
私のレポートに、一箇所でもご賛同を頂きまして恐縮です。

文中にもあります通り、破壊活動を容認してる訳ではありません。「若者特有
の葛藤や矛盾」に対し、行動を起こしたことに対する比喩に過ぎません。今は
中国に居りましても、インターネットで充分に情報は入手できますし、NHK
のBSも視聴しておりますので情報の途絶はありません。

「・・・中国に滞在していると・・・思考回路に変調をきたす・・・」

この点に付きましては、些か疑問を感じます。「日本人は、事に際しかくあら
ねばならない」と、決め付けられているようで・・・・現在の日本人こそが、
不正確な情報によってマスコミに煽られ「マインドコントロール」されている
のではないかと懸念します。

私も、ご指摘されておられますように「問題の根源を双方が謙虚に受け止め、
将来に向けて少しでも前向きな動きが出る」ことを願っています。

└──────────
┌──────────「ひー坊さん」男性@五十代@会社員@広島

いつも、日本贔屓一辺倒な意見の多いこのメルマガで、
久しぶりに冷静で常識的な記事で、読んでいて安心できる。全く同意見です。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

「ひー坊さん」お便りありがとうございます。
私のレポートにご賛同頂き、ありがとうございます。

現在の日本は「平和で、豊かで」、それはそれで幸せなことですが、人は「春
が来れば、冬の寒さを忘れる」ように、満たされ過ぎると「感性が鈍り、保守
的になる」ようですね。

「過ぎたるは、及ばざるが如し(中国の諺だったと思いますが)」どんなに科学
や技術が進歩しても、人の心は殆ど進歩していないような気もします。
あらためて、「先人の言葉と、経験に学ばなければならない」と感じます。

└──────────
┌──────────「レオンさん」男性@三十代@会社員@埼玉

ごめんなさい、勉強不足の私に教えてください。
┌--------
昭和44年(1969年)、日本は「70年安保闘争」に明け暮れていた。筆者
自身も、高校で禁止されていたが、佐世保米軍基地に向けたデモの中にいた。
「60年・70年安保闘争」はその後の大学運動に過激さを加え「成田闘争」
(昭和42〜60年)や「安田講堂攻防戦」(昭和44年)、そして「浅間山荘事
件」(昭和47年2月)に繋がっていった。
└--------

ーー上記事件の時に、
・日本人は友好国の公共施設に対して破壊活動を行ったでしょうか?
・警察なり国家的機関は、その行動を黙認したのでしょうか?
・与えた被害について、政府は無視を決め込んだのでしょうか?

相手国住民と、そこに赴いた自国の民間人とのいざこざ等は国際社会では当た
り前のことでしょう。それは自己責任で語る部分であろうかと思います。
しかし、今回破壊活動にさらされたのは“日本”の施設ではないのですか?

国家が指示した事ではないから、自国民が他国の施設を破壊しても特に咎めな
いのですか?破壊活動にさらされた国のほうが悪いのですか?

街路をシュプレヒコールを叫びながら練り歩く、同じ国民同士の乱闘・・・
そういうものと、今回の“中国人”がした事は同じレベルのことですか?

究極的に言えば、企業や個人の被害なら「当事者間の問題」として国家が知ら
ぬ振りを決め込むことも有りかと思いますが、今回の事はそのような態度で済
む問題ではないと思うのですが・・・
それとも、日本国領事館というのは、どこぞの企業の施設なのでしょうか?

他国内の公式なデモを取り締まることは内政干渉になるでしょうが、自国施設
への破壊活動に対して謝罪を求めるのは、正当な権利であると思います。それ
とも社会主義的感覚では、そういった権利は存在しないのでしょうか・・・。

私が感じている事は、今回の事件で、見るべき場所からズレているのでしょう
か?ーーーそこのところが一番の問題であるのかもしれませんが・・・。

└──────────
 
┌──────────「平野信幸さんから」

「レオンさん」 お便りありがとうございます。

幾つかのご質問を頂きましたが、私が今回のレポートで焦点を当てましたのは
「日本の報道姿勢と、日本の若者の実態」で、今回の「反日デモ」の暴動行為
や、中国政府の責任につきましては一般的な認識と変わりません。

「安保闘争」につきましては、35年以上も前のことであり、記憶に自信があ
りませんので下記のHPをご参照下さい。
http://www.asahi-net.or.jp/~gr4t-yhr/zennen.htm

少ない記憶を辿っての思いはレポートにも書きましたが、その規模と激しさは
比較にならないものです。(そよ風と台風ぐらいの違い)今回の「反日デモ」を
「破壊活動」と表現されていますが、その表現の次元に合わせるならば「安保
闘争」は「絨毯爆撃」程度の違いがあります。

「佐世保、反米デモ」において最も激しかったデモでは、「全学連の人数」と
それを阻止する「機動隊の人数」はほぼ同じ数で、そうしなければ、制圧でき
ない程の過激な運動でした。

あの頃、日本は戦後復興を成し遂げ、他国(主にアメリカ)の援助なしでも一人
立ちできるようになった時でした。戦後の復興は「アメリカからの大きな援助
によって成し遂げることができた」のは事実であり(勿論、国民の努力もある)
そのアメリカに対するあの過激な「反米運動」には、アメリカ政府(国民)はど
のような気持ちであったか、現在の日本の比ではないと思います。
----当時の「反米運動」には、ベトナム戦争反対への運動も絡んでいましたか
ら、単純な対比は難しいのですが・・・・。

「反米運動」で危険にさらされたアメリカの大使(要人?--定かではない)は、
米軍のへりで避難せざるを得ない事態になったことも記憶にあります。

年間100日近くデモが行われていた年もあり(日本の全国各地で行われた)、
規模も20万人以上の時もあったと思います。その中心は、大学生と労働組合
そしてその運動に賛同した一般市民でした。

過激なグループの中には、特定の政治団体(政党)の別働隊だったところがあっ
たことも周知の事実でした。政治団体がデモを指導(計画)し、社会不安を煽り
利用してきたことは明らかな事実で(それも僅か30数年前の事)、その事を忘
れ、「中国政府が、中国共産党が、一党独裁が・・・」と非難する日本社会や
報道の姿勢に極めて大きな不快感を感じます。

思想・信条の違いはあっても、あの「安保闘争」を計画し、参加したのは(私
も)日本人であり、それを一時的であっても支持したのは日本社会そのもので
あったことを我々は思い出すべきです。

あの時、「反米デモ」に参加した人々が、あれほどの激しい「反米主義者」で
あったのかは大きな疑問でもあります。(経験者として・・・)
ーー今回の「反日デモも同様ではないか」と、推測します。

「安保闘争」は、あなたの生まれた年代と重なりますが、このことを「知らな
い、知らせない」「日本社会・報道、そして50代以上の年代の人々」に大き
な責任があるのでしょう。
その意味でも、「あの時代を経験した報道関係者が犯した罪」が、最も大きい
のではないでしょうか。

日本が過去に学ぶことを忘れなければ、今回の「反日デモ」においても「あれ
ほどの動揺も、中国非難も生じることはなかった」ーーーと私は思います。

└──────────
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